屈折の法則と全反射(臨界角と光ファイバーのしくみ)

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年11月9日

光が屈折率の大きい物質から小さい物質へ進むとき、入射角がある値を超えると、光は境界面を通過せずにすべて反射します。これが全反射で、その境目の入射角を臨界角といいます。臨界角は屈折の法則から1行で求められる一方で、角の基準と、全反射が発生する向きの確認では誤りが多い内容です。

屈折の法則と屈折率

屈折率 の物質から屈折率 の物質へ光が進むとき、入射角 と屈折角 の間には次の関係があります。角はどちらも、境界面ではなく法線(境界面に垂直な直線)を基準にした角度です。

公式屈折の法則

屈折率は真空中の光の速さ と物質中の光の速さ の比 です。光が別の物質に進んでも振動数は変化しないので、波長は 倍になります。屈折率の大きい物質ほど光は遅く、境界面で光の進む向きは法線に近づきます。

臨界角の求め方

のとき、屈折の法則から で、屈折角 は入射角 より大きくなります。 を大きくしていくと、 が先に に達します。このときの入射角が臨界角 です。

公式臨界角 ()

入射角が臨界角を超えると、 となる屈折角は存在しないので、屈折光はなくなり、光はすべて反射します。

水(屈折率 )から空気(屈折率 )へ進む場合、 で、臨界角は約 です。屈折率 のガラスなら で約 、屈折率が約 のダイヤモンドなら約 になります。屈折率が大きいほど臨界角は小さく、全反射が発生しやすくなります。

全反射が発生するのは屈折率の大きい側から

全反射は屈折率の大きい物質から小さい物質へ進む場合にだけ発生します。反対向き()では なので、どんな入射角でも屈折光が存在します。

水中の点に空からの光が到達するのは、その点の真上を中心とする円の範囲の水面からだけです。円の外側の水面では、水中から斜めに入射する光が全反射しています。応用の水中の光源から見える明るい円は、この円の大きさを臨界角から求める問題です。

光ファイバーのしくみ

光ファイバーは屈折率の大きい芯(コア)を、屈折率の小さい被覆(クラッド)で包んだ構造です。コアの中を進む光はコアとクラッドの境界に臨界角より大きい角度で入射するので、全反射をくり返しながら進みます。全反射では光がクラッド側へ透過しないので、ファイバーが曲がっていても光を遠くまで伝送できます。

ファイバーの端面に入射する光の角度にも条件があります。端面での入射角が大きすぎると、コアとクラッドの境界での入射角が臨界角より小さくなり、光の一部がクラッドへ透過します。標準の光ファイバーの原理は、臨界角の計算と、光が遠くまで到達する理由の説明を扱う問題です。

つまずきやすいところ

最も多い誤りは境界面を基準にした角度を屈折の法則に代入することです。入射角・屈折角・臨界角はすべて法線からの角度で、問題の図に境界面からの角が与えられていたら、 から引いた値に換算してから代入します。

次に多いのは臨界角の式の分子と分母の混同です。 は より小さいので、 になると確認すれば防止できます。

関連する記事

光の基礎の光の屈折(スネルの法則)と全反射と臨界角、最難関編の虹はなぜ決まった角度に見えるかで、屈折と全反射を扱っています。音の屈折は波の伝わり方と音の最難関編の音はなぜ夜のほうが遠くまで届くかにあります。レンズの式はレンズの写像公式と符号の使い方、光の干渉は波の干渉条件の求め方を参照してください。