数学A / 整数の性質

整数の性質 ★★★★ 難関の問題 全8問

旧帝大・早慶レベル。一部の単元に用意した挑戦枠

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 1次不定方程式の整数解(一般解)
  2. 約数がちょうど15個ある最小の整数
  3. 整数解をもたないことの証明(無限降下)
  4. n進法で表された数が立方数であること
  5. 最大公約数と最小公倍数から2数を求める
  6. n⁵−n は30の倍数
  7. n²+n+1 は平方数でない
  8. 循環小数を既約分数で表す

問11次不定方程式の整数解(一般解)

★★★★ 難関1次不定方程式互除法

問題

方程式 を満たす整数 の組をすべて求めよ。

ヒントを見る

まず特殊解を つ探す( を満たす小さい )。一般解はその特殊解に「 の係数ぶん が、 の係数ぶん が」ずれる形になる。

解答・解説

方針

まず特殊解を つ見つける(互除法または合同式で)。 から の つを求め、 を出す。一般解は「特殊解 + 係数を入れかえた周期」。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 次不定方程式は「特殊解を つ見つけ、そこに周期を足す」のが基本だ。まず解を 組だけ探す。

合同式が速い。 を で見ると 、 だから 。 の逆数()を掛けて 。 なら 。

一般解は「特殊解 係数を入れ替えた周期」。、( は整数)。 の周期が ( の係数)、 の周期が ( の係数)になる。

定理 の整数解は、特殊解 を用いて 、(係数を入れかえて 倍ずらす)と書ける

① 特殊解を探す。 を で見ると だから

の逆数は ()だから 。 のとき 、 より 。特殊解 。

② 一般解を書く。 の係数 、 の係数 を入れかえてずらすと

(検算:。 によらず成立。)

まとめ: 次不定方程式は「特殊解 つ + 周期」。特殊解は合同式(片方の文字を消す)で速く出る。一般解の周期は係数を入れかえた で、 を動かすとすべての解が得られる。

発展。 が整数解をもつ 。解があるとき、特殊解 周期(周期は )ですべて表せる。互除法・合同式・不定方程式は同じ理論を つの方向から見たもので、暗号(RSA)の鍵計算でも逆数を求める同じ計算が使われる。

答

( は整数)

別解

別解:ユークリッドの互除法で特殊解を作る(苦手な人にも確実なルート)。 合同式でなく、互除法で を求める過程を逆にたどって特殊解を作る。

で、 は割り切れるから解がある。 を作る式を逆算: 。すなわち 。

両辺を 倍: 、つまり 。特殊解 。一般解は 、。 とすると で、本解の形と一致する(特殊解の取り方が違うだけで、同じ解の集合)。

合同式(本解)は逆数を見つければ速いが、互除法は「 を求める計算をそのまま逆にたどる」ので、どんな係数でも機械的に特殊解が作れる。互除法と不定方程式は表裏一体だ。

ポイント

  • で → 特殊解 。
  • 一般解 。

よくある間違い

  • 特殊解を つ求めず、いきなり一般解を書こうとする(まず 組見つける)。
  • 一般解の周期を係数と同じにする( の周期は の係数 、 の周期は の係数 、と入れ替わる)。
  • 合同式 で の逆数()を掛ける処理を誤る。

問2約数がちょうど15個ある最小の整数

★★★★ 難関約数の個数素因数分解

問題

正の約数がちょうど 個ある正の整数のうち、最小のものを求めよ。

ヒントを見る

約数の個数は素因数分解の指数それぞれに を足して掛けたもの。 を積に分解し()、指数を決める。小さい素数ほど大きい指数を与えると数が小さくなる。

解答・解説

方針

約数の個数は素因数分解 に対し 。これが になる指数の組を考え、小さい素数に大きい指数を割り当てて最小化する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 約数の個数は、素因数分解 に対して 。これが になる指数の組を探すのが出発点。

