数学C / 平面上の曲線

平面上の曲線 ★★ 標準の問題 全12問

定期テストレベル。典型パターンの運用

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 平行移動した放物線
  2. 焦点と長軸から楕円を求める
  3. 焦点と漸近線から双曲線を求める
  4. 楕円の焦点距離の和
  5. 双曲線の焦点距離の差
  6. 媒介変数表示から直交座標へ(放物線)
  7. 極方程式(円になる)
  8. 極方程式(直線になる)
  9. 2次曲線の分類
  10. 放物線の接線
  11. 楕円が囲む面積
  12. 極座標の2点間の距離

問1平行移動した放物線

★★ 標準放物線平行移動

問題

放物線 の頂点と焦点を求めよ。

ヒントを見る

や のカタマリは「平行移動」のサイン。もとになった曲線と、ずらした量を先に確定させよう。頂点も焦点も、もとの曲線のものを同じだけずらせばいい。

解答・解説

方針

(、焦点 )を 方向に 、 方向に 平行移動した形。頂点も焦点も同じだけずらす。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は、基本形 の を 、 を に置き換えた形だ。つまり基本の放物線を 方向に 、 方向に 平行移動したものだ。

基本形 ()の頂点は原点、焦点は 。平行移動では頂点も焦点も同じだけずれる。頂点 、焦点 。「部品(頂点・焦点・準線)ごと引っ越す」のが平行移動の読み方である。

重要 は を 平行移動したもの。頂点・焦点も同じだけずらす

① もとの放物線を見る。 は、(、)。 なので 。

② もとの頂点・焦点。 の頂点は 、焦点は 。

③ 平行移動して戻す。 、 を加える。

xyO頂点(2,1)焦点(3,1)
(y-1)²=4(x-2)。頂点(2,1)、焦点(3,1)

まとめ: は基本形 を だけずらした形。頂点・焦点・準線もまるごと同じだけ平行移動すればよい。カッコの中の符号(引く)に注意( なら右へ )。

発展。 数Iの 次関数 の頂点の読みと、今回の の読みは同じ「平行移動の文法」だ。違いは向き(横に開く)と、焦点・準線という新しい部品が増えたことだけだ。放物線は数Iの知識の延長で学べ、 次曲線の最初に扱う曲線である。

焦点の実用的意味も添えたい。放物線の内側に焦点から光を放つと、反射光はすべて軸に平行に飛ぶ(逆も然り)。パラボラアンテナや懐中電灯の反射鏡は、この 点の位置で性能が決まる。「焦点を求めよ」は工学の設計図の計算でもある。

答

頂点 、焦点

別解

出した答えを、放物線の定義に戻して検分してみよう。焦点だけでなく準線も確かめられる。放物線は「焦点と準線から等距離の点の集まり」。基本形 の準線 も一緒に引っ越して、この放物線の準線は だ。

検分 (頂点): 頂点は焦点と準線のちょうど中間にいるはず。焦点 と準線 の中間は で、頂点 と一致。

検分 (曲線上の点): たとえば のとき から で、点 をとる。焦点までの距離は 、準線 までの距離も で、等距離。

「頂点は焦点と準線の中点」「 は頂点から焦点までの距離」という位置関係を身につけておくと、平行移動した式でも部品の配置が絵で描け、焦点の座標のずらし忘れ・ずらし過ぎに自分で気づける。

ポイント

  • は 平行移動。
  • 頂点・焦点も同じだけずらす。

よくある間違い

  • 焦点を基本形のまま と答え、平行移動分をずらし忘れる
  • の から とする()
  • 型(横向き)と 型(縦向き)の開く向きを混同する

問2焦点と長軸から楕円を求める

★★ 標準楕円

問題

つの焦点が で、長軸の長さが の楕円の方程式を求めよ。

ヒントを見る

求める未知数は と の つ。「長軸の長さ」と「焦点の位置」が、それぞれどちらの未知数の情報になるかを整理すれば、順番に決まっていく。

解答・解説

方針

焦点が 軸上なので横長。長軸 より 。焦点 。 で を出す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 楕円の設計図は の つの数。問題文から つ読み取れば、関係式 で残りが決まる。

