数学A / 場合の数

場合の数 ★★★★ 難関の問題 全8問

旧帝大・早慶レベル。一部の単元に用意した挑戦枠

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 男女が交互でない円順列(隣り合わない配置)
  2. 立方体の6面を6色で塗り分ける
  3. 同じ文字が隣り合わない並べ方
  4. 指定の点を通り別の点を通らない最短経路
  5. 組の大きさを指定しない組分け
  6. 0を含む数字で作る3桁の偶数
  7. 指定の数が定位置に来ない順列(包除原理)
  8. 円周上の点を結ぶ弦の交点の個数

問1男女が交互でない円順列(隣り合わない配置)

★★★★ 難関円順列隣り合わない

問題

男子 人、女子 人が円形のテーブルに着席する。女子どうしがどの 人も隣り合わないような座り方は何通りあるか。回転して一致する並びは同じとみなす。

ヒントを見る

「隣り合わない」は先に別のもの(男子)を円形に並べ、その隙間に入れるのが基本だ。男子を円形に並べると隙間はいくつできて、そこに女子を何通りで入れられるか。

解答・解説

方針

まず男子だけを円形に並べる( 通り)。その間にできる つの隙間に女子 人を入れる( 通り)。積が答え。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「女子どうしが隣り合わない」は、女子を直接並べると条件が扱いにくい。先に男子を並べ、その隙間に女子を入れるのが基本だ。

まず男子 人を円形に並べる。円順列だから 通り。男子 人の間には つの隙間ができる。ここに女子 人を 人ずつ入れれば、女子は必ず男子にはさまれて隣り合わない。入れ方は 通り。積で 。

公式 人の円順列は 通り。「隣り合わない」配置は、先に他方を円形に並べ、その隙間に入れる

① 男子を円形に並べる。 男子 人の円順列は 通り。

男男男男∨∨∨∨
男子4人を円形に並べ(●)、その間の4つの隙間(∨)に女子を1人ずつ入れる

② 隙間に女子を入れる。 男子 人を円形に並べると、隣り合う男子の間に隙間が つできる。この か所に女子 人を 人ずつ入れれば、女子はどの 人も隣り合わない。入れ方は 通り。

③ 積をとる。

まとめ:「隣り合わない」円順列は「片方を円形に並べる → 隙間に入れる」の 段。円順列で先に並べるほうは 、隙間の数はちょうど並べた人数と同じ( 人なら 隙間)になるのがポイント。人数が同じ( と )なので隙間がぴったり埋まる。

発展。 男子 人・女子 人()の円卓で女子が隣り合わない場合の数は 。男子の隙間 か所から か所を選んで女子を並べる。 のときは女子が全隙間を埋め、男女交互になる。「隙間に入れる」発想は隣接禁止の配置問題ならいつでも使える。

答

通り

別解

別解:女子を「 人だけ固定」して回転を消す(別の視点)。 円順列を「 人を固定して残りを直線的に並べる」方法で数え直す。

女子の 人 W₁ を上席に固定する(これで回転の重複が消える)。残りの 席に、男子 人と女子 人を並べる。

W₁ の両隣は男子でなければならない(女子隣り合わせ禁止)。両隣の男子を選んで並べ、残りを配置する…と数えると煩雑になるので、本解の「男子を円に並べ隙間に女子」の方が速い。ただし固定の考え方は同じで、 を条件付きで数えることに変わりはない。

検算として、条件なしの男女 人の円順列は 通り。そのうち女子が隣り合わない 通りは約 。「男女交互(女子が完全に離れる最も厳しい配置)」は でこれと一致する。女子 ・男子 で女子が隣り合わないのは、実は男女交互しかないからだ。

ポイント

  • 男子を円形に並べる: 通り。
  • できた つの隙間に女子 人: 通り。積 。

よくある間違い

  • 男子も女子も円順列で とする(隙間に入れる女子は直線的に 。両方円順列にしない)。
  • 男子の円順列を とする(円順列は )。
  • 女子を入れる隙間の数を でなく別の数にする(男子 人の間は か所)。

