数学A / 確率

確率 実戦編の問題 全8問

難関大の総合問題。複数の単元を融合した単元横断の演習

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. サイコロの和がちょうど n になる確率の極限(確率漸化式と保存量)
  2. 表の枚数が3の倍数になる確率(1の3乗根の利用)
  3. ちょうど半分が表になる確率の漸近(二項係数とウォリスの融合)
  4. 自分の番号を引く人数の期待値と分散(指示関数の融合)
  5. 4種のカードをそろえるまでの回数の期待値(期待値と調和数)
  6. 持ち点が0かNになるまで(破産問題と2階漸化式)
  7. 折った棒が三角形になる確率(幾何確率と積分の融合)
  8. 表が2回続くまでの回数の期待値(期待値と状態の融合)

問1サイコロの和がちょうど n になる確率の極限(確率漸化式と保存量)

実戦編確率漸化式極限反復試行数列単元横断

問題

1個のサイコロを繰り返し振り、出た目を順に足していく。ある段階での和がちょうど になることがある確率を とする。 を求めよ。

ヒントを見る

和がちょうど になるのは、直前に のいずれかを通り、最後にその差の目が出たとき。漸化式の重みを とつけて足すと、 によらない量が現れる。

解答・解説

方針

『和がちょうど を通る』確率の漸化式を、 に到達する直前の値で場合分けして立てる。極限は漸化式のもつ重み付き保存量から求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 和が「ちょうど 」を通るかどうかは、直前にどの値を通ったかで決まる。直前の和は のどれかで、そこから対応する目が出れば に乗る。

だから は過去 項の平均、という漸化式になる。極限の見当もつけておこう。 歩で平均 進むから、特定の整数を踏む割合はその逆数 くらいのはず。この直感を、漸化式がもつ「重み付きの保存量」で厳密に裏づける。

① 漸化式を立てる。 和がちょうど を通るには、直前に を通り、次に目 が出ればよい(各目 )。よって ② 保存量を見つける。 とおくと、 を使って よって は によらず一定で、。

重要重み をつけた和 は漸化式のもとで不変で、つねに

③ 極限。 は収束する(。漸化式の特性方程式で 以外の解は絶対値が 未満だから)。 で とすると、 個の項がすべて に近づき したがって 。

まとめ確率を『直前の状態からの推移』とみて過去6項の平均の漸化式に直す。重み の和が不変(=6)という保存量を見つけると、極限が から とすぐに決まる。 歩あたり平均 進むことの逆数、という更新の直感とも一致する。

発展。 歩の平均が の試行(目の出方が偏っていてもよい)でも、同じ議論で となることが知られている(更新定理)。サイコロなら で 。「よく進むものほど、特定の点は踏みにくい」という関係が一般に成り立つ。

答

、。重み付き和 が一定 で、極限は 。

別解

別解:「踏んだ整数の個数」で極限を読む(得意な人向けの高い視点)。 から までの整数のうち、和が途中で踏むものの個数を数えてみる。

和は 投ごとに新しい値を 個ずつ刻む。だから 以下で踏む個数は「和が を超えるまでの投球数」にほぼ等しい。 投で平均 進むから、この投球数はおよそ 。

一方、踏む個数の期待値はちょうど である( を踏むごとに を数える)。よって

つまり の「平均」は に向かう。本解のように 自身の収束を認めれば、その極限は平均の極限と一致して と決まる。保存量 はこの平均の議論を 本の等式に圧縮したものと見ることもできる。

ポイント

  • 『ちょうど を通る』確率は直前の値 で場合分けして漸化式に。
  • 重み の和 が不変(=6)という保存量が決め手だ。
  • より極限は (平均 の逆数)。

よくある間違い

  • を漸化式にそのまま入れると となって何も決まらず、手が止まる(漸化式だけでは値は出ない。保存量で決める)。
  • 特性方程式の 次方程式を解こうとして時間を失う。必要なのは『 以外の解は絶対値が 未満』という事実だけで、解そのものは要らない。
  • 初期条件 、 を明示せず、保存量の値 が決められない。

問2表の枚数が3の倍数になる確率(1の3乗根の利用)

