数学II / 微分の考え
最大の体積(文章題)
問題
辺 の正方形の厚紙の四隅から、 辺 の正方形を切り取り、残りを折り曲げてふたのない箱を作る。箱の容積を最大にする の値と、そのときの容積を求めよ。
ヒントを見る
箱の底面の 辺と高さを で表して、容積を の式にする。微分に入る前に、 が動ける範囲(切り取れる条件)を確認しておくこと。
解答・解説
方針
箱の底面は 辺 の正方形、高さは 。容積 を作り、 の変域()の中で最大を微分で探す。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 文章題の勝負どころは、微分の前にある。「容積を つの文字の式で表す」ことだ。
切り取る正方形の辺 を決めると、箱の形は全部決まる。底面は 辺 の正方形(両側から ずつ消える)、高さは折り上げた 。
もうひとつ忘れやすいのが変域。底面の辺も高さも正でなければ箱にならないから 。この範囲の中で の最大を微分で探す。
① 容積を で表す。 底面は 辺 、高さ 。
② 展開して微分する。 なので 。
③ 変域内で増減を調べる。 では、 の前後で は 正→負。よって で最大。
まとめ:文章題は「量を文字で表す → 変域を書く → 微分して増減」。変域 を最初に決めるのが大事。 は底面がつぶれるので入れない。
発展 — 一歩先へ。 の解は と の つ出るが、 は「切り取ったら何も残らない」箱で、変域の外。式の上の解が現実の解とは限らない — 文章題で変域を最初に書く理由がここにある。
最大のとき、底面 ・高さ 。別解の等号条件 は「高さの 倍 = 底面の半分」という形の釣り合いを言っている。容器の最適設計(缶の表面積最小など)でも、答えはこうした比の釣り合いで表れる — 最適化の答えには、いつも幾何的な釣り合いが隠れている。
のとき最大容積
別解
微分を使わず、相加相乗平均で最大値を射抜く別ルートがある。
。ここで つの数 を見ると、和が
和が一定の正の数たちは、全部等しいときに積が最大になる( 数の相加相乗平均)。積は
等号は 、つまり のとき。 と書き直せるから、最大は 。
ポイントは を と和が一定になるように係数を仕込んだこと。この設計ができれば、増減表なしの一撃になる。
ポイント
- まず容積を の式に。変域も必ず書く。
- 変域の中だけで増減を調べ、最大を選ぶ。
よくある間違い
- 底面の辺を とする(両側から切り取るので )
- 変域 を書かず、 の解 (容積 )まで候補に入れる
- を展開せずに微分できず手が止まる(展開して 次式にすれば通常の微分)