と分解できる。指数の組は すなわち ()、または すなわち 。最小にするには「小さい素数に大きい指数」を割り当てる。 で なら 。 は巨大。だから最小は 。

公式 の正の約数の個数は

① 個数 を分解する。 。 または 。

  • :指数 → 。
  • :指数 または 。

② 最小化する。 素数のときは、小さい素数 に大きい指数を与えると小さくなる。

。よって最小は 。

③ 確認。 の約数の個数は 。

まとめ:約数の個数の逆問題は「 を積に分解 → 指数の組 → 小さい素数に大きい指数」。指数の割り当てで数の大きさが大きく変わるので、 のように小さい素数を厚く使うのが最小化のコツ。

発展。 「約数の個数を保って数を最小化」は、小さい素数に大きい指数を割り当てるのが原則。逆に「 以下で約数が最も多い数」(高度合成数 )も同じ発想で見つかる。約数の個数 は、素因数分解の指数だけで決まる乗法的な関数だ。

答

別解

別解:約数 個の「形」を全部書き出して比べる(苦手な人向け)。 の約数分解 から、素因数分解の「形」は 通りしかない。それぞれで最小の数を作って比べる。

【形 A: 】約数 個。最小は 。【形 B: 】約数 個。最小にするには、大きい指数 を小さい素数 に、小さい指数 を次の素数 に。。

(もし逆に とすると大きくなる。指数の割り当てを使う。) つの形の最小 と を比べて、 が全体の最小。

「小さい素数に大きい指数」の理由も見える。 と は指数の合計が同じでも、 を多く使う方が小さい。約数の個数を保ったまま数を最小化する原則だ。

ポイント

  • → 指数 。
  • 小さい素数 に大きい指数 → 。

よくある間違い

  • 約数の個数の公式 の を忘れる。
  • 最小化で「大きい素数に大きい指数」を割り当てる( より が小さい)。
  • の分解 に対応する を検討し忘れる、または を見落とす。

問3整数解をもたないことの証明(無限降下)

★★★★ 難関合同剰余無限降下

問題

方程式 を満たす正の整数 は存在しないことを示せ。

ヒントを見る

平方を で割った余りに注目。 が の倍数になるのはどんなときか。 がすべて で割れると、割った組も解になる。これを繰り返すとどうなるか。

解答・解説

方針

平方を で割った余りは か 。左辺 が の倍数になるには ともに の倍数。すると も の倍数となり、 を で割ったものも解になる。これを繰り返すと矛盾。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「解が存在しない」を示すには背理法(または無限降下法)。まず平方を で割った余りを調べる。

平方 は か だけ(、)。だから になるのは かつ 、すなわち ともに の倍数のときだけ。

すると 、 で、 から 、 も の倍数。 を で割った もまた解になる。これを繰り返すと、いくらでも小さい正の解ができて矛盾(無限降下)。

重要平方を で割った余りは か に限られる。余り は元が の倍数のときだけ

① が の倍数。 最小の正の解 があると仮定する。平方の余りは だから、 を で割った余りは のいずれか。これが (= の倍数)に等しいには余り 、すなわち かつ 。よって はともに の倍数。

② も の倍数。 とおくと 、すなわち 。よって は の倍数、 も の倍数。 とおくと

③ 無限降下で矛盾。 も正の整数解で、もとより小さい。これは「最小の解」という仮定に反する(いくらでも小さい正の解が作れる)。よって正の整数解は存在しない。(証明終)

まとめ: に解がないのは「平方の での余りが 」という制約から、解があれば が無限に で割れてしまうため。無限降下(最小の解を仮定して、より小さい解を作り矛盾)は、整数解の非存在証明でよく使う方法だ。

発展。 に解がないのは、「 は 平方和で表せない素数()」の反映。無限降下法はフェルマーが の非存在を示すのに使った由緒ある手法で、フェルマーの最終定理の証明の原型でもある。「最小の解があれば、より小さい解が作れる」という矛盾の作り方だ。

答

平方を で割った余りは か 。 から ともに の倍数となり、 も の倍数。より小さい解が無限に作れて矛盾(無限降下)。証明は解答参照

別解

別解: の矛盾だけで(無限降下を使わずに)示す(得意な人向けの視点)。 無限降下を持ち出さなくても、「互いに素な最小解」を仮定するだけで矛盾が出る。

もし正の整数解があるなら、 となる解(共通因数を約分した「原始解」)が存在する。この原始解で考える。平方 は だから、 より 。すると が の倍数で、 が の倍数、 が の倍数、 も の倍数。

