問1不定積分
問題
不定積分 を求めよ。
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微分の逆をたどる。『微分するとこの式になる』関数を項ごとに探そう。不定積分ならではの、最後に付け足すものを忘れずに。
解答・解説
方針
積分は微分の逆。 は「指数を 増やして、その数で割る」。各項を別々に積分し、最後に積分定数 を必ず付ける。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) 積分は、微分の逆である。
「微分すると になる関数は何か?」。これを探すのが積分だ。
公式は微分の公式を逆に読む。
「指数を 増やして、その数で割る」。微分( を前に出して、 減らす)の、ちょうど逆だ。
項ごとに計算する。
積分定数 を忘れない。 これを書かないと、減点される。
各項を積分する。
まとめて、積分定数 を付ける。
まとめ:積分は微分の逆。指数を 上げてその数で割る。 を付けるのが不定積分の約束だ。微分して元に戻るか確かめると安心。
発展。 微分と積分は「逆の操作」だが、難しさが対称ではない。
微分は機械的にできる。
のような複雑な関数でも、積の微分・合成関数の微分を組み合わせれば、必ず答えが出る。
積分は、そうはいかない。
この積分は初等関数では表せない。(、、、多項式、指数関数などをいくら組み合わせても書けないことが、証明されている。)
ガウス積分と呼ばれるこの関数は、統計学の正規分布そのものだ。答えが「書けない」のに、面積は計算できる(定積分なら という値になる)。
微分は「必ずできる」、積分は「できないことがある」。この違いには理由がある。理由を直感的に言えばこうだ。
微分は「分解」である。 関数を細かく見て、局所的な傾きを取り出すので、常に可能。
積分は「合成」である。 バラバラの情報を積み上げて全体を復元するので、うまく組み上がるとは限らない。
同じ非対称性は他の場面にもある。
- 掛け算は簡単、素因数分解は難しい( RSA暗号)
- 料理は作れる、味から材料を逆算するのは難しい
- 微分方程式を「作る」のは易しいが、「解く」のは難しい
「順方向は易しく、逆方向は難しい」。この非対称性が暗号に利用され、科学の難問のもとにもなっている。
そして、だからこそ積分の技術(置換積分、部分積分)が、数IIIで丁寧に教えられる。 「解ける形に持ち込む」ための工夫が、必要だからだ。
が簡単に解けるのは、多項式という「素直な」関数だからである。 数IIの積分は多項式だけを扱うので、どれもこのように計算できる。
別解
積分は「微分して確かめられる」。これほど確実な検算方法は他にない。そして「なぜ が必要なのか」を、はっきりさせよう。
検算: 微分して戻す。
微分する。
元の被積分関数に戻ったので、積分は正しい。
この検算はすぐにできて、 確実だ。
積分の答えを書いたら、必ず微分して戻す。 係数を間違えていれば、必ずここで気づく。
たとえば、 と間違えたとしよう。 微分すると になり、元の に戻らない。 すぐにミスが分かる。
さて、積分定数 の意味。「微分して になる関数」は、 つではない。
どれを微分しても、同じ になる(定数の微分は だから)。
つまり、答えは無数にある。 そのすべてをまとめて表すのが
は「どれか つに決められない」という事実の表明である。グラフで見ると、意味がはっきりする。 を変えると、グラフは縦に平行移動する。
平行移動しても、各点での「傾き」は変わらない。だから微分すると同じになる。
山の斜面の傾きだけを知っていても、山の「標高」は分からない。 海抜 m から測るのか、地面から測るのかによって変わる。基準を決めなければ、高さは決まらない。
その「基準の任意性」が である。そして、基準を決めるのが「初期条件」だ。
「」のような条件が つあれば、 が決まる(次の問題でやる)。物理では、この が「初期位置」や「初期速度」に対応する。
「加速度が分かっても、初速と初期位置を知らなければ、物体がどこにいるかは分からない」。当たり前だが、大事な事実だ。積分定数は単なる形式ではなく、「条件が足りない」ことを表している。
ポイント
- 。
- 不定積分には積分定数 を必ず付ける。
よくある間違い
- 積分定数 を書き忘れる
- のように、指数を1増やすのを忘れる(正しくは )
- としてしまう(正しくは 。定数を積分すると1次式になる)