数学I / 2次方程式・2次不等式

2つの2次方程式の共通解

★★★ 応用共通解2次方程式

問題

を定数とする。2つの2次方程式

がただ1つの共通の実数解をもつとき、 の値とその共通解を求めよ。

ヒントを見る

共通解を とおき、両方の式に代入。2つの式を辺々引くと が消えて の1次式になる — そこから 。求めた を戻して を決め、本当に共通解か(実数解をもつか)必ず吟味する。

解答・解説

方針

『共通解』とは、2つの方程式の両方を満たす のこと。それを とおいて、両方の式に代入する。すると についての2つの式ができる。

この2式を辺々引くと、 の項が消えて の1次式になり、 が求まる。求めた を元の式に戻して を決め、最後に本当に共通解になっているか確かめる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「共通解」は、まず名前をつける。それを とおく。

は両方の式を満たすから、 つの式に代入すれば、 の連立に変わる。

ここで つの式が、 の係数まで同じことに注目する。

辺々を引けば 次の項が消え、 次式に落ちる。「引き算で次数を下げる」のが急所だ。

xyO共通解 x = 1−2
k = −2 のとき: y = x² − 2x + 1 と y = x² + x − 2 は x = 1 を共通の解にもつ
重要共通解を とおき、両方の式に代入して辺々引くと が消える

① 共通解を とおいて、両方の式に代入する。 共通解を とおくと、両方の式を満たすので

② 辺々引いて、(と )を求める。 2つを辺々引くと、 が消えて の1次式になる。

ここから または

の各場合を吟味する(実数解をもつか)。 のとき、元の方程式は両方 になるが、判別式が

で実数解をもたない。だから は不適。

のとき、 を1つ目の式 に入れると 。このとき2つの方程式は

となり、確かに が共通解(ただ1つ)。よって

まとめ:共通解は『 とおいて両方に代入 → 引いて を求める → を決めて検算』。 のような不適な場合を必ず吟味するのがポイントだ。

発展 — 一歩先へ。 つの多項式が共通解をもつかどうかは、片方からもう片方を引いて次数を下げる操作で、いつでも調べられる。

これは整数の最大公約数を互除法で求めるのと、まったく同じ仕組みだ。多項式どうしにも互除法があり、共通因数( 共通解)を割り出せる。

一般には、 つの多項式が共通解をもつ条件は「終結式」と呼ばれる式が になること、とまとめられる。ただし共通解が実数かどうかは別に確かめる必要がある。実際この問題でも、 は複素数の共通解しか生まないので外れた。

、共通解は

別解

別解 — 文字 を消してしまう(得意な人向けの視点)。 を引き算で消す本解とは逆に、こんどは定数 のほうを消す。

つ目の式 について解くと 。これを つ目の式 に代入する。

つまり 、すなわち 。実数解は ただ つだ。

に戻すと

を消すと、共通解の候補が という気持ちのよい形で つに定まる。場合分けや吟味をせずに、、共通解 という本解と同じ答えに届く。

ポイント

  • 共通解を とおいて両方の式に代入する
  • 2式を引くと が消えて が求まる
  • 求めた が実数解をもつか、共通解が正しいか検算する

よくある間違い

  • 辺々引いて出た から を吟味せず、実数解をもたない場合を答えに残す。
  • 共通解 を片方の式にしか代入せず、もう片方との整合( の値)を確かめないまま進む。
  • を求めて満足し、元の 式に戻して本当に が共通解か検算しない。