数学C / 平面ベクトル

平面ベクトル 実戦編の問題 全8問

難関大の総合問題。複数の単元を融合した単元横断の演習

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 三角形の内心の位置ベクトル
  2. 重心・外心・垂心は一直線(オイラー線)
  3. 距離の2乗の和を最小にする点(重心)
  4. 係数の条件と点の存在範囲
  5. 円上を動く点との内積の最大・最小
  6. 内部の点と三角形の面積比(重心座標)
  7. 中線定理をベクトルで示す
  8. チェバの定理(面積比で示す)

問1三角形の内心の位置ベクトル

実戦編平面ベクトル幾何内心角の二等分線単元横断

問題

三角形 の内心 の位置ベクトルは、 辺の長さ を用いて と表されることを示せ。

ヒントを見る

角 の二等分線は を に内分する点 を通る。内心はその上にあり、 もまた二等分線の性質(三角形 で)で分かる。

解答・解説

方針

角の二等分線の性質(対辺を隣の 辺の比に内分)を 回使う。まず の二等分線と の交点 、次に内心 が を分ける比を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 内心 は、 つの内角の二等分線の交点。だから「角の二等分線が対辺を分ける比」を使えば、位置ベクトルが計算できる。

角 の二等分線は辺 を隣り合う 辺の比 に内分する点 を通る。まず の位置ベクトルを出す。

次に、内心 が線分 を分ける比 (これも角 の二等分線から出る)を使う。 段の内分を合成すると、 辺の長さで重みづけた対称な形になる。

xyOIABCD
内心 I=(aA+bB+cC)/(a+b+c)。角Aの二等分線ADと内接円
定理角の二等分線は対辺を隣り合う 辺の比に内分する。角 の二等分線は を に内分

① 二等分線と の交点 。 角 の二等分線は を に内分する。よって ② 内心が を分ける比。 内心 は三角形 で角 の二等分線上にもある。角 の二等分線は を に内分する。( の内分比より)、 だから ③ 合成する。 は を に内分するから

まとめ角の二等分線の内分性質を 段使い、交点 と内分比 を合成すると、内心は 辺の長さで重みづけた 。重心()の「辺の長さ重み版」。ベクトル(内分)と幾何の融合。

発展。 重み(重心座標)を変えると別の中心が出る。重み が内心、 が重心、 が垂心、 が外心。三角形の「中心」はどれも「 頂点の重みつき平均」で書け、重みの選び方で性格が決まる。三角形の中心は無数にあり(現在1万種以上が登録)、それらを分類するときの基礎がこの重心座標だ。

答

角 の二等分線は辺 を に内分する点 を通り、内心はその二等分線を に内分。順に位置ベクトルを計算すると 。

別解

別解:内心が「 辺から等距離」であることから逆算(得意な人向けの高い視点)。 内心 の定義は「 辺までの距離がすべて等しい( 内接円の半径 )点」。この見方で重み の意味が分かる。

三角形 を、内心 と各辺で作る つの小三角形 に分ける。それぞれの底辺は 、高さはすべて 。だから面積は で、比は 。

「内部の点を、向かい合う小三角形の面積で重みづけると、その点自身が復元される」(重心座標の原理)。内心の重みは小三角形の面積比 だから

角の二等分線を2回使う(本解)代わりに、「 辺から等距離 → 小三角形の面積比 」と読むと、重みの意味が面積として分かる。

ポイント

  • 角の二等分線は対辺を隣り合う 辺の比に内分。
  • 交点 は を に内分、 は を に内分。
  • 合成して 。

よくある間違い

  • 角の二等分線が対辺を分ける比を と で取り違える( の二等分線は を に内分)。
  • 内心 が を分ける比 の向き(どちらが 側か)を誤る。
  • 重み の対応を間違える(頂点 の重みは向かいの辺 )。

問2重心・外心・垂心は一直線(オイラー線)

実戦編平面ベクトル幾何外心垂心単元横断

問題

三角形 の外心を 、重心を 、垂心を とする。 を始点にとると が成り立つことを示し、 が一直線上にあること()を示せ。

ヒントを見る

外心を始点にすると つの位置ベクトルの大きさが等しい()。 が垂心であることを内積 で確認。 との関係は?

