数学I / 2次関数のグラフと最大・最小

2次関数のグラフと最大・最小 ★★ 標準の問題 全12問

定期テストレベル。典型パターンの運用

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 平方完成(係数が1でない場合)
  2. 頂点・軸とグラフの概形
  3. グラフの平行移動
  4. グラフの対称移動
  5. 定義域のある2次関数の最大・最小
  6. 軸が動く場合の最小値(場合分け)
  7. 軸が動く場合の最大値(場合分け)
  8. 定義域の端が動く場合の最小値
  9. 面積の最大値(文章題)
  10. 2次関数の決定(頂点・軸の条件)
  11. 2次関数の決定(3点を通る)
  12. 置き換えによる最大・最小

問1平方完成(係数が1でない場合)

★★ 標準平方完成

問題

次の2次関数を の形に変形せよ。

(1)

(2)

(3)

ヒントを見る

の係数でまず と の項をくくる。カッコの中を平方完成し、はみ出た分にその係数をかけて外に出す。(3)は係数が分数だが、同じ手順で でくくる。

解答・解説

方針

平方完成の練習。 の係数が1でないときは、まず の入った項を係数でくくる(定数はくくらない)。分数の係数でも同じ。

手順: ① の項を係数でくくる、②カッコの中を平方完成、③くくった係数をかけて外に出す、④整理。③のかけ算を忘れやすい。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 係数が でなくても、分数でも、平方完成の手順は変わらない。

第一手を固定する。「 の入った項までを係数でくくる。定数はくくらない」。

ここさえ守れば、あとはカッコの中の平方完成、係数の掛け戻し、整理、と機械的に進む。分岐点は最初の1手だけだ。

公式係数つき平方完成: とくくってから完成する
xyO(1, 2)
(2) y = −3(x−1)² + 2 のグラフ(上に凸、頂点 (1, 2))

(1) の項を2でくくり、カッコの中を平方完成する。

と、くくった2をかけて外に出す。

(2) の項を でくくる。

の符号に注意。

(3) 分数の係数 でくくる。

まとめ:。分数でも手順は同じ。くくった係数を最後にかけて出す、が共通のコツだ。

発展。 平方完成は「式の形を目的に合わせて変える技術」の代表だ。頂点が読める形に直す、という目的がはっきりしている。

一般形を文字のまま平方完成した結果(頂点の 座標が )は、判別式や解の公式ともつながっている。数学IIでは円の方程式の整理でも同じ変形を使う。

答

(1) (2) (3)

別解

慣れてきたら、頂点の位置を先に割り出す方法もある。一般形 を文字のまま平方完成すると、頂点の 座標はいつも になる。この結果を使うのだ。(1)なら 。 座標は代入して 。だから と即座に書ける( の係数 はそのまま引き継がれる)。

(2)も 、 で 。平方完成の変形そのものが求められている問題では本解の手順を書くべきだが、この方法は有効な検算になる。頂点の位置が2通りの道で一致すれば、答えはまず間違いない。

ポイント

  • の係数が1でないときは、 の項を係数でくくる
  • カッコの中を平方完成し、係数をかけて外に出す
  • 分数の係数でも手順は同じ

よくある間違い

  • くくった係数を外に出すとき、かけ忘れる
  • などの符号を間違える
  • (3)で分数の係数でくくるとき、割り算を誤る( を でくくると になる)

問2頂点・軸とグラフの概形

★★ 標準グラフ頂点・軸

問題

2次関数 について、次の問いに答えよ。

(1) グラフの頂点の座標と軸の方程式を求めよ。

(2) グラフと 軸との交点の座標を求めよ。また、このグラフは上に凸か下に凸か。

ヒントを見る

平方完成で頂点と軸。 軸との交点は を代入するだけ。凸の向きは の係数の符号。これらがそろえば概形がかける。

解答・解説

方針

平方完成して頂点・軸を求め、あとは 軸との交点を出す。 軸との交点は を代入するだけ(=定数項 )。上に凸・下に凸は の係数の符号で判断する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) グラフの概形を問われたら、必要な部品を先にリストアップする。頂点・軸・凸の向き・ 軸との交点だ。

