数学III / 積分法の応用

積分法の応用 ★★★ 応用の問題 全8問

入試標準レベル。複数の考え方を組み合わせる

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 2曲線間の面積(放物線と無理関数)
  2. 回転体の体積(√sin)
  3. 区分求積法(1/(1+x²))
  4. 曲線の長さ(懸垂線)
  5. 回転体の体積(2曲線・中空)
  6. 道のりと変位(三角関数)
  7. 面積(1/(1+x²) と x 軸)
  8. 球の体積

問12曲線間の面積(放物線と無理関数)

★★★ 応用面積2曲線

問題

において、曲線 と で囲まれた部分の面積を求めよ。

ヒントを見る

交点を求めて、区間内の上下関係を 点代入で確認。あとは『上 − 下』を積分する。分数指数の積分を正確に行うこと。

解答・解説

方針

交点は より 。この区間で ( が上)。面積は 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) と で囲む面積を求めたい。

まず交点を出す。 から 。この区間で「上 下」を積分すればよい。式にすると だ。

間違えやすいのは上下の判定だ。 を確かめる一手が要る。「 曲線の面積は、交点を出し、上下を判定し、積分する」という基本を、無理関数と放物線の組で使う。

重要面積

① 交点と上下を確かめる。 の両辺を 乗すると 、、。 では ( が上)。

② 「上 − 下」を積分する。 。

xyO(1,1)
y=√x(上)と y=x^2(下)で囲む面積([0,1]、=1/3)

まとめ: と は に関して対称(互いに逆関数)で、 で が上。面積 。 を に直して累乗の公式で積分するのがコツ。

発展。 この は指数を変えた曲線の族の中に位置づけられる。 と ()で囲む部分を考える。この 曲線も に関して対称な逆関数の対だ。

での面積は 。 を入れると、いまの になる。 を大きくすると、 は上の辺 に、 は下の辺 に張りつく。面積 は に近づき、囲む部分が単位正方形いっぱいに広がる様子が式から読める。

答

別解

別解: の対称性で つに割る(得意な人向けの視点)。 と は互いに逆関数の関係にある。だから直線 を鏡にして、左右対称の位置にある。

では 。つまり直線 は 曲線のちょうど間を通る。すると囲まれた領域は で上下 つに分かれ、対称性からその面積は等しい。上側( と のあいだ)だけ出して 倍すればよい。

「上 下」をまとめて積分する本解と同じ になる。逆関数どうしが で対称という事実を使うと、片側だけ計算して残りは対称性に任せられる。

ポイント

  • 面積 = ∫(上 − 下)。 が上。
  • で積分。

よくある間違い

  • 上と下を取り違え、 として面積を負の値にしてしまう。
  • を に直さず、 が書けずに積分で行き詰まる。
  • 交点を の 乗 から求めるとき、 だけを見て を落とし、区間を取り違える。

問2回転体の体積(√sin)

★★★ 応用回転体

問題

曲線 ()と 軸で囲まれた部分を、 軸のまわりに 回転してできる立体の体積を求めよ。

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回転体は の積分。 に根号がついているので、 乗すると大きく簡単になる。根号つき曲線の回転体は、むしろ計算が楽になる例だ。

解答・解説

方針

回転体の体積は 。この に を入れると と根号が消え、 のやさしい積分になる。まず「なぜ か」を押さえるのがコツ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) を 軸まわりに回す立体の体積を考える。

回転体で使うのは 。 を 乗すると で、根号が消える。だから積分は という、やさしい形になる。

ではなく の積分で済む。根号つきの曲線ほど回転体では計算が楽になる、という例だ。

公式 軸まわりの回転体の体積 (断面が半径 の円だから面積は )

① なぜ を積分するのかを確かめる。 できる立体を 軸に垂直な平面で薄く輪切りにする。切り口は半径 の円で、その面積は 。この円板を から まで積み重ねた(積分した)ものが体積だ。だから公式には ではなく が出る。

xyOπ
y=√(sin x) を x軸のまわりに1回転。断面は半径 y の円(点線)

