数学I / 集合と命題

集合と命題 ★★★★ 難関の問題 全8問

旧帝大・早慶レベル。一部の単元に用意した挑戦枠

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 補集合の条件から2つの集合を決定する
  2. 必要条件・十分条件の判定(範囲に直す)
  3. 対偶と余りによる整数の証明
  4. 背理法による無理数の証明(和の無理数)
  5. 集合の等式の証明(分配法則)
  6. 入れ子の量化命題の否定と真偽
  7. 逆・裏・対偶とその真偽(整数の偶奇)
  8. 命題が恒真となる条件(区間の包含)

問1補集合の条件から2つの集合を決定する

★★★★ 難関集合ド・モルガン補集合

問題

全体集合を とし、 の部分集合 が次を満たす。

このとき、 と を求めよ。

ヒントを見る

が分かれば が分かる。全体を「 だけ/両方/ だけ/どちらでもない」の つに仕分けし、条件をそれぞれの領域に当てはめる。

解答・解説

方針

ド・モルガン より が分かる。全体を「 だけ・両方・ だけ・どちらでもない」の 領域に仕分け、条件を割り当てる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 補集合の条件はまずド・モルガンで開く。 は 、つまり 。

全体を つの領域に仕分ければ解ける。「 だけ」「両方」「 だけ」「どちらでもない」。ベン図の マスに要素を割り当てる。

(両方)、( だけ)、(どちらでもない)。残った は「 だけ」に入る。これで が確定する。

定理ド・モルガンの法則 、

① 全体像をつかむ。 より、どちらにも属さないのは だけ。よって 。

② 領域に仕分ける。 (両方)、( だけ)。残る の要素 は両方でも だけでもないから「 だけ」。

③ 組み立てる。

(検算:、、 すべて条件どおり。)

ABU={1,…,6}{6}
A∪B の補集合={6}(U の中で A,B のどちらにも入らない部分)から A,B を決める

まとめ: 集合の要素決定は「 領域への仕分け」。補集合が出たらド・モルガンで裏返し、まず和集合(全体像)を確定してから各領域を埋めると迷わない。

発展。 個の集合があると、ベン図は 個のマスに平面を分ける( 個で 、 個で 、 個で )。各要素をどのマスに置くかで集合が完全に決まる。この「所属パターンで 通り」という見方は、包除原理や、論理式の真理値表( 変数で 行)と同じ構造だ。

答

、

別解

別解:ベン図の マスを で埋める(視覚で確実なルート)。 全体集合 の各要素が、ベン図のどのマスに入るかを つずつ決める。マスは「 のみ」「」「 のみ」「外側」の つ。

条件を直接マスに割り振る。

  • → は中央のマス。
  • → は「 のみ」のマス。
  • → は外側。

残るのは 。これらは外側()でも、 に属するマス()でもないから、「 のみ」のマスに入るしかない。これで全マスが埋まった。、。ド・モルガンで式変形する(本解)代わりに、「 個の要素を マスに仕分ける」と、消去法で残りが自動的に決まる。

ポイント

  • からド・モルガンで 。
  • 「 だけ・両方・ だけ」に仕分けて を組み立てる。

よくある間違い

  • をド・モルガンで開かず、 が求められない()。
  • を「 のみ」と取り違える(これは「 のみ」のマス)。
  • 残った の行き先を確認せず、 に入れ忘れる。

問2必要条件・十分条件の判定(範囲に直す)

★★★★ 難関必要条件十分条件集合の包含

問題

実数 に関する条件 について、 は であるための何条件か(十分条件・必要条件・必要十分条件・いずれでもない のいずれか)を答えよ。

(1) 、 

(2) 、 

(3) 、 

ヒントを見る

各条件を「 の範囲(集合)」に直し、包含関係を見る。 の集合が の集合に入っていれば は十分条件、逆なら必要条件。反例が見つかれば、その向きの矢印は切れる。

解答・解説

方針

各条件を「 の範囲(集合)」で表し、・ を包含関係で判定する。 の集合が の集合に含まれれば は十分、逆なら必要、両方なら必要十分。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 必要・十分の判定は、条件を「 の範囲(集合)」に直して包含関係で見るのが確実だ。

