速度を積分して位置・変位・道のりを求める

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年11月9日

直線上を移動する点の速度 が与えられたとき、位置・変位・道のりはどれも積分で求めます。3つのうち道のりだけは を積分するという違いがあり、折り返しのある運動で符号の扱いを誤る人が多くいます。数学IIIの積分法の応用と、物理の - グラフに共通する考え方です。

位置・変位・道のりの関係

位置 を時刻 で微分したものが速度 です。反対に、速度を積分すると位置の変化が得られ、時刻 の位置 との和が時刻 の位置になります。

時刻 から までの位置の変化を変位といい、 です。前進した分と後退した分が打ち消し合うので、最後に出発点と同じ位置にあれば変位は になります。

一方、道のりは実際に移動した距離の合計で、後退した分も正の量として合計します。

公式変位 、道のり

の間は前進、 の間は後退しているので、 の符号が変化する時刻で区間を分割すれば、絶対値の記号なしで計算できます。

例: 折り返しのある運動

、 の場合を考えます。 は で正、 で負、 で正です。

原始関数を とおくと、、、、 です。変位は になります。

道のりは区間ごとの変化の絶対値の和です。

点は最初に だけ前進し、同じ距離を後退して で出発点の位置に達し、最後に再び 前進しています。最終的な位置の変化は で、移動した距離の合計は です。

このように、符号が変化する時刻での原始関数の値を先に表にしておくと、変位と道のりを同じ計算から求められます。

区切るのは符号が変化する時刻

になる時刻でも、符号が変化しなければ折り返しではありません。 は で になりますが、その前後でどちらも正なので、点は一瞬止まるだけで前進を継続します。この場合、道のりは変位と等しくなります。

符号が変化する時刻を1つでも見落とすと、道のりの値は誤りになります。反対に、符号が変化しない時刻で区間を分割しても、結果は同じです。迷ったら の解すべてで分割し、各区間の符号を確認してください。

グラフで考えると、道のりは のグラフと 軸の間の面積の合計、変位は 軸より上の面積から下の面積を引いた値です。面積の求め方は面積の問題の解き方と同じで、上下が入れ替わる点で区切るという手順も共通しています。

物理の - グラフとの対応

物理基礎では - グラフとグラフの下の面積から変位を求めます。積分を使用しない計算ですが、内容は上と同じです。

ボールを真上に速さ で投げ上げた場合、上向きを正とすると です。 で になって最高点に達し、 で投げた位置に到達します。 の変位は 、道のりは三角形2つの面積の和で です。最高点の高さはその半分の になります。

加速度から位置までは積分を2回くり返します。 を積分すると が得られ、 を積分すると が得られますが、積分のたびに初めの値が1つずつ必要です。上の例なら、 と初速度 から 、初めの位置 から となります。

平面上の運動では速さを積分する

点が平面上を移動するとき、位置は 、速度はベクトル です。速度の大きさ(速さ)は で、これは負になりません。平面上の道のりは速さを積分して求めます。

この式は曲線の長さの公式と同じ形です。直線上の が、平面では速度ベクトルの大きさになったと考えてください。

例として 、()を計算します。、 から となり、速さは です。道のりは になります。

つまずきやすいところ

最も多い誤りは道のりを求める問題で を計算してしまうことです。問題文が「位置」「変位」「道のり」のどれを求めているかを、最初に確認してください。

次に多いのは位置を求める問題で初めの位置 の加算を忘れることです。 は位置の変化であり、位置そのものではありません。物理では正の向きをどちらに設定したかを最初に明記すると、符号の誤りを防止できます。

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