がすべて の倍数になり、これは (原始解)に反する。矛盾。

無限に小さくしていく(本解の無限降下)代わりに、「最初から約分し切った原始解」を仮定すると、 回の 計算で矛盾が出る。無限降下と「原始解の仮定」は同じことの表裏で、後者の方が短く書ける。

ポイント

  • 平方 は → で ともに の倍数。
  • も の倍数 → も解 → 無限降下で矛盾。

よくある間違い

  • 平方 を とする(実際は だけ)。
  • が の倍数と分かった後、 も の倍数になることを示さず矛盾に至らない。
  • 無限降下(または原始解の仮定)を使わず、「 の倍数」で止めてしまう。

問4n進法で表された数が立方数であること

★★★★ 難関n進法因数分解

問題

を 以上の整数とする。 進法で と表される数は、ある整数の 乗であることを示せ。

ヒントを見る

進法の各桁は のべき乗の重み。 を位取りの意味で の式に直すと、見覚えのある展開の形になる。

解答・解説

方針

進法の を 進法(位取りの意味)に直すと 。これは二項展開 にほかならない。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 進法の を、位取りの意味で 進法(通常の整数)に直す。各桁を のべきで重みづけると、。

この係数 を見て気づきたい。パスカルの三角形の 段目、二項係数だ。。だから は 、整数の 乗。

重要 進法の

① 位取りで の式に直す。 は、各桁 に重み を掛けて

② 展開公式と見比べる。 係数 は の展開そのもの:

よって

は整数 の 乗である。(証明終)(注:各桁 が桁として意味をもつには が必要。だから という条件がついている。)

まとめ: 進法の数は「桁 × のべき」で の多項式になる。 の係数 は の二項係数で、どんな ()でも立方数になる。 進で なのも、この の場合。

発展。 の各進法表示が二項係数になるのは、( 進法)で の展開係数が桁に並ぶから( 最大係数 のとき)。、、 はパスカルの三角形の各段。ただし で段()が繰り上がって崩れる。進法と二項定理が結びつく例だ。

答

。証明は解答参照

別解

別解: の展開として見る(得意な人向けの視点)。 という桁の並びはそもそも「 の 乗 」( 進法)を思い出させる。これは 進法でも同じ構造だ。

進法で「」は を表す。その 乗を 進法で書くと、二項展開

の各係数 が、 の位に並ぶ。ただし各係数が 未満( なら )なので、繰り上がりなしにそのまま桁になる。だから は 進法で 。

逆に読めば、。 の条件は「係数 が 未満で繰り上がらない」ため。 だと が桁に書けず繰り上がってしまう。パスカルの三角形の段( や )が、そのまま の各進法表示になる、という事実の一例だ。

ポイント

  • 。
  • 係数 より (立方数)。

よくある間違い

  • を 進法に直すとき、位の重み を誤る。
  • 係数 が二項係数( の展開)だと気づかない。
  • の条件(係数 が 未満で繰り上がらない)の意味に触れない。

問5最大公約数と最小公倍数から2数を求める

★★★★ 難関最大公約数最小公倍数互いに素

問題

つの正の整数 ()について、最大公約数が 、最小公倍数が である。このような の組をすべて求めよ。

ヒントを見る

最大公約数が なら で は互いに素。最小公倍数は 。ここから が決まる。互いに素で積が一定の組を数える。

解答・解説

方針

最大公約数が だから ( は互いに素)。 より 。互いに素で積が になる を挙げ、 倍する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 最大公約数が なら、、( は互いに素)と書ける。この形にするのが第一歩。

最小公倍数は互いに素な を使うと 。これが だから 。あとは「互いに素で積が の組 」()を挙げる。 の素因数を グループに分けて互いに素にすると の 組。それぞれ 倍する。

公式()のとき 、

① 商の積を求める。 ( 互いに素、)とおく。最小公倍数は だから

② 互いに素な組を挙げる。 積が で互いに素な ():

  • 、、、

( は 、 は で互いに素でないから除く。)

③ 倍して戻す。

まとめ:最大公約数の情報は「、 互いに素」に書き直す。最小公倍数は なので商の積が決まり、あとは互いに素な因数分解を数える。 が消える組( 等)を除くのがポイント。

