数学II / 微分の考え

球に内接する円柱の体積

★★★ 応用最大最小文章題

問題

半径 の球に内接する直円柱のうち、体積が最大のものを求めよ。円柱の高さを とするとき、最大の体積を求めよ。

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球の中心を通る断面図をかくと、球の半径・円柱の底面半径・高さの半分で直角三角形ができる。この関係で変数を つに減らしてから、体積を微分する。

解答・解説

方針

円柱の底面の半径を 、高さの半分を とすると、球に内接する条件から 。体積 だけの式にして、 で最大を微分で探す。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 円柱には底面半径 と高さの半分 つの変数がある。このままでは最大化しにくい。

そこで「球に内接する」条件を使う。球の中心を通る断面で見ると、 が直角三角形をなし、 という関係が 本立つ。

この式で を消せば、体積 だけの式になる。

あとは の範囲で微分して最大を探す。拘束条件で変数を つに減らし、 変数の最大化に帰着する、という空間の最適化の発想だ。

重要内接条件 を使って、体積を 文字()だけの式にする

① 内接条件を立てる。 球の中心から、円柱の上面のふちまでの距離が球の半径 。底面半径 、高さの半分 で直角三角形ができるので

② 体積を で表す。

③ 微分して増減を調べる。

では、 の前後で は 正→負。よって 最大

④ 最大体積を求める。

xyO最大 4π(h=1)
V=2π(3h-h^3)(0<h<√3)。h=1 で最大 V=4π

このとき高さは 、底面半径は

まとめ:立体の最大最小は「拘束条件で変数を つに減らす」のが第一歩。 を消し、 だけの式にしてから微分する。答えは

発展 — 一歩先へ。 半径 の球に内接する円柱の最大体積は、高さの半分が のときにとる。このとき円柱の体積は球の体積のちょうど 倍(およそ 倍)になる。

比が によらない一定値なのは、すべての球が相似で、内接する最大円柱も相似に決まるからだ。 を入れると と本問の答えに合う。

制約つきの最大化は、微分のほかに相加相乗平均やラグランジュの未定乗数法でも解ける。どの方法でも、最適な「高さと半径の比」は同じ値に落ち着く。

(高さ )のとき最大体積

別解

別解 — 拘束条件を角度でパラメータ表示する(得意な人向けの視点)。 球の中心を通る断面で見ると、円柱の軸断面は半径 の大円に内接する長方形(横 、縦 )。この長方形の頂点が円周上を動く、と考えて角度 を導入する。

これなら が自動で成り立つ。体積は

を最大にすればよい。 で微分すると

でこれが になるのは のとき。このとき

体積は を変数にして微分する本解と同じ、高さ ・最大体積 にたどり着く。拘束を角度で表すと を自動的に満たせるのが利点だ。

ポイント

  • 内接条件 で変数を つに。
  • を微分。 で最大

よくある間違い

  • 内接条件を でなく などとし、高さと「高さの半分」を取り違える。
  • 体積の高さを とし、 としてしまう(実際の高さは )。
  • の解 だけ見て、定義域 の端で になる確認を飛ばす。