数学B / 数列

数列 ★★ 標準の問題 全12問

定期テストレベル。典型パターンの運用

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. Σ の計算(2次式)
  2. Σ の計算(展開が必要)
  3. 階差数列
  4. 分数の数列の和(部分分数)
  5. 分数の数列の和(係数つき)
  6. (等差)×(等比)型の和
  7. 等比数列の和(公比の場合分け)
  8. Σ の計算(積の形)
  9. 群数列
  10. 和 Sₙ から一般項
  11. 等差数列の和の最大
  12. Σ の計算(1次式・一般項)

問1Σ の計算(2次式)

★★ 標準シグマ

問題

を の式で表せ。

ヒントを見る

和の記号を、公式が使える形( と )に分解する。答えをまとめるときは、共通因数でくくると因数分解された形になる。

解答・解説

方針

を項ごとに分け、 と の公式を使う。最後は共通因数 でくくって整理する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) の中が と複数の項なら、まず項ごとに分ける。 は足し算だから、 と分解してよい。

分けてしまえば、 と の公式に当てはめるだけだ。最後の整理がもうひと仕事。バラバラに足すのではなく、共通因数 でくくってから中身をまとめると、分数の計算がずっと軽くなる。

公式、

① 項ごとに分ける。

② 共通因数でくくる。 どちらにも が作れる。。

ここで 。整理すると

まとめ: の 次式は「分けて公式 → 共通因数 でくくる」。因数分解の形にまとめると、後の計算(値の代入や大小)がやりやすい。

発展。 「小さい で検算」は 計算で欠かせない。 を入れると和は 、公式は 。 なら 、公式も 。 点で合えば、 次・ 次の式の係数ミスはほぼ検出できる。

の答えは必ず の多項式(中身が の 次なら答えは の 次)になる。次数の見積もりと小さい の検算という つの習慣が、数列の計算を安全にする。

答

別解

を 本に分けずに、 本のまま片づける小技がある。中身を平方完成に似た形で見ると

つまりこの和は「 から を 回引いたもの」だ。

整理すると となり、本解と同じ答えになる。 の公式の を に置き換えて使う、という「公式の再利用」がポイント。中身がうまく の形に見えるときは、番号をずらして公式 本で済ませられる。

ポイント

  • 分けて公式、共通因数 でくくる。
  • くくった中身をていねいに整理する。

よくある間違い

  • の係数 を の外に出さず、公式の形と合わずに詰まる
  • 通分してから展開し、 次の多項式の計算でミスする(先に でくくる)
  • 検算をせず答えの形だけ整える( で 、 で になるか代入で確かめる)

問2Σ の計算(展開が必要)

★★ 標準シグマ

問題

を の式で表せ。

ヒントを見る

中身をまず展開してから を分解する。定数の項の和を 倍し忘れるミスがよくあるので注意。

解答・解説

方針

の中はまず展開する。。各項を公式で計算し、共通因数でくくって整理する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) の中が のように固まっているときは、まず展開する。

これで の つの公式に分解できた。あとは代入と整理。共通因数 でくくってから通分すると、計算の見通しがよい。「展開 → 公式 → くくる」の三拍子だ。

公式まず展開してから項ごとに公式()

① 展開する。

② 項ごとに公式を使う。

③ 整理する。 を通分してまとめると

(これは 、奇数の平方の和にあたる。)

まとめ: の中がかっこの 乗なら、まず展開して 定数の形に。 を忘れないこと。結果は因数分解の形にまとめておく。

発展。 答え の分子には という「連続奇数の積」が現れている。 で 、 で 、 で となる。ピラミッド状に球を積むときの総数(四角錘数の親戚)として、数え上げにも出てくる数列だ。

「全体から引く」設計は の倍数の 乗の和、 で割って 余る数の和など、等間隔に選んだ数の和すべてに通用する。公式は の つしかなくても、置き換えと引き算で応用範囲は何倍にも広がる。

答

別解

「奇数の 乗の和」を、全部の 乗から偶数の 乗を引くという引き算で出す道もある。 は、 から までの全平方和から、偶数の分 を除いたものだ。全体は公式の を に置き換えて

