数学II / 三角関数

三角関数 最難関編の問題 全8問

東大・京大の最難関レベル。気づきにくい発想や、何段階もの議論が必要な問題

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 4つの正接の和の値
  2. 60°をはさんで対称な3つの正弦の積
  3. 4項の余弦の方程式
  4. 和が一定の2角の余弦の平方和
  5. 正弦と余弦の対称な連立方程式
  6. 5倍角の公式と cos(π/10)
  7. 三角方程式の解の個数の場合分け
  8. cos36°−cos72° の値

問14つの正接の和の値

最難関編余角和積の公式

問題

の値を求めよ。

ヒントを見る

4つの角をばらばらに見ないこと。足して90°になる組が2つ隠れている。 とその余角の正接を足すと、通分でどんな形にまとまるか。

解答・解説

方針

9°+81°=90°、27°+63°=90° に注目して余角で組にする: tan81°=1/tan9°。「tanθ+1/tanθ」は通分すると 2/sin2θ にまとまる。2項ずつ束ねたあとの差は、通分して和積の公式で崩す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 見た目はばらばらな4つの正接だが、、。余角の組が2つ隠れている。

だから、組ごとに束ねると の形。これは通分すると と、1つの分数にまとまる。残るのは 。差は通分して和積で崩す、といういつもの流れに乗る。

公式。。和積:

① 余角で束ねる。

同様に 。よって

② 差を和積で崩す。 通分して

和積の公式より だから

③ 余角でとどめ。 だから、値は 。

まとめ: 「足して90°の組を見つけて束ねる → にまとめる → 差は和積」。具体的な角の値( など)を一度も求めずに、式の構造だけで整数になる。

発展。 同じ設計で のような類題も落ちる( ではなく余角の組を探し直す)。「角をばらばらに見ず、和が特別な値になる組を探す」ことが、4項タイプに共通する最初の一手だ。

答

別解

差で組む(もう1つの束ね方)。 符号に合わせて と組み替えてもよい。差の公式

を使うと、どちらの組も分子が にそろう:

余角 で書き直し、通分すると分子に加法定理の形 が現れる。分母は倍角で の 倍となり、約分の末に 。

和で組む(本解)か差で組むか。どちらでも という共通の芯が現れて4に落ちる。組み方の選択肢を2つ持っておくと、符号の並びが違う類題にも即応できる。

ポイント

  • (余角の組)。
  • を和積で崩す。
  • で約分されて4。

よくある間違い

  • 符号の並び()を見落とし、4項をすべて足してしまう。
  • の通分で、分母 の を落とす。
  • 最後の (余角)に気づかず、数値の近似計算に逃げる。

問260°をはさんで対称な3つの正弦の積

最難関編3倍角恒等式

問題

(1) 次の等式を示せ。

(2) の値を求めよ。

ヒントを見る

(2)の3つの角は等間隔ではないが、真ん中の角を軸にした対称の形に読み替えられないか。(1)は後ろ2つの積から考える。 を展開すると何が残るか。

解答・解説

方針

(1)は後ろ2つの積を先に「2乗の差」sin²60°−sin²θ にまとめ、sinθ を掛けて3倍角の公式の形を出す。(2)は 40°=60°−20°、80°=60°+20° と見れば(1)がそのまま使えて、sin60° の値に落ちる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (2)の角 は等間隔ではないので、和積の公式をそのまま使えない。だが 、。 をはさんで対称な3つ組だ。

この形の積が3倍角1個にまとまるのが、(1)の恒等式である。(1)の証明は対称な2つの積 を先に処理すれば解ける。加法定理の積を展開すると、2乗の差 にまとまる。

公式。3倍角:

① 対称な2つの積をまとめる。 加法定理で展開した積は

として

② を掛けて3倍角へ((1)の完成)。

③ (2) に適用する。 とすると

まとめ: をはさむ対称積は「3倍角を因数分解した形」になっている。3倍角の公式 が3つの1次式の積に割れていることの言い換えだ。等間隔に見えない角の組も、中心をもつ対称形に読み替えられないかを疑うとよい。

発展。 (1)は3倍角の公式 を「3つの1次因子の積」に割った姿でもある。さらに一般に、 という積の公式も知られている。

答

(1) 証明 (2)

別解

積和を2回、機械的に(公式発見が不要なルート)。 (1)の恒等式に気づかなくても、(2)は積和の公式だけで押し切れる。まず後ろ2つを積和で:

