数学I / 2次方程式・2次不等式
2次不等式(D=0・D<0の場合)
問題
次の2次不等式を解け。
(1)
(2)
(3)
(4)
ヒントを見る
因数分解や平方完成で、グラフが 軸とどう接するか見る。 は『 以外すべて』、 は『 の1点だけ』。(交わらない)なら、下に凸は常に正。
解答・解説
方針
(接する)や (交わらない)の2次不等式は、因数分解や平方完成の形から、グラフを思い浮かべて判断する。
は0以上でしかない、 は必ず正(3以上)、というように、平方完成した形が『いつも正/0以上』を教えてくれる。特殊な答え(『◯以外のすべて』『すべての実数』『解なし』)になることを恐れずに。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 や のとき、 次不等式の答えは特殊な形になる。「範囲」ではなく「すべて」「解なし」「 点だけ」だ。
平方完成して、 の値がどこにあるかを見るのが確実。
- (1) — 乗は 以上。 になるのは のときだけなので、それ以外のすべて
- (3) — 最小でも 。常に成立するので、すべての実数
「範囲が出ないと不安」になるが、「すべて」「なし」も立派な答えである。
(1)
なので
2乗は0以上で、0になるのは のときだけ。(0より大きい)を満たすのは、 以外のすべての実数。
(2) なので
2乗は0以上なので、(0以下)になるのは のときだけ。
(3)
平方完成すると
なので、これは必ず3以上、つまり必ず正。 はいつも成り立つので、答えはすべての実数。
(4) 平方完成すると
これは必ず4以上で、必ず正。(0以下)になることはないので、解なし。
まとめ: の2次不等式は、平方完成して『いつも正か・0になるのはどこか』を見る。答えが『◯以外のすべて』『すべての実数』『解なし』になるのが特徴だ。
発展 — 一歩先へ。 (3)の「すべての実数で 」は、絶対不等式と呼ばれる。 かつ下に凸 — この 条件が「常に正」の正体だ。次の問題では、この条件を逆に使って の範囲を求めることになる。
の場合の答え( のみ、 以外のすべて)は、「範囲」ではなく「点」で答えるという珍しい形。 次不等式の解が「 点」や「 点を除く全体」になることがある — この可能性を知らないと、答えが出せずに固まってしまう。答えの形が 通りある(範囲・外側・すべて・なし・ 点)ことを、あらかじめ知っておくのが大事だ。
(1) 以外のすべての実数 (2) (3) すべての実数 (4) 解はない
別解
問の答えを、判別式と不等号の組み合わせ表で整理すると、丸暗記なしで導ける( の係数が正の場合)。
| の解 | の解 | の解 | の解 | |
|---|---|---|---|---|
| ( 交点 ) | 外側 | 外側(端含む) | 間 | 間(端含む) |
| (接する、重解 ) | 以外すべて | すべて | なし | のみ |
| (交わらない) | すべて | すべて | なし | なし |
(1) : (重解 )、不等号 → 以外のすべて ✓
(2) : (重解 )、不等号 → のみ ✓
(3) : 、不等号 → すべての実数 ✓
(4) : 、不等号 → 解なし ✓
表の の行が、いちばん間違えやすい。 は「 より大きい」なので ( 乗が になる)だけが除外される — 「すべて」と答えると を含んでしまい誤りだ。等号の有無で答えが変わる、繊細な行である。
の行は「グラフが 軸に届かない」= の符号が一定 — だから答えは「全部」か「なし」の 択にしかならない。グラフの絵を思い浮かべれば、表は覚えなくても再現できる。
ポイント
- を使い、平方完成の形で判断
- は 以外、 は だけ
- は必ず正 → はすべての実数、 は解なし
よくある間違い
- を『すべての実数』としてしまう( を除く)
- 『解なし』や『すべての実数』を答えにできず、無理に範囲を出す
- (2)の を と読み違えて「解なし」とする( の 点が解)