偶数の分は だから

差をとって整理すると となり、展開ルートと同じ答えになる。「求めたい和 大きな和 いらない和」という補集合の発想は、数え上げの「余事象」と同じ精神だ。展開が面倒な和ほど、引き算の設計が役に立つ。

ポイント

  • の中はまず展開。
  • を忘れない。

よくある間違い

  • の展開で中間項 を落とす、または と符号を誤る
  • を としてしまう( を 回足すから )
  • 別解の全平方和で、公式の を に置き換えるとき一部だけ置き換える

問3階差数列

★★ 標準階差数列

問題

数列 が で、階差数列(となり合う項の差)が で与えられている。一般項 を求めよ。

ヒントを見る

階差から一般項に戻すには、初項に階差を積み上げる。何個目まで足すか(和の上端)に注意する。第 項に着くまでに、差はいくつあるだろう。

解答・解説

方針

階差 が分かるとき、 では 。和の上端が であることに注意。最後に でも成り立つか確認する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 分かっているのは「初項」と「となりとの差」。差を積み上げれば、どの項にもたどり着ける。

は に差 を順に足したものだ。

注意点は つ。和の上端は でなく (差は 個しかない)。そして、この式は で作ったものだから、最後に でも成り立つかを確認する。

公式階差数列 のとき、 で

① 公式にあてはめる()。 階差は 。和の上端は 。

② 和を計算する。 。

③ を確認する。 となり、与えられた と一致。よってすべての で成り立つ。

まとめ:階差が分かれば「初項 + 階差の和」で一般項が出る。和の上端が (項の差は 個)なのが最重要。最後に でも合うか確認する習慣をつける。

発展。 「 から始めて奇数を足すと平方数になる」ことは、図で見るとよく分かる。 の正方形に、L 字型のタイル( 個)を貼り足すと の正方形になる。古代ギリシャで「グノーモン」と呼ばれたこの図形的事実が、この問題の答えの理由だ。

一般に、階差が の 次式なら元の数列は 次式、階差が 次なら元は 次。微分と積分の関係( 回積分すると次数が 上がる)の離散版が、階差数列と和の関係になっている。

答

別解

公式に入る前に、数列を数項書き出してみる。これだけで答えの形が分かる。。差は と奇数が続くから

と、平方数が並ぶ。 と予想できる。予想が本当に正しいかは、階差に戻して確かめる。 なら

与えられた階差と完全に一致し、初項 も合う。階差と初項が一致すれば数列は 通りに決まるから、これで確定だ。「書き出す → 予想する → 条件に戻して確かめる」は、公式ルートの検算にも、公式を忘れたときの非常口にもなる。

ポイント

  • ()。上端は 。
  • 求めた式が でも成り立つか確認。

よくある間違い

  • 和の上端を にしてしまう(差は から まで 個)
  • で導いた式を で確認せずに答える
  • の計算で、公式の を に置き換え忘れる

問4分数の数列の和(部分分数)

★★ 標準部分分数和

問題

を の式で表せ。

ヒントを見る

分母が積の形の分数は、 つの分数の差に分解できないか試す。分解できたら、和を書き並べて何が起きるか見てみよう。

解答・解説

方針

を に分ける(部分分数分解)。すると和のとちゅうの項がバサバサ消えて(打ち消し合って)、最初と最後だけ残る。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は公式で処理できる形ではない。この形の要点は差に分解できることだ。

右辺を足し並べると、 と 、 と … と、となりどうしが次々に打ち消し合う。残るのは先頭の と最後の だけ。「差の形に直して、途中を消す」のが、分数の和の定跡である。

重要部分分数分解 。となり合う項が打ち消し合う

① 部分分数に分ける。

② 和を書き並べる。 となり合う項が消える。

③ 残るのは両端だけ。 とちゅうの がすべて打ち消し合う。

まとめ:分数の数列の和は「部分分数に分けて打ち消し合わせる」。差の形 に直せば、両端だけ残る。この望遠鏡和が決め手だ。

発展。 と書くと、 を大きくすれば が に近づくことが見える。無限に足しても を超えない。数IIIで学ぶ「無限級数の収束」の最初の実例がこの数列だ。

途中が消える和は「望遠鏡和」と呼ばれる(伸ばした望遠鏡が縮むように、長い式が両端だけになる)。 でも、分母の差が や でも、同じ発想が通用する。分数の和を見たら、まず「差の形を作れないか」を試すとよい。