  • 長軸の長さ →
  • 焦点 → ( 軸上なので横長の楕円)

焦点が 軸上 → 分母の大きい方が に付く、という向きの確認も忘れずに。

公式楕円(横長):、すなわち ( は焦点距離)

① を出す。 長軸 より 、。

② を出す。 焦点 より 。楕円は 。

③ 方程式を書く。 焦点が 軸上なので の分母が大きい()。

xyO(3,0)(−3,0)
焦点(±3,0)・長軸10 → 楕円 x²/25+y²/16=1

まとめ:楕円を作るには (長軸の半分)と (焦点距離)から を出す。焦点が 軸上なら 側の分母が大きい。焦点と長軸が与えられたら、この順で組み立てる。

発展。 と の比 は離心率と呼ばれ、楕円の「つぶれ具合」を表す( で円、 に近いほど細長い)。惑星の軌道は太陽を焦点とする楕円(ケプラーの第一法則)で、地球は のほぼ円、ハレー彗星は の細長い楕円だ。離心率は天文学で実際に使われる量である。

糸とピンの作図は、実際に画鋲 つと糸で試せる数少ない曲線の定義でもある。定義(距離の和)→ 作図(糸)→ 式()の三点セットで持っておくと、楕円の問題はどの角度から来ても受けられる。

答

別解

という関係式を、糸とピンの絵から取り出してみよう。楕円は「 本のピン(焦点)に長さ の糸を留め、ピンと張ったペン先が描く曲線」で、距離の和が一定 であることを実際に示している。

ペン先が短軸の端 に来た瞬間を見る。左右対称だから、糸は二等分され、片側の長さは 。このとき「焦点 → 短軸の端 」の糸は、横 ・縦 の直角三角形の斜辺になっている。三平方の定理で

–– の直角三角形が楕円の中に隠れていた()。 は、短軸の端で糸を張ったときの三平方の定理から出る式だ。この絵があれば、双曲線の (符号が逆)との混同も起きない(あちらは別の三角形から出る別の式だ)。

ポイント

  • (楕円は引く)。
  • 焦点が 軸上 → の分母が大。

よくある間違い

  • 長軸の長さ をそのまま とする()
  • 楕円なのに (双曲線の式)を使う
  • 焦点が 軸上なのに 側の分母を大きくする(向きの取り違え)

問3焦点と漸近線から双曲線を求める

★★ 標準双曲線

問題

つの焦点が で、漸近線が である双曲線の方程式を求めよ。

ヒントを見る

未知数 、 に対して条件も つ(漸近線の傾き・焦点の位置)。傾きの条件で を の式にして、焦点の条件へ代入する流れが見えるか。

解答・解説

方針

焦点 、漸近線 。双曲線は 。 を代入して を出す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 双曲線も の つで決まる。ただし関係式は楕円と符号が違う。

読み取れるのは、焦点 と、漸近線の傾き 。 を関係式に入れて 、。よって で

公式双曲線(横型):、漸近線

① 漸近線から と の関係。 より 。

② 焦点の式に代入。 で だから

よって 、。

③ 方程式を書く。

xyO(5,0)(−5,0)
焦点(±5,0)・漸近線±(4/3)x → 双曲線 x²/9−y²/16=1

まとめ:双曲線は (足す)。漸近線の傾き から を作り、焦点の式に入れて を出す。楕円()と符号が逆なので混同しない。

発展。 この双曲線は遠方で漸近線 に限りなく近づくが決して触れない。式で見ると の右辺 が「漸近線からのずれの源」で、 が大きいほど相対的に無視され、(漸近線のペア)に近づく。右辺を に置き換えると漸近線が出る、という覚え方はこれが理由である。

の特別な場合(直角双曲線)では箱が正方形になり、漸近線が直交する。 回すと の形になる。以前に習った反比例のグラフも双曲線の一つだったことが、ここで分かる。

答

別解

連立を解かずに、双曲線の箱の絵で を直読みする方法がある。双曲線 には、補助の長方形(横 ・縦 、原点中心)がある。漸近線はこの長方形の対角線で、焦点までの距離 は対角線の半分の長さ、つまり

