数学I / 2次方程式・2次不等式
区間内のすべての x で成り立つ不等式
問題
を実数の定数とする。 を満たすすべての実数 に対して
が成り立つような の値の範囲を求めよ。
ヒントを見る
『区間のすべての で 』=『区間での最小値 』と読みかえる。軸 が区間の左外・中・右外で最小の場所が変わるので3場合に分け、各場合で『最小値 』を解いて合わせる。
解答・解説
方針
『 のすべての で 』は、その区間での の最小値が正であればよい。区間全体が正 = いちばん低い所でも正、だからだ。
は軸 が動くので、3場合分けで最小値を求め、各場合で『最小値 』を解く。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 「区間のすべての で正」は、「区間での最小値が正」に言い換えられる。
いちばん低い所さえ正なら、区間全体が正だからだ。無限個あった条件が、最小値 点の条件に圧縮される。
この は軸 が動く。だから最小値をとる場所が、軸の位置によって変わる。
軸が区間の左外・中・右外のどこにあるかで場合分けし、それぞれの最小値が正になる を求めていく。
『 のすべての で 』は、この区間での の最小値が正であればよい。
、軸 。軸の位置で最小値が変わるので場合分けする。
① 軸が左外(): 最小は 。
と合わせて 。
② 軸が範囲内(): 最小は頂点 。
から 。 と合わせて 。
③ 軸が右外(): 最小は 。
これは と矛盾するので、この場合は解なし。
①②を合わせて
まとめ:『区間のすべての で正』は『区間での最小値 』と読みかえる。軸が動くので、最小値を場合分けで求め、各場合で最小値 を解いて合わせるのがコツだ。
発展 — 一歩先へ。 「すべての で 」の否定は、「ある で 」だ。全称()と存在()は、否定でちょうど入れかわり、不等号も同時に反転する。
だから「区間に となる がある」条件を求めて、その残り(補集合)をとっても、同じ答えに着く。
定義域を広げると条件は厳しくなる。もし「すべての実数 で正」なら判別式 で 。区間を に狭めた分だけ条件がゆるみ、 まで広がる。見張る が少ないほど、成り立たせやすいわけだ。
別解
別解 — 端点で候補を絞り、頂点で十分性を確かめる(得意な人向けの視点)。 場合分けを最小限にする道を通る。
まず必要条件から。区間 のすべてで正なら、当然その端 でも正だ。 から 、 から 。この つだけで、候補は に絞られる。
あとはこの範囲で、区間の途中に が 以下へ落ちる場所がないかを確かめれば十分。下に凸だから、危ないのは頂点が区間に入るとき、つまり の場合だけだ。
そのときの頂点の高さは
では 、 だから 。頂点も沈まない。
よって候補 がそのまま答え。端点を必要条件に使って範囲を先に絞り、頂点で十分性を裏づけると、 つの場合を並べる本解より軽く に着く。
ポイント
- 『区間のすべての で 』⇔『区間での最小値 』
- 軸が動くので、最小値を3場合分けで求める
- 各場合で『最小値 』を解き、場合の条件と合わせる
よくある間違い
- 「すべての で正」を、端の や だけで判断し、途中の最小値の吟味を飛ばす。
- 軸が動くのに場合分けをせず、頂点 をつねに最小と思い込み、軸が区間の外にある場合を落とす。
- 各場合で出した範囲を、その場合の前提( や )と重ね合わせるのを忘れ、範囲を広げすぎる。