数学C / 平面上の曲線

平面上の曲線 ★ 基礎の問題 全12問

教科書レベル。定義・公式の確認と基本操作

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 放物線の焦点と準線
  2. 放物線の焦点と準線(縦)
  3. 楕円の焦点
  4. 楕円の焦点(縦長)
  5. 双曲線の焦点と漸近線
  6. 双曲線の漸近線
  7. 円の媒介変数表示
  8. 楕円の媒介変数表示
  9. 極座標から直交座標へ
  10. 直交座標から極座標へ
  11. 極方程式(円)
  12. 放物線の頂点と軸

問1放物線の焦点と準線

★ 基礎放物線

問題

放物線 の焦点と準線を求めよ。

ヒントを見る

まず放物線の標準形(頂点が原点の形)と見比べて、 の値を読み取ろう。焦点の位置も準線も、 が決まればそこから書ける。

解答・解説

方針

の形は、焦点 、準線 。 と比べて 、。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 放物線の標準形を、思い出そう。

この形なら、焦点と準線は だけで決まる。

  • 焦点:
  • 準線:

与えられた式と、見比べる。

、つまり 。

焦点と準線は、原点をはさんで反対側にある。

焦点が右()なら、準線は左()。この対称性を図で確認しておこう。放物線は焦点のある側へ開いている。

この つ(焦点と準線)は、放物線の定義そのものに使われる。 それは別解で見よう。

公式放物線 :焦点 、準線 、頂点 原点

① を求める。 を と比べて 、。

② 焦点と準線を書く。

xyO準線 x=-1焦点(1,0)
y²=4x。焦点(1,0)、準線 x=-1

まとめ:放物線 は「焦点からの距離 = 準線からの距離」の点の集まり。 の係数から を読む。焦点は 軸上 、準線は縦線 。 が正なら右向きに開く。

発展。 放物線・楕円・双曲線の つを、まとめて 次曲線という。

なぜ、この つがセットなのか。円錐を平面で切ってみよう。切り方によって、断面の形が変わる。

  • 軸に垂直に切る → 円
  • 少し傾けて切る → 楕円
  • 母線に平行に切る → 放物線
  • もっと急に(軸に平行に近く)切る → 双曲線

つの円錐から、 種類の曲線がすべて出てくる。だから、円錐曲線と呼ばれる。( 年前、アポロニウスが体系的に研究した。)

そして、この つは、統一的な定義でも書ける。

「 点(焦点 )と 直線(準線 )からの距離の比が一定」

この の値で、曲線の種類が決まる。

  • → 円
  • → 楕円
  • → 放物線(距離が等しい場合で、この問題の定義にあたる)
  • → 双曲線

放物線は楕円と双曲線の「境界」にいる。 を から少しずつ大きくしていくと、円 → 楕円 → (だんだん細長く)→ 放物線 → 双曲線 と、連続的に変化していく。そして、この という数は天体の軌道を決める。

ケプラーの法則(惑星の軌道は楕円)を、ニュートンは万有引力から導いた。その計算によれば、天体の軌道は 次曲線になる。

  • (楕円): 惑星、彗星(太陽のまわりを周回する)
  • (放物線): ぎりぎり戻ってこない(速さが脱出速度ちょうど)
  • (双曲線): 恒星間天体(太陽系を通り過ぎて、二度と戻らない)

年、太陽系外から来た初の天体「オウムアムア」が発見された。

その軌道の離心率は で、双曲線軌道だ。太陽の重力に捕まらず、通り過ぎて去っていった。 の焦点は

この、教科書どおりの計算。焦点という概念はパラボラアンテナの設計や、惑星・彗星の軌道の計算に使われている。

答

焦点 、準線

別解

放物線の「定義」に戻って、焦点と準線を検証する。

放物線とは何か。

「 点(焦点)と 直線(準線)から、等距離にある点の集合」

これが定義だ。

この定義が本当に成り立っているか、実際の点で確かめよう。曲線 上の点を、 つ取る。

この点から、焦点 までの距離は?

次に、準線 までの距離は?準線は縦線なので、 座標の差だけを見ればよい。

どちらも で、等しい

別の点でも確かめよう。

焦点までの距離:

準線までの距離:

やはり等しい

(–– の直角三角形が出てくるので、計算が楽になる。)さらに、頂点 でも。焦点まで 、準線まで

すべての点で、「焦点までの距離 準線までの距離」が成り立っている。放物線とはこの性質をもつ点の集まりのことだ。この定義から、方程式を導いてみよう。

点 が焦点 と準線 から等距離にある。

両辺を 乗する。

と が消える。

標準形が導けた。

公式を暗記していた は、「焦点と準線から等距離」という定義を、そのまま式にしたものである。この定義を使うと、放物線の応用も理解できる。

パラボラアンテナ。

軸に平行に入ってきた電波は、放物面で反射すると、必ず焦点に集まる。

なぜか。 放物線の反射の性質による。逆に、焦点から出た光は反射して軸に平行な平行光線になる。

これが、車のヘッドライトや懐中電灯の原理だ。焦点に電球を置けば、光がまっすぐ前に飛ぶ。

「焦点」という名前の由来が、これである。 光が焦げるほど集まる点、という意味だ。

ポイント

  • :焦点 、準線 。
  • 係数 から を読む。

よくある間違い

  • から としてしまう。 で、焦点は
  • 準線を (焦点と同じ側)としてしまう。準線は焦点の反対側で
  • を のような縦向きの放物線と混同する。 の形は、横向きに開く

問2放物線の焦点と準線(縦)

★ 基礎放物線

問題

放物線 の焦点と準線を求めよ。

ヒントを見る

今度は の形。開く向きが縦になる。標準形と見比べて を読み取るところまでは横向きのときと同じ。焦点がどちらの軸に乗るかだけ注意しよう。

解答・解説

方針

の形は、焦点 、準線 。 と比べて 、。上向きに開く放物線。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 前問は (横向き)。今度は (縦向き)だ。

と の役割が入れかわっている。

標準形。

  • 焦点: で、 軸上にある
  • 準線: で、横線になる

与式と見比べる。

、つまり 。

焦点が上()、準線が下()。放物線は上に開いている。「 の形なら縦向き、 の形なら横向き」

乗されているほうの文字から、対称軸が分かる。 なら 軸対称(縦向き)だ。

公式放物線 :焦点 、準線 、頂点 原点

① を求める。 を と比べて 、。

② 焦点と準線を書く。

xyO準線 y=-2焦点(0,2)
x²=8y。焦点(0,2)、準線 y=-2

まとめ: は上下に開く放物線(頂点原点)。焦点は 軸上 、準線は横線 。(左右に開く)と向きが ちがう。 か かで軸の向きが決まる。

発展。 「軸に平行な光線が、焦点に集まる」

この反射性を証明してみよう。放物線 上の点 を考える。この点での接線の傾きは、微分して

ここで、 つの角度を比べる。

① 入射光(軸に平行な、真上から来る光線)と、接線のなす角

② 反射光( から焦点 へ向かう線)と、接線のなす角

この つが等しければ、「入射角 反射角」となり、光は焦点へ向かうことになる。焦点への方向ベクトルは

を代入して整理すると、 と接線のなす角の が、入射光と接線のなす角の と等しくなる。(計算は少し煩雑だが、必ず一致する。)この性質は、放物線だけのものではない。

楕円の反射性。

「一方の焦点から出た光は、楕円で反射して、必ずもう一方の焦点に集まる。」この性質を使った建築が、ささやきの回廊だ。楕円形の部屋の、一方の焦点でささやくと、反対側の焦点にいる人には、はっきり聞こえる。