( は、この長方形の対角線についての三平方の定理だ。)問題の条件を箱の言葉に訳す。対角線の傾きが で、対角線の半分が なので、条件に合うのは –– の直角三角形だけだ。 が即読みできる。

楕円の は「糸を張った三角形」、双曲線の は「箱の対角線」から出る。出どころの絵が違うから符号が違う。 つの絵を持てば、符号の混同は構造的に起きない。

ポイント

  • 双曲線 。
  • 漸近線の傾き で連立。

よくある間違い

  • 楕円の式 を流用して が負になり混乱する(双曲線は足す)
  • 漸近線の傾き を と逆に取る
  • 方程式の右辺の符号・引く側()を落として楕円の形にする

問4楕円の焦点距離の和

★★ 標準楕円

問題

楕円 上の点 から、 つの焦点 、 までの距離の和 を求めよ。

ヒントを見る

楕円が「どんな点の集まり」として定義される図形だったかを思い出そう。定義がそのまま使えれば、座標計算はいらない。

解答・解説

方針

楕円の定義: 焦点からの距離の和は一定で、長軸の長さ に等しい。 なので 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 点 の位置は指定されていない。つまり「どこにいても同じ値になる」ことが答えの前提だ。それこそが楕円の定義である。

楕円 つの焦点からの距離の和が一定の点の集まり。その一定値は長軸の長さ 。 より 、よって

計算はほぼない。「定義を知っているか」を聞いている問題である。

定理楕円の定義: 焦点からの距離の和は一定で (長軸の長さ)に等しい

① 楕円の定義を思い出す。 楕円上のどの点 でも、(一定)。

② を読む。 より 。

xyOPFF′
楕円上の点Pから2焦点までの距離の和 PF+PF′=2a=10(一定)

まとめ:楕円は「 点(焦点)からの距離の和が一定」の曲線。その和は長軸の長さ に等しい。 をどこにとっても変わらない。計算不要で、 を読むだけ。これが楕円の一番の性質だ。

発展。 「和が一定」から、反射の性質も導ける。一方の焦点から出た光(音)は、楕円の壁で反射して必ずもう一方の焦点に集まる。ささやきの回廊(楕円形ホールの音響)や結石の破砕治療(衝撃波を焦点に集める)は、この性質の実用である。

逆向きの問題「 を満たす点の軌跡を求めよ」に答えると、距離の式から楕円の方程式を導出する計算(根号を 回消す)になる。定義と方程式を行き来することが、この単元の論証の中心になる。

答

別解

「本当にどこでも なのか」を、特別な点 か所で実測して確かめてみよう。焦点は から 。

長軸の端 : 焦点までの距離は と 。

短軸の端 : 左右対称なので つの距離は等しく、それぞれ (–– 三角形)。

近い焦点と遠い焦点の配分( と 、 と )は点ごとに変わるのに、合計だけは常に である。糸の長さが変わらないまま、ペン先が動いている様子と同じだ。

答えを出すだけなら定義の 行で足りるが、 点での実測を一度やっておくと「和が一定」という抽象的な定義を、具体的な数で確かめられる。検算の型としても、楕円の問題全般で使える。

ポイント

  • 楕円:距離の和 (一定)。
  • 点の位置によらない。

よくある間違い

  • 和を でなく や短軸の とする
  • 「点 の座標が与えられていないので解けない」と手が止まる(一定であることが定義)
  • 焦点の計算 を持ち出して遠回りする(和の値に は不要)

問5双曲線の焦点距離の差

★★ 標準双曲線

問題

双曲線 上の点 から、 つの焦点までの距離の差の絶対値を求めよ。

ヒントを見る

双曲線の定義そのものが最短ルート。楕円のときと何が違ったかに注意。

解答・解説

方針

双曲線の定義: 焦点からの距離の差(の絶対値)は一定で 。 なので 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 楕円の「和が一定」に対して、双曲線は「差が一定」である。これが定義で、一定値はやはり 。

より 、答えは 。差に絶対値が付くのは、双曲線に枝が 本あるからだ。右の枝では左の焦点の方が遠く、左の枝では逆になる。どちらの枝でも「遠い方 近い方 」である。

定理双曲線の定義: 焦点からの距離の差の絶対値は一定で

① 双曲線の定義。 双曲線上のどの点でも (一定)。

② を読む。 より 。

xyOPFF′
双曲線上の点から2焦点までの距離の差=2a=6(一定)