② を求める。 を 乗すると、根号が外れて 。回転体で使うのは なので、この根号がちょうど消えてくれる。

③ 積分する。 を使う。

上端 と下端 を代入する。、 だから、

まとめ:回転体の体積は「断面の円の面積 を積分する」。だから公式に が出る。 は、その で根号が消えるように作られた問題で、 から 。根号つきの曲線ほど回転体では計算が楽になる、という見本だ。

発展。 この御利益は という形なら回転体でいつでも起きる。回転体で使うのは なので、根号がそのまま外れて になる。被積分関数が そのものにまで簡単になる。

逆に、根号のない を回すと が現れる。こちらは半角の公式で に直してからでないと積分できない。同じ でも、根号の有無で難しさが入れかわる。

だから根号を見て身構える必要はない。回転体では 乗されるので、根号のほうがむしろ計算しやすくなる。

答

別解

別解:置換 で角度を消す(得意な人向けの視点)。 体積は 。この積分を原始関数 で片づけるかわりに、 とおくと、角度そのものが消えて長さを測るだけの計算に変わる。

とおくと 、すなわち 。区間は のとき と対応する。

の積分が区間 の幅を測るだけの になった。 の符号で迷いやすい人には、 を丸ごと に置きかえるこの道が安全だ。本解と同じ 。

ポイント

  • 。。
  • 。

よくある間違い

  • と、 を 乗せずに積分してしまう(正しくは )。
  • を に直さず、根号のまま を計算しようとして詰まる。
  • を とするとき、 の符号を誤り としてしまう。

問3区分求積法(1/(1+x²))

★★★ 応用区分求積法

問題

極限 を、定積分を用いて求めよ。

ヒントを見る

分母・分子を で割って、 の形をあぶり出す。 は分母に 乗が入る形で、その定積分は角度になる型だ。

解答・解説

方針

と変形すると区分求積の形になる。 で、。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 和 の極限を、定積分の形にしたい。

各項 を と変形する。すると の形が現れる。これは区分求積の形。 として に読みかえられる。

分母に 乗が入る積分は、角度 になる型だ。和の極限を、この定積分に帰着させるのが発想だ。

定理区分求積法

① 区分求積の形に変形する。 分母・分子を で割る。

② 定積分に読みかえる。 、。

③ 計算する( 置換)。

xyO1
Σn/(n²+k²) は y=1/(1+x²) の下の長方形の和 → ∫₀¹dx/(1+x²)=π/4

まとめ: は「 で割って区分求積の形」に。 から 。この定積分は ( 置換)。和の極限に が出てくる結果だ。

発展。 同じ仕掛けは和の走る範囲を変えると別の角度を生む。たとえば を から まで走らせた を考える。

このとき は から まで動くので、極限は になる。上端を に取れば が得られる。

有理数だけの足し算をどんどん細かくしていくと、その果てに の値、すなわち角度が現れる。 という無理数が整数の和から立ち上がるのは、この橋渡しがあるからだ。

答

別解

別解:挟み撃ちで極限を直接おさえる(得意な人向けの視点)。 区分求積の公式をそのまま持ち出すかわりに、和を つの積分で挟んで極限を示す。誤差の大きさまで見えるのが利点だ。

は で減少する。小区間 (幅 )では、右端の値が最小・左端の値が最大なので

から まで足す。左辺の和はちょうど求める和 、中央は 、右辺の和は より だけ大きい。よって

で両端が に押し寄せる。はさみうちの原理より 。区分求積の公式を認めるかわりに、その中身を不等式で組み立てても、本解と同じ極限にたどり着く。

ポイント

  • で割って区分求積の形に。
  • 。

よくある間違い

  • で各項 が に近づくことから、和も と早合点する(項数も とともに増えるので にならない)。
  • 分母・分子を で割る一手に気づかず、 の形を作り出せない。
  • 和が から までだからと、積分区間を でなく などと取り違える。

問4曲線の長さ(懸垂線)

★★★ 応用曲線の長さ

問題

曲線 ()の長さを求めよ。

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長さの公式の中身 を計算すると、完全平方の形にまとまる。この曲線(懸垂線)の特徴がここに現れる。根号が外れれば積分は基本形。