答

別解

部分分数を知らなくても、小さい で実験して法則を見抜く道がある。

と並び、分子は番号、分母は番号 になっている。 と予想できる。予想は数学的帰納法で確定する。 が正しいとして、次の項を足すと

分子に が現れて約分が起き、予想の形が次の番号でも保たれた。 も合っているから、すべての で成立する。「実験 → 予想 → 帰納法」は、うまい変形を思いつけないときの正攻法。入試でも部分分数が見えない和はこのルートで戦える。

ポイント

  • に分ける。
  • とちゅうが打ち消し、最初と最後だけ残る。

よくある間違い

  • を と和に分けてしまう(引き算が正しい。通分して確かめる)
  • 打ち消しの結果を「最初と最後が残る」とだけ覚えて とする(残るのは )
  • に公式があると思って探し続ける(逆数の和の公式はない。だから差に分解する)

問5分数の数列の和(係数つき)

★★ 標準部分分数和

問題

を の式で表せ。

ヒントを見る

前問と同じく差の形への分解を狙う。ただし今回は分解したときに係数が付く。検算として、分解した式を通分して元に戻るか確かめよう。

解答・解説

方針

分母の差が なので、部分分数に分けると が前に出る。。あとは打ち消し合わせる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 分母が積 なので、基本の と同じく、差の形に分解して途中を消す。

ちがいは分母どうしの差。 なので、そのまま引くと分子に が出てしまう。

だから両辺を で割り、 を係数として前に出して調整する。「分解 → 係数調整 → 打ち消し」の流れである。

重要分母の差が なら

① 部分分数に分ける。 差 が前に出る。

② 和をとって打ち消し合わせる。

③ 両端だけ残す。

まとめ:分母の差が のときは、部分分数に分けると が前に出る。この係数を忘れると答えが 倍ずれる。あとは打ち消し合いで両端だけ残す。

発展。 は、 を限りなく大きくすると に近づく。 となり、無限に足すとちょうど になる。

分母の差の逆数が前に出る、という別解の一般形は、分母が 因数( 型)になっても拡張できる。そこでは「隣り合う 因数の積」の差に分解する。望遠鏡和を作るときは、いつも差の形を作ることを考える。

答

別解

係数 がどこから来るのか、一般の形で見通しておくと迷わなくなる。分母が 数 ()の積なら、いつでも

が成り立つ(右辺を通分すると分子が に戻る)。前に出る係数は分母の差の逆数だ。

  • : 差 → 係数 (そのまま)
  • : 差 → 係数
  • : 差 → 係数

この 行を知っていれば、どんな積の分母が来ても分解を暗算で書き下せる。検算は の項で と一致することと、 が公式 の と合うことで済む。

ポイント

  • 分母の差 なら係数 が前に出る。
  • ここでは 。忘れると 倍ずれる。

よくある間違い

  • 係数 を忘れて答えが 倍になる(分解したら通分で戻して確かめる)
  • 打ち消しで残る項を とする(最後に残るのは )
  • 分解の符号を と和にしてしまう

問6(等差)×(等比)型の和

★★ 標準和等比数列

問題

を の式で表せ。

ヒントを見る

等差×等比の形の和には、『公比倍して 段ずらして引く』という独特の手筋がある。引き算すると何が残るか、自分の手で確かめてほしい。

解答・解説

方針

各項が(等差 )×(等比 )の形。 と、公比 をかけた を書き並べ、 をつくる。ずらして引くと、大部分が等比数列の和になる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 各項は で、等差()と等比()の積だ。等差の和の公式も等比の和の公式も、単独では通用しない。

この型の定跡は「公比をかけてずらして引く」。

と を書き並べて を作ると、同じ の列がずれて重なり、引き算で係数の差( と の差 )だけが残る。つまり大部分がただの等比数列の和になる。等比の「かけるとずれる」性質を、消去の道具に使う発想だ。