の集合が の集合に含まれれば「」で は十分条件。逆に が に含まれれば は必要条件。両方なら必要十分。

(1) は で と同じ集合 → 必要十分。(2) は 、 は → は必要(十分でない)。(3) は ( または )に含まれる → は十分(必要でない)。

重要 が真 ⟺( の集合)( の集合)。 だけ真なら十分条件、 だけ真なら必要条件、両方真なら必要十分条件

① (1) は で、 と完全に一致。よって 、 は であるための必要十分条件。

② (2) は 、すなわち または 。。 は真( なら確かに )、 は偽( が反例)。よって は であるための必要条件(十分でない)。

③ (3) は または 。 はこの一部。 は真、 は偽( が反例)。よって は であるための十分条件(必要でない)。

まとめ:必要・十分の判定は「範囲に直して包含を見る」。 の範囲が に含まれる(= のほうが狭い)なら は十分条件。「狭いほうが十分・広いほうが必要」と覚えると速い。

発展。 「 は の十分条件」「 の表す集合 の表す集合」「」。この つは同じことの言い換え。必要・十分の判定は、命題の矢印・集合の包含・数直線の覆い方、どれで見ても一致する。数学の「同値な言い換え」を自在に行き来する練習になる。

答

(1) 必要十分条件 (2) 必要条件(十分でない) (3) 十分条件(必要でない)

別解

別解:数直線に つの範囲を描いて「はみ出し」を見る(視覚で納得するルート)。 の範囲を同じ数直線に描き、どちらがどちらを覆うかで判定する。

(1) と (絶対値をほどくと同じ)。ぴったり重なる → お互いを導く → 必要十分。(2) と 。 の点 は に含まれるが、 の点 は からはみ出す。「 なら 」は言えるが逆は言えない → は であるための必要条件。

(3) と または 。 の範囲は にすっぽり収まるが、 には という にない部分がある → なら (十分)だが逆は不成立。

「 の範囲が に収まる= は十分」「 が に収まる= は必要」と、はみ出しの向きで機械的に読める。集合の包含(本解)を、数直線の「覆い方」で見る道だ。

ポイント

  • 条件を範囲に直し、包含 で を判定。
  • 狭いほうが十分・広いほうが必要。反例が つあればその矢印は偽。

よくある間違い

  • 十分条件と必要条件を逆にする( の集合が に含まれる= は十分)。
  • (2) で の解を だけとする( も解。集合は )。
  • (3) で を だけとする( も含む。だから は より広い)。

問3対偶と余りによる整数の証明

★★★★ 難関証明対偶整数剰余

問題

整数 について、 が の倍数ならば、 はともに の倍数であることを証明せよ。

ヒントを見る

直接は取っかかりがない。対偶「 の少なくとも一方が の倍数でないなら…」を考えるか、整数を で割った余りで分類する。平方を で割った余りに注目。

解答・解説

方針

直接は示しにくいので対偶を示す。整数を で割った余りで分類すると、平方の余りは か に限られる。余り は元が の倍数のときだけなので、一方でも の倍数でなければ和の余りは にならない。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「 が の倍数 とも の倍数」は直接は示しにくい。こういうときは対偶をとる。

対偶は「 の少なくとも一方が の倍数でない は の倍数でない」。

決め手は「平方を で割った余り」だ。整数を で割った余り で分類すると、平方の余りは か だけ(、、)。しかも余り になるのは元が の倍数のときだけ。だから一方でも の倍数でなければ、和の余りは にならない。

重要対偶を示せば、もとの命題も真。整数の倍数性は「 で割った余り」で分類するのが基本

① 平方の余りを調べる。 整数を で割った余りで分類する。余り の数の平方は で割るとそれぞれ ( に注意)。よって整数の平方を で割った余りは か に限られ、余りが になるのは元の数が の倍数のときだけ。

② 対偶を示す。 が の倍数でないとすると の余りは 。 の余りは か 。和 の余りは または で、どちらも でない。よって は の倍数でない。 が の倍数でない場合も同様。

③ 結論。 対偶が真なので、もとの命題も真。すなわち が の倍数ならば、 はともに の倍数である。(証明終)

