数学II / 三角関数
扇形の弧長と面積
問題
半径 、中心角 の扇形の弧の長さ と面積 を求めよ。
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中心角がラジアンで与えられたときの弧の長さ・面積の式を思い出そう。どちらも半径と中心角だけで書ける、度数法の公式よりずっと短い形だった。
解答・解説
方針
弧度法だと、扇形の弧長と面積の公式がとても簡単になる。中心角(ラジアン)を として、、。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 ラジアンを使うと、扇形の公式は驚くほど簡単になる。
も も出てこない。掛け算だけ。
弧の長さ。
面積。
には、必ずラジアンを入れる。 度()を代入すると、まったく違う値になってしまう — 公式が使えるのはラジアンのときだけだ。
この簡潔さが、ラジアンを使う理由の つである。
弧長は
面積は
発展 — 一歩先へ。 扇形の公式 は、回転運動の物理でそのまま使われる。
角速度 (オメガ、 秒あたり何ラジアン回るか)で回る物体を考えよう。時間 秒で回る角度は 。そのとき、物体が円周上を進む距離は
速さ(距離 時間)は
「速さ 半径 角速度」 — 回転運動の最も基本的な式だ。ラジアンだからこそ、この式がこんなに簡単になる(度で測ったら、 が紛れ込む)。
この式の意味を、身近な例で。
メリーゴーラウンド。 内側の馬も外側の馬も、同じ角速度 で回る( 周する時間が同じ)。しかし外側( が大きい)のほうが、速さ が大きい — だから外側のほうがスリルがある。
レコード盤・ハードディスク。 中心に近いデータと外周のデータでは、読み取りヘッドに対する相対速度が違う。CD が「一定の速さでデータを読む」ために、回転数を場所によって変えているのは、この式のせいだ。
地球。 赤道上の人( 最大)は時速 km で東へ動いている。北極点の人()はその場で回っているだけ。同じ角速度でも、緯度で速さが違う。(ロケットを赤道近くから東向きに打ち上げるのは、この初速をタダで貰うためだ。)
という、扇形の弧の長さの式。 それが、回る世界のすべてを記述している。
、
別解
公式を忘れても、「円全体の何分のいくつか」で考えれば必ず解ける。 小学校の考え方に戻るルートだ。そして、面積のもう つの公式も紹介する。
割合ルート: 円全体の何分の か。
中心角 は、 周()の何倍か。
円全体の である。( は の — 度で考えても同じ。)
あとは、円全体の弧(円周)と面積を 倍するだけ。
弧の長さ: 円周は 。その は
面積: 円の面積は 。その は
公式ルートと同じ答え。 小学校で習った「扇形は円の一部」という感覚だけで解けた。
公式が不安なときは、この割合ルートに戻ればよい。 遠回りだが、絶対に間違えない。
さて、扇形の面積には、もう つ美しい公式がある。
「弧の長さ 半径 」。 今回の値で確かめると
この式、何かに似ていないだろうか。
そっくりだ。
偶然ではない。 扇形を、中心から放射状に細かく切り分けてみよう。細い扇形は、ほとんど三角形に見える(底辺 弧の切れ端、高さ 半径)。
その面積を全部足すと
扇形は「無限に細い三角形の集まり」だった。
この発想 — 曲がったものを、まっすぐなものの集まりで近似する — が、積分の原点である。 アルキメデスは 年前、この考え方で円の面積 を導いた(円は「中心角 の扇形」だから、 ✓)。
つの公式(、、)は、すべてつながっている。 を に代入すれば — つ覚えれば、残りは作れる。
ポイント
- ラジアンなら 、。
- とも書ける(弧長を使う形)。
よくある間違い
- 公式に度()を代入してしまう(ラジアンを入れる)
- 面積の公式で を忘れる()
- 弧の長さの公式に を使ってしまう( で、 は1乗)