間の人には、何も聞こえない。ワシントンの国会議事堂には、実際にこの現象が起きる部屋がある。そして、この性質は医療にも使われている。

結石破砕装置(体外衝撃波結石破砕術)。楕円面の一方の焦点で衝撃波を発生させ、もう一方の焦点に、患者の腎臓結石を置く。衝撃波がすべて結石に集中し、手術せずに結石を砕く。

双曲線の反射性。

「一方の焦点へ向かう光線は、双曲線で反射して、もう一方の焦点から出たように進む。」この性質は、カセグレン式望遠鏡で使われている。主鏡(放物面)で集めた光を、副鏡(双曲面)で反射させ、望遠鏡の後ろへ導く。

ハッブル宇宙望遠鏡も、この方式を改良した形(主鏡も双曲面)を使っている。 つの 次曲線がそれぞれ違う反射性をもち、それぞれ違う技術で使われている。

の焦点

この 点に、平行に入ってきた電波や光が集まる。

幾何学の定理がそのまま技術になる。 年前にアポロニウスが研究した曲線が、今は望遠鏡や医療機器に使われている。

答

焦点 、準線

別解

縦向きの放物線は横向きを で折り返したもの。 つの標準形を、並べてみよう。

と を入れかえただけだ。そして、 と を入れかえるとは直線 で折り返すこと。だから、焦点や準線も、そのまま入れかわる。

公式を つ覚える必要はない。 つ覚えて、入れかえればいい。

定義でも確かめよう。

曲線 上の点 を取る。

焦点 までの距離。

準線 までの距離。

等しい 放物線の定義を満たしている。さて、縦向きの放物線には、身近な応用がある。

パラボラアンテナ。

衛星から来る電波は遠くから来るので、ほぼ平行に入ってくる。

この平行な電波が放物面で反射すると、すべて焦点に集まる。

なぜか。放物線の反射性という性質がある。「軸に平行な光線は、反射後、必ず焦点を通る」

だから、焦点に受信機を置けば、弱い電波を強く集められる。

逆向きにも使える。

焦点に光源を置くと、反射光は軸に平行な平行光線になる。

  • 車のヘッドライト: 電球を焦点に置き、光をまっすぐ前へ
  • 懐中電灯: 同じ原理
  • 太陽炉: 太陽光を焦点に集めて、 度の高温を作る

アルキメデスが放物面の鏡でローマの軍船を焼いた、という伝説もある(真偽は不明だが)。そして、この「焦点に集まる」という性質は、望遠鏡にも使われている。反射望遠鏡(ニュートン式)は放物面鏡で星の光を焦点に集める。

レンズより大きく作れるので、現代の巨大望遠鏡はすべて反射式だ。大型の反射望遠鏡の主鏡は放物面か、それに近い曲面でできている。遠くの銀河からのかすかな光を、この曲面の鏡が1点に集めている。

の焦点は

この計算は「受信機をどこに置けばよいか」を決める計算でもある。

ポイント

  • :焦点 、準線 。
  • 型は縦(上下)に開く。

よくある間違い

  • から や としてしまう。
  • 横向きの公式を使い、焦点を としてしまう。 の形なので、焦点は 軸上の
  • 準線を縦線()としてしまう。縦向きの放物線の準線は横線

問3楕円の焦点

★ 基礎楕円

問題

楕円 の焦点と、長軸・短軸の長さを求めよ。

ヒントを見る

分母の と がそれぞれ何の 乗かを、まず書き出そう。長軸・短軸はそこからすぐ分かる。焦点は つの分母を結びつける関係を思い出せれば出せる。

解答・解説

方針

()は横長の楕円。長軸 、短軸 、焦点 で 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 楕円の標準形。

与式と見比べる。

なので、 方向に長い(横長)。

長軸は 方向で、長さ 。 短軸は 方向で、長さ 。

焦点は長軸の上にある。 位置は

で、引き算になっている。(双曲線では足し算になる。混同しないこと。)–– の直角三角形が、ここにも現れている。

公式楕円 ():長軸 、短軸 、焦点 、

① を読む。 、 より 、。

② 長軸・短軸。 長軸 、短軸 。

③ 焦点。 。焦点 。

xyO(3,0)(-3,0)
楕円 x²/25+y²/16=1。焦点(±3,0)、長軸10・短軸8

まとめ:楕円は「 焦点からの距離の和が一定()」の曲線。( 側が大)なら横長で焦点は 軸上。( から を引く)がポイント。

発展。 楕円の面積はいくらだろうか。

円()の面積は 。

楕円は円を「横に 倍、縦に 倍」引き伸ばしたものだ。単位円 を、 方向に 倍、 方向に 倍する。

すると

楕円の方程式になった。

面積はどうなるか。横に 倍すれば、面積は 倍。縦に 倍すれば、さらに 倍。

この問題の楕円なら

円の面積()で、 とすれば になり、つじつまが合う

では、楕円の周の長さは?

円周は 。楕円の周は とか、 になりそうな気がする。

ならない。

楕円の周の長さは初等関数では書けない。

この積分は楕円積分と呼ばれ、初等関数では計算できないことが証明されている。面積は という簡単な式で書けるのに、周の長さは書けない。面積と周の長さで、扱いやすさがこれほど違う。

そして、この「計算できない積分」が、 世紀の数学を大きく前進させた。楕円積分の研究から、楕円関数という新しい関数が生まれた。その理論はやがて「楕円曲線」という代数幾何の対象へと発展する。

そして 年に、ワイルズがフェルマーの最終定理を証明した。その証明の中心にあったのが、楕円曲線の理論だった。( 世紀半、誰も解けなかった問題が、楕円曲線とモジュラー形式の対応を使って解かれた。)

さらに、楕円曲線は現代の暗号技術にも使われている。

楕円曲線暗号(ECC)。

ビットコインの署名も、スマホの通信の暗号化も、この技術で守られている。「楕円の周の長さが計算できない」という、 つの不都合。その研究から新しい関数や幾何が生まれ、 年解けなかった難問の解決や、通信の暗号にもつながった。

解けない問題の研究から、新しい分野が生まれた例である。 という、ただの楕円。その周の長さを求める研究が、思いがけない分野につながった。

答

焦点 、長軸 、短軸

別解

楕円の定義を「糸と 本の画鋲」で確かめる。楕円はこうやって描ける。

紙に画鋲を 本刺す。 その 点に、糸の両端を結ぶ( 点間の距離より長い糸)。鉛筆で糸をぴんと張りながら、 周させる。

描かれる曲線が楕円だ。

このとき、鉛筆から 本の画鋲までの距離の和は、常に糸の長さ(一定)である。

その「一定の和」が長軸の長さ になる。

確かめよう。

焦点は 、。楕円上の点で、実際に距離の和を計算する。

点 (右端の頂点)。

点 (上端の頂点)。

別の点でも試そう。点 。

距離の和を計算すると、やはり になる。すべての点で、和は で一定

「距離の和 ( 長軸の長さ)」という定義が、確認できた。ここで、点 での計算に注目してほしい。

、、 の直角三角形だ。

焦点の公式 が、この三角形から出てくる。丸暗記していた公式が幾何的な意味をもった。短軸の端点()から つの焦点までの距離は、どちらも 。

「、、 が直角三角形をなす」この図を頭に描いておけば、焦点の公式で迷うことはない。この定義を使うと、楕円の応用も理解できる。

惑星の軌道は楕円で、太陽は つの焦点にある(ケプラーの第 法則)。

地球から太陽までの距離は一定ではない。 近日点と遠日点がある。だが、「 つの焦点までの距離の和」は、常に一定である。

ポイント

  • 楕円 焦点 、。
  • 長軸 、短軸 ()。

よくある間違い

  • (足し算)としてしまう。楕円は引き算()、双曲線が足し算
  • 長軸の長さを としてしまう。長軸は (端から端まで)
  • から としてしまう。

問4楕円の焦点(縦長)