問2立方体の6面を6色で塗り分ける

★★★★ 難関塗り分け回転同一視

問題

立方体の つの面を、異なる 色すべてを使って塗り分ける。回転して一致する塗り方は同じとみなすとき、塗り方は何通りあるか。

ヒントを見る

回転で重複するので、 をそのまま数えてはいけない。基準の色を つ「上」に固定して回転を封じ、残りをどう並べるか(側面は円順列になる)を考える。

解答・解説

方針

回転を考えなければ 通り。ある 色(たとえば上面の色)を固定して回転の重複を除く方法で数える:底面の色を上に固定 → 側面 色は円順列 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 回転を考えなければ 面に 色で 通り。だが立方体は回転で重なるものを同一視するので、重複を除く。

回転の重複を除くうまい方法は「 つの面を固定する」。たとえば「ある色(赤)を上面に固定」と決めると、回転の自由度が減る。赤を上に固定したら、底面の色は残り 通り。側面 色は上下軸まわりの回転(円順列)で 通り。。

重要回転で同じものを同一視するときは、基準を固定して重複を封じる。立方体では 色を上面に固定 → 側面は円順列

① 上面の色を固定する。 ある特定の色(赤とする)を上面に来るように回転で合わせる。どの塗り方も回転すれば赤を上にできるので、これで上下方向の重複が消える。

上
立方体。上面の色を固定すると、底面の選び方 5 通り・側面 4 色の円順列(4−1)! で数えられる

② 底面の色を選ぶ。 残り 色から底面の色を選ぶ: 通り。

③ 側面 色を並べる。 残り 色を つの側面に配置する。上下を軸にして回すとぐるぐる回るので、これは円順列: 通り。

④ 積をとる。

(確かめ:回転の重複を考えない を、立方体の回転の総数 で割っても 。)

まとめ:回転で同一視する塗り分けは「基準を固定して重複を封じる」。上面を固定すると側面が円順列になり、。全体を回転数 で割る方法(すべての色が異なるので割り切れる)でも同じ答えになる。

発展。 立方体の面の塗り分けは回転群(位数 )による対称性の数え上げ。色に重複があると、バーンサイドの補題(各回転で不変な塗り方を平均する)が役に立つ。たとえば 色で塗る場合は 通り、 色なら…と、群論が「見た目の対称性」を数える道具になる。

答

通り

別解

別解:バーンサイドの補題で回転群 で割る(得意な人向けの高い視点)。 立方体の回転は全部で 通り(面を上にする選び × その面の回転 )。異なる 色で全面を塗るとき、回転で不変な塗り方は「恒等回転」以外にない(どの回転も少なくとも 面を入れ替えるが、 色すべて異なるので入れ替わると別物)。

バーンサイドの補題「異なる塗り方の数 」を使う。不変なのは恒等回転のときの 通りだけ、他の 個の回転では 。

面固定で数える本解と同じ だが、バーンサイドは「回転で不変なものを数えて群の位数で割る」一般公式。色に重複がある場合(たとえば 面を 色で)には、各回転の寄与が でなくなり、本解の固定法より機械的に数えられる。

ポイント

  • 赤を上面に固定 → 上下回転の重複が消える。
  • 底面 通り × 側面の円順列 = 。

よくある間違い

  • 回転の重複を除かず をそのまま答える(立方体の回転 で割る、または 面固定)。
  • 側面 色を とする(上下軸まわりの回転で円順列 )。
  • 底面の色の選び方( 通り)を忘れる。

問3同じ文字が隣り合わない並べ方

★★★★ 難関同じものを含む順列隣り合わない隙間

問題

が 個、 が 個、 が 個の計 文字を 列に並べる。 個の がどの つも隣り合わないような並べ方は何通りあるか。

ヒントを見る

「隣り合わない」は先に他の文字を並べて隙間に入れる。 以外の 文字を並べると、隙間(両端も含む)は何か所できて、そこから の入る場所を何通りで選べるか。

解答・解説

方針

先に 以外()を並べる( 通り)。その間と両端にできる隙間( か所)から か所を選んで を入れる( 通り)。積が答え。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「 が隣り合わない」も、 以外を先に並べて隙間に を入れる型だ。

まず 以外の を並べる。同じ が 個あるので 通り。 文字の間と両端で、隙間は か所。ここから か所を選んで を 個ずつ入れる( 通り)。同じ隙間に 個入れなければ は隣り合わない。。