重要(等差)×(等比)の和は と を作って引く()。ずらし引きで等比の和にする

① と を書く。

② を作る。 同じ位の項どうしを引くと、係数の差がすべて になる。

③ 等比数列の和にする。 。

④ 符号を直す。

まとめ:(等差)×(等比)の和は「 のずらし引き」が基本だ。引くと係数がそろって、真ん中が等比数列の和になる。最後に符号( から )を戻すのを忘れずに。

発展。 答えの検算は小さい で。 なら 、公式は 。 なら 、公式は で、一致する。

「ずらして引く」は公比が 以外でも、係数が 次式( 型)でも繰り返し使える。 次なら 回ずらして引く。引くたびに係数の次数が ずつ下がる仕組みで、微分が次数を下げるのとよく似ている。実際、数IIIまで進むと、この和は等比数列の和を微分したものとしてすぐに出せるようになる。

答

別解

係数 を「 を 個並べたもの」とみて、和を長方形の表に描き直す視点がある。 だから、 は「 行目に を並べた表」の総和として読み替えられる( 行目は の項たちから つずつ集めたもの)。

行ごとに足すと、各行は初項 ・公比 の等比数列の和で

これを から まで足して

ずらして引く計算と同じ答えだ。「係数を個数と読んで、足す順番を入れ替える」のは、二重和の入れ替えという、数え上げにも通じる考え方である。

ポイント

  • と を 段ずらして引く。
  • 真ん中は等比数列の和になる。

よくある間違い

  • の引き算で、最後の項 を等比の和に混ぜてしまう(はみ出す 項)
  • の符号処理を忘れ、答えの符号が全部逆になる
  • 等比部分の和の項数を 個と 個で取り違える(書き並べて位置を揃える)

問7等比数列の和(公比の場合分け)

★★ 標準等比数列和

問題

を求めよ。ただし は実数の定数とする。

ヒントを見る

等比の和の公式には、使えない場合が つだけある。分母が になるのはどんなときか。その場合を別扱いにするのがこの問題の主題。

解答・解説

方針

初項 、公比 の等比数列の和。ただし等比数列の和の公式は公比が のとき使えない(分母が になる)。 と で場合分けする。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 初項 、公比 の等比数列の和だ。公式を当てはめるだけに見えるが、注意点がひとつある。

等比の和の公式 は、分母に がいる。 だと分母が になって、公式そのものが使えない。

だから と で場合分けする。 のときは全項が だから、和は単純に 。「文字の公比を見たら、まず かどうかを疑う」。これは等比数列でいちばん落としやすいところだ。

重要等比数列の和は公比が かどうかで場合分け( のとき和 項数)

初項 、公比 、項数 の等比数列の和。

① のとき。 すべての項が 。 個の を足す。

② のとき。 公式が使える。

まとめ:公比に文字が入ったら、必ず の場合を別に考える。公式の分母 が になるからだ。 のときは「 を 個」で和は 。この場合分けが答案の完成度を決める。

発展。 を特別扱いしたが、実は は の極限で確かに に近づく(分子も分母も に向かうが、比は に落ち着く)。場合分けの つの答えは、別々のものではなく連続につながっている。このことは数IIIの極限で確かめられる。

また なら、 を限りなく大きくすると で、和は に近づく。無限等比級数の公式の基礎もこの 問の中にある。

答

のとき 、 のとき

別解

この和の公式は因数分解の公式を読み替えたものだ。よく知っている因数分解

の右側のカッコがいま求めたい和 そのもの。つまり

なら で割って 。 のときは両辺が となって の情報が消える。因数分解の形を見れば、割り算ができない理由がはっきり分かる。

等比の和の公式を忘れても、 の親戚だと思い出せれば、その場で復元できる。「和の公式」と「因数分解の公式」が同じものの表裏だと知っておくと、記憶が二重に強くなる。

ポイント

  • 公比が文字 → と で場合分け。
  • のとき和 項数 。

よくある間違い

  • の場合分けを忘れ、 だけで答える(分母 の見落とし)
  • 項数を数え違える( までで 項。指数の最大 と項数 を混同)
  • のときの和を とする( が 個で )

