数学II / 微分の考え

接線の方程式

★ 基礎接線

問題

曲線 上の点 における接線の方程式を求めよ。

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接線に必要なのは『傾き』と『通る点』の つ。傾きは微分係数が教えてくれる。通る点は問題文にある。

解答・解説

方針

接線の傾きは、その点での微分係数。 を求めて傾きにし、点 を通る直線の式を作る。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 接線を決めるには、「傾き」と「通る点」が要る。

通る点は与えられている:

傾きは、微分係数で求まる。

— これが微分の最も基本的な意味だ。

点と傾きが分かれば、直線の式が書ける。

接線の公式として書くと

「点 を通り、傾き の直線」 — 覚えるのは、この 本でよい。

公式 における接線:

① 接線の傾きを求める。 なので、 での傾きは

② 点 を通る直線を作る。

xyO(1,1)
y=x^2 と接点(1,1)での接線 y=2x-1

まとめ:接線は「傾き 、通る点 」の直線。傾きを微分で出して、点を通る直線の式に入れるだけだ。

発展 — 一歩先へ。 接線には、実用的な使い道がある。複雑な関数を、直線で近似することだ。

接線は、その点の近くで、曲線のよい近似になっている。

例: を、電卓なしで計算する。

とする( は分かっている)。

接線による近似。

真の値は 誤差は 未満!

曲線を直線で置きかえただけなのに、驚くほど正確だ。

この「 次近似」は、科学と工学の至るところで使われている。

振り子の運動。 厳密な方程式は解けないが、 と近似する( が小さいとき)と、きれいに解ける — 振り子の等時性が導かれる。

相対性理論。 光速に比べて遅い速度では、 と近似でき、ニュートン力学が復活する — 相対論が古典力学を含むことが、この近似で示される。

機械学習。 損失関数の最小値を探すとき、現在地での接線(勾配)の向きへ、少しずつ進む(勾配降下法)。AI の学習は、 次近似の繰り返しである。

「曲がったものを、まっすぐなもので近似する」 — これが微分の最も実用的な意味だ。

接線の方程式 を求めることは、「放物線を、点 の近くで直線とみなす」という、強力な単純化の第一歩なのである。

別解

微分を使わずに、接線を求める方法がある。 判別式を使う、数Iの発想だ。 つのルートを比べると、「接する」ということの意味が立体的に見えてくる。

判別式ルート: 「接する 重解」を使う。

を通る直線を、傾き として置く。

この直線が、放物線 と"接する"とは、どういうことか。

つの式を連立して、共有点を求める。

「接する」とは「共有点がちょうど つ」 — つまりこの 次方程式が重解を持つということ。

傾きが と決まった。

微分と同じ答え。

この つのルートは、「接する」ことの つの意味を表している。

ルート 「接する」の意味
微分 その点での瞬間の傾きと一致する
判別式 共有点が重なっている(重解)

どちらも正しく、そして同じ答えに着く。

「接する」ことを、代数的に確かめよう。

曲線と接線の差が、 という"完全平方"になった。

この形が「接する」ことの代数的な特徴だ。 だから、曲線は接線の上にあり、 でだけ触れる。

判別式ルートの限界。 この方法は、 次関数にしか使えない( 次以上では、判別式が使えない)。

微分ルートなら、どんな関数でも通用する。 でも でも でも、接線の傾きは である。

これが「微分の発明」の意義だ。

次関数だけの特殊技(判別式)から、すべての関数に通用する一般理論(微分)へ — 数学の進歩とは、こういうものである。

ニュートンとライプニッツが微分を発明する前、接線を引くのは"職人芸"だった。 曲線ごとに、特別な工夫が必要だった。

微分は、それを"機械的な手続き"に変えた。 を計算して、 を代入する — 誰でも、どんな曲線でも、同じ手順で接線が引ける。

「特殊な技巧」を「一般的な手続き」に変える。 それが、数学における最大の発明の形なのだ。

ポイント

  • 接線の傾きはその点での微分係数
  • 接線

よくある間違い

  • 接線の傾きに (関数の値)を使ってしまう(傾きは )
  • の展開で符号を誤る()
  • 接点の座標を代入せず、傾きだけで答えを止めてしまう