数学I / 2次方程式・2次不等式

パラメータの全称条件と主役の交代

最難関編全称条件1次関数の端点

問題

を満たすすべての に対して

が成り立つような の値の範囲を求めよ。

ヒントを見る

「すべての 」— 動くのは なのだから、式を の関数として見直すとどう見えるか。 の1次式が区間 でずっと負になる条件は、たった2か所の値で決まる。

解答・解説

方針

x でなく t を主役に持ち替える: 左辺は t について1次式 g(t)=(x−1)t+x²−2。1次式が区間全体で負 ⟺ 両端で負、なので条件は g(0)<0 かつ g(1)<0 の2本に潰れる。最後に2つの範囲の共通部分をとる(端点の大小比較つき)。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 変数が2つあるときは「動く方を主役にする」。この問題で動くのは だ。そこで左辺を の式として読み直す:

なんと の1次式である。1次式のグラフは線分だ。だから、区間 全体で負になる条件は「両端 で負」のたった2本に潰れる。係数 の符号で場合分けする必要すらない。

あとは2つの2次不等式の共通部分を取るだけ。仕上げに端点どうしの大小()を比べて完答だ。

重要主役の交代: 「すべての 」は の関数として読む。1次式が区間全体で負 ⟺ 両端で負(線分は端で押さえられる)

① 両端の条件に潰す。 の1次式(定数の場合も含む)。だから 全体で かつ :

② それぞれ解く。

③ 共通部分をとる(端点の比較)。 左端は の比較。大きい(内側にある)のは だ。

右端は の比較。 を2乗して比べると、 だから 。よって で、こちらが内側。以上より

x0−√2(−1+√13)/2x²<2x²+x−3<0共通部分
中段: x²<2、上段: x²+x−3<0、最下段(赤)が共通部分。左端は −√2 が内側、右端は (−1+√13)/2 ≈ 1.30 が √2 ≈ 1.41 より内側に食い込む

まとめ: 「すべての 」型は、 を主役にした瞬間に次数が下がる。そして端点だけの条件に潰れる。主役の交代はパラメータ問題の第一の武器だ。仕上げの根号の大小比較(2乗して比べる)まで含めて、数Iの道具の総動員になっている。

別解

線分の絵で「両端だけでよい」を見る(直感ルート)。 を1つ止めるごとに、 のグラフは - 平面の線分になる()。

まっすぐな線分が、区間全体で軸より下にある。それは「両端が下にある」ことと同じだ。まっすぐだから、途中だけひょっこり上に出ることはできない。

tzOx=1x=1.351
g(t)=(x−1)t+(x²−2) のグラフは線分。x=1(青)は両端とも負で全域成立。x=1.35(赤)は右端 g(1)>0 — 線分が軸の上に顔を出して破れる

たとえば なら (定数)。線分は高さ の水平線で、ずっと負。条件成立だ。

だとどうか。 だが、。線分の右端が軸の上に出てしまい、 が1に近いところで不等式が破れる。

「すべての で成立」とは、この線分を軸の下に閉じ込めること。そう目で理解できる。

ポイント

  • の1次式 と読み替える。
  • 区間全体で負 ⟺ かつ
  • 端点比較 で共通部分を確定。

よくある間違い

  • の2次不等式として ごとに解こうとして、場合分けが際限なく増える。動く文字()を主役に持ち替えれば1次式になる。それが突破口。
  • 「すべての 」を「ある 」と読み違えて、 または (和集合)を取ってしまう。全称条件は「かつ」(共通部分)。
  • 端点の大小()を比べずに共通部分を書く。根号どうしの比較は、2乗の比較()まで詰めて確定させる。