単振動の問題の解き方(つり合いの位置・角振動数・エネルギー)
文: KOSNiZ·最終更新: 2026年11月9日
単振動の問題はどの設定でも同じ手順で解けます。つり合いの位置を求め、そこからの変位で運動方程式を立てて の形にし、角振動数 を読み取るという手順です。ばね振り子・単振り子・液体の振動のように見た目が異なる問題も、この手順で同じ形に帰着します。
手順1: つり合いの位置を求める
単振動の中心は、物体にはたらく力がつり合う位置です。水平なばね振り子ではばねの自然長の位置、鉛直につるしたばねでは、ばねの伸びが の位置が中心になります。
鉛直のばね振り子で、自然長の位置を中心と誤認するのがよくある誤りです。重力がはたらく分だけ中心は下にずれますが、周期は水平の場合と同じになります。
手順2: 中心からの変位で運動方程式を立てる
中心からの変位を (向きを1つ決定して正とする)とし、その位置で物体にはたらく合力を で表します。合力が の形になれば、運動方程式は で、これが単振動の条件です。
鉛直のばね振り子で、下向きを正とし、つり合いの伸びを とします。中心から だけ下にあるとき、ばねの伸びは で、合力は次のようになります。
の関係で重力の項がちょうど打ち消され、水平の場合と同じ だけになります。
手順3: 角振動数と周期を読み取る
から で、単振動の加速度の式 と比較すると、 です。周期は になります。
ばね定数 のばねに質量 のおもりをつるした場合、 で、周期は です。つり合いの伸びは になります。
単振り子では、おもりが円弧に沿って だけずれたときの復元力が、振れ角が小さければ で近似できます。 を代入すると、 が得られます。長さ の単振り子なら、 です。
手順4: 振幅と速さは初めの状態から求める
周期は と だけで定まり、振幅には関係しません。振幅は初めの状態から求めます。上の鉛直のばね振り子で、つり合いの位置からさらに 引き下げて静かに放すと、振幅は です。
速さの最大値は中心を通過するときの 、加速度の大きさの最大値は両端での になります。途中の位置 での速さは、 で求められます。
この式はエネルギーの保存からも導けます。鉛直のばね振り子でも、中心からの変位 で表せば、重力による位置エネルギーとばねの弾性エネルギーの和は、 と定数との和の形です。そのため が成り立ち、ここから が得られます。
見た目が異なる単振動
復元力が変位に比例する設定なら、どれも単振動になります。U字管の中の液体は、片側の液面が だけ上がると高低差 の液柱の重さが復元力になり、密度が一様な地球を貫くトンネルの中の物体は、中心からの距離に比例する重力を受けます。どちらも、手順2で合力を の形に表せば、そのあとの手順は同じです。
加速度運動する乗り物の中では、慣性力と重力の合力を「見かけの重力」とみなします。上向きに加速度 で加速するエレベーターの中なら、単振り子の周期は を に置換した です。ばね振り子の周期は重力に関係しないので変化しません。
つまずきやすいところ
最も多い誤りは鉛直のばね振り子の変位をばねの自然長を基準にして表すことです。中心はつり合いの位置で、エネルギーの式を立てるときも、自然長からの伸びで表すなら重力の位置エネルギーを別に含める必要があります。
もう1つは、角振動数 と振動数 の混同です。、 の関係を、単位(rad/s と Hz)とともに確認してください。
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