重要「同じ文字が隣り合わない」→ 他の文字を先に並べ、その隙間(両端を含む)から入れる場所を選ぶ

① 以外を並べる。 の 文字の並べ方は、 が 個ダブるので

② 隙間を数えて を入れる。 文字を並べると、間と両端に隙間が か所できる。

∨b∨b∨c∨
b, b, c を並べると、間と両端に隙間が4か所(∨)。ここから3か所を選んで a を入れる

この か所から か所を選んで を つずつ入れる( は同じ文字なので順序は関係ない):

③ 積をとる。

まとめ:「同じ文字が隣り合わない」は「他を並べて隙間に入れる」。 以外の並べ方(ダブりを で割る)と、隙間の選び方 の積。両端も隙間に数えることを忘れない( 文字なら隙間は か所)。

発展。 「同じ文字が隣り合わない」の一般的な数え上げは、包除原理や隙間法で扱う。文字の種類と個数が増えると難しくなり、「( 個)が隣り合わない」は、他の文字の並びの隙間から か所を選ぶ問題。連続を禁止する配置はDNA配列やスケジューリングなど応用も広い。

答

通り

別解

別解:総数から「 が隣り合う」を引く(補集合のルート)。 文字全体の並べ方は 通り。ここから「 が隣り合う場合」を引く。ただし「隣り合う」の数え上げは包除が要る。

「 が少なくとも 組できる」を数える。 を かたまり とみて、 の 個を並べると …だが、これは ( 個連続)を二重に数える。 を かたまりとみると で 通り。包除で「隣り合う」。

答え 。隙間法(本解)が「隣り合わない」を直接作るのに対し、補集合は「全体 隣り合う」。ただし「隣り合う」の数え上げに包除が必要で、 の二重計上に注意が要る。同じ に着くが、隙間法の方が明快だ。

ポイント

  • 以外 の並べ方 。
  • 隙間 か所から か所へ :。積 。

よくある間違い

  • が 個同じであることを忘れ、 以外の並べ方を とする()。
  • 隙間の数を誤る( 文字の間と両端で か所)。
  • 隙間から か所を選ぶ()ところを、順序を区別する順列で数える( は区別しないので組合せ)。

問4指定の点を通り別の点を通らない最短経路

★★★★ 難関最短経路組合せ

問題

下の図のような碁盤の目の道がある。地点 から地点 まで最短距離で行く経路のうち、地点 を通り、かつ地点 を通らない経路は何通りあるか。、、、 とする。

ABPQ
A(0,0)→B(5,4) の碁盤。P(2,1)を通り Q(3,3)を通らない最短経路を数える
ヒントを見る

「 を通り を通らない」=「 を通る」-「 も も通る」。各区間 、 などの経路数を組合せで数える。

解答・解説

方針

「 を通る経路」から「 と の両方を通る経路」を引く。各区間の最短経路数は右と上の移動回数から組合せで求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「 を通り を通らない」は、直接数えず引き算で攻める。

「 を通る経路」から「 と の両方を通る経路」を引けば、 を通るが は通らない経路になる。各区間の最短経路数は右と上の移動回数の組合せ。、、 をそれぞれ計算し、 を求める。

公式右に 回・上に 回進む最短経路は 通り。ある点を通る経路数 =(そこまで)×(そこから)

① を通る経路。 は右 ・上 で 通り。 は右 ・上 で 通り。よって

② と の両方を通る経路。 は 通り。 は右 ・上 で 通り。 は右 ・上 で 通り。よって

③ 引く。

まとめ:「通る・通らない」が混ざったら「通る全体 − 両方通る」の引き算。最短経路数は区間ごとに で出し、点を通る経路は掛け算でつなぐ。 を通る から、余分な「 も通る 」を除いて 。

発展。 格子の最短経路数は各点に「左+下」を足し込むパスカルの三角形そのもの。通行止め(通らない点)は、その点を にするだけで対応できる。これは動的計画法(DP)の最も基本的な例で、迷路の経路数え上げやロボットの経路計画の原型になっている。

答

通り

別解

別解:格子の各点に経路数を書き込む(視覚で確実なルート)。 から各格子点までの最短経路数を、左下から順に書き込む(各点は「左の点+下の点」の和)。ただし「 を通らない」ので、 の経路数を にしてから先へ進める。