解答・解説

方針

外心を始点にとると 。 とおき、 を確かめる。重心 と比べる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 外心 を始点にとれば解ける。すると (外接円の半径)がそろう。

で定まる点が、実は垂心だと示す。 が辺 に垂直( との内積が )であることを、 を使って確かめる。 頂点で同様だから は垂心。重心 とくらべると で、 が一直線に並ぶ。

重要外心を始点にとると

① が垂心。 とおく。、。内積は よって 。同様に 、。 は垂心。

xyOOGH
外接円(外心 O)上の三角形。垂心 H=OA+OB+OC、重心 G。O,G,H は一直線(オイラー線)で OG:GH=1:2。

② 重心との関係。 重心は 。

③ 一直線と比。 だから は同じ向き(一直線)。 より 。この直線がオイラー線。

まとめ外心を始点にすると が使え、 が垂心と分かる。 で は一直線、。ベクトル(内積)と幾何(五心)の融合。

発展。 オイラー線上には、重心 が外心 と垂心 を に内分する形で乗る。さらに の中点は九点円の中心で、この円は 辺の中点・ 垂足・各頂点と の中点の 点を通る。三角形の主要な点が1本の直線と1つの円の上に並ぶ。初等幾何の代表的な結果である。

答

が垂心( 等)であることを で示す。 だから 、 は一直線で 。

別解

別解:座標で確かめる(計算で押し切るルート)。 外心 を原点にとり、、、 とおく()。

が垂心である()ことを内積で確かめる。

から になった。 も同じ。だから は垂心。

重心 より 、 が一直線。「外接円の半径がそろう」という1点が、垂心の直交条件を生む仕掛けだ。

ポイント

  • 外心を始点にすると 。
  • が垂心()。
  • で一直線、。

よくある間違い

  • 始点を外心以外にとり、 が使えず垂直が示せない。
  • の計算()を誤る。
  • から を とする(正しくは )。

問3距離の2乗の和を最小にする点(重心)

実戦編平面ベクトル最大・最小重心内積単元横断

問題

三角形 に対し、点 が動くとき を最小にする点 を求めよ。

ヒントを見る

重心 を基準に 。 乗して足すと交差項に が出る。これは?

解答・解説

方針

重心 を経由して各ベクトルを と分け、 乗和を展開する。 が交差項を消す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 動く点 をどこかの固定点を基準に書きたい。重心 を経由すれば解ける。

各ベクトルを と分けて2乗和を展開する。すると交差項に が現れるが、重心の性質でこれは 。だから和は「 定数」の形。 が最小 、つまり のときに最小になる。

xyOGABC
PA²+PB²+PC² は P=重心G のとき最小
重要重心 について

① 重心を中継して分ける。 等。 乗して足すと ② 交差項が消える。 だから中央の項は 。よって 第 項は によらない定数。

③ 最小。 で、最小 は のとき。よって は重心 で最小。

まとめ重心を中継して 乗和を展開すると、重心の性質 で交差項が消え、定数。最小は 。ベクトルと最大最小・重心の融合。

発展。 最小値 は、三角形の「慣性モーメント」(重心まわりの回りにくさ)にあたる。物理では、質点系の運動エネルギーが「重心の運動」と「重心まわりの回転」に分かれる(ケーニッヒの定理)。 の分解は、その数学的な原型だ。

答

重心 を基準に と分けて 乗和を展開すると、。(重心)で最小。

別解

別解:平均からのばらつき(分散)として読む(得意な人向けの高い視点)。 は、統計の「平均からの散らばり(分散)」と同じ構造をもつ。

点 を「データ」とみると、その平均(=重心) が「ばらつきを最小にする中心」。公式

は、統計でいう「」(平方和の分解)そのもの。第1項が で になり、第2項(重心まわりの散らばり)は によらない定数。

だから最小は で、最小値は 。ベクトルの計算(本解)が「平均が最小二乗の中心」という統計の基本法則と同じものだったと分かる。

ポイント

  • 重心 を中継して 。
  • で交差項が消える。
  • 定数、最小は 。

よくある間違い

  • 重心 を経由せず、 の座標で直接微分して計算を重くする(重心分解が本筋)。
  • 交差項 が で消えることを使わない(重心の性質)。
  • 最小値を とする(最小になるのは の部分。残る定数 が最小値)。

問4係数の条件と点の存在範囲

実戦編平面ベクトル領域1次結合存在範囲単元横断

問題

三角形 に対し、 とする。実数 が を満たしながら動くとき、点 の存在する範囲を求め、その面積を三角形 の面積 で表せ。

ヒントを見る

()は、 を 倍に延ばした点 を結ぶ線分。 で辺 、 で 倍の位置。 の帯の面積は?

