方針
y を k とおくと sinθ−kcosθ=2k−2。左辺を合成して 1+k2sin(θ+α)=2k−2。θ が存在する条件は ∣2k−2∣≤1+k2。2 乗して k の 2 次不等式を解く。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) y=cosθ+2sinθ+2 の最大最小。θ で微分するのは重い。
「y=k とおいて、その k が実現できる(θ が存在する)条件」を探すのが基本だ。y=k を分母払いして整理する。sinθ−kcosθ=2k−2 の形にすると、左辺は合成できる。θ が存在する条件は「右辺が 1+k2 以下」。これが k の不等式になる。
重要cosθ+asinθ+b=k は、単位円上の点と定点 (−a,−b) を結ぶ傾き。k の範囲は sinθ−kcosθ=(定数) が解 θ をもつ条件から
① k とおいて整理する。 y=k とおくと sinθ+2=k(cosθ+2)、すなわち
sinθ−kcosθ=2k−2
② 合成して存在条件。 左辺は 1+k2sin(θ+α) と合成でき、−1+k2≤(左辺)≤1+k2。θ が存在するには右辺がこの範囲に入ること:
∣2k−2∣≤1+k2
③ 2 乗して解く。 両辺 ≥0 なので 2 乗して
(2k−2)2≤1+k2 ⟹ 4k2−8k+4≤1+k2 ⟹ 3k2−8k+3≤0
k=68±64−36=68±27=34±7 より
34−7≤k≤34+7
y は 単位円上の点と定点 (−2,−2) を結ぶ傾き。定点からの接線の傾きが最大最小
よって最大値 34+7、最小値 34−7。
まとめ:分数の三角関数は「=k とおいて合成 → θ の存在条件(∣右辺∣≤振幅)」を k の不等式に。幾何的には「単位円上の点と定点 (−2,−2) を結ぶ傾き」で、その最大最小は定点から円への接線の傾き。
発展。 「分数式 cosθ+asinθ+b の最大最小 = 定点 (−a,−b) から単位円へ引いた接線の傾き」。定点が円の内部(a2+b2<1)なら傾きは全実数を取り(最大最小なし)、円上なら接線 1 本で片側だけ、外部なら 2 本で両側の極値。定点の位置で答えの様子が変わる。
別解
別解:外の点から単位円を見込む「傾き」で考える(得意な人向けの高い視点)。 y=cosθ+2sinθ+2=cosθ−(−2)sinθ−(−2) は、定点 (−2,−2) と単位円上の点 (cosθ,sinθ) を結ぶ直線の傾きそのもの。
θ が動くと、(−2,−2) から単位円上の各点へ引いた直線の傾きが y。その最大・最小は (−2,−2) から円に引いた 2 本の接線の傾きで実現する。接線の傾きを k とすると、直線 y+2=k(x+2) が原点から距離 1(半径)。k2+1∣2k−2∣=1 を 2 乗して整理すると
3k2−8k+3=0 ⟹ k=34±7.
合成で ∣2k−2∣≤1+k2 を解く本解と、同じ 2 次不等式・方程式に帰着する。(−2,−2) は原点から距離 22>1 なので円の外にあり、接線が 2 本引ける。「分数式 = 傾き」と読むと、最大最小が接線という図形の言葉になる。
ポイント
- y=k で sinθ−kcosθ=2k−2。
- 存在条件 ∣2k−2∣≤1+k2 → 3k2−8k+3≤0、k=34±7。
よくある間違い
- y=k とおいて分母を払うとき、cosθ+2>0(つねに正)の確認を飛ばし同値性を崩す。
- 合成した 1+k2sin(θ+α)=2k−2 で、θ 存在条件 ∣2k−2∣≤1+k2 を書き忘れる。
- 2 乗して得た 3k2−8k+3≤0 を等式扱いし、範囲でなく端点だけ求める。