次に、部品ごとに入手方法を割り当てる。頂点と軸は平方完成。凸の向きは の係数の符号。 軸との交点は の代入。

計算より先に「何を集めるか」を決める。この段取りがグラフ問題全般の型になる。

公式平方完成 → 頂点・軸。 軸との交点は を代入、凸の向きは の係数の符号
xyO(1, 5)(0, 3)
y = −2(x−1)² + 5(頂点 (1, 5)、y 軸との交点 (0, 3))

(1) 平方完成する。

よって

(2) 軸との交点は を代入するだけ。

だから 軸との交点は 。また の係数が なので上に凸。

まとめ: 軸との交点はいつも を代入して求まる(=定数項)。凸の向きは の係数の符号で決まる。

発展。 この問題で集めた情報(頂点・軸・凸・切片)は、2次関数のグラフ問題すべてで使う。このあとの最大最小も、2次不等式も、結局はこのグラフを読む作業になる。

別解の「同じ高さの2点の真ん中が軸」という対称性は、放物線の基本的な性質だ。 軸との2交点の真ん中が軸、という形で2次方程式・2次不等式でも使い回せる。

答

(1) 頂点 、軸は直線 (2) 軸との交点 、上に凸

別解

平方完成せずに、軸を「対称性」から見抜く方法もある。放物線は軸について左右対称だ。だから、同じ高さになる2点が見つかれば、その真ん中が軸になる。この関数では のとき (定数項)。もう1つ になる点を探すと、 から 、つまり 。

と が同じ高さだから、軸はその真ん中の 。頂点の 座標は代入して 。「同じ高さの2点の真ん中が軸」。この対称性に注目する見方は、平方完成が面倒な式や、グラフの読み取り問題で役に立つ。

ポイント

  • 平方完成して頂点・軸を求める
  • 軸との交点は を代入(=定数項 )
  • の係数が正なら下に凸、負なら上に凸

よくある間違い

  • 軸との交点で を代入し忘れる
  • 凸の向きを の係数の符号で判断しない
  • 軸との交点を求めるのに展開や平方完成を始めてしまう( 代入は定数項を読むだけで済む)

問3グラフの平行移動

★★ 標準平行移動

問題

放物線 について、次の問いに答えよ。

(1) を 軸方向に 、 軸方向に だけ平行移動して得られる放物線の方程式を求めよ。

(2) をどのように平行移動すると、放物線 に重なるか。

ヒントを見る

(1)は頂点を求めて、指定分だけ動かした新しい頂点から式を。(2)は移動前と後の頂点を両方求め、その差が『どれだけ動いたか』になる。

解答・解説

方針

平行移動は頂点を動かすと考えると速い。(1) を移動した先の頂点を求める。(2)は逆の問いで、2つの放物線の頂点を比べて、どれだけ動かせば重なるかを求める。頂点の座標の差が動かす量になる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (2)の「どう動かせば重なるか」は、式をいくら見比べても分からない。

平行移動は頂点の移動を見れば分かる。だから「頂点の言葉」で言い換える。両方の放物線の頂点を出して、差を取る。移動先の頂点から移動元の頂点を引いた差が、そのまま動かす量になる。

公式平行移動は頂点を移す。移動量は移動前後の頂点の差
xyOC の頂点 (2, −3)(1)(2)
C の頂点 (2, −3) がどこに移るかを見る

(1) の頂点を求める。

頂点 。 方向に 、 方向に3動かすと頂点は

形()は変わらないので、頂点 の放物線は

(2) どれだけ動かせば重なるかを求める。移動先 の頂点は

頂点 。 の頂点 から、これに動かすには、頂点の差をとって

まとめ:だけ動かせばよい。平行移動は『頂点の移動』。逆問題も2つの頂点の差をとるだけだ。

発展。 置きかえ規則( 方向に 動かす → を にする)は、放物線に限らずすべての曲線で同じだ。数学IIの円でも、三角関数のグラフでも、この1つの規則で平行移動が処理できる。