問8Σ の計算(積の形)

★★ 標準シグマ

問題

を の式で表せ。

ヒントを見る

中身を展開して を分解する基本どおり。仕上げの因数分解までやると、きれいな積の形にまとまる。

解答・解説

方針

展開して で計算してもよいが、 は連続 数の積なので、共通因数 でくくると速い。ここでは展開 → 公式 → 因数分解でいく。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は展開すれば 。 と の公式で計算できる。

方針はそれで決まりだが、最後の整理に目標を持とう。 つの公式はどちらも因数 を含む。だから足した結果も でくくれるはずだ。

「展開 → 公式 → 共通因数 でくくる」。ゴールの形を先に見込んでおくと、通分・整理が迷子にならない。

公式 と展開し、、 の公式を使う

① 展開して公式を使う。

② 共通因数 でくくる。 。

まとめ: は「連続 数の積 ÷ 」という覚えやすい結果 。展開 → 公式 → 共通因数でくくる、の流れで確実に出せる。

発展。 答え は「連続 数の積の 分の 」。実は が「連続 数の積の 分の 」であることの、ひとつ上の階段になっている。連続積の和は 段長い連続積を段数で割ったものになる。この規則は何段でも続く。

組合せの記号で書くと (ホッケースティックの恒等式)。数列の和と場合の数が、同じ式を別の言葉で表している。

答

別解

公式を使わず、打ち消し合う差の形でこの和をすぐに出す方法がある。連続 数の積 は連続 数の積の差で書ける。

(右辺は を共通因数にくくると で確かに左辺に戻る。)この形で から まで足すと、 の直前の から始まって、となりどうしが全部打ち消し、最後の項だけが残る。

部分分数の望遠鏡和の「積バージョン」だ。連続整数の積の和は、 つ長い連続積の差に直すと必ずこの形で途中が消える。 も同じ一手で出る。

ポイント

  • と展開。
  • 結果は (連続 数 ÷ )。

よくある間違い

  • を と積に分けてしまう( は積をバラせない)
  • 通分で と の分母を揃え損ねる(共通因数でくくってから通分)
  • 答えの分母を のまま整理し、約分 を見落とす

問9群数列

★★ 標準群数列

問題

自然数を のように、第 群が 個の項からなるように分ける。第 群の最初の項を求めよ。

ヒントを見る

群数列は『その群の直前までに項が何個あるか』を数えるのがすべて。第 群までの項数が分かれば、第 群の先頭が全体の何番目かも分かる。

解答・解説

方針

第 群の最初の項は「第 群から第 群までの項数 + 1」番目の自然数。各群の項数は なので、第 群までの総項数は 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 群数列は「区切りを外せばただの自然数の列」。だから群の質問は通し番号の質問に言い換えられる。

「第 群の最初の項」は通し番号でいうと「第 群までの項数 番目」。

各群の項数は だから、第 群までの総項数は 。よって第 群の最初は 番目の自然数、すなわち 。「群の境目 項数の累積和」という 行に、群数列の考え方はすべてまとめられる。

重要群数列は「第 群の最初の項が通算で何番目か」を数える

① 前の群までの総項数を求める。 第 群は 個なので、第 〜第 群の項数は

② 第 群の最初の位置を出す。 第 群の最初は通算で 番目の自然数。

③ その値を求める。 この数列はもとの自然数そのものなので、 番目の自然数は 。

(一般に第 群の最初は 番目。 で 。)

1234567891011第1群第2群第3群第4群第5群(11番目)
自然数を群に分ける。第1〜4群で 1+2+3+4=10 個 → 第5群の最初は通算 11 番目

まとめ:群数列のコツは「群を取り払って、通算で何番目かを数える」。第 群の最初は前の群までの項数 に を足した位置。位置さえ分かれば値が出る。

発展。 第 群の最初の項 と最後の項 (三角数)で群を挟むと、群数列のあらゆる問いに答えられる。「第 群の和」なら、初項と末項が分かる等差数列の和として となる。これは魔方陣の 列の和としても知られる値だ。