実戦編反復試行二項係数1の3乗根複素数単元横断

問題

枚の硬貨を同時に投げる。表が出た枚数が の倍数( も含む)になる確率 を、 を用いて表せ。

ヒントを見る

が の倍数のときだけ 、他は になる「ふるい」を、1の3乗根 で作れる。二項定理を で使い分けて足し合わせると、狙った和が取り出せる。

解答・解説

方針

求める確率は 。1の3乗根 を使った「 の倍数だけ拾うふるい」 で二項和を取り出す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 求める確率は 。つまり「 の倍数の だけ」を選んで足したい。

ここで1の3乗根 を使う。 は、 が の倍数なら 、そうでなければ 。倍数だけを通す「ふるい」になっている。

このふるいを二項和にかけると、 を で評価した和になる。離散的な「 で割った余り」を、複素数の道具で選び出している。

定理1の3乗根 について 。ゆえに ( が の倍数のとき)、(それ以外)

① ふるいで和を表す。 二項定理 を で使うと ② を極形式にする。 より 。同様に 。

定理ド・モアブルの定理

よって 。

③ 確率にまとめる。 とあわせて で割って (例えば なら で 。実際 表 枚と 枚で と一致する。)

まとめ 『余りで場合を選んで足す』和は、1の 乗根のふるい で取り出せる。複素数(単位根・ド・モアブル)を使うと、二項係数という離散の和を閉じた式にできる。確率と複素数の意外な融合。

発展。 同じふるいは の倍数にも使える。1の 乗根 で が「 の倍数だけ通す」フィルタになり、。 で試すと の項が現れる。

答

1の3乗根 で二項和をふるいにかけ、。

別解

別解:複素数を使わず、余り別の個数の漸化式で(苦手な人向け)。 表の枚数を で割った余りが になる場合の数を、それぞれ とおく()。

枚目が裏なら余りはそのまま、表なら余りが 進む。だから

差 、 を追うと 、。ここから が出て、 は の繰り返し(周期 )になる。

だから、 は の に周期 の小さな補正がつくだけ。この補正 の値 はちょうど と一致し、本解の式に戻る。複素数のふるいはこの周期 の振動をひとことで書き表す道具である。

ポイント

  • 『 の倍数の項だけ足す』和は1の3乗根のふるい で取り出す。
  • 二項定理を で使い、 の和に帰着させる。
  • 、ド・モアブルで にまとめる。

よくある間違い

  • ふるい が「倍数で 、他で 」になることを確認せずに使い、係数 を落とす。
  • の極形式を誤る。 は絶対値 ・偏角 で、 自身(偏角 )と混同しやすい。
  • 答えを出したあと小さい で検算しない。 なら表 枚か 枚で 。ここが合わなければ偏角か係数のミスだ。

問3ちょうど半分が表になる確率の漸近(二項係数とウォリスの融合)

実戦編確率二項係数極限定積分単元横断

問題

硬貨を 回投げるとき、表がちょうど 回出る確率を とする。

(1) を確かめ、 を示せ。

(2) を求めよ。

ヒントを見る

は の積。この積は と結びつく(ウォリス)。積分の大きさが 程度だと分かれば、 の極限が出る。

解答・解説

方針

(1) 二項係数を階乗で書いて連比を作る。(2) を積の形に開き、ウォリスの積分 の大きさの評価に橋渡しする。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 自体は に近づく。だが「 を掛けて極限をとれ」という問い方から、 は 程度の大きさだと予想がつく。

定数 を決めるには、 を分数の積の形に開くのが第一歩。この積はウォリスの積分 とぴったり結びつく。積分側は部分積分の漸化式から大きさが評価できる。離散の確率を、連続の積分で測るところがこの問題の要点だ。

① 積の形と漸化式。 二項係数を階乗で書くと よって 、すなわち 。

② ウォリスの積分に橋渡し。 とおくと、部分積分の漸化式 から

重要。また部分積分の漸化式から (一定)

③ の大きさを評価して極限。 で だから は減少列で 。 で割ると となり、はさみうちで 。よって 、すなわち 。 とすると 。②とあわせて

まとめ中心二項確率 は積に開いてウォリスの積分 に橋渡しし、 の評価で大きさが分かる。。確率(二項係数)・積分(ウォリス)・極限の高度な融合。

発展。 は、二項分布を正規分布で近似したときの「山の頂上の高さ」と同じだ(標準偏差 の正規分布の頂上は )。ウォリスの積分は、正規分布の計算と根っこでつながっている。