解答・解説

方針

。。 が完全平方 になり、根号がきれいに外れる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 曲線の長さは で求まる。

ふつうは根号が残って積分しにくい。だがこの曲線(懸垂線) では事情が違う。 を計算すると、ちょうど完全平方 になる。だから根号がきれいに外れる。

まず を求め、 が 乗の形になることを確かめる。そこが要点だ。

公式曲線の長さ

① と を求める。 。

② 根号を外す。 中身が完全平方なので

③ 積分する。

xyO1
y=(eˣ+e^{−x})/2(懸垂線)の 0≤x≤1 の弧

まとめ:この曲線(懸垂線)は、 が完全平方 になるよう作られている。根号がきれいに外れ、。曲線の長さ問題は「根号が外れる形」がほとんどだ。

発展。 この曲線は懸垂線(カテナリー)と呼ばれ、両端を留めた鎖やロープが自分の重みで垂れ下がるときの形だ。かつては放物線と思われていたが、放物線ではない。ガリレオは放物線と考え、のちにホイヘンスやベルヌーイらが実際の形を突きとめた。

一般には と書ける。 は垂れ具合を決める定数で、大きいほど浅く、小さいほど深く垂れる。この一般形でも は完全平方になり、 から までの弧長は ときれいにまとまる。

見た目のよく似た放物線とは、わずかだがはっきり違う曲線である。鎖が「いちばん楽な垂れ方」を自然に選ぶと、放物線ではなくこの の形になる。数学と物理が交わる例だ。

答

(すなわち )

別解

別解:折れ線で長さを近似して確かめる(苦手な人向けの実験ルート)。 「曲線の長さ」がそもそも何かを、折れ線でなぞって体感してみる。区間を細かく割り、各区間を線分で結んで長さを足すと、本当の弧長に近づく。

区間 を半分に割り、 点をとる。 の値は でおよそ 。 つの線分の長さを三平方で出す。、。足すと約 。

分割をもっと細かくすると、この折れ線の総和は にじわじわ近づく。折れ線は弧より少し短いので、下から近づくのが自然だ。公式で根号を外して出す本解の値と、確かに一致する。

ポイント

  • が完全平方になる。
  • 懸垂線 の長さ。

よくある間違い

  • が完全平方になることに気づかず、根号の中を展開したまま積分しようとして手が止まる。
  • の中央の を落とし、 を にまとめ損ねる。
  • 根号が外れた後の で、 の積分の符号を誤る。

問5回転体の体積(2曲線・中空)

★★★ 応用回転体2曲線

問題

において、曲線 と で囲まれた部分を、 軸のまわりに 回転してできる立体の体積を求めよ。

ヒントを見る

中空の回転体は『外側の − 内側の 』。外側と内側を取り違えると符号が逆になる。図で確認してから式を立てること。

解答・解説

方針

で 。回転すると外側 、内側 の中空の立体。。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) と で囲む部分を、 軸まわりに回す。

では が上、 が下。回すと、外側 ・内側 の中空の立体ができる。だから体積は「外の回転体 内の回転体」。式にすると だ。

外側と内側を取り違えないこと。あとは の差を積分するだけ。中空立体の標準の発想を、無理関数と放物線の組で使う。

公式 曲線の回転体

① 外・内を確かめる。 で 。外側 、内側 。

② 「外² − 内²」を積分する。 、。

xyO1
y=√x と y=x² で囲む領域。これを x軸まわりに回転(中空の立体)

まとめ: 曲線で囲む部分の回転体は「外の − 内の 」。 は 、 は と、回転で 乗するとどちらも扱いやすくなる。。

発展。 外と内の曲線を一般の (外)、(内)にしても、同じ形の答えが出る。 で となるのは のとき。中空の体積は となる。

いまの問題は で、 と合う。指数を選ぶだけで体積が決まる。同じ 曲線でも、平面での面積()と回転体の体積()は別の量。片方から他方が単純な比で出るわけではなく、それぞれ独立に積分して初めて分かる。

答

別解

別解:パップス・ギュルダンの定理で面積から出す(得意な人向けの視点)。 平面図形を軸のまわりに 回転してできる立体の体積は、 で求まる。 は図形の面積、 はその重心から回転軸までの距離だ。

