数学A / 整数の性質
n³−n が6の倍数であること
問題
を整数とする。 は の倍数であることを証明せよ。
ヒントを見る
を因数分解してみよう。 でくくると… 連続する3つの整数の積が現れる。その中に必ず含まれるものは?( の倍数と の倍数)
解答・解説
方針
を因数分解すると、連続する3つの整数の積になる。連続3整数の中には必ず『偶数』と『 の倍数』があるので、積は でも でも割り切れる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 の倍数は「 の倍数 かつ の倍数」( と は互いに素)。2つを別々に示せばよい。
鍵は因数分解だ。。連続する3つの整数の積になる。
連続2整数には必ず偶数が、連続3整数には必ず の倍数がある。だから積は でも でも割り切れる。因数分解が「構造」を見せてくれる、という体験の問題だ。
まず因数分解する。
これは連続する つの整数の積だ。
連続する つの整数の中には、必ず偶数が(少なくとも1つ)ある → 積は の倍数。また、連続する つの整数の中には、必ず の倍数がちょうど1つある → 積は の倍数。
の倍数でも の倍数でもあり、 と は互いに素だから、積は の倍数だ。
よって は の倍数である。
(『 の倍数 かつ の倍数 ⇒ の倍数』が使えるのは、 と が互いに素だから。 の倍数かつ の倍数でも の倍数とは限らないのと対照的だ。)
発展 — 一歩先へ。 一般に「連続する 個の整数の積は の倍数」が成り立つ(組合せの数 が整数であることと同じ内容だ)。今日の はその の場合である。
は の倍数、 は の倍数。これらも因数分解と余りの分類の合わせ技で示せる、格好の練習台だ。指数と法の間の規則性に気づけたら、フェルマーの小定理という深い世界の入り口に立っている。
は連続する3整数の積で の倍数(証明は解答参照)
別解
因数分解に気づけなくても、余りの分類で力ずくの証明ができる。
で割った余りで、整数を グループに分ける。()の各場合について、 を で割った余りは、 の余りと一致する(展開すると 以外の項は全部 を因数に持つからだ)。
そこで を6通り計算する。
すべて の倍数。よって、どの整数 でも は の倍数だ。
本解の因数分解ルートは「なぜ成り立つか」が見える。分類ルートは、ひらめきゼロでも必ず完走できる。両方持っていると、初見の整除の証明で立ち往生しなくなる。
ポイント
- は連続3整数の積
- 連続3整数には必ず偶数と の倍数がある
- と は互いに素なので、両方の倍数 ⇒ の倍数
よくある間違い
- 因数分解に気づかず、いきなり6通りの場合分けに突入して手間取る(分類でも解けるが、まず因数分解を疑う)
- 「 の倍数かつ の倍数 ⇒ の倍数」の根拠( と が互いに素)を書かない
- 連続3整数に「必ず3の倍数がある」ことを、当然としてよいか迷って止まる(教科書で認められた事実として使ってよい)