面積問題の攻め方 — 立式を4手順に固定する

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年9月6日

積分で面積を求める問題は、数学IIで初めて出会い、数学IIIで関数の種類が広がり、入試では最も頻出のテーマの1つになります。計算そのものより、「式を立てるまで」で失点する人が多いテーマです。この記事では、面積の立式を4つの手順に固定し、計算を短くする公式と、つまずきの場所を説明します。

立式は4手順で固定する

面積の問題は、次の4手順を毎回同じ順序で行えば、立式で失点しなくなります。

1つ目、交点を求めます。2つの曲線(または曲線と軸)を連立して、交点の 座標を求めます。ここで2次方程式や因数定理が要ります。

2つ目、図を描きます。交点を印にして、2つの曲線の上下関係を確かめます。上下が途中で入れ替わるなら、その点で区間を分けます。

3つ目、「上 − 下」を区間ごとに積分します。 軸との間で曲線が軸より下にあるなら、 を積分します。

4つ目、計算します。ここで公式(6分の1公式など)が使えるかを判断します。

この4手順は、数学IIの積分の考えの基礎「2曲線で囲む面積」「x 軸の下にある部分の面積」で身につけ、数学IIIの積分法の応用で三角・指数・対数関数に広げます。このサイトの面積の問題には、すべて塗り分けの図を付けてあるので、2つ目の手順で自分の描いた図と照らしてください。

計算を短くする公式

放物線と直線が2点 で交わるとき、間の面積は です(6分の1公式)。交点が根号を含むときに特に効きます。放物線と2本の接線で囲む面積は (12分の1公式)、3次曲線と接線で囲む面積も同じ形の公式があります。

公式を使うときは、「放物線と直線(または放物線どうし)」という条件を満たしているかを確認してください。3次曲線と直線には6分の1公式は使えません(交点が3つになるからです)。公式の証明は、実戦編の6分の1公式の証明にあります。1度証明を追っておくと、条件を忘れません。

面積の最小値を求める問題(応用の囲む面積の最小値)は、6分の1公式で面積をパラメータの式にし、 を解と係数の関係で表す、という流れです。

数学IIIで加わるもの

数学IIIでは、交点を求めるのに指数方程式・対数方程式・三角方程式が要り、積分に置換積分・部分積分が要ります。 軸で囲まれた面積は、 で積分するなら部分積分、 で積分するなら として指数関数の積分になります。「 で積分する」という選択肢を持っていると、計算が短くなる問題が多くあります。

のように、 で0に近づく関数と 軸で囲まれた「無限に伸びる領域」の面積は、上端を として積分し、 の極限をとります(広義積分)。収束するかどうかも含めて答えます。

つまずきやすいところ

最も多い失点は、上下関係を図で確かめずに「上 − 下」を逆にすることです。答えが負になったら、上下が逆です。図を描く手順を省かないでください。

次に、区間の分け忘れです。3次曲線と直線が3点で交わるとき、2つの領域で上下が入れ替わるので、区間を分けて別々に積分します。対称性(3次関数の変曲点に関する点対称)を使えば、2つの領域の面積が等しいことがわかり、計算が半分になります(実戦編の3次曲線とx軸で囲む2つの部分の面積)。

絶対値を含む関数の面積は、絶対値の中身の符号が変わる点で区間を分けます。標準の絶対値を含む定積分で確認してください。

面積から逆算する問題

「面積が になるように直線を決めよ」「面積を2等分する直線を求めよ」という逆算の問題は、面積を未知数の式で表してから方程式を解きます。面積の2等分(応用の面積を2等分する直線)は、 で積分するほうが短いことが多く、 で積分する方法と見比べてください。

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面積の立式に必要な図の描き方は、図をかく技術の「グラフと横線」「座標平面の配置」の節にあります。数学IIから数学IIIへの微積分の橋渡しは、数学IIから数学IIIへにまとめてあります。回転体の体積は、面積と同じ4手順で「断面の円板を積む」式を立てるので、積分法の応用の記事を参照してください。