「グラフ上の点が動く向き」と「式の置きかえの符号」が逆になる理由まで説明できれば、この単元の平行移動は卒業だ。

答

(1) (2) 軸方向に 、 軸方向に だけ平行移動する

別解

(1)は式で考えてもよい。 方向に 、 方向に3動かすには、 を 、 を に置きかえる。

右辺を展開・整理すると になり、。頂点で考えても式でも同じだ。

ポイント

  • 平行移動は頂点の移動。頂点を求めて動かす
  • 逆問題(どれだけ動かすか)は、2つの頂点の差をとる
  • 式で考えるなら 、

よくある間違い

  • 平行移動の量と符号を取り違える(置きかえは と、向きが逆に見える)
  • 頂点でなく、適当な点で移動量を求めようとする
  • (2)で差を取る順序を逆にする(移動先の頂点から移動元の頂点を引く)

問4グラフの対称移動

★★ 標準対称移動

問題

放物線 を、次の直線または点に関して対称移動して得られる放物線の方程式を求めよ。

(1) 軸

(2) 軸

(3) 原点

ヒントを見る

軸 → を 、 軸 → を 、原点 → 両方。置きかえて整理。頂点や凸の向きの変化で答えを確認できる。

解答・解説

方針

対称移動の置きかえ。軸 → を 、軸 → を 、原点 → 両方。置きかえて の形に整理する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 対称移動は、グラフ上の点の行き先で考える。

軸対称なら の符号が反転する。 軸対称なら の符号が反転する。原点対称なら両方だ。

式の上では を に、 を に置きかえる操作になる。置きかえたあと「」の形に整理し直すところまでが1セットだ。

公式対称移動: 軸 → 、 軸 → 、原点 → 両方
xyO元x軸y軸原点
y = 2(x−1)² + 3(元)と x 軸・y 軸・原点に関する対称移動

もとは 。

(1) 軸対称は 。

の形にして

(2) 軸対称は 。

(3) 原点対称は両方。、。

の形にして

まとめ:軸なら 、軸なら 、原点なら両方を にする。基本の対称移動と同じで、係数が2に変わっただけだ。

発展。 置きかえ規則( 軸対称は など)は、放物線に限らずどんな曲線にも通用する。数学IIの円や、指数・対数のグラフでも同じだ。

さらに先では「 軸対称なグラフを持つ関数(偶関数)」「原点対称な関数(奇関数)」という分類を学ぶ。今回の3つの対称移動はその分類の基礎になる。

答

(1) (2) (3)

別解

頂点の行き先で組み立てる方法もある。移動後の放物線は「頂点」と「開き具合(凸の向き)」で決まるからだ。元の式を平方完成すると 。頂点は 、下に凸()。

  • 軸対称: 頂点は へ。上下が裏返るから上に凸()。式は 。
  • 軸対称: 頂点は へ。左右の反転では凸の向きは変わらない()。式は 。
  • 原点対称: 頂点は へ、凸も反転()。式は 。

展開すれば置きかえルートと同じ答えになる。「どの点がどこへ行き、向きがどうなるか」を絵で追えるので、符号の意味が腑に落ちやすい。

ポイント

  • 軸対称 → 、軸対称 → 、原点 → 両方
  • 置きかえて の形に整理
  • 、 に注意

よくある間違い

  • どの文字を にするかを混同する
  • を とする
  • 原点対称を 軸対称か 軸対称の片方だけで済ませる(原点対称は両方の合成)

問5定義域のある2次関数の最大・最小

★★ 標準最大・最小定義域

問題

2次関数 について、次の各定義域における最大値と最小値を求めよ。

(1)

(2)

ヒントを見る

頂点を出したら、定義域に頂点が入るかで場合が変わる。範囲内なら頂点で最小(下に凸のとき)、範囲外なら単調。端は軸から遠いほうが最大。

解答・解説

方針

平方完成して頂点 を求め、放物線をかく。あとは定義域ごとに、範囲の中でグラフを読む。(1)は頂点が範囲内。(2)は頂点が範囲の外(左)。頂点が外なら範囲内で単調で、端で最大・最小になる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 同じ関数でも、定義域が違えば最大・最小は変わる。