答

。ウォリスの積分 と から 。

別解

別解:単調な2つの列ではさんで、収束を先に確定する(得意な人向けの高い視点)。 漸化式 から、 の増減を直接調べられる。

なので は増加する。同様に は、比が だから減少する。増加列 は減少列 より小さいまま進むので、上に有界で収束。差 より両者の極限は同じ値 で、 の存在が積分なしで先に確定する。

その値 を求めるのがウォリスの積分(本解)である。収束の「存在」は単調性で、「値」は積分で、と役割分担する見方だ。

ポイント

  • の積を、ウォリスの積分 に橋渡しする。
  • と から 。
  • より 。

よくある間違い

  • だから答えも 、としてしまう( 倍という拡大鏡で見るのがこの問題)。
  • が減少列であることから をはさみうちで示す段を飛ばし、 を根拠なしに使う。
  • 一定の量 を作らず、 を漸化式で個別に追いかけて式が伸びるだけで終わる。

問4自分の番号を引く人数の期待値と分散(指示関数の融合)

実戦編確率期待値分散指示関数単元横断

問題

から までの番号札 枚を無作為に一列に並べる()。左から 番目に番号 の札が来ることを「一致」とよび、一致の総数を とする。 の期待値 と分散 を求めよ。

ヒントを見る

番目が一致するかを の変数 で表すと 。、()をそれぞれ数え、和にまとめる。

解答・解説

方針

各位置の一致を指示関数 (一致なら )で表し、。期待値は線形性、分散は を の和で計算する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 一致の総数 の分布を直接求めるのは大変だ(完全順列が絡む)。

そこで見方を変える。各位置 に「一致なら 、違えば 」の変数 を置くと、 とただの和になる。

期待値は線形性でバラせて、 は「 番目に が来る確率」 だけ。分散も を積 の和に開いて数えればよい。指示関数は「複雑な数え上げを足し算に変える」道具だ。

① 指示関数で表す。 ( 番目が一致)、(不一致)とすると 。 番目に が来る確率は だから ② を積の和で。 。値は なので 、ゆえに 。 では となるのは「 番目に かつ 番目に 」で、その確率は 。組 は 通りだから よって 。 ③ 分散。

重要指示関数の和 では、(線形性)、

まとめ 「一致の数」のように多数の条件の合計は、各条件を の指示関数にして足すと、期待値も分散も「数える」だけで出る。、。数え上げ(順列)と期待値・分散の融合で、完全順列を経由せず答えが出る。

発展。 を大きくすると、 の分布は平均 のポアソン分布に近づくことが知られている。たとえば一致が 個の確率(完全順列の割合)は に収束する。 は、ポアソン分布の「平均分散」という性質の前触れである。

答

指示関数 。。積の期待値を数え 、。

別解

別解: を全部書き出して構造をつかむ(苦手な人向け)。 札が 枚なら並べ方は 通りしかない。一致の数 を数え上げてみる。

  • は / は / は / は / は / は

期待値は 。 の平均は で、。たしかに で になった。本解の指示関数はこの数え上げを「どの でも同じ形」でまとめて済ませる方法になっている。 を増やしても答えが から動かないことは、一度手で確かめると納得できる。

ポイント

  • 各位置の一致を指示関数 にして と書く。
  • (線形性)、 を使う。
  • の積の確率は 、和で 、。

よくある間違い

  • どうしは独立でないのに とする(積の項 を数えるのが正しい)。
  • ()を とする。 か所が同時に一致する確率は である。
  • の分布(完全順列の個数)を全部求めてから期待値を出そうとして時間切れになる。分布を知らずに が出るのが指示関数の強みだ。

問54種のカードをそろえるまでの回数の期待値(期待値と調和数)

実戦編確率期待値数列調和数単元横断

問題

1回引くごとに4種類 のカードのどれか1枚が等確率 で出る(引いたカードは戻し、毎回独立)。4種類すべてがそろうまでに引く回数の期待値を求めよ。

ヒントを見る

すでに 種そろっているとき、次の「新しい種類」が出る確率は 。それが初めて出るまでの回数の期待値は、その確率の逆数。あとは段階ごとに足す。

解答・解説

方針

『 種類そろっている状態から 種類目が出るまでの回数』の期待値を求め、 について足す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「全部そろうまで」を一度に考えると手が出ない。「何種類そろったか」という段階に刻むのが決め手だ。