まとめ:「和が の倍数 ⟹ 各項が…」の証明は、対偶+「 で割った余りで分類」の合わせ技。平方の余りが しか出ない(= が出ない)ことから、和の余りが制限される。

発展。 平方数を で割った余りが に限られることは、 が自明でない整数解をもたない証明にも使える(無限降下法)。 で割った余り()を使えば「 で割って 余る数は つの平方数の和で書けない」など、平方剰余は整数論で役に立つ道具だ。

答

対偶「 の少なくとも一方が の倍数でないなら は の倍数でない」を示す。平方を で割った余りは か に限られることを使う。証明は解答参照

別解

別解:平方の余りの表を作って直接確かめる(苦手な人向け)。 対偶をとる前に、整数を で割った余りごとに の余りを表にする。

平方の余りは か しか出ない。 の余りは の組合せで 、、 の 通り。 になるのは のときだけ。つまり かつ 、すなわち かつ 。

これは「 ともに の倍数」ということだ。対偶(本解)を経由せず、余りの組合せ表で「和の余りが になるのは両方 のときだけ」と直接読めば、同じ結論に着く。 が「逃げ道をふさぐ」のがポイントだ。

ポイント

  • 対偶を示す。平方を で割った余りは か のみ。
  • 余り は元が の倍数のときだけ → 一方でも非倍数なら和の余りは でない。

よくある間違い

  • 直接証明を試みて詰まる(対偶か、平方の余りの表で攻める)。
  • 平方 の値を とする(実際は だけ。)。
  • 「余り は元が の倍数のときだけ」の確認を飛ばす( は余り )。

問4背理法による無理数の証明(和の無理数)

★★★★ 難関背理法無理数証明

問題

が無理数であることを用いて、 が無理数であることを証明せよ。

ヒントを見る

無理数であることの証明は背理法。「有理数 に等しい」と仮定して、(無理数と分かっている)が有理数で表せてしまう、という矛盾を作れないか。

解答・解説

方針

が有理数 だと仮定。 を 乗して について解くと右辺が有理数になり、 が無理数であることと矛盾する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「無理数である」を直接示すのは難しいので、背理法をとる。 が有理数 だと仮定して、矛盾を導く。

仮定から 。両辺を 乗すると 。 について解くと 。右辺は有理数どうしの計算だから有理数。だが は無理数(既知)。矛盾が出たので、仮定が誤り。

重要背理法:結論を否定して仮定し、矛盾を導く。無理数の証明では「無理数が有理数で表せた」矛盾を作る

① 仮定する。 が有理数だと仮定し、その値を とおく:。 は有理数で 。

② を消す。 の両辺を 乗すると

について解くと

③ 矛盾を導く。 右辺は有理数どうしの四則で作られるから有理数( に注意)。すると が有理数になり、 が無理数であることに矛盾する。よって仮定は誤りで、 は無理数である。(証明終)

まとめ:「和が無理数」は背理法で、 乗して片方の根号を消し、残った無理数を有理数で表してしまう矛盾に持ち込む。 が無理数、という既知の事実に矛盾を落とすのがゴール。

発展。 は の解(代数的数)。有理数体に を添加した体では、 が「生成元」になり、 がすべてその多項式で書ける。 か か、どの無理数に矛盾を帰着させてもよいのは、これらが同じ体に住むからだ。

答

背理法。(有理数)と仮定すると が有理数となり、 が無理数であることに矛盾。証明は解答参照

別解

別解: が無理数であることに帰着させる(得意な人向けの視点)。 (有理数)と仮定し、両辺を 乗する。

について解くと 。右辺は有理数だから が有理数になる。だが は無理数( は平方数でないので は無理数、これは の無理性と同様に示せる)。矛盾。よって は無理数。

を取り出す(本解)代わりに、 乗して現れる の無理性に持ち込む。 を 乗すると交差項 が出るので、 の無理性がそのまま使える。どの無理数の無理性に帰着させるか、選択肢がある。

ポイント

  • 有理数 と仮定し、 乗で を消す。
  • が有理数 → 無理数と矛盾。

よくある間違い

  • 背理法の仮定「 が有理数」を置かず、直接示そうとして進めない。
  • を 乗する際、 の交差項を落とす。
  • の右辺が有理数であること(矛盾が生じる理由)を明言しない。