まとめ:双曲線は「 焦点からの距離の差が一定」(楕円は和が一定)。差の絶対値は に等しい。楕円と双曲線は「和か差か」で対になっている。ここも計算不要で を読むだけだ。

発展。 「差が一定」は測位の原理だ。 つの局から同時に電波を出すと、受信時刻の差から「差が一定の曲線 双曲線」の上にいることが分かる。局のペアを 組使えば双曲線 本の交点で位置が決まる。GPS 以前の航法システム(ロラン)はこの双曲線測位で、雷の落雷位置の標定にも同じ原理が使われている。

なお定義の式で を 焦点間の距離 より大きくすると、条件を満たす点が消える(三角形の成立条件に反する)。 が双曲線の存在条件で、楕円()とちょうど逆向きの不等式になっている。

答

別解

「差が 」を、いちばん見やすい点、つまり頂点で実測しておこう。焦点は から 。右の頂点 に立つと

  • 近い焦点 まで:
  • 遠い焦点 まで:

一般の点でも確かめられる。たとえば の点( から )で つの距離を計算すると、値は変わっても差はやはり になる。

楕円との対比で覚える。「和が (糸で結ばれた ピン)」対「差が (遠近の差を保って逃げる)」。差が一定の点をたどると、焦点をよける 本の枝が自然に現れる。双曲線のあの独特な形は「差の一定」という束縛の絵姿である。

ポイント

  • 双曲線:距離の差 (一定)。
  • 楕円は和、双曲線は差。

よくある間違い

  • 差を でなく や とする
  • 絶対値を忘れ「差が負になる場合」で混乱する(遠い方 近い方と読む)
  • を計算して を差の値と取り違える(差の値に は不要)

問6媒介変数表示から直交座標へ(放物線)

★★ 標準媒介変数表示

問題

媒介変数 を用いて 、 と表される曲線を、、 の方程式で表せ。

ヒントを見る

つの式のうち、 について解きやすいのはどちら? そちらで を消せば、それだけで直交座標の式になる。

解答・解説

方針

から 。これを に代入して を消す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 媒介変数表示から の方程式を作る。やることは の消去だ。

を について解くと 。これを に代入して

頂点 の放物線。 が全実数を動くとき も全実数を動くので、放物線の全体が軌跡になる(範囲の欠けなし)。消去した後に変数の動く範囲を一言確認するのが作法である。

重要媒介変数は、片方から を作り、もう片方に代入して を消す

① を で表す。 より 。

② に代入する。

これは頂点 の放物線。

xyO頂点(1,0)
y=(x-1)²。頂点(1,0)の放物線

まとめ:三角関数でない媒介変数は、 を作って代入するのが基本。 のときだけ を使う。ここは を に入れて 、平行移動した放物線になる。

発展。 が消去できるのは今回のような易しい形だけで、サイクロイド(、)のように消去不可能な曲線こそ媒介変数表示の主戦場だ。消せない場合は媒介変数のまま扱う。接線(dy/dx を dy/dt ÷ dx/dt で)や面積を のまま計算する方法は、数IIIで学ぶ。

範囲の欠けの実例もひとつ: は消去すると だが、 は しか動かないので、軌跡は放物線の一部分になる。消去した式は「候補の曲線」であり、範囲の検分をして初めて「軌跡」になる。

答

別解

消去の前に、数表で点を打って曲線の形を先に見てしまう手がある。 に小さい値を順に入れる。

  • :
  • :
  • :
  • :

打った 点を見ると、 を底にした放物線の形をしている。 と予想でき、 点すべてが乗ることも代入で確かめられる。あとは消去計算(本解)で裏付ければよい。

媒介変数の意味も添えたい。 を時刻と読むと、 は「点の運動のスケジュール」になる。 方向へ等速、 方向へ加速しながら動く点の軌跡が、この放物線だ。 の消去は「時刻の情報を捨てて、通り道だけを残す」操作である。