を掛けて、もう一度積和()を使う:

合わせると

途中で がぴったり打ち消し合うのが見どころだ。ひらめき(対称形の発見)の代わりに、積和という機械を2回まわす。確実さを重視するならこちら、構造を見たいなら本解、と使い分けるとよい。

ポイント

  • (2乗の差)。
  • 。
  • で 。

よくある間違い

  • 積和・和積の公式の符号( の差はマイナスつき)を取り違える。
  • (1)を(2)に使うときの対応( で 、)を確認しない。
  • を などと誤記する。

問34項の余弦の方程式

最難関編和積の公式因数分解

問題

のとき、方程式

を解け。

ヒントを見る

隣どうしで組むか、外と外・内と内で組むか。和積で現れる「平均の角」がそろう組み方はどちらか。共通因数が見えたら、あとは同じことの繰り返し。

解答・解説

方針

外側どうし(θと7θ)・内側どうし(3θと5θ)で組んで和積を使うと、平均の角がどちらも4θにそろい、共通因数 cos4θ がくくり出せる。もう一度和積を使えば全体が3つの余弦の積になり、「積=0」で解ける。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 方程式は「積 = 0」の形に持ち込むのが原則だ。4項の和を積にするには和積の公式だが、組み方に設計がいる。

隣どうし( と など)で組むと、平均の角がばらける。外側どうし( と )・内側どうし( と )で組めば、平均の角がどちらも にそろい、共通因数 が現れる。

残った にもう一度和積。等差に並んだ角の和はこの繰り返しで階段状に積へまとまる。

公式和積:

① 外・内で組んで共通因数を出す。

② もう一度和積。 だから、方程式は

③ 積=0 を範囲内で解く。 に注意して

  • : ()→
  • : ()→
  • :

よって 。

まとめ: 「平均の角がそろう組み方(外外・内内)」が決め手だ。等差に並んだ角の余弦の和は の積へと繰り返しまとめられる。因数の個数だけ解の系列が現れることまで分かれば、解の書き落としもなくなる。

発展。 別解の畳み込みは一般化できて、。等差の角の和が1つの分数で書ける、という事実は波の重ね合わせ(物理の干渉)の計算そのものでもある。

答

別解

を掛けて畳む(望遠鏡ルート)。 等差に並んだ角の和には、名品の一手がある。両辺に を掛けるのだ。

積和の公式 を各項に使うと

隣どうしが打ち消し合い、 だけが残った。よって の範囲では、方程式は と同値。 で 、すなわち 。

残る ( の場合)は、元の式に入れると和が4で不適。掛けた因子の零点を最後に検品する、この一手間までがルートの作法だ。等差角の和はこの畳み込みで一般の項数でも閉じた式になる。

ポイント

  • 外・内で組むと平均の角が にそろう。
  • に因数分解。
  • 範囲内の解は の4個。

よくある間違い

  • 隣どうし( と )で組んで、平均の角がそろわず行き詰まる。外外・内内の組み方が設計。
  • の解を だけにする。 の範囲では もあり、 を落とす。
  • (望遠鏡ルートで)掛けた の零点 を、確認せずに解へ混入させる。

問4和が一定の2角の余弦の平方和

最難関編次数下げ和積の公式

問題

実数 が を満たしながら動くとき、 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

2変数に見えるが、束縛が1本あるから自由度は1。2乗を1次に下げてから和の形を作ると、「固定されている角」と「自由に動ける角」に分離できないか。自由な方はどこまで動けるかも確かめること。

解答・解説

方針

2乗のままでは動きが見えないので、次数下げ cos²x=(1+cos2x)/2 で1次の余弦に直す。すると cos2α+cos2β の和積で「和の角(固定)」と「差の角(自由)」に分かれ、固定部分は定数・自由部分は −1 から 1 まで振動する構造になる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) が固定され、 は自由。この問題の変数は実質 の1つだけだ。

それを式の上で見えるようにする手順が「次数下げ → 和積」。 を の1次に直すと、和 が和積で と、固定の角と自由の角の積に分離する。あとは、自由な角の余弦が から まで動けることを確かめれば範囲が出る。

公式次数下げ: 。和積:

① 次数を下げて分離する。

( は定数になった。)