囲む部分の面積は基本の 曲線の面積として 。重心の高さ は で出せる。中身は だから、。これを定理に入れる。

を直接積分する本解と同じ。面積(基本問題の )と重心さえ分かれば、回転体の体積は掛け算ひとつで出る、という高い視点だ。

ポイント

  • 。
  • 、。

よくある間違い

  • 外の 乗から内の 乗を引くところを、(差の 乗)と取り違え、正しい でない式を積分してしまう。
  • 外側と内側を逆にし、 で外が ・内が である上下関係を取り違える。
  • を とするなど を作る指数計算を誤る、または を掛け忘れる。

問6道のりと変位(三角関数)

★★★ 応用速度と道のり

問題

数直線上を動く点の速度が で表される。時刻 から までの、変位と道のりをそれぞれ求めよ。

ヒントを見る

変位は 周期の積分なので、対称性から予想がつく。道のりは絶対値の積分なので、速度が負になる区間で符号を反転して足す。

解答・解説

方針

変位は 。道のりは 。 は で正、 で負なので、道のりは対称性で 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 変位と道のりは別物。この区別を間違えやすい。

変位は速度をそのまま積分する(、符号込み)。 周期では行って戻るので、打ち消し合って になる。道のりは実際に動いた長さで、速さ を積分する()。これは にならない。

は で符号が変わる。道のりの計算では、そこで区間を分けるのがポイントだ。

重要変位 、道のり

① 変位を求める。 の 周期の積分。

② 道のりを求める。 は で正、 で負。 を積分する。 と の面積は等しいので 倍。

tvOπ2π
v=sin t。前半[0,π]は進み(青)、後半[π,2π]は戻り(赤)。変位=0、道のり=4

まとめ: 周期の変位は (行って戻る)。しかし道のりは実際に動いた長さで、 を積分。 の面積 を 倍して 。単振動で「変位 、道のり 」の典型だ。

発展。 周期での平均を考えると、変位と道のりの違いがはっきりする。平均の速度は変位を時間で割って 。行って戻るのだから当然だ。

一方、平均の速さは道のりを時間で割って 。これは の 周期平均で、山の高さ に対しておよそ 倍にあたる。

この は理科でも出てくる。交流電流を全波整流したときの平均が、ピーク値の 倍になるのが同じ計算だ。行きも帰りも「進んだ量」として数える発想が、絶対値の平均という共通の形にまとまっている。

答

変位 、道のり

別解

別解:位置の関数を求めて動きを追う(得意な人向けの視点)。 絶対値の積分に頼らず、点の位置そのものを式にして、動きを目で追ってもよい。

速度 を積分すると位置は 。出発点を とすると で、。この を追う。 では で進み、 は から まで増える。 では で戻り、 は から へ減る。

変位は端どうしの差 。道のりは動いた総量で、 の と の を足して 。絶対値を積分する本解と同じ「変位 、道のり 」に、位置のグラフの往復から届く。

ポイント

  • 変位 ( 周期で )。
  • 道のり 。

よくある間違い

  • 道のりを (絶対値なし)で求め、変位と同じ にしてしまう。
  • の積分で、符号が変わる を境に区間を分けず、そのまま 的に処理して とする。
  • 「 周期だから変位も道のりも 」と早合点し、実際に動いた長さは でないことを見落とす。

問7面積(1/(1+x²) と x 軸)

★★★ 応用面積

問題

曲線 と 軸、および 直線 、 で囲まれた部分の面積を求めよ。

ヒントを見る

この面積の積分は とおく置換で角度の積分になる型。区間の読み替えまで丁寧に。

解答・解説

方針

。面積は 。 の置換で計算する()。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は正なので、囲む面積はそのまま定積分 。

問題はこの積分をどう計算するか。 を見たら とおく、という置換の型がある。置くと分母が にまとまり、角度 の積分になる。

「 を見たら 置換」という前の単元の型を、面積計算でそのまま使う。

重要 は で置換()

なので面積は定積分。 とおくと、、 で被積分関数が になる。区間は 、。

xyOx=1
y=1/(1+x^2) と x軸、x=0〜1 で囲む面積(=π/4)