問5集合の等式の証明(分配法則)

★★★★ 難関集合証明分配法則

問題

任意の集合 について、次の等式が成り立つことを証明せよ。

ヒントを見る

数の計算の分配法則に似た法則が集合にもある。共通の をくくり出すと、 と の共通部分が現れる。それは何か。

解答・解説

方針

集合にも分配法則 がある。これを逆向きに使い共通の をくくり出すと が現れる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 集合の等式は、分配法則を「逆向き」に使って共通因子をくくり出すのが速い。

は「」の形が つ。分配法則 を右から左に使うと、 とまとまる。(ある要素が に入りかつ入らない、はあり得ない)。よって 。

公式集合の分配法則 、および

① 分配法則で をくくり出す。 分配法則を右辺から左辺へ( とみて)使うと

② 空集合に気づく。 は「 に属し、かつ に属さない」要素の集合だから、そんな要素はなく 。

③ 仕上げる。 。よって

(証明終)

まとめ:集合の等式は「数の計算に似た法則(分配・ド・モルガン)+ 、」を道具に、式変形で示せる。要素を追って確かめてもよいが、法則を使うほうが 集合以上でも通用する。

発展。 集合の は論理の と完全に対応する(ブール代数)。 は、論理式 と同じ。集合の等式と論理の恒真式は、同じ代数の つの表し方である。

答

分配法則より 。証明は解答参照

別解

別解:要素の所属を 通りで総当たりする(苦手な人にも確実なルート)。 任意の要素 について、 が に属するかしないかで 通り。各場合で左辺 に が入るかを調べ、右辺 と一致するか確かめる。

  • ( は問わない): かつ (どちらも を含む)→ 左辺に入る。右辺 にも入る。○
  • : (○)だが ( にも にも入らない)→ 左辺に入らない。右辺 にも入らない。○
  • : → 左辺に入らない。右辺にも入らない。○

すべての場合で「左辺に入る 右辺 に入る」。だから 集合は等しい。分配法則(本解)は短く済むが、法則をうろ覚えなら「要素の所属を全パターン調べる」のが確実。集合の等式は結局「どの要素についても所属が一致する」ことに尽きる。

ポイント

  • 分配法則を逆向きに使い共通の をくくり出す。
  • 、 で仕上げる。

よくある間違い

  • 分配法則 を逆向きに使えず、変形が進まない。
  • (空集合)を (全体)と取り違える。
  • を とする(正しくは )。

問6入れ子の量化命題の否定と真偽

★★★★ 難関すべて・ある否定真偽

問題

次の命題 について、その否定を述べ、 それぞれの真偽を調べよ。

:すべての実数 に対して、ある実数 が存在して となる。

:ある実数 が存在して、すべての実数 に対して となる。

ヒントを見る

「すべて」と「ある」の否定は、 と を入れかえて、最後の等式を否定する。真偽は具体的に や を つ挙げられるかで判断する。

解答・解説

方針

と を入れかえ、最後の等式を否定するのが否定の作り方。真偽は、 は各 に 、 は を挙げれば真と分かる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 量化命題()の否定は、「 と を入れ替え、最後の等式を否定する」と機械的に作れる。

の否定は 。 の否定は 。真偽は具体例で。 は各 に をとれば で真。 は をとれば で真。「 か か」の順序で意味が変わることに注意する。

重要否定の作り方:「すべての で…」の否定は「ある で…でない」、「ある で…」の否定は「すべての で…でない」( と を入れかえ、最後を否定)

① の否定と真偽。 は 。否定は 、すなわち「ある実数 が存在して、すべての実数 に対し 」。真偽は が真:どんな に対しても とすれば 。

② の否定と真偽。 は 。否定は 、すなわち「すべての実数 に対して、ある実数 が存在して 」。真偽は が真: とすれば、すべての で が成り立つ。

まとめ:入れ子の量化命題は「否定=すべて/あるを入れかえて中身を否定」。真偽は なら具体例、 なら「どんな…にも成り立つ理由」を述べる。 はともに真だが、その否定は(規則どおり)ともに偽になる。