だから最初のチェック項目は「頂点が範囲に入っているか」だ。入っていれば、下に凸なら頂点が最小。入っていなければ、範囲内でグラフは単調(上りか下りの一方通行)なので、端だけ見ればよい。定義域つきの最大最小はこの1つの確認から始まる。

公式定義域つき最大・最小:頂点が定義域内なら頂点で(下に凸なら最小)、外なら単調。端は軸から遠いほうが最大

平方完成する。

頂点 、下に凸。

(1)

xyO最小 −5最大 41
(1) 1 ≤ x ≤ 6 のとき、軸 x = 3 は定義域内

定義域 に頂点 が入る。下に凸なので頂点で最小 → で最小値 。最大は端。

大きいのは の4。だから で最大値4。

(2)

xyO最小最大
(2) 4 ≤ x ≤ 5 のとき、軸 x = 3 は定義域の左外(増加区間)

定義域 は、頂点 より右にある(頂点は範囲外)。範囲内ではグラフは右上がり(単調増加)なので、左端で最小、右端で最大。

だから で最小値 、 で最大値 。

まとめ:頂点が範囲の中か外かで、最大・最小の場所が変わる。外なら単調(端で決まる)、中なら頂点も候補。

発展。 「頂点が範囲の中か外か」で様子が変わる。次の段階(軸が動く問題・定義域の端が動く問題)の場合分けも、この1点を判定しているだけだ。

文字が入って軸や端が動いても、やることはこの問題と同じ「頂点が範囲の中か外かの判定」である。固定の問題で判定の感覚を作っておくと、場合分けを「絵の切り替え」として自然に理解できる。

答

(1) 最大値 ()、最小値 () (2) 最大値 ()、最小値 ()

別解

「候補の値をぜんぶ表にして比べる」やり方も確実だ。最大・最小の候補になれるのは、頂点(範囲内にあるとき)と両端しかない。だから候補の値を並べて選ぶだけでいい。(1) 範囲 。頂点 は範囲内。候補は 、、。最大は 、最小は 。

(2) 範囲 。頂点 は範囲外なので候補から外れ、、 の2つだけ。最大は 、最小は 。

表で選ぶだけなら間違えようがない。ただし「頂点が範囲内か」の判定だけはグラフの想像が必要で、ここを飛ばすと(2)で を拾う誤りが起きる。表とグラフ、両方をセットで使うのが安全だ。

ポイント

  • 平方完成 → 頂点 → 定義域でグラフを読む
  • 頂点が範囲内なら頂点も候補、範囲外なら単調(端で決まる)
  • 端の値は必ず両方計算する

よくある間違い

  • 頂点が範囲外なのに、頂点の値を最小値としてしまう
  • 端の値の計算ミス
  • 最大値・最小値だけ書いて、それをとる の値を書き忘れる

問6軸が動く場合の最小値(場合分け)

★★ 標準最大・最小場合分け

問題

は定数とする。2次関数 () の最小値を求めよ。

ヒントを見る

軸 が動く。定義域に対して軸が『左外・中・右外』のどこにあるかで、最小をとる場所(端か頂点か)が変わる。3つの場合に分けて考える。

解答・解説

方針

。頂点 、軸 が で動く。定義域 固定。

最小値は、軸が定義域の①左外、②中、③右外、の3場合分け。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 軸 が動き、定義域 は固定されている。

下に凸の最小値は、軸の位置がすべてだ。軸が定義域の「左外・中・右外」の3枚の絵を描く。それぞれの絵で、最小の場所を読む。左外なら左端、中なら頂点、右外なら右端。場合分けは「絵が変わる瞬間」で切る、と決めてから計算に入る。

公式軸が動く最小:軸が定義域の左外・中・右外で場合分け

平方完成する。

頂点 、軸 。下に凸で、軸が によって左右に動く。定義域 固定。軸の位置で場合分け。

① 軸が左外()

xyOx = a最小2
[1] a < 0(例: a = −1)のとき、軸が左外なので x = 0 で最小

範囲内で右上がり。最小は左端 。

② 軸が範囲内()

xyOx = a最小2
[2] 0 ≤ a ≤ 2(例: a = 1)のとき、頂点で最小

頂点で最小。

③ 軸が右外()

