運動の表し方の解説
文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月2日
運動の表し方は、物理の最初の単元で、速度と加速度の定義、等加速度直線運動の公式、v-tグラフの読み書き、落体運動、相対速度を扱います。公式は3本しかありませんが、「公式に代入する」のではなく「グラフを描いて読む」ことを身につけるかどうかで、この先の力学の伸び方が決まります。この記事では、v-tグラフを中心にした考え方と、つまずきの場所を説明します。
v-tグラフがすべてを教えてくれる
等加速度直線運動の3公式 、、 は、v-tグラフから読めます。グラフの傾きが加速度、グラフと横軸の間の面積が変位です。1本目は「直線の式」、2本目は「台形の面積」、3本目は1本目と2本目から を消したものです。
このサイトのこの単元は、32問中31問に図を付けてあり、その多くがv-tグラフかx-tグラフです。v-tグラフの読み取り、標準のx-tグラフから v-tグラフへ、3区間の v-tグラフで、「傾きと面積」の読み方を固めてください。x-tグラフの傾きが速度である、という対応も同時に確認します(x-tグラフの読み取り)。
落体運動は「加速度が の等加速度運動」
自由落下、投げ下ろし、投げ上げは、すべて加速度の大きさが の等加速度直線運動です。違いは初速度の向きと大きさだけで、公式は同じです。投げ上げでは、上向きを正にとると加速度は になり、最高点で速度が0になります。自由落下、鉛直投げ下ろし、鉛直投げ上げで、正の向きの決め方と符号を確認してください。
このサイトの数値は、、、(それぞれ1秒・2秒・3秒の落下距離)のように、答えが割り切れるように設計してあります。答えが汚い小数になったら、どこかで数値を取り違えています。
つまずきやすいところ
最も多い失点は、変位と道のりの混同です。投げ上げて戻ってくる運動では、変位は0でも道のりは最高点までの2倍です。標準の変位と道のり(折り返しのある運動)で、v-tグラフの「横軸の上の面積と下の面積」として区別する見方を身につけてください。
次に多いのが、2つの物体の運動を扱うときに時刻の基準をそろえないことです。「1秒後に2つ目の球を落とす」なら、2つ目の球の時刻は です。標準の時間差で落とした2球の間隔、追いつく時刻と位置、自由落下と投げ上げの出会いで、x-tグラフに2本の曲線を描いて交点を読む方法を練習してください。「追いつく」はx-tグラフの交点、「ぎりぎり追いつく」は接点(2次方程式の重解)です(応用のぎりぎり追いつく条件)。
相対速度は「相手から見た自分の速度」で、 です。直線上なら符号つきの引き算で済みます(直線上の相対速度)。平面の相対速度は専門物理の「平面内の運動」で扱います。
学習の順序
基礎12問は、平均の速さと単位換算、x-tグラフ、加速度、3公式、v-tグラフ、落体運動、ブレーキ、相対速度の順です。標準12問で2つの条件からの決定、多区間のv-tグラフ、投げ上げの応用、2物体、斜面、停止距離を扱い、応用8問で気球からの落下、運行の設計、等時間の変位差、重解の物理、記録タイマーの解析、文字式の総合へ進みます。
単位換算( と )は、最初の問題で確実にしておいてください。 という対応を覚えておくと、桁の確認に使えます。
公式を使うか、グラフで解くか
3公式とv-tグラフは、どちらでも同じ答えが出ます。使い分けの目安は、「時間が与えられているか」です。時間 がわかっていれば、公式に代入するのが速いです。時間がわからず、速度と距離だけが与えられているなら、 か、v-tグラフの面積で解きます。
追いつき・出会いのように2つの物体が絡む問題は、公式を2本立てて連立するより、x-tグラフに2本の線を描いて交点を読むほうが、状況を取り違えません。「出会う」は同じ時刻に同じ位置、「追いつく」も同じですが、「追いつけない」場合があるかどうかは、グラフの接点(重解)で判断します。
このサイトの解説では、公式で解く本解と、グラフで解く別解の両方を載せている問題が多くあります。両方を見比べて、自分がどちらで解くと速くて間違えないかを、問題の型ごとに決めてください。定期テストではどちらで解いても構いませんが、記述式では「v-tグラフの面積より」のように、根拠を1行添えます。
次の単元へ
次の「力と運動の法則」で、加速度が「力を質量で割ったもの」として決まることを学びます。この単元で が与えられていた問題が、次の単元では力から を求める問題に変わります。v-tグラフの読み方はそのまま使うので、ここで確実にしておいてください。専門物理の「平面内の運動」では、この単元の内容を水平方向と鉛直方向に分けて同時に扱います。