微分の考えの解説

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日

微分の考えは、「接線の傾き」を求める操作として微分を導入し、それを使って関数の増減・極値・最大最小、方程式の解の個数、文章題の最適化を扱う単元です。数学IIでは整式(多項式)だけを微分するので、計算は易しく、この単元の本体は「導関数から何が読めるか」にあります。この記事では、微分で読めることを順に整理し、3次関数の扱いで身につけるべき判断を説明します。

微分係数は「接線の傾き」

関数 における微分係数 は、平均変化率 の極限で、グラフ上の点 における接線の傾きです。定義から計算する練習(微分係数(定義)から微分係数(定義・文字))は、数学IIIで再び必要になるので、1度は手で計算してください。

導関数の公式は だけです。積の形は展開してから微分します(標準の積を展開して微分)。

接線の方程式は で、「曲線上の点における接線」なら直接、「曲線外の点を通る接線」なら接点を とおいて、その接線が与えられた点を通る条件から を決めます。接線の方程式と標準の曲線外の点から引いた接線で、この2つの型を区別してください。曲線外の点からは接線が複数引けることがあり、応用の接線が3本引ける条件は、その本数を の3次方程式の実数解の個数として数える問題です。

増減表で極値と最大・最小を読む

の区間で は増加、 で減少します。 となる点の前後で符号が変わるなら、そこが極大または極小です。この情報を増減表にまとめて、グラフの概形を描きます。関数の増減と極値3次関数のグラフの概形で、増減表からグラフを描く手順を固めてください。

閉区間での最大・最小は、極値と区間の両端の値を比べます。「極大値がそのまま最大値」とは限らず、両端のほうが大きいことがあります。閉区間での最大・最小と標準の両端に注意で、必ず端の値を計算する習慣をつけてください。このサイトでは、区間と端点を示したグラフを付けてあります。

「極値をもつ条件」は、 が異なる2つの実数解をもつこと(判別式 )です。「 で極値をとる」なら が必要ですが、これは必要条件なので、求めた係数で本当に極値になるか(前後で符号が変わるか)を確認します。標準の極値をとる条件極値をもつ条件、応用の極値から係数を決定で、この確認を答案に書く型を身につけてください。

方程式の解の個数は「グラフと横線の交点」

3次方程式 の実数解の個数は、 と変形し、 のグラフと横線 の交点の個数を数えれば求まります(定数分離)。極大値と極小値の間に があれば3個、ちょうど極値に等しければ2個、外なら1個です。標準の3次方程式の実数解の個数、応用のパラメータ一般で、この「横線を動かす」見方を固めてください。

文章題は「変数を1つに絞って定義域を確認」

箱の容積や内接する円柱の体積を最大にする問題は、辺の長さや半径を変数 とおいて体積を の3次式で表し、微分して最大値を求めます。ここで最も大事なのは、 の定義域(辺の長さが正、切り取る長さが元の長さより短い、など)を最初に書くことです。定義域の端で最大になることもあります。標準の最大の体積と応用の球に内接する円柱の体積で、定義域を書いてから増減表、という順序を守ってください。

つまずきやすいところ

最も多い失点は、増減表を省略して極値を答えることです。 の解が極値を与えるとは限りません(たとえば ですが極値ではありません)。増減表を書いて符号の変化を確かめる、という手順を省かないでください。

次に多いのが、3次関数の最大・最小で「極大値 = 最大値」と決めつけることです。上に述べたとおり、区間の端を必ず計算します。

学習の順序と入試での出方

基礎12問は、平均変化率、微分係数、導関数、接線、増減と極値、最大・最小、接点、3次関数のグラフの順です。標準12問で曲線外からの接線、接線と座標軸の三角形、係数決定、解の個数、文章題、再交点、不等式の証明を扱い、応用8問で解の個数のパラメータ、極値の差、接線の本数、4次関数、球に内接する円柱へ進みます。

入試では、接線の本数、解の個数、極値の条件が数学IIの微分の3大テーマで、次の単元「積分の考え」の面積計算と組み合わさって出題されます。難関(★★★★)以上には、接線の本数の完全な場合分け、4次曲線の複接線、極値の差が極値点の間隔だけで決まること、3次関数の点対称性など、3次関数の構造を論証する問題を集めました。

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