まず から までの経路数は 。ここからは「 を出発点」として、 を封鎖しながら まで足し上げる。

に を置き、右・上へ和を伝播。 に来たらそこを にリセット( 経由を消す)。この「通行止め付き」の経路数え上げを まで続けると に が現れる。

引き算(本解) と同じ結果。格子に数を書き込む方法は、封鎖点が複数あっても「その点を にする」だけで対応でき、視覚的に確実。動的計画法(DP)の最も素朴な形だ。

ポイント

  • を通る 、 も も通る 。
  • を通り を通らない 。

よくある間違い

  • 「 を通り を通らない」を直接数えようとする(「 通る」「 と 両方通る」)。
  • 各区間の経路数 の計算を誤る( は右 ・上 で )。
  • を と の積で計算し忘れる。

問5組の大きさを指定しない組分け

★★★★ 難関組分け区別しない

問題

人を つの組に分ける方法は何通りあるか。ただし、どの組にも少なくとも 人は入るものとし、組の人数は問わない。また、組は区別しないものとする。

ヒントを見る

組が区別できると考えて、各人を 組のどれかに入れる()。ただし空の組があってはいけないので包除で除く。最後に組の区別をなくすため で割る。

解答・解説

方針

まず つの区別する箱に、空の箱がないように分ける(全体 から、空箱ができる場合を包除で引く)。最後に組を区別しないので、区別した数を で割る。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「組を区別しない」「人数は問わない」の つが厄介。まず「組を区別する」問題に直し、あとで区別をなくす。

つの区別する箱に 人を、空箱がないように入れる。全体 から、空箱ができる場合を包除原理で引く。。

最後に組の区別をなくす。 つの組はどれも 人以上で人数が違えば区別が意味を持つが、区別しないので で割る。。

定理包除原理: 組すべてに 人以上入る入れ方

① 区別する 組へ、空なしで入れる。 各人が 組のどれかに入る入れ方は 。ここから「ある組が空」の場合を包除で除く。

② 組の区別を消す。 いま組を区別して数えたが、実際は区別しない。組の並べ替え 通りが同じ分け方を重複して数えているので、 で割る。

まとめ:人数指定のない組分けは「区別あり(各人に組を割り当て)→ 包除で空組を除く → で区別を消す」の 段。人数が同じとは限らないので のような単純な式は使えず、包除が要る。この数は 人を つに分ける「第 種スターリング数」 にあたる。

発展。 「 人を 組(区別なし・各 人以上)に分ける」数は第 種スターリング数 。。組を区別すれば (全射の数)。 を から まで足した はベル数(組の数を問わない分割の総数)で、集合の分割を数える基本量だ。

答

通り

別解

別解:人数の組(パターン)で場合分けする(苦手な人にも見通しのよいルート)。 人を 組(区別なし・各 人以上)に分けるとき、人数のパターンは の 通り。パターンごとに数える。

【】 人組の選び方 。残り 人は 人ずつ( 通り、 人組どうしは区別なし)。 通り。

【】 人 、 人 、 人 。人数がすべて違うので区別の重複なし。 通り。

【】 通り(同じ人数 組は で割る)。合計 。包除 で割る本解に対し、人数パターンで分けると各ケースが素朴な組合せになる。同じ人数の組がある()ときだけ重複を割る、という注意が要点だ。

ポイント

  • 区別する 組へ空なし:(包除)。
  • 組を区別しないので :。

よくある間違い

  • 組を区別しないのに で割り忘れる(区別する箱への全射 を で割る)。
  • 空箱を許してしまう(各組 人以上=全射。 から空箱を包除で引く)。
  • 人数パターン で同じ人数の組の重複()を割り忘れる(別解の場合)。

問60を含む数字で作る3桁の偶数

★★★★ 難関順列整数を作る0の扱い

問題

の 個の数字から異なる 個を選んで 桁の整数を作る。このうち偶数は何個あるか。

ヒントを見る

偶数は一の位が 。ただし百の位に は置けない。一の位が のときと、 か のときで、百の位の選び方が変わるので、場合分けして数える。

解答・解説

方針

偶数 ⟺ 一の位が偶数()。一の位が の場合と、 または の場合で、百の位に を置けない制約が変わるので場合分けする。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 偶数 一の位が偶数()。だが は百の位に置けないので、一の位が か かで制約が変わる。場合分けする。

【一の位が 】百の位・十の位は残り から 個で 通り( の制約なし)。【一の位が または 】( 通り)。百の位は と一の位の目を除く 通り、十の位は残り 通り。 通り。合わせて 。