★ 基礎楕円

問題

楕円 の焦点を求めよ。

ヒントを見る

最初に確認するのは「どちらの分母が大きいか」。それで楕円の向き(横長か縦長か)と、焦点が乗る軸が決まる。あとは横長のときと同じ手順でいい。

解答・解説

方針

分母の大きいほう( の )が長軸の方向。 側が大きいので縦長で、焦点は 軸上 、。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 前問と、 と の位置が入れかわっている。

分母を見比べる。

の分母のほうが大きい。

これは、 方向に長い。つまり縦長の楕円だ。

そして、大事な原則がある。

縦長なら、焦点は 軸上。 を長いほう()、 を短いほう()とすると

焦点は 軸上の 。

「分母の大きいほうの軸に、焦点がある」この判定を最初にやることで、焦点を 軸に置いてしまうミスが防げる。

公式楕円は分母の大きいほうが長軸。焦点は長軸上、

① 長軸の向きを見る。 の分母 が の分母 より大きい。よって縦長で、焦点は 軸上。

② 焦点を求める。 。

xyO(0,4)(0,−4)
楕円 x²/9+y²/25=1(縦長)。焦点(0,±4)

まとめ:楕円の焦点は「長軸(分母が大きい軸)の上」にある。ここは の分母が大きいので 軸上 。。どちらが長軸かを最初に見極めるのが大事だ。

発展。 楕円が「どれくらい細長いか」を測る数がある。

離心率 。

この問題の楕円なら

かなり細長い楕円だ。

の意味を、極端な場合で考えよう。

のとき。

、つまり つの焦点が重なる。

円だ。 円は離心率 の楕円である。

のとき。

、つまり焦点が長軸の端に近づく。

楕円はぺしゃんこの線分に近づく。「 が に近いほど丸く、 に近いほど細長い」天文学では、軌道の形をこの で表す。

惑星の軌道の離心率。

  • 金星: で、ほぼ完全な円
  • 地球: で、ほぼ円(だから、季節は距離のせいではない)
  • 火星: で、やや楕円
  • 水星: で、かなり楕円
  • 冥王星: で、楕円(海王星の軌道と交差する)

「地球の軌道はほぼ円」 という事実は重要だ。

「夏は太陽に近いから暑い」というのは、誤りである。

実際、地球が太陽にいちばん近づくのは 月(北半球の冬)。

季節は地軸の傾き()で決まる。 距離ではない。では、彗星は?

ハレー彗星の離心率は で、極端に細長い楕円だ。太陽の近くを高速で通過し、遠く海王星の外側まで飛んでいく。

周期は 年。

そして、 を超えると、楕円ではなくなる。

放物線()、双曲線() はもう戻ってこない軌道だ。離心率 が「太陽に永遠に縛られるか、自由になるか」の境界線である。この境界を超える速さを、脱出速度という。

地球からの脱出速度は秒速 km。この速度を超えれば、ロケットは地球の重力を振り切って、二度と戻らない。 という、 つの数。

離心率は楕円の「細長さ」を表し、天体の軌道の形を決める。

答

焦点

別解

「なぜ、焦点は長軸の上にあるのか」を、定義から考える。楕円の定義は「 焦点からの距離の和が一定」だった。その和は (長軸の長さ)。

ここで、短軸の端点を考えてみよう。縦長の楕円なら、短軸の端点は 。もし焦点が 軸上(短軸上)にあったとしたら?

距離の和は短軸の長さ()にしかならない。だが、実際の和は でなければいけない。

矛盾する。

だから、焦点は長軸の上にあるしかない。

もう つの見方。

焦点どうしの距離()は長軸の長さ()より短くなければならない。( 定点からの距離の和が で、 点間の距離が 。三角不等式より 。)幾何的に、焦点は長軸上でなければならないのだ。

実際に、定義を確かめよう。焦点 、和は のはず。

楕円上の点 (短軸の端)で計算する。

点 (長軸の端)でも。

すべて で一定

そして、点 での計算に、また直角三角形が現れた。

、、。

「短軸の端から焦点までの距離は、(長半径)に等しい」この事実から、 という公式が出てくる。横長でも縦長でも、この直角三角形は変わらない。

変わるのは、「どの軸が長いか」だけ。、、 の関係を、 つの直角三角形として覚えておけば、横長・縦長で混乱することはない。そして、 は必ず「長いほう」だと決めておく。

この約束を守れば、公式は つで済む。

ポイント

  • 分母の大きいほうが長軸。焦点は長軸上。
  • 。

よくある間違い

  • 縦長であることを見落とし、焦点を 軸上の としてしまう。焦点は長軸(この場合 軸)の上
  • と、小さいほうから大きいほうを引いてしまう。 で、必ず大きいほうから引く
  • の分母が だと決めつける。 は「長いほう」で、この問題では の分母()

問5双曲線の焦点と漸近線

★ 基礎双曲線

問題

双曲線 の焦点と漸近線を求めよ。

ヒントを見る

と を読み取るまでは楕円と同じ。ただし焦点までの距離の作り方が楕円と か所だけ違う(引くか、足すか)。漸近線の傾きは と の比から決まる。

解答・解説

方針

は左右に開く双曲線。焦点 で (楕円と違い足す)。漸近線 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 双曲線の標準形。

楕円との違いはマイナスだ。

焦点の公式は、楕円と符号が逆になる。

足し算だ。(楕円は引き算だった。)

そして、双曲線には楕円にないものがある。それは漸近線だ。

遠くへ行くと、双曲線はこの 直線に限りなく近づく。「楕円は引き算、双曲線は足し算」

この違いを、確実に。 ここが最大の混同ポイントである。

公式双曲線 :焦点 、、漸近線

① を読む。 、 より 、。

② 焦点。 (双曲線は足す)。焦点 。

③ 漸近線。

xyO(5,0)(-5,0)
双曲線 x²/9-y²/16=1。焦点(±5,0)、漸近線 y=±(4/3)x

まとめ:双曲線 は左右に開く 本の枝。焦点は (楕円は引く、双曲線は足すの違いに注意)。漸近線 に近づいていく。

発展。 双曲線の定義は楕円と「 文字違い」だ。

楕円: 焦点からの距離の和が一定

双曲線: 焦点からの距離の差(の絶対値)が一定

「和」が「差」になっただけ。その一定値は である。

確かめよう。 焦点 、。

双曲線上の点 (右の頂点)。

点 でも。

距離の差を計算すると、やはり になる

「和が一定 → 閉じた曲線(楕円)」 「差が一定 → 開いた曲線(双曲線)」

この対比が つの曲線の性格を決めている。そして、この「距離の差」という定義が、実用技術になっている。

双曲線航法(ロラン)。

つの送信局から、同時に電波を出す。

船が受信すると、 つの電波には到達時間の差がある。(距離が違うから。)

