数学B / 数列

数列 ★★★★ 難関の問題 全8問

旧帝大・早慶レベル。一部の単元に用意した挑戦枠

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 3つの積の部分分数の和
  2. 群数列(自然数を群に分ける)
  3. 和と項の関係式から一般項
  4. 奇数の2乗の和
  5. 階差数列から一般項
  6. 平方の逆数の差による和
  7. 奇数の積の部分分数の和
  8. 平方の交代和

問13つの積の部分分数の和

★★★★ 難関部分分数和

問題

和 を求めよ。

ヒントを見る

つの積の分数は つずつの積の差 で表せる。差の形にすると、隣どうしが消し合う。

解答・解説

方針

一般項を差の形にする:。隣どうしが打ち消し合って、両端だけ残る。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) をそのまま足すのは無理。和がうまく求まる形にしたい。

こういう「積の逆数」は、差の形に直せることが多い。差にできれば、次々に打ち消し合う。 と の差を作ってみる。分子をそろえると、ちょうど が出る。

だから 。隣どうしが消えて両端だけ残る。

重要部分分数 (差の形で望遠鏡和)

① 差の形にする。 だから

② 和をとる。 とおくと、和は 。隣どうしが消し合い、両端 と だけ残る。

③ 整理する。

まとめ: つの積の部分分数は「 つずつの積の差」に分解して望遠鏡和にする。差を作ると分子に が出るので、 を掛けて調整。残るのは両端 と 。

発展。 の和が に収束するのは、 が「 つ短い積の逆数の差」に直せるという一般則の の場合。 の部分積分に対応する「差分」の考えで、 型はいつでも望遠鏡和の形で消える。離散版の積分だ。

答

別解

別解:きちんと部分分数に分ける(仕組みが見えるルート)。 「差の積を作る」を思いつかなくても、部分分数分解に持ち込めば機械的に差の形が出る。

とおいて両辺に を掛け、 を代入すると 、、。つまり

これを から まで足すと、 と前後の が段違いに打ち消し合い、両端の 、 と末尾だけ残って 。「差の積」でまとめて出す本解と同じだ。部分分数の係数 が「両端 ・真ん中 」と対称なことが、望遠鏡和が使える理由だ。 では に収束する。

ポイント

  • 。
  • 望遠鏡和で両端だけ残り 。

よくある間違い

  • 差の形を作らず、 のまま足そうとして進まない。
  • 差にするときの係数 を忘れ、和が 倍(または 倍)ずれる。
  • 望遠鏡和で残る項を数え違え、末尾 を落とす。

問2群数列(自然数を群に分ける)

★★★★ 難関群数列

問題

自然数を のように、第 群が 個の数を含むように分ける。第 項の値を求めよ。

ヒントを見る

第 群までの項数は 。 がこの値のどこに入るかで、第何群の何番目かが決まる。数列は自然数を順に並べただけなので、値はどうなるか。

解答・解説

方針

第 群までに含まれる項の総数は 。 項目が第何群の何番目かを、この総数と比べて特定する。もとの数列は自然数そのものなので、第 項の値は「 項目の自然数」。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 群に分けてあるが、まず「もとの数列は何か」を見る。 と、自然数がそのまま並んでいるだけだ。

だから第 項の「値」は 番目の自然数、すなわち 。群分けは値を変えない。とはいえ「第 項が第何群の何番目か」も押さえておく。第 群までの項数は 。

この三角数と を比べて、 項目の位置を特定する。

重要群数列は「第 群までの総項数 」で、目的の項が第何群の何番目かを特定する

① 第 項が第何群か。 第 群までの総項数は 。

より、。よって第 項は第 群に含まれ、第 群まで( 項)の次だから第 群の 番目。

② 値を求める。 数列は自然数を順に並べたものなので、第 項の値は「 番目の自然数」= 。

(確認:第 群の最初の数は 、その 番目は 。一致する。)

123456第1群第2群第3群
自然数を第n群が n 個になるよう分ける(第n群の末項は n(n+1)/2)

