数学I / 2次方程式・2次不等式
文字係数の2次不等式(解の形の場合分け)
問題
を実数の定数とする。 の不等式
を解け。
ヒントを見る
因数分解 。交点は と だが、どちらが大きいかは差 の符号で決まる。その符号で場合分けし、内側()の向きを書く。一致する()ときは解なし。
解答・解説
方針
を因数分解すると 。解は交点 と の内側。
と のどちらが大きいかで、内側の書き方が変わる。 の符号で大小が決まるので、・・・ で場合分けする。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 因数分解すると、交点は と の つだ。
ただし、どちらが大きいかは の値しだいで変わる。大小の分かれ目は差 の符号、つまり が境界になる。
しかも となる では、 つの交点が重なって「内側」が消え、解なしになる。
そこで 、、 といった場合分けの地図を先に描く。そのうえで、各区域を つずつ処理していく。
因数分解する。
よって
交点は と 。 は内側だが、 と のどちらが大きいかで書き方が変わる。大小は差 の符号で決まる。
これが正( または )なら 、負()なら 、0( または )なら一致。場合分けする。
または :
:
または : 交点が一致し で
まとめると
まとめ:文字係数の2次不等式は、交点( と )の大小がわからないので場合分け。大小は差の符号 で判定し、一致するとき()は解なし、と押さえる。
発展 — 一歩先へ。 文字係数の不等式は、パラメータ の直線を「解の様子が同じ区域」に切り分ける地図づくりだと見るとよい。
境界になるのは、 つの交点が重なる 。ここでは解の区間がつぶれて消える。方程式でいえば重解になる瞬間で、いわば解が生まれたり消えたりする分岐点だ。
その境界をまたぐと、解の向きまで入れかわる。 だった区間が、 では と左右逆になる。パラメータを 本の軸として眺め、どこで質が変わるかを押さえるのが、文字係数の問題の勘どころだ。
のとき 、 のとき 、 のとき解なし
別解
別解 — と のグラフで大小を読む(苦手な人向けの視覚ルート)。 と のどちらが大きいかを、計算でなくグラフで見分ける。
直線 と放物線 は、 と で交わる。この 点の外側、つまり と では放物線が上にあり 。内側の では放物線が下にあり 。
だから、 を横軸に置いて位置を見れば大小が即座に決まる。 と では 、 では 、 では一致。
あとは が「小さいほうと大きいほうの内側」であることから、 で 、 で 、 で解なし。
差 の符号を代数で調べる本解と同じ結論に、 つのグラフの上下関係から視覚的に着く。
ポイント
- 。交点 と の大小で場合分け
- 大小は差 の符号で判定
- 交点が一致()するとき で解なし
よくある間違い
- と の大小を確かめないまま、つねに と書いて の向きを誤る。
- 交点が一致する を見落とし、「解なし」の場合を答えに入れ忘れる。
- 負の数を扱う で、 の位置関係を取り違え、 と上下を逆に書く。