すでに 種そろっているとき、次の1枚が新種である確率は 。毎回確率 で当たる独立な試行では、初当たりまでの回数の期待値は (幾何分布)。

だから各段階の「待ち時間」の期待値を出して、 種と進む分を全部足せばよい。この分割を許すのが期待値の線形性だ。

定理毎回確率 で成功する独立試行で、初めて成功するまでの回数の期待値は (幾何分布の平均)

① 各段階の待ち回数の期待値。 種そろった状態から 種目が出る確率は 。その待ち回数の期待値は 。

② 段階を足し合わせる。 の合計が、そろうまでの総回数の期待値(期待値の線形性)。 ③ 計算する。 だから

まとめ 「全部そろう」時間は「新種が出るたびに1段上がる」と刻めば、各段が幾何分布の平均 。それを足すと調和数 が現れる。確率(期待値)と数列(調和和)の融合。一般に 種なら 。

発展。 種なら期待値は 。かっこの中(調和数)はおよそ の速さでしか増えないが、それでも 種のカードなら約 回かかる。「最後の 種」ほど待ちが長い。集め物の後半がつらい理由が式に出ている。

答

新種が出るまでの回数は幾何分布。期待値の和 。

別解

別解:「まだそろっていない確率」を足し上げる(得意な人向けの高い視点)。 回数 の期待値は という「しっぽの和」でも計算できる( 回目以降まで続く分が 回ずつ寄与する)。

は「 回引いてもどれかの種類が欠けている確率」。どの種類が欠けるかで包除原理を使うと、 で

の部分を足すと、それぞれ無限等比級数で 、、。よって

段階に刻む本解と、包除でまとめて書くこの解が同じ に着地する。包除原理と無限等比級数まで使う分、こちらはほかの問題にも広げやすい。

ポイント

  • 「何種類そろったか」で段階分けし、各段の待ち回数を考える。
  • 種そろった状態で新種が出る確率は 、待ち回数の期待値はその逆数。
  • 期待値の線形性で各段を足すと 。

よくある間違い

  • 幾何分布の平均を と覚え違える(正しくは 。確率 なら平均 回)。
  • 段階を「何回引いたか」で分けてしまい、状態が無限に増えて手詰まりになる(「何種そろったか」なら 段で済む)。
  • 最後の 種の待ち( 回)だけを答える、あるいは 段の和を取り忘れる。

問6持ち点が0かNになるまで(破産問題と2階漸化式)

実戦編確率確率漸化式2階線形漸化式ランダムウォーク単元横断

問題

持ち点 ()から始める。1回ごとに確率 で持ち点が 増え、確率 で 減る。持ち点が になれば成功、 になれば失敗として終了する。持ち点 から出発して(失敗より先に)成功する確率 を求めよ。

ヒントを見る

いまの持ち点 から1手進めると 。それぞれから成功する確率で を表すと、 の関係(2階漸化式)になる。両端の値は決まっている。

解答・解説

方針

1手先で条件をつけて の漸化式を立てる。境界は 。2階の漸化式を解く。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「出発点 ごとの成功確率」 を、 を変数とする数列とみなす。

手だけ先を見る。 からは ずつで か に動き、その先の成功確率は 。これで の2階漸化式が立つ。

両端の値は明らかだ。(もう破産)、(もう成功)。境界つきの漸化式を解けばよい。

① 漸化式を立てる。 1手先で場合分けして ② 等差数列と見抜く。 上式を変形すると 。

重要隣り合う差が一定 は等差数列

つまり階差 は によらず一定。

③ 境界で決める。 等差数列だから 。 より 。したがって

x0123450 破産スタート kN 成功
0 と N は吸収壁(そこで終了)。各回 1/2 で ±1 動き、N に先に着けば成功。成功確率は k/N(図は N=5 の例)。

まとめ確率を「出発点ごとの値の列」と見て、1手先で条件を付けると2階漸化式。 が一定=等差、と気づけば境界 で即決まる。答えは直感どおり 。確率と漸化式の代表的融合(ランダムウォーク)。