xyOx = a最小2
[3] a > 2(例: a = 3)のとき、軸が右外なので x = 2 で最小

範囲内で右下がり。最小は右端 。

まとめ:まとめると、 で3、 で 、 で 。軸が動く最小は『左外・中・右外』の3場合、と型で覚えよう。

発展。 境目の値( や )では、隣り合う場合の式が同じ値を返す。たとえば で 、。場合分けが正しければ、境目で必ず値がつながるのだ。

この「境目の一致」は場合分けの答えの有効な検算になる。文字入りの最大最小を解いたら、境目の値を両側の式に入れて一致を確かめる習慣をつけたい。

答

のとき最小値 ()、 のとき最小値 ()、 のとき最小値 ()

別解

3つの場合を、1行の原理にまとめて見ることもできる。「下に凸の放物線の値は、軸に近いほど小さい」。だから最小値をとるのは、定義域の中で軸 に一番近い点だ。

  • 軸が左外()なら、一番近いのは左端 。
  • 軸が中()なら、軸そのもの (頂点)。
  • 軸が右外()なら、一番近いのは右端 。

場合分けの3つの式は、「軸に一番近い点はどこか」という1つの問いの答えが切り替わっているだけだ。この見方を持つと、次の最大値の問題も「軸から一番遠い点はどこか」と読み替えるだけで解ける。対で覚えておきたい。

ポイント

  • 軸が動く最小は『軸が左外・中・右外』の3場合分け
  • 左外→左端、中→頂点、右外→右端 で最小
  • 各場合グラフをかいて確認

よくある間違い

  • 場合分けの境目(、)の等号の扱いを間違える
  • 軸が定義域の外なのに、頂点の値を最小値としてしまう
  • 3つの場合を無理に1本の式にまとめようとして破綻する(場合ごとに並記してよい)

問7軸が動く場合の最大値(場合分け)

★★ 標準最大・最小場合分け

問題

は定数とする。2次関数 () の最大値を求めよ。

ヒントを見る

下に凸のグラフの最大は必ず『端』でとる。軸が定義域の中央より左なら遠いのは右端、右なら左端。境目は軸が中央にくるときなので、そこで場合分けする。

解答・解説

方針

軸が動く『最大値』。最小値のときと考え方は同じだが、最大は端でとる(下に凸の場合)。

下に凸の放物線を、定義域 で見ると、最大は両端のどちらか高い方。軸(頂点)が定義域の中央 より左なら右端、右なら左端で最大。だから軸 が3より小さい・等しい・大きい、で場合分けする。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 最大値版は、最小値のときと場合の分かれ方が違う。下に凸のグラフの最大は必ず端で起きる。

だから比べるのは両端の高さだ。どちらの端が高いかは、どちらが軸から遠いかで決まる。軸が定義域の中央 より左なら右端が遠くて高い。右なら左端。ちょうど中央なら両端が同じ高さ。境目が「中央」になるのが、最小値のときとの違いだ。

公式下に凸の最大は定義域の端。軸が定義域の中央より左なら右端、右なら左端で最大

平方完成する。

頂点 、軸 、下に凸。定義域 固定。下に凸の放物線は定義域の端で最大になる。両端の値を比べる。

どちらが大きいかは、軸 が定義域の中央 のどちら側にあるかで決まる。

① 軸が中央より左()

xyOx = a3最大6
[1] a < 3(例: a = 2)のとき、軸が中央 x = 3 より左 → 遠い右端 x = 6 で最大

軸から遠いほうの右端が高い。最大は 。

② 軸が中央()

xyOx = 3最大最大6
[2] a = 3 のとき、両端が軸から等距離 → x = 0, 6 の両方で最大

両端が同じ高さ。最大は

(このとき 。)

③ 軸が中央より右()

xyOx = a最大36
[3] a > 3(例: a = 4)のとき、軸が中央より右 → 遠い左端 x = 0 で最大

軸から遠いほうの左端が高い。最大は 。

まとめ:下に凸の最大は『軸から遠いほうの端』でとる。境目は定義域の中央 。最小(頂点でとる)とは場合分けの基準が違うので注意しよう。

発展。 最小値は「軸が定義域に入るか」で3分割、最大値は「軸が中央より左か右か」で3分割。境目の位置が違う理由まで言えれば、この型は完成だ。

最大と最小を同時に問う問題では、2種類の境目( と中央)が混ざって場合分けが増える。それでも「近い者が最小・遠い者が最大」の物差し1本で全部さばける。

答

のとき最大値 ()、 のとき最大値 ()、 のとき最大値 ()