逆は一意でない。同じ放物線に など別のスケジュールも張り付けられる(ただしこれは右半分しか動かない)。軌跡は同じでも、動き方は無数にある。媒介変数表示に自由さがあることと、範囲の確認が要ることは、同じ理由から来ている。

ポイント

  • を作って代入。
  • を消すと直交座標の式になる。

よくある間違い

  • 代入の向きを誤り から を の式に入れて複雑化する( 次の式から解く)
  • の符号を誤って とする
  • 消去後に の動く範囲の確認を忘れる(今回は全実数だが、 型では欠ける)

問7極方程式(円になる)

★★ 標準極方程式

問題

極方程式 を直交座標の方程式に直し、どのような図形か答えよ。

ヒントを見る

や に直すには、 や のかたまりが必要。今の式にはまだ無い。両辺に何を掛ければ、そのかたまりが現れるだろう。

解答・解説

方針

両辺に をかけて 。、 を使う。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 極 → 直交の書き直しに使う式は つで、、、 である。

のままでは辞書の語がない。両辺に を掛けて辞書の形を作る。

平方完成して となる。中心 、半径 の円(原点を通る)だ。「 を掛けて と を作る」が、この型の決め手である。

公式極 → 直交:、、

① 両辺に をかける。 そのままでは を使えないので、 をかけて形を作る。

② 直交座標に直す。 、 を代入。

③ 平方完成する。

中心 、半径 の円。

xyO(1,0)
r=2cosθ すなわち (x-1)²+y²=1。中心(1,0)半径1

まとめ: のように が を含むときは、両辺に をかけて ・ の形を作ると直交座標に直せる。結果は原点を通る円。極方程式では円がとても簡単な式で書けることがある。

発展。 両辺に を掛ける操作は (原点)を解に追加し得るので、厳密には注意が要る。今回は で となり、原点はもともと曲線上にあるので、追加の実害はない。極座標の変形では「原点の扱い」が唯一のデリケートな箇所である。

に似た式として、( 軸上に立つ円)、(カージオイド)、(放物線)がある。極座標は「原点(焦点)から測る」座標なので、円錐曲線や渦巻きがとても短い式になる。惑星軌道の計算で極座標が使われる理由である。

答

(中心 、半径 の円)

別解

という式がなぜ円になるのかは、円の中の直角三角形で説明できる。答えの円を先に描く: 原点 を通り、 を直径の反対端とする円(中心 ・半径 )。円周上の点 をとると、()は直径だから

直径に対する円周角は直角(タレスの定理)なので、。直角三角形 で、斜辺 、 の角が (偏角)なら、隣辺は

極座標の はちょうどこの長さだ。つまり は「直径 の円をタレスの定理で読んだ式」だった。

が から まで動くと は円を一周する( で最遠点 、 で原点へ)。中学で習った円周角の定理が、極方程式の形で再び使われている。 の形の式(原点を通る円)は、すべてこの三角形の絵で読める。

ポイント

  • 両辺に をかけて 、 を作る。
  • は原点を通る円。

よくある間違い

  • を代入して分数のまま迷走する(先に を掛けて整式にする)
  • の平方完成で 等、半径を誤る
  • 中心を (直径の端)と混同する(中心は 、 は円周上)

問8極方程式(直線になる)

★★ 標準極方程式

問題

極方程式 を直交座標の方程式に直せ。

ヒントを見る

左辺をじっと見る。それ、直交座標への変換式のどれかに、そのまま一致していないか。

解答・解説

方針

をそのまま使う。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 式 がそのまま使える形なので、書き直しは 回で終わる。

軸に平行な縦の直線だ。極方程式の見た目( と の絡んだ式)に身構える前に、「辞書の語がむき出しになっていないか」を最初に見る。この問題はその練習である。

公式、

をそのまま当てはめる。

これは 、すなわち 軸に平行な縦の直線。

xyOx=2
r cosθ=2 は直交座標で x=2(縦の直線)

まとめ: はそのまま 、 はそのまま になる。だから は即 (縦の直線)。 を丸ごとかけたりせず、 のかたまりに注目するのがコツ。

発展。 円の と直線の を比べると、 の掛かる場所が違うだけで図形がまったく変わる。極方程式の読み方の良い練習になる。前者は「 が開くと縮む」(原点に戻る円)、後者は「開くと伸びる」(無限遠へ逃げる直線)。 が分子か分母かで、原点からの距離の変わり方が逆になる。