発展。 勝つ確率が の不公平な賭けでは、 が等比数列になり、 として 。わずかに不利なだけでも が大きいと成功確率は急速に へ近づく。カジノが長期では必ず勝つ数学的な理由である。

答

、。等差数列になり 。

別解

別解:「公平な賭けでは平均が動かない」で見抜く(得意な人向けの高い視点)。 毎回 が確率 ずつだから、 手あとの持ち点の期待値はいまの持ち点と同じ。つまりこのゲームは「公平」で、持ち点の期待値は何手たっても のままである。

ゲームはいつか必ず終わる(挟まれた範囲を永遠に漂う確率は )。終わったときの持ち点は (確率 )か (確率 )しかない。期待値が終了時まで保たれるなら

漸化式を解かずに答えが先に分かる、有効な見方だ。ただし「終了時まで保存を持ち越せること」は本当は証明が要る(大学で学ぶ内容)。答案では本解の漸化式を中心に書き、この見方は見通しと検算に使うのが安全である。

ポイント

  • 成功確率を「出発点 ごとの値の列 」とみる。
  • 1手先で条件を付けると (2階漸化式)。
  • が一定=等差数列。境界 で 。

よくある間違い

  • 境界条件 を書き忘れ、一般解の定数が決まらない。
  • 「成功までの回数」と混同して時間の変数まで持ち込み、 変数の式で行き詰まる(問われているのは確率だけ)。
  • (階差が一定=等差)に気づかず、 項間漸化式の一般論(特性方程式は重解 )へ進んで遠回りする。

問7折った棒が三角形になる確率(幾何確率と積分の融合)

実戦編確率幾何確率定積分三角形の成立条件単元横断

問題

長さ の棒の上に、互いに独立に一様な 点をとって折り、 本の棒に分ける。この 本で三角形が作れる確率を求めよ。

ヒントを見る

3片のうち最も長いものが 未満なら三角形になる(各片 他の2片の和)。折る2点 を正方形上の点とみて、条件を満たす領域の面積が確率。

解答・解説

方針

折る2点を ( 一様独立)とし、3片の長さを求める。三角形の成立条件(各辺 残り2辺の和 各片 )を領域に直し面積を出す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 折る 点を とすると、 は単位正方形 上に一様に散らばる。だから確率は「条件を満たす領域の面積」そのものになる。

三角形が作れる条件も言い換えておく。『どの辺も他の 辺の和より短い』は、周の長さが だから『どの片も 未満』と同じ。

あとは 片の長さを で書き、 つの不等式の領域を正方形の中に描いて面積を測るだけだ。連続の確率が面積計算になる典型である。

重要 辺 が三角形をなす 最大辺 他の 辺の和 (周が なら) すべてが 未満

① 片を書く。 の場合、 片は 。三角形の条件は ② 領域の面積を求める。 の場合も対称。下の図で、条件を満たすのは色をつけた つの三角形。

三角形三角形1/21/2XY
折る2点 (X,Y) は単位正方形に一様。3片すべてが 1/2 未満(=三角形)になるのは色の2つの三角形で、合計面積 1/4。

側の領域は 点 を頂点とする直角三角形で、面積は 。 側も対称で 。 ③ 確率。 全体(正方形)の面積は だから

まとめ 「棒を折って三角形」は折る点を正方形上の一様点とみて「面積 確率」。三角形の成立条件を『各片 』と言い換え、領域の三角形2つ(合計 )を数える。幾何確率と三角形の成立条件の融合。答えは 。

発展。 折る点を 個に増やして 片にしても、別解の論法がそのまま通る。どれかの片が 以上になる事象は排反で、各確率は が 通り。よって 角形が作れる確率は 。 で 、 で と、片数が増えるほど作りやすくなる。

答

折る点 を単位正方形上の一様点とみる。三角形の成立(各片 )の領域は面積 。

別解

別解:「できない確率」を対称性で数える(得意な人向けの高い視点)。 三角形が「できない」のは、 片のどれかが 以上のとき。しかも つの片が同時に 以上になることはない(足すと全長 を超えてしまう)。

だから「できない確率」は、 つの排反な事象の和になる。

  • 左の片が 以上 点とも右半分にある。確率は 。
  • 右の片が 以上 点とも左半分。同じく 。
  • 真ん中の片が 以上 点の間隔が 以上。正方形の の部分は直角三角形 つで、面積 。

