2次方程式・2次不等式の解説

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日

2次方程式・2次不等式は、前の単元「2次関数」の続きです。放物線と 軸の位置関係を、方程式の解の個数、不等式の解、そして「解の配置」という3つの言葉で言い換える単元だと考えると、全体が1本につながります。この記事では、その言い換えの対応表と、場合分けで迷わないための手順を説明します。

判別式は「頂点の高さ」のこと

2次方程式 の判別式 は、放物線 軸の共有点の個数を教えてくれます。 で2点、 で接する、 で共有点なしです。

これは新しい知識ではなく、平方完成すると頂点の 座標が になる、という事実の言い換えです。 のとき、頂点が 軸より下にあれば()2点で交わり、上にあれば()交わりません。判別式と実数解の個数放物線とx軸の共有点を並べて解くと、この対応が見えます。

2次不等式はグラフで読む

2次不等式 の解は、「グラフが 軸より上にある の範囲」です。因数分解して 軸との交点を求め、放物線の向き(下に凸か上に凸か)を確認し、上にある部分を読む、という3手順で解けます。

の場合は、交点が1つまたは0なので、解が「 1点を除く全部」「すべての実数」「解なし」のどれかになります。ここで機械的に公式を当てると間違えるので、必ずグラフを描いてください。2次不等式(D=0・D<0の場合)と標準の同じ型は、このケースだけを扱います。

「すべての実数 」という条件(絶対不等式)は、「放物線全体が 軸の上にある」と読み替えて、 かつ です。絶対不等式から標準の同名の問題、応用の区間内のすべての x で成り立つ不等式へ進むと、「すべての実数」が「ある区間のすべて」に変わったときに、頂点の位置で場合分けが要ることがわかります。

解の配置は3点セット

「2次方程式が異なる2つの正の解をもつ条件」のような問題を解の配置といいます。この型は、グラフを描いて「判別式・軸の位置・端点での符号」の3つを確認する、という手順で解きます。

異なる2つの正の解なら、、軸 の3つです。1つが正で1つが負なら、 の1つで足ります(端点で符号が変わるなら、判別式も軸も自動的に満たされるからです)。「1を挟む2解」なら です。この「3点セットが要るのか、端点の符号だけで足りるのか」の判断が、この型の急所です。解の配置(異なる2つの正の解)から標準の1を挟む2解、応用の負の2解・区間で分離された2解、難関の区間に少なくとも1つの解をもつ条件へと、条件の組合せを増やしていってください。

つまずきやすいところ

最も多い誤りは、文字係数の2次不等式で の係数が0や負になる場合を見落とすことです。 が文字なら、 で1次不等式になり、 で放物線が上に凸になります。標準の文字係数の2次不等式(場合分け)と応用の解の形の場合分けで、この3つの場合を必ず書く練習をしてください。

次に多いのが、2次不等式の解と2次方程式の解を混同することです。方程式の解は「点」で、不等式の解は「範囲」です。「 を解け」に「」と答える誤りは、グラフを描く習慣で防げます。

整数解の個数を数える問題(応用の2次不等式の整数解がちょうど3個となる条件)では、範囲の端が整数を含むかどうかで個数が変わります。数直線に境界を書き込んで、端を1つずつ確かめてください。

学習の順序

基礎12問は、因数分解と解の公式による解法、判別式、文字係数の条件、共有点、2次不等式の基本、 の場合、連立、絶対不等式、放物線と直線、解の配置、文章題の順です。標準12問は同じ型を条件を足して繰り返し、応用8問で共通解、解の配置の発展、整数解、区間での不等式、絶対値を含む方程式の解の個数を扱います。

前の単元の平方完成と、数と式の因数分解が前提です。因数分解で手が止まるなら、そちらの基礎に戻ってください。

共通解と「主役の交代」

2つの2次方程式が共通の解をもつ条件(応用の2つの2次方程式の共通解)は、共通解を とおいて2つの式に代入し、辺々を引いて次数を下げる、という手順です。引き算で2次の項が消えれば、 が1次式で求まります。「共通解を文字でおく」が最初の一手です。

パラメータ を含む不等式が「すべての で成り立つ」条件では、 を主役にして場合分けする代わりに、 を主役にして「 についての条件」を読む方法があります。「 の2次不等式」を「 の1次不等式」とみると、場合分けが消えることがあります。この「主役の交代」は、最難関編のパラメータの全称条件と主役の交代で扱う、難関大の頻出の考え方です。

「解の存在」を判別式だけで判断しない

判別式は「実数解があるかどうか」を教えますが、「解が正か負か」「区間の中にあるか」は教えません。解の配置の問題で、判別式だけを条件にして答えるのが、この単元で最も多い誤りです。「判別式・軸・端点の3点セット」を、グラフを描いて確認する習慣をつけてください。逆に、端点で符号が変わる場合(「1を挟む2解」など)は、 だけで足りて、判別式も軸も自動的に満たされます。この「3点セットが要るか、1つで足りるか」の判断は、標準の1を挟む2解と難関の2つの解が1をはさむ条件で練習できます。

入試での出方

入試では、解の配置と絶対不等式が、他の単元と組み合わさって出ます。三角関数を置き換えた2次方程式の解の条件(数学II)、対数を置き換えた不等式(数学II)、複素数の解と係数の関係(数学II)など、置き換えたあとの「 の範囲での解の配置」に帰着する問題が多く、この単元の3点セットが直接使われます。実戦編のsinθ, cosθ を2解とする方程式円の条件のもとでの2次式の最大・最小は、その先取りです。

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