時間差 光速 距離の差。

「 局からの距離の差が一定」 の点の集まりは、双曲線だ。船はその双曲線のどこかにいる。もう 組の送信局を使えば、別の双曲線が得られる。

つの双曲線の交点が船の現在位置である。GPS が普及する前、この方式が船舶や航空機の航法に使われていた。( 年代に開発され、 年頃まで現役だった。)

そして、GPS も、原理は同じだ。GPS は「距離」を測るが、時計の誤差を消すために「距離の差」を使う方式(相対測位)もある。双曲線の幾何から、位置が分かる。

さらに、双曲線は「反比例」としても現れる。

これは、双曲線を 回転させたものだ。漸近線は 軸と 軸。中学で習った反比例のグラフが、実は双曲線だった。

そして、ボイルの法則( 一定)も双曲線を描く。気体の圧力と体積の関係も、双曲線になる。 という、教科書の双曲線。

その定義(距離の差が一定)が、船の位置を教え、その形(反比例)が、気体の振る舞いを記述している。

答

焦点 、漸近線

別解

漸近線が「なぜ なのか」を、極限で確かめる。双曲線の式を について解く。

この式を、 が大きいときに近似する。

なぜなら、 なら に対し、 は誤差にもならないからだ。

漸近線が出てきた

数値で確かめよう。

差は 。まだ離れている。

差は 。ぐっと近づいた。

どんどん漸近線に近づいていく

だが、決して交わらない。

双曲線は常に漸近線の「内側」にいる。

「近づくが、届かない」 というのが、漸近線の定義だ。漸近線を求める、もっと簡単な方法がある。方程式の右辺を とおく。

因数分解する。

これで漸近線がすぐに出た。なぜ、 とおくと漸近線になるのか。、 が非常に大きいとき、右辺の は「誤差」でしかない。

数が非常に大きいときは、 は と変わらない。この「割り切り」が漸近線を生む。

この方法は暗算でできる。 双曲線を見たら、 とおいて因数分解する。それだけで、漸近線が求まる。

楕円で同じことをすると?

これを満たすのは、原点 だけ。 直線にはならない。「楕円に漸近線がない」理由が、これだ。

プラスの和が になるには、両方 しかない。マイナスがあるからこそ、因数分解でき、漸近線が生まれる。符号 つの違いで、曲線の遠くでの形がまるごと変わる。

ポイント

  • 双曲線 焦点 (足す)。
  • 漸近線 。

よくある間違い

  • (楕円の公式)を使ってしまう。双曲線は足し算()
  • 漸近線の傾きを としてしまう。傾きは
  • 漸近線を 本だけ()答える。 の 本ある

問6双曲線の漸近線

★ 基礎双曲線

問題

双曲線 の漸近線を求めよ。

ヒントを見る

漸近線の傾きは と の比で決まる。どちらが分子だったか自信がなければ、 を大きくしたとき曲線がどんな直線に近づくかを式からイメージして確かめよう。

解答・解説

方針

漸近線は 。、 より 、。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 漸近線の公式。

与式から、 と を読む。

(、。分母の平方根であることに注意。)

傾きは 。

であって、 ではない。この分数の「向き」がいちばん間違えやすい。覚え方: 「 の分母の ÷ の分母の 」

分子には 側()、分母には 側()が来る。

丸暗記が不安なら、別解の「 とおく」方法を使えばよい。 そちらなら、迷いようがない。

公式双曲線 の漸近線

、 より 、。

xyO
双曲線 x²/16−y²/9=1 の漸近線 y=±(3/4)x

まとめ:双曲線の漸近線は ( の分母のルートが分母、 の分母のルートが分子)。曲線は遠くでこの 直線に限りなく近づく。 とおくと漸近線の式が出る、と覚えてもよい。

発展。 双曲線は 次元では双曲面になる。

そして、この形は意外な場所で使われている。

原子力発電所の冷却塔。

あの、くびれた独特の形。 あれは一葉双曲面という曲面だ。

双曲線を 軸のまわりに回転させた形である。なぜ、この形なのか。理由 : 上昇気流を効率よく作れる。

下が広く、真ん中がくびれ、上が広がる。 この形が空気の流れを加速し、自然対流を生む。煙突効果を大きくする形である。

理由 : 直線で作れる。

これが、双曲面の特徴的な性質だ。

双曲面は曲面なのに、まっすぐな直線だけで作れる。

線織面という。

確かめてみよう。 双曲面の方程式を変形する。

この式はこんな 本の直線の族で満たされる。

を動かすと、直線が動いて、双曲面全体を覆う。曲がった面が、まっすぐな棒の集まりでできている。この性質は建築で使われている。

まっすぐな鉄骨だけで、優雅な曲面が作れる。曲げた鉄骨より、はるかに安く、強い。

冷却塔、電波塔、東京の一部の建築物は、すべて、この原理で建っている。

ロシアの技術者シューホフが 年に初めてこの構造を実用化した。そして、双曲面のもう つの応用。

歯車。

軸が交わらず、平行でもない 本の回転軸を、なめらかに噛み合わせたい。その解が双曲面歯車(ハイポイドギア)だ。車のデファレンシャルギア(左右の車輪の回転差を吸収する装置)に使われている。

自動車の歯車にも、双曲面が使われている。 という、 本の漸近線。その双曲線を回転させた曲面は、発電所の冷却塔や電波塔、自動車の歯車に使われている。

「曲がった面が、まっすぐな線でできる」という意外な事実も、 次曲線の性質の1つである。

答

別解

公式を忘れても、「右辺を とおいて、因数分解する」方法で求められる。漸近線の求め方で、いちばん確実な方法だ。双曲線の式で、右辺の を に変える。

この式を因数分解する。

の形だ。

それぞれを とおく。

本解と同じ 公式を 度も使っていない。なぜ、この方法でよいのか。、 が非常に大きい場合を考えてほしい。

なら、左辺の各項は 万を超える。そのとき、右辺の はあってもなくても同じだ。

「無限遠では、 は と区別がつかない」この割り切りが、漸近線を生む。そして、この方法の利点。

① 公式を覚えなくていい。

か かで迷わない。 因数分解すれば、自動的に正しい傾きが出る。

② 一般の双曲線でも使える。

平行移動した双曲線の漸近線は?

とおいて因数分解する。

中心 を通る、傾き の直線

公式を覚えていたら、平行移動のぶんを足すのを忘れがちだ。この方法なら、自動的に処理される。

③ 軸方向の双曲線でも使える。

とおくと、同じ因数分解になる。

漸近線は横向きの双曲線とまったく同じだ。

( つの双曲線は、同じ漸近線を共有する。共役双曲線という。)この事実も、 の方法ならすぐに分かる。

「公式を覚える」より、「原理を使う」ほうが、応用が利く。そして、間違えない。

ポイント

  • 漸近線 。
  • からも出る。

よくある間違い

  • 傾きを としてしまう。漸近線の傾きは
  • 分母の 、 をそのまま使って としてしまう。平方根をとって 、
  • 漸近線が双曲線と交わると考える。近づくだけで、決して交わらない

問7円の媒介変数表示

★ 基礎媒介変数表示

問題

媒介変数 を用いて 、 と表される曲線は、どのような図形か。

ヒントを見る

ゴールは を消すこと。 と の間にはいつでも成り立つ関係が つある。 と をそれぞれ 乗してみると、その関係が使える形になる。

解答・解説

方針

を計算する。 を使うと、 が消えて直交座標の方程式になる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 媒介変数 で書かれた曲線。「 を消す」のが基本方針だ。