まとめ:群数列は「第 群までの総項数 」で位置を特定。 項目は第 群の 番目。もとが自然数の並びなので値は だが、第 群の最初の数(=前群までの総数 )から数える方法でも確認できる。

発展。 三角数 は「第 群までの項数」として何度も現れる。群数列では「通し番号 群番号・群内位置」の変換が要。通し番号 が第 群 。この不等式を解く()のが群数列の共通の型だ。

答

別解

別解:「値 位置」の思い込みを見抜く(苦手な人向けの整理ルート)。 群分けをしても、項の値は変わらない。並んでいる数は で、 番目の項の値はただの 。

だから第 項の値は考えるまでもなく 。群の構造は「どこで区切るか」を言っているだけで、数そのものは自然数の順番のまま。

念のため位置も確かめる。第 群の最後の項は通し番号 (三角数)。、 だから、 で第 項は第 群。群の中では 番目。

群番号や群内位置を細かく求める本解と同じ。ここで間違えやすいのは「群に分けると値が変わる」と思い込むこと。値は自然数のまま、と気づけば第 項 は即答できる。

ポイント

  • 第 群までの総項数 。 で第 群。
  • 第 群の 番目、値は 。

よくある間違い

  • 群に分けると値が変わると思い込み、第 項を 以外の値にする。
  • 第 群までの項数 (三角数)を使わず、群の位置を特定できない。
  • 「第 群の何か」と、群番号と通し番号を取り違える。

問3和と項の関係式から一般項

★★★★ 難関和と一般項漸化式

問題

数列 の初項から第 項までの和 が、すべての自然数 について を満たす。一般項 を求めよ。

ヒントを見る

()で漸化式を作る。 の式から の式を引くと、 と の関係になる。初項は を代入して。

解答・解説

方針

()を使って漸化式を作る。、 を引くと 。初項は から。この漸化式を解く。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (和)と (項)が混ざった関係式。両方を結ぶ橋は ()。

と、 を つずらした を辺々引く。左辺は 。整理すると という漸化式が出る。初項は から 。この漸化式を解く。

定理()、

① 漸化式を作る。 、。辺々引くと()

② 初項。 で より 。

③ 漸化式を解く。 は特性方程式型。 と変形でき、 は初項 、公比 の等比数列。

まとめ: と の関係式は「 で漸化式化」。 の式を つずらして引くのがコツ。出た漸化式 は を移して等比に持ち込む()。初項の別処理も忘れない。

発展。 はメルセンヌ数。 のように「和が項で書ける」関係式は、 で漸化式に変換するのが基本だ。逆に、漸化式から を作ることもできる。和と項は表裏一体で、片方が分かればもう片方も決まる。

答

別解

別解:小さい項を書き出して見抜く(苦手な人向けの実験ルート)。 漸化式を解く前に、最初の数項を具体的に計算して規則を見つける。

だから 、これで 。 に を入れて 、。同様に 、。並べると 。どれも「 の累乗より 小さい」。 と予想できる。

確かめると で、(公比 の等比)。 から 、。 を機械的に解く本解と同じ。「 すると等比になる」は の不動点 を引く操作そのもの。実験で答えを見抜き、あとで理由づける流れも有効だ。

ポイント

  • で 、。
  • より 。

よくある間違い

  • が でしか使えないのに、 にも当てはめる。
  • と を引くとき、 を落とす。
  • 漸化式 を で等比化せず、そのまま解こうとして詰まる。

問4奇数の2乗の和

★★★★ 難関Σの計算

問題

和 を求めよ。

ヒントを見る

を展開して の多項式にする。 などの公式に分けて計算し、最後に因数分解して整理。

解答・解説

方針

と展開し、、、 の公式に分けて計算する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) の和。 は奇数だから「奇数の 乗の和」。

シグマの公式は については知っている。だから を展開して、それらの形に持ち込む。。

、、 の つに分けて、それぞれ公式を当てはめて足す。

公式、、

① 展開する。 だから

② 公式を当てはめる。

③ 整理する。 でくくり、通分する。

まとめ:奇数の 乗の和は「展開して の公式に分ける」。 を に。最後の因数分解 できれいにまとまる。

発展。 奇数の平方和 は、全平方和から偶数平方和を引いた差。同じ発想で「奇数の和 」「偶数の和 」も、全体と半分の関係から出る。 の計算は「全体 一部」の引き算に持ち込むと、場合分けや 次項の処理が楽になることが多い。