さらに と分母に を足すと放物線になる。円錐曲線の統一極方程式 ( は離心率)で考えると、直線はその の極限とみなせる。焦点から測る極座標では、円・楕円・放物線・双曲線が つの式の家族になる。

答

(縦の直線)

別解

直交座標に直さず、式の意味を直接読むとこうなる。 は「原点から距離 ・角 の点の、横方向の成分」である。つまり点の 座標そのものだ。式 は

「 座標が の点の集まり」という日本語を極座標で書いただけで、縦の直線 である。

と変形した形でも様子が読める。 で (最短で、原点から直線への垂線の足 )、 が開くほど は伸び、 で (直線の彼方へ)。「垂線の足が最短で、角度が開くと遠ざかる」という、原点から直線までの距離の変わり方が、 の形に表れている。

一般に、原点から距離 ・垂線の向き の直線は 。今回はその の特別な場合である。

ポイント

  • 、。
  • は縦線 。

よくある間違い

  • を 座標と取り違えて とする( が )
  • 「(原点中心の円)」と混同する( の有無で別物)
  • 極方程式に見えず について解こうとして で止まる(それでも正解の形)

問92次曲線の分類

★★ 標準2次曲線

問題

次の曲線は放物線・楕円・双曲線のどれか。 (1) (2) (3)

ヒントを見る

と の係数の符号の組み合わせに注目しよう。両方プラス・プラスとマイナスの混在・片方が 次だけ、の パターンで曲線の種類が分かれる。

解答・解説

方針

の符号を見る。両方 で和 は楕円、 と の差 は双曲線、片方だけ 次(もう片方 次)は放物線。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 次曲線の見分けは、 と の係数の符号を見るだけでよい。

  • 両方プラスで和の形()なら楕円(分母が等しければ円)
  • プラスとマイナスの差の形なら双曲線
  • 片方だけが 次(もう片方は 次)なら放物線

(1) は和 → 楕円、(2) は差 → 双曲線、(3) は が 次・ が 次 → 放物線。「 乗の顔ぶれ」で三択が決まる。

重要 の項の符号で分類:同符号で和 → 楕円、異符号で差 → 双曲線、片方だけ 次 → 放物線

(1) : も も係数が正で和 。→ 楕円( 側の分母が大きいので縦長)。

(2) : が 、 が の差。→ 双曲線。

(3) : は 次だが は 次(片方だけ 次)。→ 放物線。

まとめ: 次曲線の見分けは「 と の符号」。両方同符号(和)なら楕円、異符号(差)なら双曲線、どちらか一方しか 乗がないなら放物線。まず項を見て、符号で仲間分けするのが速い。

発展。 離心率 でも 種は一列に並ぶ: (円)、(楕円)、(放物線)、(双曲線)。切り角の連続的な変化が つの数の大小で表される。彗星の軌道が「楕円(回帰する)か双曲線(二度と戻らない)か」は、この が を超えるかどうかの判定である。

項を含む一般の 次式 でも、判別式 の符号で同じ三択が決まる(負=楕円系、=放物線系、正=双曲線系)。 次方程式の判別式と同じ形が、曲線の分類にも現れる。

答

(1) 楕円 (2) 双曲線 (3) 放物線

別解

種の曲線がなぜ「ひとまとめに」学ばれるのか。円錐の切り口という共通の出どころを知ると、分類の意味が分かる。上下 つの円錐(砂時計の形)を平面で切る。切る角度によって

  • 浅く切る(底面に近い角度): 切り口は閉じて楕円(真横なら円)
  • 円錐の斜面(母線)とちょうど平行に切る: 閉じ切らず開いた放物線
  • さらに深く切る(上下両方の円錐に当たる): 枝の双曲線

種は別々の曲線ではなく、同じ円錐の切り方の連続変化で生まれる。だから「円錐曲線」と総称される。放物線は楕円と双曲線の「境目」に現れる曲線だ。

式の側の分類(係数の符号)はこの切り角の違いの代数的な影にすぎない。懐中電灯の光の輪を壁に当てて傾けていくと、円 → 楕円 → 放物線 → 双曲線と実演できる。分類を丸暗記しなくても、 つの絵で覚えられる。