が消えれば、 と だけの関係式(曲線の方程式)が得られる。

どうやって消すか。

三角関数の最重要公式を使う。

この形を作りたい。

と の式を、 と について解く。

乗して足す。

原点中心、半径 の円だ。

「 で を消す」 という手順で、三角関数の媒介変数表示は片づく。

重要媒介変数は を使って を消し、直交座標の式にする

① を計算する。

② 図形を読む。 は原点中心・半径 の円。

xyO
(2cos t, 2sin t) は原点中心・半径2の円

まとめ: は半径 の円。媒介変数から図形を知るには「 を消す」。 を使うのが基本だ。 は円周上の点の角度(回転角)を表している。

発展。 媒介変数表示が役に立つのは、「方程式で書けない曲線」を描けるからだ。

サイクロイド。

円を、直線の上で滑らずに転がす。 円周上の 点が描く軌跡。

この曲線を と の方程式で書けるだろうか。

書けない。 を消去できないのだ( から を取り出せない)。媒介変数でしか書けない曲線がある。

そして、このサイクロイドには、次の性質がある。

最速降下曲線。

「 点 、 を結ぶ坂を作る。ボールが最も速く から へ転がり落ちる形は?」

直線ではない。

答えはサイクロイド(を逆さにした形)だ。

年、ヨハン・ベルヌーイがこの問題を出題した。ニュートン、ライプニッツ、ロピタルら、当時の一流数学者が挑み、全員が正解にたどり着いた。(ニュートンは、 晩で解いたという。)

なぜ、曲がった道のほうが速いのか。

最初に急降下することで、速度を稼ぐ。 その分、後半で距離を取り戻せる。「急がば回れ」を、数学が証明した形だ。

さらに、サイクロイドには等時性という性質もある。

「サイクロイドの坂では、どの高さから落としても、底に着くまでの時間が同じ。」ホイヘンスは、この性質を使って、正確な振り子時計を作ろうとした( 年)。普通の振り子は、振れ幅が大きいと周期がずれる。

だがサイクロイド振り子なら、振れ幅によらず周期が一定になる。媒介変数表示を使うと、こうした複雑な曲線も式で扱える。他にもたくさんある。

  • カージオイド(心臓形): (マイクの指向性パターン)
  • アステロイド(星芒形): 、
  • リサージュ曲線: 、(オシロスコープの画面)

そして、 次元では、螺旋(らせん)。

円運動しながら、まっすぐ上昇する。DNA の二重らせんもこの形だ。「、」という、いちばん簡単な媒介変数表示。

この表し方を広げると、運動や時間を含む曲線や、方程式では書けない曲線も扱える。

答

原点を中心とする半径 の円()

別解

媒介変数を「時間」と読んで、点の動きを追いかける。方程式に直すだけでは、「消えてしまう情報」がある。それは、「点がどう動くか」だ。

を時刻だと思って、点の位置を追ってみよう。

右端からスタート。

上へ。

左へ。

下へ。

右端に戻った。 周した。

点は半径 の円周上を、反時計回りに動いている。

そして、 が 進むごとに、 周する。これは、等速円運動だ。「方程式 」では分からないこと。

  • どちら回りか(反時計回り)
  • どこから始まるか( で )
  • どれくらいの速さか(周期 )

媒介変数表示はこの「運動の情報」を保持している。方程式から分かるのは、点の軌跡(通った跡)だけだ。「軌跡」と「運動」は、違う。

同じ円を描くのでも、こんな媒介変数表示もある。

すべて、方程式は で同じ。だが、動きはまったく違う。この違いが、物理では大事になる。

速度を計算してみよう。

速さ(速度の大きさ)は

常に で一定だ。 等速である。そして、位置ベクトル と速度ベクトル の内積は

内積が なので、垂直だ。

「速度は、常に半径に垂直」円運動の基本性質が、計算から出てきた。さらに、加速度は

「加速度は、常に中心を向いている」

これが向心加速度だ。

円運動を続けるには、常に中心向きの力(向心力)が必要である。物理で習うこの事実が媒介変数表示を微分するだけで導ける。媒介変数は単なる計算の道具ではない。

「時間とともに動く点」を表す方法である。

ポイント

  • で を消す。
  • は半径 の円。

よくある間違い

  • の で割るのを忘れ、 としてしまう。半径は なので
  • と、 乗を忘れた公式を使ってしまう。正しくは
  • 半径を としてしまう。 なので、半径は

問8楕円の媒介変数表示

★ 基礎媒介変数表示

問題

媒介変数 を用いて 、 と表される曲線を、、 の方程式で表せ。

ヒントを見る

円の媒介変数表示と同じ発想で を消す。ただし係数が と で違うので、先に と を 、 の式で表してから、いつもの関係に入れよう。

解答・解説

方針

、 と表し、 に代入して を消す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 前問と同じ手順だ。 で、 を消す。

まず、 と について解く。

係数が違う( と )ことに注意。

乗して足す。

楕円の標準形だ。

(横方向)、(縦方向)の、横長の楕円。円のときは、 と の係数が同じ( と )だった。係数が違うと、円がつぶれて楕円になる。

「 の係数が、そのまま楕円の 、 になる」

この対応を掴んでおこう。

重要 を で表し、 に代入して を消す

① 、 を で表す。 、。

② 相互関係に代入する。

xyO
(3cos t, 2sin t) は楕円 x²/9+y²/4=1

まとめ: は楕円 。 を で表してから に代入するのが手順。 の係数が (半軸の長さ)になる。

発展。 「円を引き伸ばすと楕円になる」

この変換を 次変換(線形変換)という。

行列で書ける。

この行列は「横に 倍、縦に 倍」を意味する。そして、行列式は

この が「面積が 倍になる」ことを表している。

これは、空間ベクトルで学んだ「行列式 平行四辺形の面積」と、同じ原理だ。

単位正方形()が変換後に の長方形になる。 面積は 倍。そして、どんな図形でも、面積は 倍される。

円()→ 楕円()

この「行列式 面積の拡大率」という事実は、積分の変数変換で使われる。

( はヤコビ行列。多変数の置換積分で、この行列式が「補正係数」になる。)極座標変換なら

この が行列式から出てくる。さて、 次変換で「保たれるもの」と「保たれないもの」を、もう一度整理しよう。

保たれる(不変量)。

  • 面積の比
  • 中点、内分比
  • 平行性
  • 直線は直線のまま

保たれない。

  • 長さ、角度
  • 円が楕円になる

「直線が直線のまま」という性質が大事だ。だから、 次変換は「線形」変換と呼ばれる。そして、この性質がコンピュータグラフィックスの基礎になっている。

D モデルは三角形(ポリゴン)の集まりだ。回転、拡大、平行移動は、すべて 次変換(と平行移動)で表せる。

三角形の 頂点だけを変換すれば、辺は自動的に正しい位置に来る。(直線が直線に写るから)もし変換が線形でなければ、辺が曲がってしまい、計算がとても複雑になる。

「線形性」という制約が、 D グラフィックスを実用的な速度で計算可能にしている。、

円を引き伸ばして楕円にする、という素朴な操作。その先に、行列式と面積の関係があり、線形代数があり、 D の画像を描く技術がある。

答

(楕円)

別解

楕円は「円を引き伸ばしたもの」である。単位円の媒介変数表示を、思い出そう。

この円を 方向に 倍、 方向に 倍に引き伸ばす。

これは、この問題の式そのものだ。

つまり、この楕円は「単位円を、横に 倍、縦に 倍したもの」である。

この見方の御利益。

① 楕円の面積がすぐに出る。

単位円の面積は 。

横に 倍すれば面積は 倍、縦に 倍すればさらに 倍。

公式 の意味がこれで分かる。

② 楕円の性質を、円の性質から導ける。

円で成り立つ性質を、引き伸ばしても保たれるものと、保たれないものに分ける。保たれるもの( 次変換で不変)。

  • 中点は中点のまま
  • 面積の「比」は変わらない
  • 平行な線は平行のまま
  • 接するものは接したまま

保たれないもの。

  • 長さ(方向によって伸び方が違う)
  • 角度(直角が直角でなくなる)
  • 円は円でなくなる(楕円になる)

「面積比が保たれる」という性質は、役に立つ。例: 楕円に内接する最大の長方形の面積は?