重要 桁の整数は先頭(百の位)に を置けない。 をどこで使うかで場合分けする

① 一の位が のとき。 一の位は に確定。残り 個()から百の位・十の位を選ぶ。 はもう使ったので先頭制約はなく、

② 一の位が または のとき。 一の位の選び方は 通り。このとき百の位には と一の位の数字が使えないので、残り 個(= から一の位を除いた 個のうち を除く)から選ぶ: 通り。十の位は残り 個から つ( も使える): 通り。よって

③ 合計する。

まとめ:「 を含む数字で整数を作る」は、 の特別扱い(先頭に置けない)で場合分け。一の位が なら先頭の制約が消え、一の位が なら先頭で を除く。 をどこで消費するかを軸に分けると数え漏れがない。

発展。 を含む数字で整数を作る問題は「最高位に を置けない」制約が要。 を一の位に置くか否かで場合分けするのが基本だ。桁の制約(最高位 、偶数なら末尾偶数、 の倍数なら桁和が の倍数)を組み合わせると、様々な整数の個数え上げに発展する。

答

個

別解

別解:全体から奇数を引く(補集合のルート)。 から異なる 個で作る 桁の整数の総数を出し、そこから奇数を引く。

桁の整数の総数: 百の位は 以外で 通り、十の位は残り 通り、一の位は残り 通り。 個。奇数( 一の位が か )を数える。一の位が奇数( 通り)。百の位は と一の位を除く 通り、十の位は残り 通り。 個。

偶数 個。一の位で場合分けする本解と同じ だが、「総数 奇数」で攻めると、奇数の一の位( で を含まない)は場合分けが 通りで済み、 の制約が絡まない分すっきりする。 個中、偶数 ・奇数 の内訳も見える。

ポイント

  • 一の位が :。
  • 一の位が :。合計 。

よくある間違い

  • 一の位が の場合と の場合で、百の位に を置けない制約の違いを見落とす。
  • 一の位が または のとき、百の位から「 と一の位の目」の つを除く( 通り)ことを忘れる。
  • 偶数の判定を「百の位が偶数」などと誤る(偶数 一の位が偶数)。

問7指定の数が定位置に来ない順列(包除原理)

★★★★ 難関包除原理順列

問題

を 列に並べる。 が 番目に、 が 番目に、 が 番目に来ることがいずれもないような並べ方は何通りあるか( の位置は問わない)。

ヒントを見る

「いずれも来ない」= 全体 −「少なくとも つは定位置に来る」。 つの条件に包除原理を使う。 個の数を定位置に固定すると、残りは 通り。

解答・解説

方針

全体 から「 が 番目」「 が 番目」「 が 番目」の少なくとも つが起こる並べ方を包除原理で引く。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「 が 番目・ が 番目・ が 番目のいずれもない」を直接数えるのは難しい。反対(少なくとも つ起こる)を包除で数える。

を「数 が 番目に来る並べ方」の集合とする()。 を包除原理で。 個の位置を固定すると、残り 個は自由で 通り。。全体 から引く。

定理包除原理:

① 部品を用意する。 を「数 が 番目に来る並べ方」とする()。 個の条件を同時に満たす( 個を定位置に固定)並べ方は、残り 個の並べ方で 通り。

  • ( 個)
  • ( 組)
  • ( 組)

② 少なくとも つ起こる数(包除)。

③ 全体から引く。

まとめ:「どの条件も成り立たない」は「全体 − 少なくとも つ成り立つ」。重なりを足し引きする包除原理が要。 個を定位置に固定すると残りは自由に 、という部品を、条件の個数ごとに符号を変えて足し合わせる。

発展。 全 か所に「 番目に が来ない」を課すと完全順列 。本問は か所だけの制限。「禁止位置」が任意に散らばる一般の問題は、禁止を表す盤面(ルーク多項式)で数えられ、包除原理の項がその盤面の配置数になる。

答

通り

別解

別解:完全順列(かく乱順列)の一般化として捉える(得意な人向けの視点)。 「 番目に が来ない」()だけを課し、 は自由。これは「 か所に禁止がある順列」で、包除原理の一般形で書ける。