別解

最小値の問題と対にして、1行の原理で覚える方法がある。「下に凸の値は、軸から遠いほど大きい」。最小は「軸に一番近い点」、最大は「軸から一番遠い点」がとる。これだけだ。

定義域 で軸 から一番遠い点は、両端 と のどちらか。遠さ比べ 対 の勝敗は、 が中央 より左か右かで決まる。

  • : 右端 が遠い。最大は 。
  • : 同点。両端 でともに最大 。
  • : 左端 が遠い。最大は 。

最小値の3場合分けと最大値の3場合分けが、「近い者・遠い者」という同じ物差しの裏表だと分かれば、2つの型を別々に暗記する必要はなくなる。

ポイント

  • 下に凸の最大は、定義域の端(軸から遠いほう)でとる
  • 境目は定義域の中央。軸がそれより左なら右端、右なら左端
  • 最小(頂点)とは場合分けの基準が違う

よくある間違い

  • 最大を頂点でとろうとする(下に凸では端が最大)
  • 場合分けの境目を軸の可動範囲でなく定義域の中央()に置くことを見落とす
  • (両端が同じ高さ)の場合を落として2場合で答える

問8定義域の端が動く場合の最小値

★★ 標準最大・最小場合分け定義域

問題

は正の定数とする。2次関数 () の最小値を求めよ。

ヒントを見る

頂点は固定、右端 が動く。右端が頂点より手前ならまだ下り坂の途中=右端が最小、右端が頂点を過ぎたら頂点が最小。境目でつなぐ。

解答・解説

方針

(頂点 )固定。定義域は で、右端 だけが動く()。最小値は、頂点 が定義域 に入るかで変わる。(頂点が範囲の右外)なら右端 で最小、(頂点が範囲内)なら頂点で最小。2場合分け。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 今度は関数が固定で、定義域の右端 だけが動く。窓が右へ広がっていくイメージだ。

窓が頂点 に届くまでは、グラフは窓の中で下りの一方通行。最小は右端が担う。

窓が頂点を含んだ時点で、最小をとる点は頂点に替わり、それ以降は動かない。最小をとる点が替わるのは、窓の端が頂点に届くときだ。場合分けの境目 はここから自動的に決まる。

公式定義域の端が動く:頂点が範囲に入るかで場合分け(下に凸)

平方完成する。

頂点 、下に凸で固定。定義域 の右端 が動く()。頂点 が範囲に入るかで場合分け。

① (頂点が範囲の右外)

xyO最小a
[1] 0 < a < 2(例: a = 1)のとき、定義域が軸に届かず、右端 x = a で最小

頂点 が定義域より右にあると、範囲内でグラフは右下がり。最小は右端 。

② (頂点が範囲内)

xyO最小 −3a
[2] a ≥ 2(例: a = 3)のとき、定義域が軸を含み、頂点で最小

頂点 が定義域 に入るので、頂点で最小。

まとめると、 で最小値 、 で最小値 。

まとめ:右端だけが動くので、場合分けは『頂点が範囲に入るか(= が2以上か)』の2つ。 が小さいと頂点まで届かず、右端で最小になる。

発展。 「軸が動く型」と「端が動く型」は、動くものが違うだけで、判定はどちらも「頂点が窓に入っているか」だ。2つの型を1つの問いに圧縮して覚えておくと、初見の変種にも強くなる。

最大値の側も同時に聞かれたら、この問題では左端 と右端 の遠さ比べが加わる。前問の「軸から遠いほうが大きい」がそのまま使える。

答

のとき最小値 ()、 のとき最小値 ()

別解

答えを「最小値の の関数」として見直すと、場合分けの正しさを検算できる。最小値を と書くと、 では 、 では 。境目の を左側の式に入れると 。右側の値 とぴったりつながる。