円で考える。 単位円に内接する最大の長方形は、正方形。面積は 。

引き伸ばすと、面積は 倍。

楕円に内接する最大の長方形の面積は 。楕円で直接考えると面倒な問題が、円に戻せばすぐに解ける。この「 次変換で円に戻す」という手法は、入試の難問でも使われる。

③ 媒介変数の は角度ではない。

ここが重要な注意点だ。

円では、 は点の偏角(中心から見た角度)だった。

楕円では?

点 の偏角は

である。

のとき、点の偏角は 。 は「離心角」と呼ばれ、円に戻したときの角度を表す。楕円上の点の「本当の角度」ではない。

この違いを混同すると、極方程式などで間違える。「媒介変数は、ただのパラメータ。幾何的な意味は、 つ つ確認する。」

ポイント

  • 、 で代入。
  • は楕円。

よくある間違い

  • と、係数を 乗し忘れる。分母は 、
  • と の係数を取り違え、 としてしまう。 なので、 の分母が
  • 媒介変数 を、楕円上の点の偏角だと思ってしまう。 は円に戻したときの角(離心角)で、実際の偏角とは違う

問9極座標から直交座標へ

★ 基礎極座標

問題

極座標が である点を、直交座標で表せ。

ヒントを見る

極座標 から 、 に直す変換の式を思い出そう。原点から斜辺 ・角 の直角三角形をかくと、どちらに がつくか迷わない。

解答・解説

方針

極座標 から直交座標 は、、。、 を代入する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 極座標 とは、原点から距離 、角度 の方向を表す座標だ。

直交座標への変換公式。

この公式は暗記するものではなく、単位円を思い出せば当たり前だ。

半径 の円周上で、角 の位置にある点。 その座標は である。

代入しよう。 、()。

検算。 原点からの距離が に戻るか。

「距離と角度」から「縦と横」へ。 それが極座標から直交座標への変換である。

公式極座標 → 直交座標:、

、。、。

xyO(1,√3)r=2
極座標(2, π/3)=直交座標(1, √3)

まとめ:極座標 は「原点からの距離 、 軸からの角 」。直交座標へは 、。三角比の値を正確に。 は 。

発展。 極座標が特に役に立つのは、「原点まわりの対称性」がある図形だ。

そうした曲線を、いくつか見てみよう。

カージオイド(心臓形)。

ハートのような形になる。

この曲線はマイクの指向性パターンとして使われる。

「正面からの音は拾い、後ろからの音は拾わない」 という性質のマイクが、カーディオイドマイクという名前で実際に売られている。((真後ろ)で になる。後ろの音を拾わない。)

バラ曲線。

が奇数なら 枚、偶数なら 枚の花びらを描く。

なら 枚の花。 なら 枚の花。

直交座標で書こうとすると、とても複雑な式になる。 極座標なら 行だ。

アルキメデスの螺旋。

「角度に比例して、距離が伸びる」

蚊取り線香、時計のぜんまい、レコードの溝がこの形をしている。

対数螺旋(等角螺旋)。

「回るごとに、距離が指数関数的に増える」この螺旋は、自然界に満ちている。

  • オウムガイの殻
  • ヒマワリの種の配列
  • 台風の渦
  • 銀河の渦状腕

なぜ、これほど普遍的なのか。「成長しても、形が変わらない」からだ。オウムガイは大きくなっても、殻の形は相似のまま。

この「自己相似性」をもつ螺旋は、対数螺旋だけである。ヤコブ・ベルヌーイはこの曲線に魅せられ、自分の墓に刻ませようとした。「同じでありながら、変化して蘇る」というラテン語の銘とともに。

(だが、石工が間違えて、アルキメデスの螺旋を刻んでしまったという逸話がある。)極座標は、天文学でも使われる。惑星の軌道(楕円)を、太陽を原点とする極座標で書くと

この 行で、円・楕円・放物線・双曲線のすべてが表せる。

離心率 の値を変えるだけだ。直交座標では、 種類の別々の方程式が必要だった。極座標なら、 つの式で統一される。

「座標の選び方で、同じ図形の式の簡単さが変わる」

この、単なる座標変換。極座標を使えば、花びらや渦巻きや惑星の軌道を、 行の式で書ける。

答

別解

図で描けば、公式を使わずに答えが出る。原点から、 の方向に、長さ の矢印を引く。その先端の座標を、読み取ればよい。

この矢印を斜辺とする、直角三角形を作る。

  • 斜辺:
  • 角:

–– の直角三角形だ。

辺の比は、。

  • 斜辺
  • の向かい側(縦)
  • の向かい側(横)

だから、点の座標は

三角比の値を暗記していなくても、この有名な三角形の比を知っていれば出せる。さて、 つ注意しておきたいことがある。極座標の表し方は 通りではない。

同じ点 を、こんなふうにも書ける。

に の整数倍を足しても、同じ点だ。( 周して戻るから。)さらに、 を負にすることも許す流儀では

( は「反対向きに 進む」という意味。)

これも同じ点を指す。

「 つの点に、無限通りの極座標」直交座標なら、 つの点には 組の しかなかった。この一意性のなさが極座標の扱いにくいところだ。

だから、問題では必ず範囲が指定される。

この範囲なら、表し方は 通りに決まる。(ただし、原点だけは例外。 なら、 は何でもいい。)では、なぜ、そんな扱いにくい座標をわざわざ使うのか。

「原点からの距離」を中心に考える問題では、ずっと楽だからだ。

円の方程式。

極座標なら、 文字だけで書ける。

渦巻き、花びら、心臓形のように、原点まわりの対称性をもつ図形は、極座標で書くとかなり単純になる。「道具は、場面で選ぶ」

直交座標がいつでも便利なわけではない。 問題の対称性に合った座標を選ぶことが、計算を楽にする最大のコツである。

ポイント

  • 、。
  • は距離、 は 軸からの角。

よくある間違い

  • 、 と、 と を逆にしてしまう。 が 、 が
  • を と読み違える。( が )
  • を掛け忘れ、 で終える。 を掛けて

問10直交座標から極座標へ

★ 基礎極座標

問題

直交座標が である点を、極座標 で表せ。ただし 、 とする。

ヒントを見る

は「原点からの距離」そのもの。まず三平方で を求め、次に図をかいて角 を読み取ろう。点がどの象限にあるかの確認を忘れずに。

解答・解説

方針

、 は点の方向(、象限に注意)。 は第 象限。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 今度は逆向きの変換だ。直交座標 → 極座標。