② 自由な角の動ける範囲。 は任意の実数を動け、 だから はすべての実数を動く。よって は 以上 以下のすべての値をとる。

xyO最大最小
α を動かしたときの値 1+(√2/2)cos(2α−π/4)。中心1のまわりを振幅 √2/2 で振動し、最大 (2+√2)/2・最小 (2−√2)/2(赤点)

③ 最大・最小。

まとめ: 束縛つきの2角の三角関数は和の角と差の角に座標を取り替えると1変数になる。次数下げと和積はそのための道具だ。最大・最小の答案では「自由な角が本当に端まで動けるか」の一言(②)が欠かせない。

発展。 和の固定値を一般の に変えても、値は で、振幅 の振動になる。(直角)なら振幅0で値は定数1になる。 の恒等式は、この式の特別な場合だったと分かる。

答

最大値 、最小値

別解

1変数に代入して合成する(機械ルート)。 分離の構造に気づかなくても、 を代入して1変数にすれば必ず進む。

(次数下げと余角を使った。)最後は合成:

は全実数を動くから は まで振れて、最大 ・最小 。本解の「和積で固定と自由に分離」と、本ルートの「代入して合成」。着地は同じ振幅 の振動で、 と が同じ自由度の2つの名前だったことが分かる。

ポイント

  • 次数下げで 。
  • 和積で (固定と自由の分離)。
  • は まで動けて 。

よくある間違い

  • に暗黙の範囲(鋭角など)を仮定して、 の可動域を狭めてしまう。実数全体なら まで動く。
  • 次数下げの公式を と符号違いで使う。
  • 最大・最小を与える角の実例( など)を書かず、値だけで閉じる。

問5正弦と余弦の対称な連立方程式

最難関編連立方程式2乗和

問題

のとき、連立方程式

を解け。

ヒントを見る

対称な2本の式がある。足す・引く・掛けるの前に、それぞれを2乗して足してみると、消えるものと残るものは何か。2乗した以上、最後に確かめが要ることも忘れずに。

解答・解説

方針

2本を別々に触ってもほどけない。両辺を2乗して足すと sin²+cos²=1 が2回使え、残るのは差の角の余弦だけ: cos(x−y)=1。範囲から x=y が確定し、1変数の基本の方程式に落ちる。最後に元の2式を満たすことを確かめる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) の式と の式が対で与えられたら、2乗して足すのが第一手だ。 が でも でも使えて未知数が大幅に消える。

残るのは加法定理でまとまる交差項、すなわち差の角 の情報だけ。差が決まれば実質1変数だ。ただし2乗は同値変形ではない。最後に元の式で確かめる作法までがワンセットになる。

重要。2乗和は差の角だけを残す

① 2乗して足す。

左辺は だから

② 差を確定する。 より 。この範囲で となるのは 、すなわち だけ。

③ 1変数にして解く。 を元の式に入れると

かつ を同時に満たすのは のみ( だけなら もあるが、 の符号が弾く)。よって

これは元の2式をともに満たす(確かめ: 、)。

まとめ: 対称な連立は「2乗和で差の角を取り出す」。消える量( 個別の情報)と残る量()を見抜けば解ける。2乗した後の逆の確認、 と の両方で角を確定する詰め、の2つの作法で完答になる。

答

別解

和積で中点の角を取り出す(分解ルート)。 2乗する代わりに、両式をそれぞれ和積で分解してもよい。

共通因子 は0でない(0なら両式とも左辺0になり矛盾)。辺々割って

中点の角がまず決まる。 の場合、第2式から 、つまり で 。よって ( の場合は で第2式の符号に合わず不適)。

2乗和(本解)は差の角を、和積の比は中点の角を先に取り出す。どちらも「対称な2式を、和の角と差の角の言葉に言い換える」という同じ考え方だ。

なお、もう1つ別の見方も添えておく。左辺は単位ベクトル と の和で、右辺の長さは となり、単位ベクトル2本の和の長さの最大値そのものだ。最大になるのは2本が同じ向きのときだけだから、その場で が出る。

ポイント

  • 2乗和 = → 。
  • 範囲から 。
  • かつ → のみ。

よくある間違い

  • 2乗して足した後、逆の確認(元の2式を満たすか)を省く。2乗は同値変形ではない。
  • から の両方を答える。(正)が を弾く。
  • の解を範囲()で確認せず、 の可能性を放置する(範囲の端は開区間で除外される)。

問65倍角の公式と cos(π/10)