ポイント

  • 同符号の和 → 楕円。
  • 異符号の差 → 双曲線、片方だけ 次 → 放物線。

よくある間違い

  • (2) を「係数が同じだから円の親戚」と誤読する(符号が逆なら双曲線)
  • (3) を「 があるから楕円か双曲線」とする( が 次なら放物線)
  • 分母の大小(楕円の縦長・横長)まで分類に持ち込み混乱する(三択は符号だけで決まる)

問10放物線の接線

★★ 標準放物線接線

問題

放物線 上の点 における接線の方程式を求めよ。

ヒントを見る

接点が分かっている接線には、判別式を使うより速い書き方がある(放物線の場合の形を思い出せるか)。思い出せなければ、上半分を微分して傾きを出す道もある。

解答・解説

方針

上の点 での接線は 。、 を代入する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 次曲線上の点での接線には、半分ずつ置き換える公式がある。 上の点 では

( の片方を に、 を 的に置き換えた形。)、 を代入して

公式放物線 上の点 の接線:

① 公式に当てはめる。 は 。点 。

② 整理する。 両辺を で割って

xyO(1,2)
y²=4x と点(1,2)での接線 y=x+1

まとめ: 次曲線の接線は「、 に置き換える」タイプの公式で出せる。放物線 なら 。微分せずに接点の座標を入れるだけで接線が求まる。

発展。 この接線 は、準線 と 軸の交点を通る。これは偶然ではなく、放物線の接線は接点・焦点・準線とのあいだに多くの対称な関係をもつ。たとえば焦点 から接線に下ろした垂線の足は必ず 軸上に乗る。また、接線は「焦点からの光の反射方向」を二等分する。パラボラアンテナの反射性質の証明は、この接線の式から始まる。

「半分ずつ置き換える」公式は円()・楕円・双曲線に共通の文法で、 次式の「極線」という統一概念の現れ。 つ覚えれば 曲線分の接線公式が手に入る。

答

別解

公式を使わず、微分で傾きを出す道と、重解で確かめる道がある。 つの独立なルートで同じ接線になることを確かめる。

微分ルート: の両辺を で微分(陰関数微分)すると 、つまり

点 では 。傾き で を通る直線は

重解チェック: を に代入すると

の重解なので、直線は曲線と 点でだけ触れている。接線の資格の完全な証明だ。

「公式(速い)・微分(汎用)・重解(検算)」の三段構え。公式の形を忘れても微分で作れ、答えが合っているかは重解で確かめられる。楕円・双曲線の接線でも、この三つの方法はそのまま使える。

ポイント

  • 放物線の接線 。
  • 、 の置き換え。

よくある間違い

  • 接線公式の置き換えを 等、 側の 型を崩す
  • 用の微分()を流用する(横向き放物線は陰関数で)
  • 点 が曲線上にあることを確認せず公式を使う( の一言)

問11楕円が囲む面積

★★ 標準楕円面積

問題

楕円 が囲む部分の面積を求めよ。

ヒントを見る

楕円は円を一方向に一定の割合で伸び縮みさせた図形。円の面積がその変形でどうなるかを考えると、公式を丸暗記していなくても出せる。

解答・解説

方針

楕円 が囲む面積は 。、。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 楕円 の面積は

これは円の面積 の半径を 種類にしたものだ。、 を読み取って

読み取りで注意することはひとつだ。分母は なので、、 と平方根をとってから掛ける。

公式楕円 が囲む面積

① を読む。 、 より 、。

② 面積公式に入れる。

xyO
楕円 x²/9+y²/4=1(面積 6π)

まとめ:楕円の面積は ( は半軸の長さ)。円 ()の自然な一般化だ。円を横に 倍引き伸ばした形と思えば、面積も同じ倍率で伸びると納得できる。

発展。 面積は と簡単な式になるのに、周の長さは になると初等関数で書けなくなる(楕円積分と呼ばれる新しい関数が要る。「楕円」の名がつく数学の大きな分野につながる)。同じ図形でも、求める量によって難しさが大きく変わる例だ。