答

別解

別解:「全部の平方」から「偶数の平方」を引く(得意な人向けの視点)。 奇数の 乗の和は から までの全部の平方から、偶数の平方を引けば出る。

平方和の公式 を と で使う。

と展開する本解と同じ結果。「奇数だけの和 全体 偶数」という引き算は、 次項 の扱いを避けられて見通しがよい。偶数の平方は とまとめて を外に出せるのがポイント。

ポイント

  • を公式で計算。
  • 整理して ( の因数分解)。

よくある間違い

  • を (展開ミス)とし、中央項 を落とす。
  • ( から )を と誤り、定数項を取り違える。
  • の公式を混同する。

問5階差数列から一般項

★★★★ 難関階差数列

問題

数列 の一般項 を求めよ。

ヒントを見る

隣の項の差をとると ときれいに並ぶ。この差(階差数列)の和を初項に足すと、もとの数列の一般項になる。

解答・解説

方針

隣り合う項の差(階差) をとると ()。階差数列の公式 ()で一般項を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 。となりの項の差(階差)を見るのが基本だ。

差をとると 。きれいな等差数列で 。もとの数列は初項に階差を積み上げたもの。公式 ()を使う。

を計算すれば一般項が出る。

公式階差数列 のとき、()

① 階差を求める。 差をとると 。すなわち 。

② 公式で一般項。 のとき

③ の確認。 。もとの数列の初項と一致するので、 は でも成り立つ。

まとめ:規則が見えない数列は「階差をとる」。差 が等差なら、 で復元。 に注意( までの和)。 でも成り立つことの確認で仕上げる。

発展。 数列の階差を繰り返しとって「何階で定数になるか」を見ると、一般項の次数が分かる( 階差分が定数なら 次式)。これは多項式の差分がニュートンの前進差分公式 で書けることの現れ。関数の微分と、数列の差分は対になる関係にある。

答

別解

別解: 次式だと見抜いて係数を当てる(得意な人向けの視点)。 階差 をさらに差をとると で一定。 階差分が定数なら、一般項は の 次式だ。

そこで とおき、最初の 項を当てはめる。

差をとると 、。引いて 、、、。よって 。階差数列の公式で を計算する本解と同じ。「 階差分が一定 何次式か」が分かると、未知の係数を連立で決めるだけ。 階差分が一定なら 次(等差)、 階なら 次、という対応は覚えておくと速い。

ポイント

  • 階差 。
  • ( でも成立)。

よくある間違い

  • 階差 の を とし、 までにし忘れる。
  • 階差数列の公式が 用で、 を別に確認する点を落とす。
  • の計算を誤る。

問6平方の逆数の差による和

★★★★ 難関部分分数望遠鏡和

問題

和 を求めよ。

ヒントを見る

分子 を とみると、分数が の差になる。差の形なら隣どうしが消える。

解答・解説

方針

一般項の分子 に注目すると、 と差の形になる。望遠鏡和で両端が残る。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 。分子 に注目する。