発展。 と の違いは厳密な議論で必ず区別する。関数の連続と一様連続の違い( の が に依存するか否か)も、この量化子の順序で決まる。- 論法を学ぶとき、この順序の感覚が役に立つ。

答

の否定「ある実数 が存在して、すべての実数 に対し 」。 は真。 の否定「すべての実数 に対して、ある実数 が存在して 」。 は真

別解

別解:「順序を入れ替えた命題」と比べて意味を掴む(得意な人向けの視点)。 と は別物。この違いを意識すると真偽が見える。

は「どの にも、それに応じた がある」。 は ごとに選び直してよい()から真。

もし順序を入れ替えた 「ある つの が、すべての で 」なら、 つの で全 をまかなうのは無理だから偽。 が真なのは、 を に依存して選べるからだ。 は「ある つの が、すべての で 」。 が全 をまかなう()から真。

否定は「 を入れ替え、内側を否定」。 の否定は 、 の否定は 。量化子の順序によって命題の意味が変わることが確かめられる。

ポイント

  • 否定は を入れかえ、最後の等式を否定。
  • は 、 は を挙げれば真。

よくある間違い

  • 否定で と を入れ替えず、最後の等式だけ否定する。
  • と を同じ意味と誤解する(順序で意味が変わる)。
  • 真偽の判定で具体例( は 、 は )を挙げず、感覚で決める。

問7逆・裏・対偶とその真偽(整数の偶奇)

★★★★ 難関逆・裏・対偶真偽整数

問題

整数 についての命題「 が奇数ならば は偶数である」の逆・裏・対偶を述べ、それぞれの真偽を調べよ。偽のものは反例を挙げよ。

ヒントを見る

逆は仮定と結論の入れかえ、裏は両方を否定、対偶は入れかえて両方否定。対偶の真偽は元命題と必ず一致する。偽を疑うものは偶奇の小さな例で反例を探す。

解答・解説

方針

元命題は真(和が奇数 ⟺ 一方が偶・他方が奇 ⟹ 積は偶)。対偶は元と真偽が一致するので真。逆・裏は互いに対偶の関係で、反例を つ挙げればともに偽と分かる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) まず元の命題の真偽を確かめる。「 が奇数 は偶数」。 が奇数なら一方が偶・他方が奇、だから積 は偶数。元命題は真だ。

逆・裏・対偶の関係を整理する。対偶は元と真偽が一致するから、対偶も真。逆と裏は互いに対偶の関係にあるので、真偽が一致する。片方の反例を つ見つければ、両方とも偽と分かる。逆「 偶 奇」の反例は ( 偶だが 偶)。

重要対偶は元命題と真偽が一致する。逆と裏も互いに対偶の関係(真偽が一致)

① 元命題と対偶。 が奇数 ⟺ の一方が偶数・他方が奇数。このとき積 は偶数(偶数を因数に含む)。よって元命題は真。ゆえに対偶「 が奇数ならば は偶数」も真。

② 逆。 「 が偶数ならば は奇数」。反例 :(偶)だが (偶)。よって偽。

③ 裏。 「 が偶数ならば は奇数」。反例 :(偶)だが (偶)。よって偽。(逆と裏は互いに対偶なので、ともに偽で整合。)

まとめ:逆・裏・対偶は「対偶は元と同じ真偽」「逆と裏は互いに同じ真偽」を使うと、 つ全部を個別に調べずに済む。偶奇の問題は の偶奇 通りを尽くせば必ず決着する。

発展。 「元命題 対偶」「逆 裏」という同値関係は、 つの命題が 組のペアに分かれることを意味する。だから真偽は 通りだけ調べればよい。対偶をとって証明する(対偶法)のは、この「元 対偶」を利用した証明法。背理法とならぶ、間接証明の基本だ。

