物理基礎 / 運動の表し方

ぎりぎり追いつく条件(重解の物理)

★★★ 応用追いつき2次方程式判別式

問題

静止していた自動車が時刻 に一定の加速度 で発進した。その 後、同じ地点を一定の速度 のバイクが同じ向きに通過した。

(1) バイクが自動車に追いつく時刻を求めよ。

(2) このときバイクは「ぎりぎり追いつく」状況であることを、2 台の速度を比べて説明せよ。

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位置が等しいとおいて 2 次方程式を作ると、解の様子がいつもと違うはず。「解が 1 つしかない」ことは、運動の言葉で何を意味するだろう。

解答・解説

方針

位置を等しいとおくと 2 次方程式になる。解が重解になることに気づくのがポイント。重解=「一瞬だけ並ぶ」=ぎりぎり追いつく。

解答

⓪ 発想 — どう考え始めるか。 追いつき問題の手順どおり、位置の式を立てて等号で結ぶ。ただしこの問題は答えの形に仕掛けがある。2 次方程式が重解を持つのだ。

数学で「重解=接する」だったことを思い出しながら進めよう。

① 位置の式を立てる。

  • 自動車:
  • バイク( から走る):

② 等しいとおく。

重解 。追いつくのはこの一瞬だけ。

③ 速度を比べる。

での自動車の速度は バイクとぴったり同じ

この瞬間より前はバイクが速く(差を詰め)、後は自動車が速い(引き離す)。だから並べるのはこの一瞬だけで、バイクは追いついた直後に置いていかれる。「ぎりぎり追いつく」とはこういう状況だ。

txO接点3.06.036バイク自動車
x-tグラフ。バイクの直線が自動車の放物線に接する=ぎりぎり追いつく

まとめ x-tグラフで見ると、バイクの直線が自動車の放物線に接している。交わる(2 回並ぶ=追い抜いてまた抜かれる)でも、離れている(追いつけない)でもない、その境目が重解。数学の判別式 が「ぎりぎり」という物理の状況に対応する

(1) (ただ 1 回だけ並ぶ) (2) で両者の速度がともに で等しく、以後は自動車が速くなるため、この一瞬しか並べない

別解

相対運動+平方完成で見るルート(得意な人向け)。 バイクから見た自動車の相対位置は

平方完成した瞬間に、相対位置は常に 以上(バイクは決して前に出ない)で、 にだけ になる(並ぶ)ことが読み取れる。方程式を「解く」のでなく式の形から運動の全history を読む、一段上の見方だ。

ポイント

  • 重解=一瞬だけ並ぶ=ぎりぎり追いつく
  • そのとき 2 台の速度が等しい(グラフの接触)
  • 判別式 D の符号が「追いつける・ぎりぎり・追いつけない」に対応

よくある間違い

  • バイクの式を とする( 遅れて通過するから )
  • 重解が出たのに「2 回追いつく」と書いてしまう(重解は 1 回。グラフは接している)
  • (2)で位置だけ比べて速度の比較をしない(「ぎりぎり」の根拠は速度が等しいこと)