数学が苦手な人のやり直し方と基礎問題の使い方

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月3日

最初に書いておきます。高校数学ができるかどうかに、才能はほとんど関係ありません。「苦手」の原因は、ほとんどの場合、どこかの単元で理解が欠けたまま先へ進んだことです。授業は待ってくれないので、欠けはそのまま積み重なり、ある日「何をやっているのか全く分からない」状態になります。

つまり、直し方は根性でも才能でもなく、「欠けた場所まで戻って、埋めて、戻ってくる」ことです。手順は次のとおりです。

手順1: 「解ける地点」まで戻る

まず、いま学校でやっている単元の基礎(★)を3問だけ解いてみてください。

3問中2問以上解けるなら、あなたは苦手ではありません。演習量が足りないだけなので、その単元の★を全部解いてから★★へ進めば大丈夫です。

ほとんど手が出ないなら、つまずきマップで1つ手前の単元を確認して、そちらの★を3問解きます。これを繰り返して、「3問中2問解ける単元」まで戻ってください。数学Iまで戻ることになっても、全く問題ありません。そこがあなたの本当のスタート地点で、そこから積み直すほうが、結局は早く進めます。

手順2: 基礎バンドを3周する

スタート地点が決まったら、その単元の★12問を、次のやり方で3周します。

1周目: 写してもいいので、自分の手で書く。

解けない問題は、解答を見ながらでいいので、自分の手でノートに書き写してください。このとき、式だけ写すのではなく、解答に書いてある日本語(「まず図を描く」「両辺を2乗する」)も一緒に写します。数学が苦手な人の多くは式の変形だけ追おうとしますが、大事なのは、式と式の間にある「何をしようとしているか」のほうです。

2周目: 解答を閉じて再現する。

翌日か翌々日に、同じ問題を解答を見ずに解きます。解けなければ、その場で解答を見て、もう一度閉じて解きます。1問に何度かかっても構いません。「見ないで最後まで書けた」を全問で達成するのが2周目のゴールです。

3周目: 説明しながら解く。

1週間くらい空けて、今度は「なぜその式を立てるのか」を口で(心の中でもいいので)説明しながら解きます。「グラフを描く。軸が定義域の中にあるかを見たいから」のように理由が言えれば、その問題はもう大丈夫です。数値を変えた類題にも対応できます。

手順3: 1日3問、毎日

量は1日3問で十分です。そのかわり、できるだけ毎日やってください。週1回20問より、毎日3問のほうが確実に定着します。数学は皮膚感覚に近いところがあって、間隔が空くと手が忘れます。

3問なら、調子が悪い日でも30分くらいで終わります。「今日はやりたくない」という日は、2周目・3周目の解き直しだけでもやってください。新しい問題を解くよりずっと軽いはずです。

ヒントと解説の使い方

このサイトのヒントには、答えや公式は書いていません。「まず何に注目するか」だけを書いています。白紙のまま3分固まったら、ヒントを開いて、また自力に戻ってください。

解説は、苦手な人がつまずきやすい場所を意識して、短い文で段階を区切って書いています。それでも分からない箇所があったら、その箇所は「いま分からなくていい場所」ではなく「前の単元に欠けがある場所」のサインかもしれません。遠慮なくつまずきマップに戻ってください。

戻ってやり直すことについて

戻ってやり直すのは、格好悪いことでも遅れでもありません。学年が上の人ほど、昔の単元は当時より速く終わります。数学I の2次関数から積み直して、半年後に数学IIの微分で「あのとき戻ってよかった」と思う人を、たくさん見てきたやり方をここに書きました。今日の3問から始めてください。

単元の解説記事の使い方

各単元には解説記事があり(単元ページのいちばん下にリンクがあります)、「この単元でできるようになること」「つまずきやすいところ」「学習の順序」を書いてあります。苦手な人はこの記事で「この単元で何を目指せばよいか」を先につかんでおくと迷いません。基礎の問題を解く前に、記事の「学習の順序」の節を読んで、最初に解く問題を決めてください。記事の中から個別の問題に直接リンクしてあるので、「どれから手を付けるか」で迷う時間がなくなります。

「つまずきやすいところ」の節はその単元で多い失点の型を書いてあります。自分がその型にはまっているかを、基礎を1周したあとに確かめてください。

数学Aから始める選択肢

数学Iで止まっている人は、数学Aのどれか1分野(図形の性質か整数の性質)を先に「解ける分野」にする、という選択肢があります。数学Aは分野どうしが独立していて、計算量が少なく、考え方で解けるからです。1つでも「解ける分野」ができると、数学全体への苦手意識が薄れて、数学Iに戻る勢いがつきます。数学Aの勉強法に、分野ごとの考え方の要点をまとめてあります。

物理が苦手な場合

物理が苦手な人の原因は、数学と同じで「公式を暗記して当てはめようとしている」ことがほとんどです。物理基礎の勉強法に、暗記の代わりになる3つの道具(単位・図・エネルギーの収支)を、物理のつまずきマップに、症状別の戻り先をまとめてあります。物理の計算で止まる原因が数学(三角比・ベクトル)にある場合は、この記事の手順で数学の該当単元に戻ってください。