答

逆「 が偶数ならば は奇数」偽(例 )。裏「 が偶数ならば は奇数」偽(例 )。対偶「 が奇数ならば は偶数」真

別解

別解: の偶奇の表( 通り)で一望する(苦手な人にも確実なルート)。 の偶奇の組合せ 通りで、 と の偶奇を表にする。

偶 偶 偶 偶
偶 奇 奇 偶
奇 偶 奇 偶
奇 奇 偶 奇

この表からすべて読める。

  • 元命題「 奇 偶」: 奇の行(偶奇・奇偶)はどちらも 偶 → 真。
  • 逆「 偶 奇」: 偶の行に「偶偶」があり、そこは 偶 → 偽(反例 )。
  • 裏「 偶 奇」: 偶の行に「偶偶」があり 偶 → 偽(反例 )。
  • 対偶「 奇 偶」: 奇の行(奇奇)は 偶 → 真。

行の表枚で、元・逆・裏・対偶の真偽と反例がすべて確定する。「対偶は元と一致・逆と裏は一致」という関係も、表の上で確かめられる。

ポイント

  • 元命題は真 → 対偶も真。
  • 逆・裏は互いに対偶(同じ真偽)。反例 つで両方偽と分かる。

よくある間違い

  • 対偶の真偽を元と別に判定する(対偶は元と必ず一致。元が真なら対偶も真)。
  • 逆と裏の真偽が一致することを使わず、両方に反例を探して手間取る(片方でよい)。
  • 反例を挙げるべき「偽」の命題で、反例を示さず「偽」とだけ答える。

問8命題が恒真となる条件(区間の包含)

★★★★ 難関命題集合の包含絶対値

問題

命題「 ならば 」が、すべての実数 について成り立つような実数 の値を求めよ。

ヒントを見る

「 ならば がすべての で真」は、 の表す範囲が の範囲に含まれること。両方の区間の「幅」を比べると、 が絞られる。

解答・解説

方針

命題が恒真 ⟺ 集合の包含 。両区間の幅がともに なので、含むには一致するしかなく、端をそろえて 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「 ならば 」がすべての で成り立つ、を集合の包含で表す。

は 。命題が恒真 区間 が区間 に含まれる。ここで幅に注目。 の幅は 、 の幅も 。同じ幅の区間が含むには一致するしかない。端をそろえて 、、どちらからも 。

重要「 が恒真」⟺( の集合)( の集合)

① 範囲に直す。 仮定 は区間 。結論 は 、区間 。命題が恒真 ⟺ 。

② 幅を比べる。 の幅は 、 の幅も 。幅の等しい区間が一方を含むには、両端がそろって一致するしかない。よって

③ 確認。 のとき結論の区間は で、仮定の区間と一致。確かに恒真。

−1≤x≤3|x−a|≤2 (a=1)−13
「−1≤x≤3 ならば |x−a|≤2」がすべての x で成立 ⟺ [−1,3]⊂[a−2,a+2]。a=1

まとめ:「ならば」が恒真 ⟺ 範囲の包含。ここでは含む区間と含まれる区間の幅が同じという特殊状況で、 がただ つに決まった。幅が違えば は範囲になる。だから最初に幅を比べる。

発展。 「区間 が区間 に含まれる」を の形(中心 ・半径 )で書くと、包含は「中心の距離 半径の差」で判定できる。この問題は 区間の幅(半径 )が等しく余裕ゼロなので、中心が一致する しかない。半径に余裕があれば に範囲が出る、という一般化につながる。

答

別解

別解:恒真の否定(反例が存在しない条件)から攻める(得意な人向けの視点)。 命題が「偽」になるのは「 なのに 」となる が存在するとき。恒真とは、この反例が つもないことだ。

区間 で が最も大きくなるのは、 が から最も遠い端。 が区間の中にあるとき、遠い端までの距離は「 から左端 」と「 から右端 」の大きい方。反例が出ないためには、この最大距離が 以下でなければならない。

かつ 、すなわち かつ 。共通部分は のみ。区間の包含(本解)を「幅が同じだから一致」で解くのに対し、こちらは「一番遠い端までの距離 」で攻める。両端への距離が同時に 以下になるのは、区間の中心 に が来たときだけ、と読める。

ポイント

  • 恒真 ⟺ 。
  • 幅がともに → 一致するしかなく 。

よくある間違い

  • 恒真を集合の包含 で表せない。
  • 幅が等しい()ことを見落とし、 に幅のある範囲を答える(一致するので の点)。
  • 端をそろえる 式 の一方だけ使う。