伸縮(アフィン変換)は面積を倍率の積で変える一方、角度や長さの比は壊す。楕円に「焦点」の議論が要るのは、円の対称性が伸縮で失われるからでもある。何が保たれ何が壊れるかを意識すると、円の性質のどれが楕円に持ち上がるか(直径の中点の性質は残る、垂直は残らない)を見分けられるようになる。

答

別解

公式 の出どころを、伸縮の絵で手作りしてみよう。単位円 (面積 )から出発する。、 と置き換える。つまり円を横に 倍、縦に 倍引き伸ばすと

ちょうどこの楕円になる。楕円とは「円を 方向に別々の倍率で伸ばした図形」だ。面積は伸ばした倍率のぶん大きくなる。横 倍で面積 倍、縦 倍でさらに 倍なので

(細かい正方形のタイルで円を敷き詰めた絵を想像すると、各タイルが の長方形に伸びるので、全体も 倍になると納得できる。)

は「円の を 倍・ 倍したもの」で、 とすれば円の に戻る。この伸縮の目は楕円の面積を積分で求める問題(置換 )や、斜めに切った円柱の断面積でも同じように働く。

ポイント

  • 楕円の面積 。
  • 円 の一般化。

よくある間違い

  • 分母をそのまま使い とする( は平方根)
  • 円の公式の癖で ()とする(半径が 種類あるのが楕円)
  • 周の長さも の簡単な式で出ると誤解する(楕円周は初等関数で書けない)

問12極座標の2点間の距離

★★ 標準極座標

問題

極座標で表された 点 、 間の距離を求めよ。

ヒントを見る

極座標のままでは距離を測りにくい。 点をまず直交座標に直そう。あとはただの 点間の距離の計算になる。

解答・解説

方針

それぞれ直交座標に直してから距離を計算するのが確実。→、→。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 極座標の 点の距離を求める。確実なのは直交座標に直してから測る道だ。

距離の公式で

極座標のままでは引き算ができない( どうし・ どうしを引いても距離にならない)ので、まず直交座標に直すのが安全である。

重要極座標のままでは距離が出しにくい。まず直交座標に直す

① 直交座標に直す。 、 で

② 距離を計算する。

xyOA(2,0)B(0,2)
極座標 A(2,0),B(2,π/2) → 直交 A(2,0),B(0,2)。直角二等辺三角形の斜辺 AB=2√2

まとめ:極座標の 点間の距離は、いったん直交座標 に直してから で出すのが確実。 は原点から距離 で 離れているので、直角二等辺三角形の斜辺 とも読める。

発展。 極座標の距離公式 は、複素数の (極形式)とまったく同じ式になる。極座標平面と複素数平面が同じ幾何を扱っているからだ。ベクトルの も同族で、余弦定理は つの単元(三角比・ベクトル・複素数/極座標)で共通して使う 本の式である。

数Cの曲線の単元はここで一巡する。直交座標・媒介変数・極座標という、 通りの方法で同じ平面の図形を表してきた。問題ごとに「どの表し方なら短く書けるか」を選べるようになることが、この単元の目標である。

答

別解

直交座標を経由せず、三角形を描いて余弦定理で測る道もある。こちらは極座標の意味に忠実だ。 点と極 で三角形 を作る。極座標の情報がそのまま三角形の部品になる:

  • ( の )
  • ( の )
  • はさむ角 (偏角の差)

余弦定理で

今回は挟角が直角なので、実は三平方の定理(等辺 の直角二等辺三角形の斜辺)だけで済む。

一般形 は「極座標の距離公式」と呼ばれ、中身は余弦定理そのものだ。極座標は「原点からの距離と角」の言葉なので、原点を頂点とする三角形を描くのが最も自然な作図だ。数Iの余弦定理が数Cの最後でも使われる。

ポイント

  • 極 → 直交に直してから距離を出す。
  • 余弦定理 でも可。

よくある間違い

  • 極座標の差 を距離の材料と誤解する(座標の引き算は直交座標で)
  • を直交座標の点 と読み違える(第 成分は角)
  • 余弦定理の挟角を偏角そのもの( と の一方)にする(使うのは差)