最難関編5倍角方程式の利用

問題

(1) を の多項式で表せ。

(2) の値を求めよ。

ヒントを見る

を何倍かすると、余弦の値が自明になる角に届かないか。多項式の方程式に持ち込めたら、最後に残る「2つの候補からの選択」は、よく知っている角との大小で判定できる。

解答・解説

方針

(2)の π/10 は「5倍すると π/2 になる」特別な角。(1)を 5θ=2θ+3θ の加法定理で作り、cos5θ=0 に代入すれば cos(π/10) の満たす方程式が出る。方程式は c(16c⁴−20c²+5)=0 と割れ、c² の2次を解いたあと、2つの候補のどちらかを大小比較で選ぶ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) の余弦は、普通の変形では出ない。この角の特別さは「5倍すると 」になること。つまり という方程式に が乗っている。

そこで(1)の5倍角の公式を作り、 の満たす多項式の方程式に直す。解くと候補が2つ出る。だが が より大きいことなど、既知の角との大小で1つに選べる。

公式倍角・3倍角: ()

① 5倍角の公式を作る((1))。 の加法定理で

を代入して整理すると

② 方程式に直す。 のとき 。 だから

③ 候補を選ぶ。 で余弦は減少するから 、すなわち 。、 だから

まとめ: 「特別な角は、何倍かすると自明になる」。その1点から多項式の方程式に持ち込むのがこの型だ。捨てた候補 は の平方だ。同じ方程式に別の角の値も含まれているので、大小比較による選別が答案の中心になる。

発展。 方程式 の4つの解は 。捨てた候補は兄弟の角の値だった。1本の方程式の解に、同じ系列の角の値がすべて含まれている。これは倍角系の方程式に共通する性質だ。

答

(1) (2)

別解

半角の公式で から降ろす(既知の値の再利用)。 は の半分だ。(倍角の連鎖から求まる有名値)を認めれば、半角の公式1回で求められる。

だから

本解の4次方程式の解 と、半角の は同じ値になる。5倍角の方程式の中に、倍角・半角の関係がまとめて含まれていた。 系の値を1つ知っていれば、 の一族は倍角・半角・余角の乗り継ぎで全部手に入る。

ポイント

  • (加法定理で構成)。
  • → 。
  • の判定で を選び 。

よくある間違い

  • から で割るとき、( では )の一言を落とす。
  • 2つの候補 の選別で、基準( だから )の不等号を逆にする。
  • から への分母の外し方(分子分母を2倍)でミスする。

問7三角方程式の解の個数の場合分け

最難関編解の個数置き換え

問題

を実数の定数とする。 の方程式

の解の個数を、 の値によって場合分けして求めよ。

ヒントを見る

と置いた2次方程式の「解の個数」と、もとの の「解の個数」は同じではない。 が1つ決まると はいくつ対応するか。その対応表を先に作ってから、2次の解がどこにあるかを追う。

解答・解説

方針

cos2θ=1−2sin²θ で t=sinθ の2次方程式 2t²−at−1=0 に直す。決め手は「t の解1個に θ が何個対応するか」の対応表(|t|<1 で2個、t=±1 で1個、|t|>1 で0個)。2次の側は積が −1/2 なので解は必ず正負1つずつになる。端点 t=±1 を通過するかどうかだけで場合が切り替わる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) で の2次方程式に直すところまでは一本道だ。

注意が要るのはそのあとだ。 の解1つに が何個対応するかの対応表( なら2個、 なら1個、 なら0個)を通して数え直すことだ。

2次方程式 は積が 。解は必ず正と負に1つずつあり、しかも絶対値の積が だから、両方同時には区間の外に出られない。境目は、解が を通過する瞬間だけだ。

重要 の対応表: → 2個、 → 1個、 → 0個。 は積 で解は正負1つずつ

① 置き換える。 、すなわち

判別式は で常に相異なる2実解 (積が )。また 。

② 境目を求める。 とおく。 ⟺ ⟺ (このとき )。 ⟺ ⟺ ()。

③ 場合分けして数える。

  • のとき: かつ 。正負に1つずつの解が端点の外にはみ出せないから となり、対応表で 個。
  • のとき: ( の1個)と (2個)で3個。 も対称に3個。
  • のとき: より (対応0個)。このとき だから は2個に対応し、計2個となる。 も対称に2個。
xyOt₂t₁
a=1/2 の例: t の2解(横線)それぞれに sinθ=t の θ が2個ずつ対応して計4個。横線が t=±1 に達すると対応が1個に減り、外に出ると0個になる