は に等しい( だから)。これで分子を分母に「割り込ませる」と、。これで差の形になった。望遠鏡和で両端だけ残る。

重要。よって

① 差の形にする。 分子 だから

② 和をとる。 とおくと、和は 。隣どうしが消え、両端だけ残る。

まとめ:分子が「連続する平方の差 」になっているのを見抜けば解ける。すると分数が の差になり望遠鏡和になる。残るのは両端 と 。

発展。 は、 という「隣どうしの差」の総和。一方 (バーゼル問題)は別物で、こちらは望遠鏡和しない。差の形になるかどうかで、和の求めやすさが大きく変わる。

答

別解

別解:全部の部分分数を書いて確かめる(仕組みが見えるルート)。 分子を細工せず、まっさらに部分分数分解しても、 が出ることを確かめられる。

とおいて通分・係数比較すると、、、そして 。 と の項は消える。残るのは

これを から まで足すと望遠鏡和で 。分子 に気づく本解と同じ。 型の項が現れないのは、 が 乗の差にぴったりはまるからだ。 で に収束する。

ポイント

  • → 。
  • 望遠鏡和で 。

よくある間違い

  • 分子 に気づかず、差の形にできない。
  • の符号を逆にし、和を とする。
  • 望遠鏡和の残り(先頭 )を落とす。

問7奇数の積の部分分数の和

★★★★ 難関部分分数和

問題

和 を求めよ。

ヒントを見る

は つの分数の差で書ける。分母の差が なので の係数がつく。差の形にして隣どうしを消す。

解答・解説

方針

と部分分数に分ける。差の形の望遠鏡和になる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 。分母が つの因数の積で、差が一定( と の差は )。

こういうときは部分分数。 と差に分ける。分子の は つの因数の差 の逆数から来る。

差の形にできれば望遠鏡和になる。隣どうしが消えて両端が残る。

重要(分母の差が なので )

① 部分分数に分ける。

② 和をとる。

③ 整理する。

まとめ:奇数の積の部分分数は「」。分母の差 が の係数になる。望遠鏡和で両端 と が残り、整理して 。

発展。 。部分分数 が望遠鏡和の形で消える。似た形でも を足すと (交代調和級数)になり、こちらは望遠鏡和せず収束が遅い。差のかみ合い方が決め手だ。

答

別解

別解:数学的帰納法で公式を裏づける(苦手な人向けの確認ルート)。 部分分数を思いつかなくても、答え を予想して帰納法で証明できる。

:左辺 、右辺 で一致。 で成り立つと仮定して、 項目 を足す。

分子は と因数分解できるから 。これは のときの式そのもの。望遠鏡和でまとめて出す本解と同じ になる。予想が立てば帰納法で必ず裏がとれる。 では に収束する(奇数の逆数の積の級数)。

ポイント

  • 。
  • 望遠鏡和で 。

よくある間違い

  • 部分分数の係数 を忘れ、和が 倍ずれる。
  • の差の向きを逆にする。
  • 望遠鏡和の両端で、先頭 と末尾 を取り違える。

問8平方の交代和

★★★★ 難関Σの計算交代和

問題

を偶数とするとき、和 を求めよ。

ヒントを見る

符号が交互なので、 項ずつ組にする。 は因数分解(和と差の積)で簡単になる。 組ぶん足す。

解答・解説

方針

項ずつペアにする。。 とすると 組あり、それらの和をとる(または各ペアが の和)。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) と符号が交互。 は偶数。

符号が交互なら、 項ずつ組にするのが基本だ。 の組を作る。各ペアは で展開できる。。

とすると 組。各ペアの値 を から まで足す。

重要 項ずつペアにし、 で因数分解する

① ペアにして因数分解する。 とおく。第 組は 。

② 組の和をとる。

③ に戻す。 を代入する。。よって

まとめ:交代和は「 項ずつペア」。各ペア を和と差の積で に。 組の和をとって に戻すと 。 が偶数だからペアが余らない。

発展。 平方の交代和が自然数の和 になるのは、 で隣り合う数だと差 になり、和 だけ残るから。 が奇数のときは最後の項が余り、答えが に変わる。符号のパターンと項数の偶奇で結果が反転する典型だ。

答

別解

別解:各ペアが「 数の和のマイナス」になることを使う(得意な人向けの視点)。 ペア を因数分解すると

ここで に注目する。つまり各ペアは「そのペアに含まれる つの数の和」にマイナスをつけたもの。すると和全体は から までのすべての数の和にマイナスをつけたものになる。

を について足す本解と同じ。「平方の交代和が、ただの自然数の和のマイナスになる」のがこの問題の特徴だ。 で、隣り合う数なら だから、和 だけが残る。

ポイント

  • 各ペア 。
  • 組の和で 。

よくある間違い

  • が偶数の前提を使わず、最後が か かを取り違える。
  • の符号を と誤る(正しくは )。
  • ペアの数 を取り違え、 の上限を間違える。