発展。 は、素因数ごとに「指数の 両方の和」から出る基本公式。( 互いに素)と分けると、互いに素な数の積が最小公倍数になる。 と を与えて 数を復元する問題は、この分解が決め手だ。

答

別解

別解:積 を使って絞る(得意な人向けの視点)。 数の「最大公約数 最小公倍数 数の積」という公式を使う。

さらに 、 とすると より 。互いに素()で積 の組を探す。 の素因数を、 つのグループに「まるごと」振り分ける(互いに素にするには、同じ素数を両方に分けられない)。素因数のかたまり を グループに分ける方法で

(。 組。) 倍して 。

を使う本解と同じだが、 を使うと積 からすぐに が出る。素因数を「かたまりで」振り分けることが、互いに素にする条件の意味だ。

ポイント

  • 、 → 。
  • 互いに素な は 組 → も 組。

よくある間違い

  • 、 とおいたあと、 が互いに素という条件を落とす(共通因数があると が を超える)。
  • から を出す計算を誤る。
  • 互いに素で積 の組で、 など互いに素でないものを含めてしまう。

問6n⁵−n は30の倍数

★★★★ 難関倍数の証明連続整数剰余

問題

すべての整数 について、 は の倍数であることを示せ。

ヒントを見る

。それぞれの倍数であることを別々に示す。 を因数分解すると連続する整数の積が現れ、 と の倍数はすぐ。 の倍数は余りで分類。

解答・解説

方針

を因数分解する。 の倍数であることは連続する整数の積から。 の倍数であることは、 を で割った余りで分類して確かめる(または因数分解を工夫)。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 。だから が のそれぞれで割り切れることを示せばよい( は互いに素)。

まず因数分解。。 は連続する 整数の積だから、 でも でも割り切れる。 の倍数は を で割った余りで分類する(またはフェルマーの小定理 )。

定理連続する 個の整数の積は の倍数(連続 整数は の倍数、連続 整数は の倍数)

① 因数分解する。

② と の倍数。 は連続する 整数の積だから、 の倍数かつ の倍数(すなわち の倍数)。よって も の倍数。

③ の倍数。 を で割った余りで分類する。

  • 余り : が の倍数。
  • 余り : なので 、因数 が の倍数。
  • 余り : なので 、因数 が の倍数。

どの場合も は の倍数。

④ まとめる。 はどの つも互いに素だから、 は の倍数。(証明終)

まとめ: の倍数は「 の倍数を別々に」。因数分解で連続 整数を出せば は自動。 は余り分類で、 か のどちらかが必ず で割れる()ことを使う。

発展。 フェルマーの小定理 から、 は (と、フェルマーの小定理が使える )の倍数。一般に が の倍数になる最大の は、 となる素数 の積。 なら の素数 で 、 なら の で 。

答

。 で、 の倍数は連続 整数から、 の倍数は余りによる分類から従う。証明は解答参照

別解

別解:フェルマーの小定理で の倍数をすぐに示す(得意な人向けの高い視点)。 の倍数は連続 整数の積 から。 の倍数を、余りの場合分けでなくフェルマーの小定理で示す。

フェルマーの小定理: が素数だから、すべての整数 で 。すなわち 、 は の倍数。 の倍数: に連続 整数があるから偶数。 の倍数: に連続 整数があるから。 の倍数: 上のフェルマー。

は互いに素だから、これらすべての倍数 の倍数。

の倍数を「 を で割った余り で場合分け」する本解に対し、フェルマーの小定理 を使えば場合分けなしですぐに示せる。 が の倍数なのは、 という「小さい素数すべて」でフェルマーの小定理が使えるからで、 なら の倍数になる。

ポイント

  • 。
  • 連続 整数で の倍数、余り分類で の倍数 → の倍数。

よくある間違い

  • の因数分解 を誤る。
  • の倍数であることを示さず、 の倍数だけで「 の倍数」と結論する。
  • の倍数を、余りの場合分けやフェルマーの小定理を使わずに「なんとなく」済ませる。