もとの数列が自然数でなく奇数列や等比数列でも、「通し番号に直す → 累積項数で群の境目を特定」という二段構えは変わらない。群数列は新しい公式の単元ではなく、和の公式の運用問題である。

答

別解

「第 群」に限らず、第 群の最初の項の一般式を先に作ってしまう手がある。第 群の最初の項は第 群までの項数 番目。項数の合計は等差数列の和で

だから

を代入して 。

一般式を持つ強みは検算と拡張にある。 で となり、実際の区切り()と一致する。さらに「第 群の最初は?」にも「」と即答できるし、「 は第何群?」という逆向きの問いにも を解けば答えられる。個別の値でなく式を作っておくと、群数列の応用問題への備えになる。

ポイント

  • 第 群の最初 = 前の群までの項数 番目。
  • 前の群までの項数 。

よくある間違い

  • 第 群までの項数 を数えてしまう(最初の項は第 群までの累積 )
  • 「」を忘れて第 群の最後の項 を答える
  • 群の中の値と通し番号を混同する(この問題は自然数の列なので偶然一致するが、区別して書く)

問10和 Sₙ から一般項

★★ 標準和と一般項

問題

数列 の初項から第 項までの和が で表される。一般項 を求めよ。

ヒントを見る

和から項を取り出すには、 と の差を作る。ただしこの操作が使えない が つある。初項だけは別に確かめること。

解答・解説

方針

では (今までの和から つ前の和を引くと、その項だけ残る)。初項 は から別に求め、最後に一般項と一致するか確認する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 和 から個々の項 を取り出すには、「今までの合計」から「 つ前までの合計」を引けばよい。

引き算で最後の 項だけが残る、という理屈だ。ただし は でしか意味を持たない。初項は で別に求め、引き算で出した一般項の式に を入れて一致するか確かめる。一致すればまとめて 本の式にできる。

定理()、

① で を計算する。

なので

② 初項を確認する。 。一方 に を入れると 。一致するので、 はすべての で成り立つ。

まとめ:和から一般項は「」。ただしこれは でしか使えないので、 を別に出して一般項に合うか確認する。合わないときは だけ場合分けが必要になる。

発展。 は「累積から瞬間を取り出す」操作で、微分の離散版だ。逆に は積分の離散版。和と項の関係は、積分と微分の関係とよく似ている。 が 次式なら が 次式(等差)になるのも、 次関数の微分が 次関数になるのと同じ理屈だ。

に定数項 が付くと初項だけ ずれて「 別扱い」の答えになり、 が 型なら等比数列が現れる。 の形 → 数列の型、という対応を知っておくと、この単元の見通しがよくなる。

答

別解

の式の形から、どんな数列かを先に見抜くこともできる。等差数列の和の公式を展開してみると

つまり「等差数列の和は、定数項のない の 次式」になる。逆に、 は定数項のない 次式だから、この数列は等差だと即断できる。係数を照合すると

  • の係数: より
  • の係数: より

よって 。引き算ルートと同じ答えだ。検算にも強い。もし に定数項があれば( など)、初項だけ等差の列から外れる。引き算ルートで「 が一致しない」と出る問題はこの型だと、形から予告できる。

ポイント

  • ()。
  • を別に求め、一致を確認。

よくある間違い

  • を で確かめず、 の式を にも無条件で使う
  • の計算で の展開を誤る(特に の項)
  • と の記号を途中で取り違える(和と項は別物)

問11等差数列の和の最大

★★ 標準等差数列最大

問題

初項 、公差 の等差数列について、初項から第何項までの和が最大になるか。また、その最大値を求めよ。

ヒントを見る

公差が負なので、項はいつか負になる。和が最大になるのは『正の項を足し切ったとき』だ。どの項まで正かを不等式で調べよう。

解答・解説

方針

公差が負なので、項はだんだん小さくなり、やがて負になる。和が最大になるのは「正の項を足し終わったところ」まで。 を満たす最後の を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 公差が負だから、項は とだんだん減り、いつか負になる。