まとめ: 置き換えの方程式を解いて終わりではなく、「 の個数 → の個数」の読みかえまでが問題。2次の側は端点の値 と積の情報で配置が読める。解の配置と三角関数のグラフの対応という、2つの単元の道具がここで結びつく。

答

のとき4個、 のとき3個、 のとき2個

別解

定数分離してグラフで数える(得意な人向け)。 (このとき で解にならない)を除けば、 で を分離できる:

右辺 のグラフを で描くと、どちらの枝も増加で、値域は左の枝が 、右の枝が 。水平線 との交点の に、対応表( で2個、 で1個)を掛けて数える。

  • : 両方の枝と1回ずつ交わり、どちらも → 個
  • : 右の枝と端 で交わり(1個)、左の枝と で交わる(2個)→ 3個( も対称)
  • : 右の枝(値域 )とは交わらず、左の枝の1点のみ → 2個( も対称)

2次方程式の解の配置(本解)と、分離したグラフの交点(本ルート)。同じ場合分けが「端点の符号」と「枝の値域」という2つの言葉で書けることを、見比べて確かめておきたい。

ポイント

  • 、解は積 で正負1つずつ。
  • 対応表: →2個、→1個、→0個。
  • : 4個 / : 3個 / : 2個。

よくある間違い

  • の2次方程式の解の個数を、そのまま の個数と答える。対応表( で2個…)を使わずに数えるのが、いちばん多い失点だ。
  • に対応する ( または )を2個と数える。1個ずつしかない。
  • (定数分離で) の場合を除外したまま戻さない。本問では解にならないが、確認の一言が要る。

問8cos36°−cos72° の値

最難関編倍角の公式連立

問題

(1) および が成り立つことを示せ。

(2) を示せ。

(3) の値を求めよ。

ヒントを見る

と倍角でたどると、最後はよく知る角に戻ってこないか。得られた2本の関係式を、解こうとせずにまず足してみる。右辺に現れる形は因数分解できる。

解答・解説

方針

36°は倍角の連鎖が閉じる特別な角: 72°=2×36°、さらに 144°=2×72° が 180°−36° に戻る。この2本の倍角の式を連立し、辺々加えると右辺が2乗の差になって共通因数 (a+b) で割れる。個々の値を知らないまま差 1/2 が先に出る。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) の特別さは、倍角の連鎖が閉じることだ。、、そして で出発点に戻る。

とおくと、倍角2回で「 は の式」「 は の式」という対の連立ができる。これを解きにいく前に、辺々加えるとよい。右辺に が現れ、左辺の と共通因数になって割れるので、個々の値より先に差 が求まってしまう。

公式倍角: 。補角:

① 連立を作る((1)の証明)。 に倍角の公式を使えばそのまま

次に に倍角: 。左辺は補角の公式で 。よって 、すなわち

② 加えて割る((2)の証明)。 (ともに正)とおくと、①の2式は 、。辺々加えて

だから両辺を で割れて

③ 値を求める((3))。 を に代入:

だから

まとめ: 「連立を解く前に足して、共通因数 で割る」ことが決め手だ。割る前に を確かめる一言まで含めて答案になる。 は正五角形の内側に住む角で、答えに現れる は対角線と辺の比(黄金比)の影だ。

発展。 ( は黄金比)。正五角形の対角線と辺の比が であることと、この値はひとつながりだ。 一族()の三角比には、すべて が現れる。

答

(1) 倍角と補角による(証明) (2) 2式を加えて で割る (3)

別解

の方程式から攻める( 側のルート)。 を未知数にしても、同じ黄金比の値が得られる。 の特別さは 。両辺の正弦をとると 、すなわち

(左辺は3倍角、右辺は倍角。)整理して 。 が解だと気づけば因数分解できて

だから で、 より 。すると

差も … ではなく を直接使って 。「」型の角の関係は、 一族の値を生む第2の蛇口だ。倍角の連鎖(本解)と使い比べてほしい。

ポイント

  • 倍角2回+補角で の連立。
  • 加えて で割ると 。
  • 代入して 、。

よくある間違い

  • で割る前に (ともに正)を言わない。0かもしれない式で割るのは反則。
  • 補角の符号 を落とし、連立の2本目の符号が崩れる。
  • (3)で2解 から正を選ぶ根拠()を書かない。