解答・解説

方針

( 一定)は、三角形 を 倍に相似拡大した三角形の底辺 に対応する線分。 を から まで動かした帯が存在範囲。面積は相似比の 乗で。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) で、 の値で決まる。(一定)のとき、 はどこを動くか。

は、三角形 を を中心に 倍拡大した三角形の「底辺」に対応する線分だ( なら線分 )。

を から まで動かすと、これらの線分が掃く帯(台形状)が存在範囲。面積は「 倍拡大の三角形」から「元の三角形」を引いたもので、相似比の 乗で計算できる。

xyOOABA'=2AB'=2B
範囲は台形(A,A'=2A,B'=2B,B)。面積は 3S
重要 の点は、 と を結ぶ線分

① 各 での線分。 ()のとき、 で、 だから内分点。よって は と を結ぶ線分上。

② 帯の形。 を から まで動かすと、線分 ()から線分 ()までの間を掃く。これは三角形 から三角形 を除いた台形状の領域。

③ 面積。 三角形 は の相似比 の拡大で、面積は 。よって求める面積は

まとめ は 倍拡大した三角形の底辺。 の帯は「 倍拡大の三角形 元の三角形」で、面積は 。ベクトル(1次結合)と領域・相似の融合。

発展。 条件を に変えれば三角形 の内部、 だけなら角の内部(無限に広がる扇形)、 なら平行四辺形。 の不等式の形がそのまま領域の形を決める。線形計画法(1次式の制約で領域を区切り最大化する)の図形的な基礎が、この係数の条件と領域の対応だ。

答

は線分 、 は を 倍に延ばした点を結ぶ線分。範囲は三角形 を 倍に拡大した三角形から を除いた台形状の部分で、面積は 。

別解

別解: の帯を「相似拡大の掃引」とみる(苦手な人にも見通しのよいルート)。 の値ごとに、 がどの線分に乗るかを考える。

()のとき、 は線分 上(内分点)。 のときは、 を 倍に伸ばした点 を結ぶ線分 上。

一般に は、三角形 を 中心に 倍拡大したときの辺 。 を から まで連続に動かすと、線分 から まで平行に掃引され、台形状の帯ができる。

面積は「 倍拡大の三角形 ()」から「元の三角形 ()」を除いた ( は の面積)。相似拡大の面積は比の2乗、という原則( から )で と一目で出る。

ポイント

  • は を結ぶ線分。
  • の帯は 倍拡大の三角形から元を除いた領域。
  • 面積は 。

よくある間違い

  • が「 倍拡大三角形の底辺」に対応することに気づかず、範囲を図示できない。
  • 面積を相似比 でなく 乗()で誤る、または帯の面積を とする(引き算 )。
  • の条件を落とし、三角形でなく平行四辺形の帯にしてしまう。

問5円上を動く点との内積の最大・最小

実戦編平面ベクトル内積円最大・最小単元横断

問題

とし、 が を満たしながら動くとき、内積 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

。 は一定で、(なす角)だけが動く。 の範囲は?

解答・解説

方針

内積の定義 を使う。 は円(大きさ一定)を動くので が自由に変わり、 が から を動く。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 内積 。大きさ 、 は固定だから、変わるのは だけ。

は大きさ の円周上を自由に動く。だから とのなす角 は から まで何でもとれ、 は から まで動く。内積は の形。最大・最小は (向きがそろう / 反対)のとき、すなわち 。

xyOap(最大)p(最小)
p は半径2の円上。a と同じ向きで a·p 最大10、逆向きで最小−10
公式内積 ( はなす角)

① 内積を角で表す。 。

② の範囲。 は向きを自由に変えられるので、なす角 は から まで動き、。

③ 最大・最小。 は

  • 最大 (、 が と同じ向き)、
  • 最小 (、 が と反対向き)。

まとめ内積 で、大きさが一定なら だけが動く。最大 ・最小 。ベクトル(内積)と円・最大最小の融合。 のとき実現する。

発展。 コーシー・シュワルツの不等式 は、成分・次元によらず成り立つ普遍的な不等式。 次元では 、積分では 。「内積は大きさの積を超えない」という一言が、数学の広い範囲を貫いている。