合計 が「できない」確率。よって求める確率は と、領域を細かく塗らずに出せる。 つの事象がどれも同じ になるのは、対称性による。

ポイント

  • 折る2点 は単位正方形に一様。確率は領域の面積。
  • 三角形の成立 3片すべてが 未満。
  • 条件領域は面積 の三角形2つで、合計 。

よくある間違い

  • 三角形の成立条件を「どれかの片が長すぎなければよい」と曖昧なまま使う(正確には最大辺 残り 辺の和 各片 )。
  • と勝手に決めて面積 を答えにする(順序を仮定したら、最後に対称な 側を足す)。
  • 片を と書いたまま の側まで塗ってしまい、負の長さの「片」が現れて混乱する。

問8表が2回続くまでの回数の期待値(期待値と状態の融合)

実戦編確率期待値漸化式反復試行単元横断

問題

表と裏が等確率で出る硬貨を、表が 回続けて出るまで投げ続ける。投げる回数の期待値を求めよ。

ヒントを見る

いまの状況は『直前が表かどうか』だけで決まる。それぞれの状態から「表2連続まであと何回か」の期待値を文字でおき、1手先で場合分けして連立にする。

解答・解説

方針

「直前が裏(またはスタート)」「直前が表」の2状態に分け、あと何回かの期待値を連立方程式にする。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) ゴール(表 連続)への近さは、直前の 投が表だったかどうかだけで決まる。表なら「あと 回表で上がり」、裏やスタートなら振り出しだ。

そこで つの状態に期待値を置く。「直前が表でない状態から、終わるまであと何回か」、「直前が表の状態から、あと何回か」。

手投げると、出た面で次の状態が決まる。この「 手先で場合分け」が期待値の連立方程式を生む。無限に続きうる試行が有限個の方程式で表せる。

① 状態を分けて式を立てる。 どちらの状態でも、まず 回投げる(その を計上)。

  • (直前が表でない):投げて表()なら状態 へ、裏()なら状態 のまま。
  • (直前が表):投げて表()なら 連続で終了(あと 回)、裏()なら状態 へ。
重要「あと何回か」の期待値は、 手先の各分岐の(その 回 分岐先の期待値)を確率で重みづけて足す

② 連立を解く。 の式から 、すなわち 。 を代入して (このとき 。) ③ 答え。 求める期待値はスタート(直前が表でない)からの (回)。

まとめ無限に続きうる試行の期待値は、『状態(=直前が表か)』を見つけて 手先で場合分けし、期待値の連立方程式にするのが基本だ。状態を絞れば有限で解ける。確率(期待値)と漸化式(連立)の融合で、答えは 回。

発展。 待ち時間はパターンの「形」に依存する。表裏(表のあとに裏)を待つ期待回数は 回で、表表の 回より短い。表表は失敗(裏)で積み上げが全部消えるのに対し、表裏は表が出続けても「次に裏が出れば完成」の状態が保たれるからだ。直感に反する有名な事実である。

答

直前が表かどうかで状態分け。、 を解いて 。

別解

別解:「 段短い連の上に積む」漸化式(得意な人向けの高い視点)。 表 連続までの期待回数を とおく。 連続を作るには、まず 連続を作り(期待 回)、その直後にもう 回投げる。

表()ならそこで完成。裏()なら積み上げがゼロに戻り、まるごとやり直しになる。よって

から 、。本解と同じ答えが、「連を 段ずつ積む」分解からも出る。この漸化式は一般の でも解けて ( 連続なら 回)。倍々で急に伸びるのは、失敗すると積み上げた連が全部消えるせいだ。

ポイント

  • 状態を『直前が表か否か』の2つに絞る。
  • 各状態で 手先の分岐(その 回 行き先の期待値)を足して連立式に。
  • を解いて 。

よくある間違い

  • 状態を分けずに 本の式で立てようとして、表裏の履歴が追えなくなる。
  • 終了の分岐(表 連続)で「あと 回」を入れ忘れる、または 回投げた分の を落とす。
  • 分布 (フィボナッチ数列が現れる)を先に求めて無限和 を計算しようとし、時間を失う。状態の連立なら 本で終わる。