和が最大になるのはいつか。正の項を足しているうちは和が増え、負の項を足し始めると減る。 だから「正の項を足し終わった瞬間」が最大だ。

一般項 が 以上である最後の を探す。 より、第 項までが正()、第 項から負()。よって第 項までの和が最大になる。

重要和が最大になるのは、項が正である間まで足したとき( の最後の )

① 一般項を求める。

② 正の項の範囲を調べる。 となる を求める。

よって 、。正の項は第 項まで。第 項まで足すと和が最大。

③ 最大値を求める。 。

123456789
項 a_n=23−3n。第7項(=2)まで正、第8項から負 → 第7項までの和 S₇ が最大

まとめ:公差が負の等差数列の和は「正の項を足し切ったところで最大」。 の最後の を求めればよい。負の項を足し始めると和は減っていく、というイメージだ。

発展。 もし となる項がぴったり存在したら( が整数解を持つ場合)、その項を足しても和は変わらず、「第 項まででも第 項まででも最大」という答えになる。境界の等号の扱いが答えの書き方まで変える。端を確かめる習慣がここでも役に立つ。

別解の 次関数の見方は、そのまま応用問題(和がはじめて負になる 、 の最大が与えられて公差を逆算する等)につながる。数列の和を「 の関数」として扱えるようになると、数列とグラフの つの方法を同時に使える。

答

第 項までの和が最大で、最大値は

別解

和 そのものを の式にして、 次関数として見る道もある。

これは上に凸の放物線( の 次関数)。頂点は

ただし は自然数だから、頂点にいちばん近い整数 で最大。。

「項の符号で見る」(本解)と「和のグラフの頂点で見る」(この別解)は同じ答えを別の見方で出す。実は つはつながっている。 の増減の境目( の符号が変わる場所)が、放物線の頂点の近くにある。和の増減を項の符号が握っている、という数列の基本構造がここに見える。

ポイント

  • 和の最大は の最後の まで。
  • 負の項を足すと和は減る。

よくある間違い

  • を四捨五入して第 項までとする( を足すと減る)
  • でなく で数えても今回は同じだが、 の項がある数列では「そこまで足しても同じ最大」になることを見落とす
  • 最大値を聞かれているのに項数 だけ答えて を出さない

問12Σ の計算(1次式・一般項)

★★ 標準シグマ

問題

を の式で表せ。

ヒントを見る

を分解して公式に乗せる。答えは因数分解した形に整えておくとよい。

解答・解説

方針

を項ごとに分け、、 を使う。共通因数 でくくって整理する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) の中が という 次式。基本の型なので、項ごとに分けて公式へ。

あとは共通因数 でくくって整理するだけだ。( を 回足す)を落とさないこと。ここが 次式の でいちばん多いミスになる。

公式、

① 項ごとに分ける。

② でくくって整理する。

(確かめ: で 。実際 。)

まとめ: の 次式は「分けて公式 → でくくる」。この数列は初項 、公差 の等差数列なので、和の公式 でも同じ答えになる。

発展。 で 、 で となり、公式 も と でそれぞれ を返す。小さい の検算は 次式の でも欠かさない。

ここで出た は五角数と呼ばれる数列( 倍して符号を調整した親戚が正確な五角数)で、点を五角形状に並べたときの総数に対応する。三角数()・四角数(平方数)・五角数などの等差数列の和は、古代から「図形数」として研究されてきた。

答

別解

中身が 次式の は、等差数列の和そのものだ。公式を経由せず「(初項 末項) 項数 」ですぐに出せる。 は で 、 で 。公差 の等差数列を 項足すのだから

これは少年ガウスの逸話で有名な数え方だ。列を逆順に重ねると、どのペアも同じ和()になり、それが 組できるから で割る。

記号で書かれていても、中身が 次式なら等差数列の和である。「 の公式」と「等差の和の公式」のどちらでも解けることを知っていると、速い方を選べるし、互いの検算にもなる。

ポイント

  • 分けて公式、 でくくる。
  • 等差数列の和の公式でも確認できる。

よくある間違い

  • を忘れて( と書いて)答えが ずれる
  • の を分子の一部だけに掛ける( 全体になる)
  • 等差の和で使う末項を とする( の項は )