答

( は のなす角)。 より最大 ( が と同じ向き)、最小 。

別解

別解:コーシー・シュワルツの不等式で上下を押さえる(得意な人向けの高い視点)。 内積には、なす角を持ち出さずに大きさを縛る不等式がある。コーシー・シュワルツの不等式

つまり 。等号成立は と が平行のとき、すなわち向きがそろえば最大 、逆向きなら最小 。 は大きさ の円周を動くから、 と平行・反平行の向きは必ずとれる。だから最大 ・最小 はどちらも実現する。

なす角 で とみる(本解)のと同じ結論だが、コーシー・シュワルツは「内積は大きさの積を超えない」という普遍的な不等式で、成分が増えても(空間ベクトルでも 次元でも)そのまま通用する。

ポイント

  • 。
  • は向きだけ動く → 。
  • 最大 、最小 。

よくある間違い

  • が「大きさ の円」を動く(向きが自由)ことを見落とし、 の範囲を狭く取る。
  • 内積の最大を とする(積 が正しい)。
  • 最小を とする( で 。負の値になれる)。

問6内部の点と三角形の面積比(重心座標)

実戦編平面ベクトル面積1次結合幾何単元横断

問題

三角形 の内部の点 が を満たすとき、 つの三角形 の面積比を求めよ。

ヒントを見る

などで条件を書き直すと が の重み の平均に。この重みが に対応する。

解答・解説

方針

を位置ベクトルに直して を の重みつき平均で表す。重み(重心座標)が面積比に一致することを使う。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 条件 を、位置ベクトルに直して を求める。

等を代入して整理すると、。 を重み で平均した点(重心座標)だ。この重み がそのまま向かい合う三角形の面積比になる。。

重要 のとき

① を重みつき平均に。 等で条件を書くと よって 。重み(重心座標)は 。

xyOABCP
内部の点 P が PA+2PB+3PC=0 を満たすとき、3つの三角形の面積比は 1:2:3(重み 1,2,3 に対応)。

② 面積比に読み替える。 重心座標の重みは対応する対頂の三角形の面積比に一致する。すなわち の重み は 、 の重み は 、 の重み は に対応。

③ 結論。

まとめベクトル条件から を重み の重心座標で表すと、その重みがそのまま面積比 。ベクトル(1次結合)と面積・重心座標の融合。 の係数がその頂点の「向かいの三角形」の面積の重みになる。

発展。 重み(重心座標) は、向かい合う三角形の面積比 にちょうど一致する。この「面積座標」は有限要素法(構造物や流体を三角形メッシュに分けて計算する工学手法)で、三角形内部の値を補間する基本の道具として現役で使われている。

答

条件から 。係数 がそのまま面積比になり、。

別解

別解:重みを1つずつ「てこの原理」で分ける(苦手な人向け)。 条件 を、重さのつり合いとして読む。 にそれぞれ重り を置くと、その重心(つり合いの点)が 。

面積比を求めるには、まず の重り を合成する。 を に内分する点 (重り )に置き換えられる。 は (重り )と (重り )を に内分する点だ。

すると は の 。 と も同様に を占め、比は 。位置ベクトルでまとめて(本解)出す代わりに、「重りを合成する」てこの見方だと、なぜ重み が面積比になるかが順を追って見える。

ポイント

  • 条件を書き直すと 。
  • 重心座標の重み 向かいの三角形の面積比。
  • 。

よくある間違い

  • を位置ベクトルに直すとき、 の符号を誤る。
  • 重み と面積比の対応を逆にする(頂点 の重み は向かいの の面積比)。
  • 分母 を落とし、 の位置を誤る。

問7中線定理をベクトルで示す

実戦編平面ベクトル内積中点幾何単元横断

問題

三角形の 頂点 と、辺 の中点 、および任意の点 について、(中線定理)が成り立つことを、ベクトルを用いて示せ。

ヒントを見る

中点 を基準に 。 を使い 乗を足すと交差項が打ち消し合う。

解答・解説

方針

中点 を中継して 、 と分け、( が中点)を使って 乗和を計算する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 中点 を中継点にすると、(中点の性質)が使える。

