整数の性質の解説

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日

整数の性質は、約数と倍数、素因数分解、最大公約数と最小公倍数、余りによる分類、ユークリッドの互除法、1次不定方程式、n進法を扱う単元です。計算はどれも単純ですが、「余りで分類する」「互いに素を使う」といった整数特有の論法は、他の単元にはないもので、入試の証明問題の題材として繰り返し出ます。この記事では、この単元の道具を「数える道具」「分ける道具」「解く道具」の3つに分けて説明します。

数える道具: 素因数分解

素因数分解 ができると、約数の個数は 、約数の総和は と、掛け算で数えられます。約数を1つずつ書き出す必要はありません。約数の個数と総和で公式の意味(各素因数を何個使うかの選び方)を確認し、標準の約数の個数から数を決める、難関の約数がちょうど15個ある最小の整数で逆算の問題へ進んでください。

最大公約数は「共通の素因数を、小さいほうの指数だけ集めた数」、最小公倍数は「すべての素因数を、大きいほうの指数で集めた数」です。2数の積が最大公約数と最小公倍数の積に等しい、という関係は、この定義から出ます。最大公約数・最小公倍数と標準の最大公約数・最小公倍数から2数を求めるで、「( は互いに素)とおく」という定番の置き方を身につけてください。

分ける道具: 余りによる分類

「すべての整数について〜が成り立つ」という証明は、整数を余りで分類して、それぞれの場合に確かめる、という方法で進めます。3で割った余りで分ければ の3通り、4で割った余りなら4通りです。

たとえば「 は6の倍数」は、 と因数分解すると連続する3整数の積になり、連続する3整数には必ず2の倍数と3の倍数が含まれる、という理由で示せます。連続する整数の積と標準のn³−n が6の倍数であることで、この論法を確認してください。

平方数を4で割った余りは0か1だけ、という事実(標準の平方数を4で割った余り)は、「〜という整数は存在しない」型の証明で頻繁に使います。応用の整数解をもたないことの証明は、この余りの制約で解の存在を否定する問題です。余りで分類する証明は、慣れるまでは「何で割った余りで分けるか」で迷いますが、目安は「問題に出てくる数(6の倍数なら2と3、8の倍数なら8)」です。

解く道具: 互除法と1次不定方程式

ユークリッドの互除法は、大きい数を小さい数で割った余りで置き換えていくと、最大公約数が求まる、という手順です。素因数分解が難しい大きな数でも使えます。ユークリッドの互除法で手順を確認してください。

1次不定方程式 の整数解は、まず1組の解を見つけ、それを引き算して の形にし、 が互いに素であることから一般解を書く、という手順で求めます。1組の解が見つからないときは、互除法の計算を逆にたどって作ります(標準の互除法による1次不定方程式の解)。1次不定方程式の整数解、標準の一般解文章題、応用の自然数解の順に進むと、「一般解を求めてから条件で絞る」流れが身につきます。

「分数が整数になる整数を求める」問題(基礎の分数が整数になる条件と標準の同名の問題)は、分子を分母で割って「整数 + 」の形にし、分母が定数の約数になる条件に直します。

n進法と小数

n進法は、各桁が の何乗を表すかを書き出せば、10進法との変換ができます。小数の変換は、整数部分を で割り続け、小数部分に をかけ続ける、という手順です。n進法と10進法の変換と標準の整数と小数で、両方向の変換を練習してください。応用の桁が逆になる2つの記数法は、桁の式を立てて連立する問題です。

分数が有限小数になるか循環小数になるかは、分母(既約にしたあと)の素因数が2と5だけかどうかで決まります。有限小数と循環小数と標準の循環小数を分数で表すで、その理由と変換の手順を確認してください。

つまずきやすいところ

「互いに素」の使い方が、この単元で最も重要で、最も使い忘れる道具です。「 が互いに素で、 を割り切るなら、 を割り切る」という性質が、1次不定方程式の一般解と、多くの証明問題の根拠になります。標準の連続する整数が互いに素であることで、証明の書き方まで含めて確認してください。

余りによる分類では、場合の数が多くなると途中で漏れが出ます。表にして全部の場合を書き、「すべての場合で成り立つ」と締めくくる、という答案の型を決めておくと安定します。

学習の順序と入試での出方

基礎12問は、倍数の判定、素因数分解、約数、最大公約数と最小公倍数、互いに素、余りによる分類、連続整数の積、互除法、不定方程式、分数、n進法、小数の順です。標準12問で証明の書き方と不定方程式の一般解を固め、応用8問で連立した余りの条件、存在しないことの証明、平方数の性質、記数法の応用を扱います。

入試では、整数は証明問題として出ることが多く、余りによる分類、互いに素、背理法(集合と命題)を組み合わせます。実戦編と最難関編には、 の末尾の0の個数、フェルマーの小定理、ペル方程式、メルセンヌ素数と完全数、単位分数の和など、整数論の有名な題材を集めました。

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