数学II / 三角関数

加法定理

★ 基礎加法定理

問題

加法定理を使って、 の値を求めよ。

ヒントを見る

を、値を知っている つの角の和(または差)に分解する。分解さえできれば、指定された加法定理の出番。

解答・解説

方針

を、値のわかる2つの角の和()に分ける。加法定理 を使う。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 は特殊角ではない。しかし、特殊角の"和"に分解できる。

分解できたら、加法定理の出番だ。

知っている値を入れる。

「知らない角を、知っている角の和・差に分解する」 — これが加法定理の使い方だ。

の足し引きで作れる角なら、すべて値が求まる。

定理加法定理

とみて代入する。

各値を入れる。

発展 — 一歩先へ。 加法定理は、三角関数のすべての公式の親である。ここから、ほとんどが導ける。

倍角( とするだけ):

半角( 倍角を逆に解く):

倍角( と分けて、加法定理を 回):

和と積の公式(加法定理を足し引きする):

合成():

これも加法定理の逆読みである。

公式集にずらりと並ぶ三角関数の公式。その 割が、加法定理から出てくる。

だから、覚えるのは加法定理だけでよい。

( の符号が"逆"になるのが唯一の注意点。)

そして、加法定理の本当の正体は「回転の合成」である。

複素数で書くと、驚くほど簡単になる。

回転してから 回転すれば、 回転」 — 当たり前の事実だ。

これを の形で書き直すと

左辺を展開して、実部と虚部を比べると — 加法定理そのものが出てくる。

あの複雑な公式は、「回転を 回すると、角度が足される」という当たり前を、実部と虚部に分けて書いただけだった。

複素数を学ぶと、三角関数の公式が"当たり前"に見えてくる。 数Cで、その景色が待っている。

別解

半角の公式でも解ける。 そして、そこで現れる二重根号を外す練習ができる — 一石二鳥のルートだ。

半角ルート: の半分。

とすると、

(第 象限なので負)を代入する。

平方根をとる。 は第 象限なので

二重根号が出た。 このままでは、加法定理の答え と同じに見えない。

二重根号を外す。

コツ: 中身を と書き直す(分母分子を 倍)。

を、 の形にする。 足して 、掛けて になる 数は

きれいな平方になった。

したがって

加法定理の答えと、完全に一致した。

つのルートの比較。

加法定理 半角の公式
手間 少ない(代入するだけ) 多い(二重根号を外す)
使える角 の和・差で作れる角 半分になる角(なんでも)

この問題では加法定理が圧倒的に速い。 しかし ()のような角は、加法定理では作れない — 半角の公式でしか求まらない。

道具は、使い分けるためにある。

検算しておこう。

は、 に近い値のはず は妥当 ✓

そして、面白い確認をしておこう。

(、余角の関係。) だから も、同じ値 である。 つ求めれば、 つ分かる。

ポイント

  • 特殊角の和・差に分けて加法定理。

よくある間違い

  • 加法定理を としてしまう(そんな公式はない)
  • の組み合わせを取り違える
  • の計算を誤る、または通分でつまずく