、 と分けて、それぞれ2乗する。足し合わせると、交差項 が で消える。残るのは で、これが中線定理だ。

xyOABMP
M は AB の中点。PA²+PB²=2PM²+2AM²
重要中点 について 、すなわち

① 中点を中継して分ける。 、。

② 乗して足す。 展開すると ③ 交差項を消す。 で中央の項は 。また だから 。よって

まとめ中点 を中継すると で交差項が消え、中線定理 。ベクトル(内積)と幾何(中点)の融合。座標計算より一般的で見通しがよい。

発展。 中線定理は「平行四辺形の対角線の2乗の和 4辺の2乗の和」の言い換えでもある( と 、第4点で平行四辺形を作る)。ベクトルで書くと (中線定理/平行四辺形則)。この等式が成り立つことが、実は「内積が定義できる空間」の特徴づけになっている。

答

を中点にとると 。 等で 乗和を展開すると交差項が消え、。

別解

別解:座標を置いて成分計算で示す(計算で確かめたい人向け)。 中点 を原点にとると、、(中点だから対称)。任意の点 とおく。

展開すると 。交差項 が消えて

( が原点なので 、。)中線定理が出た。 を使う本解と、考え方は同じ( と が対称)。中点を原点に選ぶと、対称性で交差項が自動的に消えるので計算が楽になる。

ポイント

  • 中点 で 。
  • 乗和の交差項が で消える。
  • 。

よくある間違い

  • 中点の性質 を使わず、交差項が消えない。
  • の分解を誤る。
  • 右辺の係数 ()を落とす。

問8チェバの定理(面積比で示す)

実戦編平面ベクトル幾何面積比チェバの定理単元横断

問題

三角形 の内部の点 に対し、直線 が対辺 と交わる点をそれぞれ とする。(チェバの定理)を示せ。

ヒントを見る

は頂点を共有する三角形の底辺の比なので面積比。、また 。差をとると を含む三角形の面積比に。

解答・解説

方針

各分点比を、共通の高さをもつ三角形の面積比で表す。 を と の面積比に直し、 つ掛けて約分する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) チェバの定理の つの比の積を、面積比に言い換えれば解ける。

分点比 は を共有する2つの三角形の面積比で書ける。底辺 が同じ直線上で高さが共通だからだ。。差をとれば 。

つの分点比を同様に を頂点とする三角形の面積比で書いて掛けると、 つの面積が分子・分母に一巡して現れ、すべて約分して 。

xyOPABCDEF
3本の直線 AD,BE,CF は点Pで交わる(チェバの定理)
重要 が 上のとき (高さが共通)

① 分点比を面積比に。 。比が等しい 式から、分子どうし・分母どうしを引いて ② 他の つも。 同様に ③ 掛けて約分。 つを掛けると

まとめ分点比を「 を頂点とする三角形の面積比」に言い換えると、 つの比を掛けたとき同じ面積が分子・分母に一巡して現れ、すべて約分して 。これがチェバの定理。幾何(面積比)の融合。

発展。 チェバの定理(3直線が1点で交わる)と対になるのが、メネラウスの定理(1直線が3辺を横切る)だ。同じ が、チェバでは 、メネラウスでは (符号つき)。「点で交わる」か「直線に乗る」かの違いは、射影幾何の双対性のわかりやすい例である。

答

から 。同様に他も面積比で書き、 つ掛けると打ち消し合って 。

別解

別解:メネラウスの定理と組で覚える(得意な人向けの視点)。 チェバの定理「」は、 の重心座標 を使うと透ける。

のとき、直線 と の交点 は を に分ける。同様に 、。掛けると

が分子・分母に一巡して約分される。「積が 」になるのはこのためだ。

対になるメネラウスの定理(直線が三角形を横切るとき)は、同じ形で積が (符号つき)になる。チェバは「 点で交わる」、メネラウスは「 直線に乗る」を判定する対の定理で、重心座標で見ると両方の仕組みがまとめて分かる。

ポイント

  • 分点比は共通の高さをもつ三角形の面積比。
  • ( を頂点に)。
  • つ掛けると面積が一巡して約分され 。

よくある間違い

  • 分点比 を、共通の高さをもつ三角形の面積比に直せない。
  • と の差( の側)を取り違える。
  • つの比を掛けたあと、約分して になることを確認せず途中で止める。