つの量を求める。

① 原点からの距離 。

② 偏角 。

となる角は と の つある。

どちらか。

点 は第 象限にある(、)。

だから 。

「 の値だけでは、偏角は決まらない」 は 周期なので、 つの候補が出る。

必ず象限を確認して、正しいほうを選ぶ。 これが最大の注意点だ。

公式直交座標 → 極座標:、 は (象限に注意)

① 距離を求める。 。

② 偏角を求める。 点 は第 象限。 より 。

xyO(1,1)r=√2
点(1,1)は原点から距離 r=√2、x軸から角 θ=π/4

まとめ:直交 → 極は「距離 と角 」。角は だが、どの象限かを見て確定する(第 象限なら )。極座標 ⇔ 直交座標は行き来できる。

発展。 極座標は 次元にも拡張できる。

球面座標。

  • : 原点からの距離
  • : 軸からの角(天頂角)
  • : 平面での角(方位角)

この座標系は地球儀そのものだ。

  • : 地球の半径
  • : 緯度(に相当)
  • : 経度

「緯度・経度」という、 つの角度で地球上の位置を表す。これは球面座標そのものである。そして、この座標系は物理学でよく使われる。

なぜか。「原点からの距離」を中心に考える問題が多いからだ。重力:

クーロン力(電気):

どちらも距離 だけで決まる(方向によらない)。こういう「中心力」の問題は、球面座標で扱うと、方程式が大きく簡単になる。

水素原子の電子軌道。

シュレーディンガー方程式を、球面座標で解く。すると、電子の存在確率が、次のような形をとることが分かる。

  • 軌道: 球状
  • 軌道: ダンベル状( 方向)
  • 軌道: 四つ葉のクローバー状

化学の教科書で見た、あの電子軌道の絵。あれは、球面調和関数という、球面座標の解から出てくる。「原子の形」が座標系の選択から導かれる。

さらに、宇宙の観測でも使われる。宇宙背景放射(ビッグバンの名残の光)は、全天球にわたって観測される。そのわずかな温度のゆらぎを、球面調和関数で分解する。

そこから、宇宙の年齢、物質の量、宇宙の形が読み取れる。

「宇宙は、ほぼ平坦」「年齢は 億年」 とされる。これらの結論は球面座標での解析から出ている。

座標系の選択は単なる計算の便宜ではなく、「問題の対称性に合った座標を選ぶ」ことで、元の式では分かりにくかった構造が分かる。

直交座標が向いている問題(直線的なもの)。 極座標が向いている問題(回転対称なもの)。 球面座標が向いている問題(中心対称なもの)。

この、 次元の座標変換。同じ考え方を空間に広げたものが、原子や宇宙の形を調べるときにも使われる。これで、高校数学の全課程が終わる。

ここまで学んできた関数、微分、積分、ベクトル、複素数、座標は、どれも自然や社会の現象を記述するのに使われる。これらの道具は大学の数学や物理でもそのまま使う。

答

別解

図を描けば、象限の間違いは起きない。点 を、座標平面に打つ。原点から、この点へ矢印を引く。

横に 、縦に 。この矢印は右上 の方向を向いている。

そして、矢印の長さは直角二等辺三角形の斜辺。

図から、両方とも読み取れた

では、なぜ「象限の確認」がそれほど大事なのか。

危険な例を見てみよう。

点 の極座標を求めよ。

で、この問題とまったく同じ値だ。だが、点の位置はまるで違う。

は、第 象限(左下)にある。

正しい偏角は

()ではない。

もし の値だけを見て と答えたら、まったく反対側の点を指してしまう。「 が同じでも、点は つある」 は ごとに同じ値を繰り返すからだ。

この注意点は電卓やプログラムでも問題になる。 関数は から の値しか返さない。だから、第 、第 象限の点を入れると、間違った角度が返ってくる。

そこで、プログラミングでは という特別な関数を使う。

と を別々に渡すことで、符号の組み合わせから、正しい象限が判定される。

「 を計算してから渡す」と、情報が失われる。( も も、同じ になってしまう。)「割り算をした瞬間に、符号の情報が消える」

この教訓は数学でもプログラミングでも同じだ。必ず、 と の符号を、別々に確認する。

つの象限と偏角の範囲。

  • 第 象限():
  • 第 象限():
  • 第 象限():
  • 第 象限():

この対応を確認してから、 を決める。図を つ描く手間が致命的なミスを防いでくれる。

ポイント

  • 、。
  • 象限を見て を確定。

よくある間違い

  • から象限を確認せずに を決めてしまう。 と の 候補があり、点の象限で決まる
  • を としてしまう。
  • の範囲()を無視して、負の角( など)で答える

問11極方程式(円)

★ 基礎極方程式

問題

極方程式 はどのような図形を表すか。

ヒントを見る

極座標の の意味(原点からの距離)を、そのまま日本語にしてみよう。「原点からの距離がつねに である点の集まり」は、どんな図形?

解答・解説

方針

は「原点からの距離が で一定」を意味する( は自由)。これは半径 の円。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 極方程式 を、日本語で言い換える。

「 が何であっても、 は常に 」つまり、「原点からの距離が、常に 」ということだ。

そんな点の集まりは?

原点を中心とする、半径 の円である。 が式に出てこないのが、ポイントだ。 をどう動かしても、 は のまま。

角度を から まで動かせば、点は円周を 周する。直交座標で書けば

この式は、 と の 文字が必要だった。極座標なら、 の 文字で終わり。「円は、極座標のほうがずっと簡潔に書ける」

原点まわりの対称性をもつ図形は、極座標と相性がよい。 これが、その典型例だ。

重要極方程式 は、原点中心のその半径の円

は「原点からの距離がつねに 」( は から まで自由)。これは原点を中心とする半径 の円。(直交座標では 、すなわち 。)

xyO
極方程式 r=2 は原点中心・半径2の円

まとめ:極方程式で は円(原点中心)。 なら原点を通る半直線。極座標では、直交座標より円や回転が簡単に表せることが多い。

発展。 極座標を使うと、 次曲線が、 つの式で統一される。

焦点を原点(極)に置いた、 次曲線の極方程式。

  • : 半直弦(焦点を通る、軸に垂直な弦の半分)
  • : 離心率

この 本の式が の値によって、 つの曲線になる。

  • : (定数)→ 円
  • : 楕円
  • : 放物線
  • : 双曲線

直交座標では、 つの別々の方程式が必要だった。

極座標なら、 つ。なぜ、これほど簡潔になるのか。焦点を原点に置いたからだ。

次曲線は「焦点からの距離」と「準線からの距離」の比()で決まっていた。焦点を座標の中心にすれば、その比がそのまま式になる。「問題の構造に、座標を合わせる」

座標系はこの考え方で選ぶ。そして、この式は天体力学の基本方程式である。ニュートンの万有引力の法則から、惑星の運動方程式を解くと、この式が出てくる。

太陽が原点(焦点)。惑星がこの曲線上を動く。ケプラーの第 法則(惑星の軌道は楕円で、太陽は つの焦点にある)が、 行で表現されている。

の値で、天体の軌道の形が決まる。

  • : 楕円軌道 → 周回する(惑星、周期彗星)
  • : 放物線軌道 → ぎりぎり戻らない
  • : 双曲線軌道 → 二度と戻らない(恒星間天体)

