方針
(x−1)(x−2)(x−3)(3 次)で割った余りは 2 次以下だから r(x)=ax2+bx+c とおく。剰余の定理より r(1)=2, r(2)=3, r(3)=6。3 つの式を連立して a,b,c を求める。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) (x−1)(x−2)(x−3)(3 次)で割った余りは 2 次以下。r(x)=ax2+bx+c とおく。
P(x)=(x−1)(x−2)(x−3)Q(x)+r(x) の形。x=1,2,3 を代入すると、前半が 0 になり P(k)=r(k)。剰余の定理から P(1)=2,P(2)=3,P(3)=6 が、そのまま r(1)=2,r(2)=3,r(3)=6。3 つの式を連立して a,b,c を求める。
重要A(x) で割った余り r(x) は A より次数が低い。P(x)=A(x)Q(x)+r(x) に A(k)=0 の k を代入すると P(k)=r(k)
① 余りの形をおく。 3 次式で割るので r(x)=ax2+bx+c(2 次以下)。割り算の等式
P(x)=(x−1)(x−2)(x−3)Q(x)+r(x)
に x=1,2,3 を代入すると、右辺第 1 項が消えて P(k)=r(k)。剰余の定理より P(1)=2,P(2)=3,P(3)=6 だから
r(1)=2,r(2)=3,r(3)=6
② 連立する。
a+b+c=2,4a+2b+c=3,9a+3b+c=6
③ 解く。 第 2 式 − 第 1 式:3a+b=1。第 3 式 − 第 2 式:5a+b=3。引くと 2a=2、a=1、b=−2、c=3。よって
r(x)=x2−2x+3
まとめ:「複数の余りから、まとめて割った余り」は、余りの次数を決めて文字でおき、剰余の定理で値を作って連立。3 次で割れば余りは 2 次以下、3 条件でちょうど決まる。
発展。 「n 点での値から n−1 次以下の多項式を復元」がラグランジュ補間。剰余の定理と組み合わせると、「(x−a1)⋯(x−an) で割った余りは、a1,…,an での値で決まる補間多項式」と分かる。これは中国剰余定理(整数版)の多項式アナロジーで、符号理論や暗号でも使われる。
別解
別解:ラグランジュ補間で余りを直接書く(得意な人向けの高い視点)。 r(x) は「r(1)=2,r(2)=3,r(3)=6」を通る 2 次以下の多項式。3 点を通る多項式はラグランジュ補間ですぐに書ける。
r(x)=2⋅(1−2)(1−3)(x−2)(x−3)+3⋅(2−1)(2−3)(x−1)(x−3)+6⋅(3−1)(3−2)(x−1)(x−2).
分母を計算すると 2, −1, 2。
r(x)=(x−2)(x−3)−3(x−1)(x−3)+3(x−1)(x−2).
展開して整理すると r(x)=x2−2x+3。a,b,c を連立で解く本解と同じ余り x2−2x+3。ラグランジュ補間は「3 点を通る 2 次式」を連立なしで直接構成する公式。剰余の定理で「割った余り = その点での値」と分かれば、余りは補間そのものだ。
ポイント
- 3 次で割る → 余り r(x)=ax2+bx+c。
- r(1)=2,r(2)=3,r(3)=6 を連立 → x2−2x+3。
よくある間違い
- 余りを 1 次式 bx+c とする(3 次で割るので 2 次以下、ax2+bx+c)。
- 剰余の定理「P(k)= (x−k で割った余り)=r(k)」の対応を誤る。
- r(1)=2,r(2)=3,r(3)=6 の連立を解く計算(a=1,b=−2,c=3)を誤る。