禁止の集合 に対し、求める数は

個の位置を「 が 番目」に固定すると、残り 個が自由で 、その選び方が 、符号が 。

もし全 か所に「 番目に が来ない」を課せば、完全順列 。本問は か所だけの制限なので、 の分だけ自由度が増え になる。「一部の位置にだけ禁止」の順列は包除の項数を禁止の数に合わせるだけで数えられる。

ポイント

  • 、、。
  • 、。

よくある間違い

  • 直接数えようとする(反対「少なくとも つ起こる」を包除で引く)。
  • 包除の符号を交互にせず、 を全部足す。
  • の位置に制限がない(自由)ことを見落とし、完全順列 と混同する。

問8円周上の点を結ぶ弦の交点の個数

★★★★ 難関組合せ図形の個数

問題

円周上に異なる 個の点がある。これらの点のうち 点を結ぶ線分(弦)をすべて引くとき、円の内部にできる交点は最大で何個か。ただし、どの 本の弦も円の内部の同じ点では交わらないものとする。

ヒントを見る

円の内部の交点 つは、 本の弦が交わってできる。その 本の弦の端点は円周上の 点。逆に 点を選ぶと、内部で交わる弦の組はちょうど 通り。交点と 点の対応を考える。

解答・解説

方針

円の内部の交点 つは、それを作る 本の弦、すなわち 個の端点(円周上の 点)とちょうど 対 に対応する。したがって交点の個数は「 点から 点を選ぶ」組合せに等しい。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 弦の交点を つずつ数えるのは無理。交点と何かを 対 に対応させる。

円の内部の交点 つは、それを作る 本の弦で決まる。その 本の弦の端点は円周上の 点。逆に、円周上の 点を選ぶと、それらを頂点とする凸四角形の対角線がちょうど 点で交わる。

だから「交点」と「円周上の 点の組」がぴったり 対 。交点の個数 「 点から 点を選ぶ」。

重要円の内部の交点 つ ⟷ 円周上の 点 が 対 に対応(選んだ 点の四角形の対角線が交点を作る)

① 対応を確認する。 円周上の 点を選ぶと、それらを頂点とする四角形ができ、その 本の対角線が円の内部でちょうど 点で交わる。逆に、内部の交点はどれも 本の弦の交わりで、 個の端点を持つ。

交点
円周上の4点を選ぶと、四角形の2本の対角線が内部で1点で交わる。交点と4点の組が1対1

② 組合せで数える。 どの 本の弦も同じ点で交わらないので、交点はすべて別々。よって交点の個数は「 点から 点を選ぶ」組合せに等しい:

まとめ:交点を「 点の選び方」に言い換えれば解ける。ごちゃごちゃした弦の交わりを直接数えず、 対 対応で という組合せに帰着させる。「どの 弦も 点で交わらない」の条件は、交点がダブらない(=最大になる)ことを保証している。

発展。 円周上 点の弦の交点数は (一般の位置で)。同じ 点で、弦が円を分ける領域の数は (オイラーの公式から)。 点から 交点、という対応が、これらの数え上げの共通の核。組合せ論では「何と何が 対 に対応するか」を見抜けるかどうかが、多くの問題の決め手になる。

答

個

別解

別解:対角線の交点として凸多角形で数える(視覚で納得するルート)。 円周上の 点を頂点とする凸 角形を考える。弦はすべて、この 角形の辺または対角線だ。内部の交点は「対角線どうしの交点」そのものである。

凸多角形で「 本の対角線が内部で交わる」「その つの端点が凸四角形をなす」。逆に、任意の 頂点を選ぶと、それらを頂点とする凸四角形の 本の対角線がちょうど 点で交わる。だから交点と「 頂点の組」が 対 。

弦の交点を弦のペアで数える本解と同じだが、「凸四角形の対角線交点」と読むと、 点を選べば交点が つ確定する対応が図で見える。「どの 本の弦も 点で交わらない」という条件は、この 対 対応を保証するためのもの( 本が 点で交わると 個の交点が 個に重なってしまう)。

ポイント

  • 内部の交点 ⟷ 点の組 が 対 。
  • 交点数 。

よくある間違い

  • 交点を弦のペア(全 本の弦から 本選ぶ組)で数え、平行や 点集中を考えず過大にする(交点 点の組)。
  • でなく (弦の本数)を交点数とする。
  • 「どの 本も 点で交わらない」条件の意味( 対 対応の保証)を無視する。