まとめ: と 軸が で囲む面積は 。 の置換で被積分関数が になり、区間が に変わる。曲線の下の面積に が現れる有名例だ。

発展。 右端を から動かすと、。 を大きくしていくと は に近づく。

つまり の下の面積は、 を から無限に伸ばしても で止まる。左右あわせた全体では、曲線と 軸のあいだの面積がちょうど になる。

この釣鐘形の曲線は統計ではコーシー分布(物理ではローレンツ分布)として知られる。 とすれば全体の面積が になり、確率の密度に使える。 が「積み上がった面積 角度」を測っている、という見方が背景にある。

答

別解

別解:級数に開いて足す(得意な人向けの視点)。 を等比級数とみて展開し、項ごとに積分すると、有名な交代級数が現れる。

で (公比 の等比級数)。これを から まで項ごとに積分する。

右辺はライプニッツの級数で、 に収束する(交代級数なので端 でも和が定まる)。 で置換する本解と同じ 。曲線の下の面積が奇数の逆数の交代和という素朴な足し算に姿を変える。

ポイント

  • は で置換。
  • 面積 。

よくある間違い

  • の原始関数を、 や など別の形と混同する(正しくは )。
  • の置換で、 と の片方だけを使い、被積分関数が にならない。
  • 積分区間を に読みかえず、 に対応する を出せずに詰まる。

問8球の体積

★★★ 応用回転体

問題

半円 ()を 軸のまわりに 回転してできる立体(半径 の球)の体積を求めよ。

ヒントを見る

の積分で、 は根号が外れて多項式になる。対称性で半分の区間に直すと計算が軽い。結果が球の体積の公式と一致することも確かめよう。

解答・解説

方針

。 なので 。根号が消え、偶関数なので で計算できる。半径 の球の体積の公式 が導ける。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 半円 を 軸まわりに回すと、半径 の球ができる。

回転体の体積は 。 を 乗すると で、根号が消える。被積分関数は偶関数なので、 に直すと計算が軽い。

球の体積 を、暗記でなく回転体の積分から自分で導く。その由来を体感する発想だ。

公式。半円の回転で球ができる

① を求める。 なので 。

② 積分する。 偶関数なので 。

xyO
半円 y=√(1-x^2) を x軸回転 → 半径1の球(V=4π/3)

まとめ:半円を 軸回転すると球ができる。 で根号が消え、 を偶関数の対称性で計算。半径 の球の体積 。一般には で、この積分がその公式の証明になっている。

発展。 半径 の球の体積は 。この式を で微分すると で、これはちょうど球の表面積だ。偶然ではない。

球を、薄い球殻(たまねぎの皮)を重ねたものと見る。半径を から へわずかに増やすと、増える体積は「表面積 厚み」。だから体積を半径で微分すると表面積に戻る。

同じ関係は円でも成り立つ。面積 を で微分すると円周 。図形に「外側から薄皮を足していく」と見ると、体積・面積と、表面積・周の長さが、微分でつながっていることが分かる。

答

別解

別解:円柱から円錐を引く(得意な人向けの視点、アルキメデス)。 積分せずに、断面積の一致から球の体積を出す。半球を「円柱から円錐を抜いた立体」とくらべる方法だ。

まず半球(球の の側)を、 軸に垂直な平面で切る。位置 での切り口は半径 の円で、面積は 。

次に、半径 ・長さ の円柱から、 を頂点として で半径 に開く円錐をくり抜いた立体を考える。位置 での切り口は外側の円 から内側の円 を除いた 。

どの でも切り口の面積が一致する。カヴァリエリの原理より、 つの立体の体積は等しい。

を積分する本解と同じ。被積分関数の がそのまま「円柱の断面 円錐の断面」に対応している。

ポイント

  • 半円の回転で球。。
  • 球の体積 の導出。

よくある間違い

  • を に直さず、根号のまま を計算して、半円の面積 と体積を混同する。
  • 積分区間を とだけして、 が から まで動くことを見落とし、体積を半分にする(偶関数の 倍を忘れる)。
  • の計算で の係数や符号を誤り、 でない値を出す。