数学I / 2次方程式・2次不等式
判別式と実数解の個数
問題
次の2次方程式の実数解の個数を求めよ。
(1)
(2)
(3)
ヒントを見る
解を求めなくても、個数だけなら判別式 の符号でわかる。・・ が、それぞれ何個に対応するか。まず を計算しよう。
解答・解説
方針
2次方程式が実数解を何個もつかは、解の公式の の中身 (=判別式 )の符号でわかる。
なら が実数で の2解、 なら で重解(1個)、 なら が実数でなく解なし(0個)。 を計算して符号を見るだけ。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 解を求めずに、個数だけを知りたい — そのための道具が判別式だ。
これは解の公式の根号の中身。根号の中が正なら で 解、 なら 解(重解)、負なら平方根がとれず実数解なし。
- → 個
- → 個(重解)
- → 個
計算するのは の符号だけ — 値そのものは要らない。
実数解の個数は判別式 の符号で決まる。
(1) 。
なので実数解は2個。
(2) 。
なので1個(重解)。
(3) 。
なので0個(実数解なし)。
まとめ: の符号を見るだけで、方程式を解かずに解の個数がわかる。 の計算(特に符号)を正確に。
発展 — 一歩先へ。 (2)の — の方程式は必ず完全平方の形になる。「 ⟺ 完全平方」は、因数分解できるかの判定にも使える。
でも「解がない」わけではない — 数IIで虚数を学ぶと、 の方程式にも 個の解(共役な複素数解)があることが分かる。今は「実数の範囲では解なし」と正確に言う必要がある。数の世界を広げると、解の個数の答えが変わる — この事実は、数学が「どの範囲で考えるか」に依存することの好例だ。
(1) 2個 (2) 1個 (3) 0個
別解
判別式の意味は、グラフと 軸の交わり方を見れば絵になる。
の放物線と、 軸()の交点の個数 — それが実数解の個数だ。
- : 放物線が 軸を突き抜ける → 交点 個
- : 放物線が 軸に接する → 交点 個(重解)
- : 放物線が 軸に届かない(浮いているか沈んでいる)→ 交点 個
(3)の を平方完成すると
頂点の 座標が で下に凸 — 谷底が 軸より上に浮いている。だから 軸と交わらず、解なし。 という計算と、完全に同じことを言っている。
の意味は「 の値が常に同じ符号になる( にならない)」ということ。この事実は、次の 次不等式( が常に成立、など)で直接使う武器になる。
判別式は「解の個数」だけでなく「グラフの高さ」を教えている — この翻訳ができると、 次の問題の見通しが一段よくなる。
ポイント
- 実数解の個数は判別式 の符号
- で2個、 で1個(重解)、 で0個
- 方程式を解かなくても、個数だけならわかる
よくある間違い
- の計算で符号( や )を間違える
- を『解なし』としてしまう(重解1個)
- の値を求めるだけで、個数を答え忘れる(問われているのは個数)