数学II / 微分の考え

関数の増減と極値

★ 基礎極値増減

問題

関数 の極値を求めよ。

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まず微分して になる を求める。そのうえで の符号の変化を増減表で調べよう — 符号がどう変わるところが極大で、どう変わるところが極小だったか。

解答・解説

方針

となる が極値の候補。 の符号が「正→負」なら極大、「負→正」なら極小。増減表を書いて確かめる。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 極値とは「山の頂上(極大)と、谷の底(極小)」。

そこでは、接線が水平になる。 つまり

段階で進める。

手順1: 導関数を求め、 を解く。

手順2: 増減表を書く。 符号を調べる。

増加 極大 減少 極小 増加

手順3: 極値を計算する。

を解くだけでは終わらない。符号の変化を必ず調べる。

公式 の前後で が正→負なら極大、負→正なら極小

を求めて とおく。

② 符号を調べる。 は下に凸の放物線。 で正、 で負、 で正。

  • :正→負 なので極大
  • :負→正 なので極小
xyO極大(-1,2)極小(1,-2)
y=x^3-3x:極大(-1,2)・極小(1,-2)

まとめ:極値は「 の点で、 の符号が入れかわる所」。正→負は山(極大)、負→正は谷(極小)。増減表か数直線で符号を必ず確かめる。

発展 — 一歩先へ。 極値を求める技術は、最適化という巨大な応用分野の中核である。

「最も良い状態を探す」問題は、すべて「極値を探す問題」に翻訳できる。

  • 利益を最大にする価格は? → 利益関数の極大値
  • 材料を最小にする容器の形は? → 表面積関数の極小値
  • 最も速く着く経路は? → 時間関数の極小値
  • AI の誤差を最小にするパラメータは? → 損失関数の極小値

そして、その解法はいつも同じ。「微分して とおく」。

光の屈折(スネルの法則)も、この原理から導かれる。

フェルマーの原理: 「光は、 点間を最短時間で進む経路を選ぶ。」

空気中と水中では光の速さが違う。最短の距離ではなく、最短の時間になる経路を求めると — 微分して とおくと — 屈折の法則 が出てくる。

光は、微分方程式を解いてから進んでいるかのようだ。

自然界は、しばしば「何かを最小化(または最大化)」している。

  • 石けん膜: 表面積を最小にする(だから球や、あの美しい曲面になる)
  • 蜂の巣: 材料を最小にして最大の容積(正六角形)
  • 物体の運動: 「作用」という量を最小にする経路を通る(最小作用の原理)

物理法則そのものが、「ある量の極値をとる」という形で書ける — これは驚くべき事実だ。ニュートンの運動方程式も、電磁気学のマクスウェル方程式も、一般相対性理論も、すべて最小作用の原理から導かれる。

を解く。 その素朴な作業の先に、「自然はなぜこう振る舞うのか」という究極の問いが待っている。

極大値 ()、極小値 ()

別解

この関数には、隠れた対称性がある。 それに気づくと、計算が半分で済み、答えの検算もできる。

対称性に気づく。

を代入してみる。

奇関数だ! グラフは原点対称である。

この対称性から、何が言えるか。

で極大値 をとるなら、原点対称な位置 では、 の符号が反転して極小値 をとる。

片方を計算すれば、もう片方は"ただで"分かる。

計算量が半分になった。 そして検算にもなる — もし にならなければ、どこかで計算ミスをしている。

グラフの形も、対称性から読める。

  • 左端()から上ってきて
  • ()
  • 下って原点を通り()
  • ()
  • また上っていく

原点を中心に、点対称なS字カーブ — これが 次関数の典型的な姿だ。

そして、 次関数の「極大と極小の関係」には、一般的な法則がある。

次関数のグラフは、必ず"変曲点"に関して点対称である。

の変曲点は?

変曲点は原点だからグラフは原点対称だった。

一般の 次関数でも同じ。 (次の問題)なら、変曲点は その点に関して点対称である(頂点が原点でないだけ)。

この事実の実用的な帰結。

「極大値と極小値の"中点"は、必ず変曲点の高さになる。」

次関数の つの極値と、変曲点は、一直線上に等間隔で並んでいる。

座標でも同じ。 極大の 、変曲点の 、極小の 等間隔

次関数は、変曲点に関して点対称」 — この 文を知っているだけで、グラフの概形が一瞬で描ける。極値を つ求めたら、もう つは対称性から出る。

対称性を見抜くことは、計算を減らし、間違いを減らす。 そして何より、グラフの"かたち"が見えてくる。

ポイント

  • 極値の候補は の解。
  • 符号 正→負 が極大、負→正 が極小。

よくある間違い

  • の解を求めただけで、極値の「値」を計算し忘れる( に代入する)
  • 極大と極小を取り違える(増減表で の符号変化を確認する)
  • となる点が必ず極値だと思い込む(符号が変わらなければ極値ではない)