円運動の2つの立場 — 地上なら運動方程式、回転系なら遠心力

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月6日

円運動の問題で最も多い失点は、「地上から見る立場」と「回転している立場」を混ぜることです。地上から見ているのに遠心力を入れる、回転する台の上から見ているのに向心力を別の力として足す、という混同で、力が1本多くなったり少なくなったりします。この記事では、2つの立場の違いと、どちらか一方に決めて解く手順、そして「向心力は新しい力ではない」ことを説明します。

地上から見る: 向心力の運動方程式

地上(慣性系)から見ると、円運動している物体には、中心向きの加速度 (または )があります。運動方程式は、(中心向きの力の成分の和)です。右辺は、重力・張力・垂直抗力・摩擦力のうち、中心方向を向いている成分の合計で、これを「向心力」と呼びます。

向心力は、これらの力とは別に新たに加わる力ではありません。「役割の名前」です。力の図を描くときは、重力・張力・垂直抗力・摩擦力だけを描き、「向心力」という矢印は描きません。円運動と万有引力の基礎「向心力」「糸につないだ物体の円運動」で、この点を確認してください。

回転する立場から見る: 遠心力を入れてつり合い

回転する台の上(回転系)から見ると、物体は静止して見えます。この立場では、外向きに (または )の見かけの力(遠心力)がはたらいているとして、力のつり合いを書きます。(実際の力の中心向き成分) です。

遠心力は「回転する立場でだけ現れる見かけの力」で、地上から見れば存在しません。基礎の回転台の上の物体(遠心力)で確認してください。加速する電車の中の慣性力( を進行方向と逆向きに)も、同じ種類の見かけの力です(基礎の加速する電車の中のつり革)。

2つの立場は同じ式になる

地上の運動方程式 と、回転系のつり合い は、移項しただけで同じ式です。だから、どちらの立場で解いても答えは同じです。違うのは「 を左辺(加速度の項)に置くか、右辺(見かけの力)に置くか」だけです。

失点が起きるのは、両方を混ぜたときです。地上から見て運動方程式を立てながら、右辺に遠心力も入れると、 が2重に入ります。「地上なら遠心力なし、回転系なら遠心力あり」を、問題を解き始める前に1行書いてください。

どちらの立場を選ぶか

物体が円運動していて、その速さや張力を求めるなら、地上から見る運動方程式が自然です。回転する台の上で「物体が滑り出す条件」「水面の形」「見かけの重力の向き」を問われているなら、回転系で遠心力を入れてつり合いを書くほうが状況を把握しやすいです。

円錐振り子(標準の同名の問題)は、どちらでも解けます。地上から見れば、鉛直はつり合い、水平は半径 の円運動の運動方程式です。回転系で見れば、重力・張力・遠心力の3力のつり合いです。両方で解いて同じ答えになることを、1度確かめてください。

見かけの重力

回転系や加速する乗り物の中では、重力と見かけの力を合成した「見かけの重力」を考えると、問題が「静止した状況」に帰着します。加速する電車内の振り子は、見かけの重力 の方向に傾いて静止し、その振り子の周期は です(標準の電車内の振り子の張力単振動の標準「加速する電車内の単振り子」)。回転する水面は、見かけの重力に垂直な面(放物面)になります(難関の回転する水面)。

鉛直面内の円運動は「地上」で

鉛直面内の円運動(振り子・ループ)は、速さが場所で変わるので、回転系では扱いにくく、地上から見て「エネルギー保存で速さ、運動方程式で張力」の2段構えで解きます。最高点で張力が0になる速さ が「一周できる限界」で、標準の最高点の条件と応用の一般の角度で確認してください。

つまずきやすいところ

最も多い誤りは、上に述べた「2つの立場の混在」です。次に、向心力を新しい力だと思って、力の図に「向心力」の矢印を足してしまうことです。3つ目は、遠心力の向きを「回転の接線方向」と取り違えることです。遠心力は中心から外向きです。

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運動方程式の立て方は運動方程式の立て方に、円運動と万有引力の単元全体は円運動と万有引力の記事に、エネルギー保存との2段構えはエネルギー保存の使い方にまとめてあります。単振動は円運動の正射影として定義されるので、単振動の記事も参照してください。