問7n²+n+1 は平方数でない

★★★★ 難関平方数はさみうち

問題

を正の整数とするとき、 は平方数でないことを示せ。

ヒントを見る

を、 と ではさめないか。この つは連続する平方数。あいだに平方数はあるか。

解答・解説

方針

を、連続する平方数 と ではさむ。 ならこの つの平方数のあいだにあり、間には平方数がないので平方数ではない。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「平方数でない」を示すには、 を連続する つの平方数ではさむのが基本だ。

を と と比べる。 なら が成り立つ。 と は連続する平方数で、その間には平方数がない。 はちょうどこの間にあるから、平方数になり得ない。

重要連続する平方数 と のあいだには平方数は存在しない。 なら は平方数でない

① 下から。 で だから

② 上から。 との差をとると

よって 。

③ はさみうち。 以上より

は連続する平方数 と のあいだにあり、その間に平方数はない。したがって は平方数でない。(証明終)

まとめ:「平方数でない」は「連続する 平方数ではさむ」。 は より だけ大きく、 より だけ小さいので、ちょうど間に入る。間に平方数がないことが決め手。

発展。 「 と の間に平方数はない」を使う証明は、 型が平方数かどうかの判定に広く使える。 などは、隣の平方との隙間を測れば平方数でないと分かる。ペル方程式 など、「平方数になるのはいつか」は整数論の中心的な問い。

答

で 。連続する平方数 と の間に平方数はないので、平方数になり得ない。証明は解答参照

別解

別解: を平方ではさむ(別の視点)。 分数や半端を避けるため、 倍して整数の平方ではさむ。。

これを連続する平方 と と比べる。

は連続する平方 と の間にあり、間には平方数がない。だから は平方数でない。 は平方数だから、もし が平方 なら も平方になり、矛盾する。よって は平方数でない。

と ではさむ本解と同じ発想だが、 倍すると隙間が と という「隣り合う整数の平方」になり、はさみ込みがより鮮明。「 と の間に平方数はない」を、都合のよいスケールで使うのがコツだ。

ポイント

  • (下)、(上)。
  • → 平方数でない。

よくある間違い

  • を連続する平方 ではさむ発想に至らない。
  • の展開を誤り、 がその内側にあることを示せない。
  • の条件( では で平方数)を落とす。

問8循環小数を既約分数で表す

★★★★ 難関循環小数分数

問題

循環小数 を既約分数で表せ。

ヒントを見る

とおく。循環節が 桁だから、 を何乗すれば小数点以下がそっくり同じ形になるか。 と の差をとると循環部分が消える。

解答・解説

方針

とおき、循環節が 桁なので を作って引く。 から 、これを約分する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 循環小数を分数にする、いつもの方法を使う。 とおき、循環節の桁数だけ小数点をずらして引く。

の循環節は の 桁。 桁ずらすには 倍する。 から を引くと、循環部分が打ち消し合って 。。あとは約分する。

公式循環節が 桁の循環小数は、 倍して引くと循環部分が消える(分母は の形になる)

① 引き算で循環を消す。 とおく。循環節 桁だから

辺々引くと

② 分数にする。

③ 約分する。 、。最大公約数は だから

まとめ:循環小数は「 倍して引く」で分数化。循環節 桁なら 、分母は 。最後に約分して既約分数にする()。

発展。 循環小数が必ず有理数なのは、公比 の無限等比級数が収束するから。逆に、有理数 の小数展開は必ず有限か循環する(余りが 通りしかなく、いつか繰り返す=鳩の巣原理)。循環節の長さは の での位数で決まる。 の循環節が 桁なのは だからだ。

答

別解

別解:循環小数を無限等比級数として和で出す(得意な人向けの視点)。 を、 が 桁ごとに繰り返す無限等比級数とみる。

初項 、公比 の無限等比級数。和の公式 で

で引く本解と同じ に着く。じつは「 から を引く」操作は、等比級数の和の公式 初項 の変形そのもの。循環小数が必ず有理数(分数)になるのは、公比 の等比級数が必ず収束するからだ。

ポイント

  • → 。
  • で約分 → 。

よくある間違い

  • 循環節が 桁なのに や を作る( 倍が正しい)。
  • を約分し忘れる( で )。
  • の左辺を誤り、 に対応させられない。