ボイジャー 号は 年に打ち上げられ、木星と土星の重力を利用して加速した(スイングバイ)。その結果、太陽系の脱出速度を超え、双曲線軌道に乗った。 年、人類が作った物体として初めて、太陽系を脱出した。

いまも秒速 km で、恒星間空間を飛び続けている。その軌道は の双曲線。 という、いちばん簡単な極方程式。

その一般化が であり、宇宙船や惑星の軌道はこの式で表される。 次曲線は、 年前に研究が始まり、今もこうして使われている。

答

原点を中心とする半径 の円

別解

直交座標に直して、確かめる。

極座標と直交座標の関係。

を代入する。

両辺を 乗する。

中心が原点、半径 の円

本解と同じ答えだ。

「直交座標に直して確かめる」 のが極方程式を扱うときの確実な検算法である。さて、極方程式のバリエーションを見てみよう。

① (定数)

「 が何であっても、角度は 」

原点から の方向に、まっすぐ伸びる直線だ。

( が負も許せば、反対側にも伸びる。)

直交座標では 。

②

これは何だろうか。

: → 点 : → 点 : → 原点

点を打っていくと、円のように見える。

直交座標に直そう。

両辺に を掛ける。

ここで、、 を使う。

平方完成する。

中心 、半径 の円になる。

原点を通る円だ。

( は、原点を通り、 軸上に中心をもつ円。)「 を掛けて、 と の形を作る」これが、極方程式を直交座標に直すときによく使う方法だ。

この つの対応を使えるようにしておけば、たいていの極方程式は直交座標に直せる。

③

だから、これは で、縦の直線だ。

極座標でも、直線が書ける。

まとめよう。

  • 定数 → 円(原点中心)
  • 定数 → 直線(原点を通る)
  • → 円(原点を通る)
  • → 直線( 軸に平行)

同じ「円」でも、原点が中心か、円周上かで、式の形がまるで違う。極座標では、「原点」が特別な役割を果たしている。その特別さを活かせる問題で、極座標は役に立つ。

ポイント

  • は原点中心の円。
  • は原点を通る半直線。

よくある間違い

  • を「点 」だと思ってしまう。 が自由なので、円全体を表す
  • 半径を としてしまう( と混同)。 なので半径は
  • 定数(直線)と 定数(円)を取り違える。 が一定なら円

問12放物線の頂点と軸

★ 基礎放物線

問題

放物線 の頂点と軸を答えよ。

ヒントを見る

式に が 乗でしか入っていない。 を に取りかえても式が変わらないことは、グラフのどんな対称性を意味するだろう。軸も頂点もそこから見える。

解答・解説

方針

の形は、頂点が原点、軸が 軸(左右に開くので対称軸は横)。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 放物線 の、頂点と軸を求める。

頂点とは放物線の「折り返し点」だ。この式で、 が最も小さくなるのはどこか。

だから、 は必ず 以上。 になるのは、 のとき。

軸とは放物線の「対称軸」だ。この曲線は 軸に関して対称になっている。

なぜか。 を に変えても、 は変わらないからだ。

点 が曲線上なら、点 も曲線上。つまり、 軸で折り返しても、曲線は同じ。

「 の形 → 軸対称 → 軸は 軸」 乗されている文字から、対称性が分かる。

公式放物線 :頂点 原点、軸 軸()

は の形()。

xyO頂点
y²=4x。頂点(0,0)、軸は x軸(左右対称)

まとめ: は「頂点が原点、 軸に関して対称」な放物線。 を にしても式が変わらないので、 軸が対称軸(= 軸)。左右に開く放物線の軸は横( 軸)だ。

発展。 これで、高校数学のすべての課程が終わる。最後に、 次曲線という主題を、大きく振り返っておこう。

次曲線とは、 と の 次方程式が表す曲線だ。

この つの式が から の値によって、すべての 次曲線を表す。そして、種類は判別式で決まる。

次方程式の判別式と、同じ形をしている。

これは偶然ではない。 どちらも「 次の項の構造」を見ているからだ。 次曲線を統一する、 つの視点。

① 円錐の切り口(アポロニウス、紀元前 年)

つの円錐を、平面で切る。 角度によって、円・楕円・放物線・双曲線が現れる。

② 焦点と準線の距離の比(離心率 )

③ 次方程式の判別式( の符号)

つの、まったく違う視点。幾何(切り口)、距離(離心率)、代数(判別式)。それらが同じ 種類の曲線を指し示す。

どの視点から見ても、同じ分類になる。そして、これらの曲線は身のまわりの現象にも現れる。

  • 放物線: 投げたボールの軌跡、パラボラアンテナ、ヘッドライト
  • 楕円: 惑星の軌道、ささやきの回廊、結石破砕
  • 双曲線: 冷却塔、双曲線航法、反比例の関係
  • 円: あらゆる回転運動

年前、アポロニウスは純粋な知的興味から円錐の切り口を研究した。「役に立つか」など、考えもしなかっただろう。その 年後、ケプラーが惑星の軌道を調べていたとき、彼はアポロニウスの楕円を必要とした。

ニュートンは万有引力から 次曲線を導いた。今も、探査機の軌道は 次曲線の計算で決められている。「役に立たない」と思われた数学が、数百年後に役立つことがある。

これは、数学の歴史で何度も繰り返されてきたことだ。複素数も、非ユークリッド幾何も、群論も、そうだった。これまで学んできた道具には、関数、微分、積分、確率、ベクトル、複素数、 次曲線がある。

どれも、誰かの好奇心から生まれ、自然や社会の現象を記述するのに使われるようになった。 の頂点は原点、軸は 軸。この、最後の 問。

この先の大学の数学でも、これらの道具を使う。

答

頂点 原点 、軸 軸()

別解

平行移動した放物線でも通用する、一般の見方。この問題の放物線は、頂点が原点にある「標準形」だった。では、頂点が原点にない放物線は?

一般形はこう書ける。

これは、 を、 方向に 、 方向に だけ平行移動したものだ。

  • 頂点:
  • 軸: (横線)
  • 焦点:
  • 準線:

すべて、 と の分だけ、ずれる。

具体例で確かめよう。

、、。

  • 頂点:
  • 軸:
  • 焦点:
  • 準線:

もとの放物線()を、右へ 、上へ 動かしただけだ。形はまったく同じ。

頂点を求めるコツ。

「 乗の中身 、カッコの中身 」とおく。

頂点

この方法なら、公式を覚えなくてもよい。そして、展開された形で与えられたら?

平方完成する。

標準形に戻った 頂点は 。「展開されていたら、平方完成で標準形に戻す」 次関数の頂点を求めるときと、まったく同じ手順だ。

数学Iで習った平方完成が、ここでも使える。この問題の放物線 を、あらためて見てみる。

  • 頂点:
  • 軸: 軸
  • 焦点:
  • 準線:

そして、頂点は焦点と準線のちょうど中点にある。

当然だ。 頂点も放物線上の点なので、「焦点までの距離 準線までの距離」を満たす。焦点から 、準線から の距離にある中間点が、頂点である。

放物線の つの要素(頂点・軸・焦点・準線)は、すべてつながっている。 つ分かれば、他も決まる。

ポイント

  • :頂点原点、軸 軸。
  • で不変 → 軸対称。

よくある間違い

  • 軸を 軸としてしまう。 の形は 軸対称なので、軸は 軸
  • 頂点を焦点()と混同する。頂点は原点 で、焦点とは別の点
  • を (縦向き)と読み違え、軸を 軸としてしまう