数学II / 微分の考え
3次関数のグラフの概形
問題
関数 の極値を求め、グラフの増減のようすを述べよ。
ヒントを見る
微分して増減表を書く。 の係数が負であることが、グラフ全体の流れ(どちらから来てどちらへ抜けるか)にどう効くかも意識しよう。
解答・解説
方針
の係数が負なので、右下がりが基本の形。 の解と符号から、極小が先・極大が後にくることに注意する。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 — 次の係数が負だ。ここが今までと違う。
手順は同じ。微分して、 とおく。
符号を調べる。 が掛かっているので、符号が反転することに注意。
| 減少 | 極小 | 増加 | 極大 | 減少 |
が極小、 が極大 — 前の問題()とは、逆になった!
次の係数が負だと、グラフの向きが上下逆になる。
① を解く。
② 符号を調べる。 は上に凸。 で負、 で正、 で負。
- :負→正 で極小。。
- :正→負 で極大。。
よって で増加、その外側で減少。
まとめ: の係数が負だと、グラフは「左上から来て・谷・山・右下へ」。 の符号を見れば、極小が先・極大が後にくることが分かる。
発展 — 一歩先へ。 次関数のグラフには、 つの型しかない。判別式で見分けられる。
この 次方程式 の判別式 を見る。
| の解 | グラフの形 | |
|---|---|---|
| 異なる 解 | 極大と極小がある(S字カーブ) | |
| 重解 | 極値なし(変曲点で水平、 型) | |
| 実数解なし | 極値なし(単調に増加 or 減少) |
今回の は
極値が つある ✓ S字カーブだ。
なら、極値がない。
例: → (常に正)→ 単調増加、極値なし。
この判定が、方程式の解の個数の問題に直結する。
「 次方程式 の実数解の個数は?」
グラフ と、水平線 の交点の個数を数えればよい。
の極大値は 、極小値は 。
| の範囲 | 交点の個数 |
|---|---|
| 個 | |
| 個(極大点で接する) | |
| 個 | |
| 個(極小点で接する) | |
| 個 |
極値の値( と )が、解の個数の"境目"になっている。
「 次方程式が 個の実数解を持つ条件」は、( 軸をまたぐ)と書ける。
極値を求める作業が、方程式の解の個数を数える技術に化けた。
微分は、方程式論の道具でもある。 グラフを描くことで、代数的には難しい「解の個数」が、目で数えられるようになるのだ。
極小値 ()、極大値 ()。 で増加、その外で減少
別解
この関数は、前に扱った を"ひっくり返した"ものだ。 そう気づけば、計算せずに答えが分かる。
関係を見抜く。
は、 を 軸で折り返したグラフである( の符号を反転)。
折り返すと、何が起こるか。
山と谷が、入れかわる!
- の極大(、値 )→ では極小(、値 )
- の極小(、値 )→ では極大(、値 )
計算せずに、答えが出た ✓
確かめる。
増減も反転する。
- が増加していた区間( と )→ では減少
- が減少していた区間()→ では増加
「 で増加、その外で減少」 ✓ — 答えと一致した。
グラフの概形。
左端()から下ってきて( が支配的で、 が負なら は正の大きな値 → 左端は上!)
待った。丁寧に見よう。
のとき、(負の 乗は負、それにマイナスで正)。左端は上。
のとき、。右端は下。
つまり「左上から、右下へ」向かうグラフ — 通常の 次関数()とは、逆向きだ。
その途中で、谷()を作り、山()を作って、下っていく。
次の係数の符号が、グラフの"大局的な向き"を決める。
この向きさえ押さえれば、極大・極小の位置関係も自動的に決まる。
- : 増加 → 極大 → 減少 → 極小 → 増加(山が先、谷が後)
- : 減少 → 極小 → 増加 → 極大 → 減少(谷が先、山が後)
「係数の符号を見て、グラフの向きを先に決める」 — これが 次関数を描くときの第一手だ。
そして、対称性を使うと計算が半分になる。
も奇関数である()。だから原点対称 — 片方の極値が分かれば、もう片方は符号を変えるだけ。
「変換で結ばれた関数は、性質も対応する」 — これを見抜けるかどうかが、計算量を決める。
ポイント
- の係数が負 → 全体は右下がり基調。
- 極小(谷)が先、極大(山)が後にくる。
よくある間違い
- の符号を調べるとき、 を掛けることによる符号の反転を見落とす
- 極大と極小を、 のときと同じだと思い込む(3次の係数が負なので入れかわる)
- グラフの向き(左上から右下へ)を確認せず、増減を逆に書いてしまう