つながるのは偶然ではない。窓を少しずつ広げても最小値は急に飛ばない(グラフの高さは連続だから)。だから、正しい場合分けなら境目で必ず値が一致する。

もし境目で値が食い違ったら、場合分けの境目か式のどちらかが間違っている。この検算は文字入りの最大最小すべてで使える。

ポイント

  • 右端 が動く → 頂点が範囲に入るかで2場合分け
  • (頂点が範囲外)→ 右端で最小、 → 頂点で最小
  • 頂点は固定、動くのは定義域の右端

よくある間違い

  • 頂点が範囲外()なのに頂点の値 を最小値としてしまう
  • 場合分けの境目 を間違える
  • の場合の最小値を右端 の値で書いてしまう(頂点 で )

問9面積の最大値(文章題)

★★ 標準最大・最小文章題

問題

家の壁に沿って、長方形の花だんを作る。壁に垂直な2辺と壁に平行な1辺の計3辺を、合計 m の柵で囲む(壁に接する辺には柵を使わない)。壁に垂直な辺の長さを m とするとき、花だんの面積が最大となる の値と、そのときの面積を求めよ。

ヒントを見る

壁を使わない3辺の合計から、辺の関係を立てる。垂直辺を とすると平行辺は? 面積を の式にして、変域に注意して平方完成。

解答・解説

方針

壁を使うので、柵は3辺だけ。壁に垂直な2辺(各 )と壁に平行な1辺で、合計16m。垂直2辺で 使うので、平行な辺は 。面積 。これを平方完成して頂点で最大を求める。定義域も忘れずに。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 壁を使う分だけ、柵の配分がふつうの長方形と違う。まず「柵 m がどの辺に使われるか」を図で確認する。

壁に垂直な2辺で を使うから、平行な辺は 。面積は と式になる。式ができたら、定義域(辺の長さが正)を添えて、頂点で最大を読む。文章題は「式を作る → 定義域 → 頂点」の3点セットだ。

(1)

壁x mx m(16 − 2x) m
壁に接する辺には柵を使わない(柵は3辺で合計 16 m)

柵は3辺(垂直な2辺と平行な1辺)。垂直な2辺で 使うので、壁に平行な辺は

面積 は 垂直辺 × 平行辺 で 。定義域は、 も も正なので

つまり 。

(2)

xSO最大 3248
S = −2(x−4)² + 32(0 < x < 8)

を平方完成する。

頂点 、上に凸。頂点 は定義域 の中なので、 のとき最大値 。

まとめ:壁を使う問題は、柵が3辺だけになるのがポイント。周の式を『』と正しく立てるのが大事だ。

発展。 「和が一定の2数の積は、2数が等しいとき最大」という一般法則がこの問題の裏にある。 と の和は常に で、 すなわち のとき積が最大になる。

この法則は数学IIで相加平均・相乗平均の関係として一般化される。面積・利益・強度など「配分して積を最大にする」問題に共通する考え方だ。

答

のとき面積は最大値 をとる

別解

平方完成せずに、「根の真ん中」で頂点を見抜く方法がある。 は、 と のときに になる(積の形からすぐ読める)。放物線は左右対称だから、頂点はこの2つの根のちょうど真ん中、 にある。

最大値は代入して 。積の形のまま「ゼロになる2点の真ん中」を読むこの方法は、展開も平方完成も要らない。面積の式が積の形で出てくる文章題とは特に相性がよい。

ポイント

  • 壁を使うと柵は3辺(垂直2辺+平行1辺)
  • 垂直2辺で 、平行辺
  • を平方完成し、頂点で最大

よくある間違い

  • 4辺分の周と思って式を間違える(壁側の辺には柵を使わない)
  • 定義域 を書き忘れる
  • でくくる平方完成の符号処理を誤る(積の形のまま根の真ん中を使えば回避できる)

問102次関数の決定(頂点・軸の条件)

★★ 標準2次関数の決定

問題

次の条件を満たす2次関数を求めよ。

(1) グラフの頂点が点 で、点 を通る。

(2) グラフの軸が直線 で、2点 , を通る。

ヒントを見る

(1)頂点既知 → 、通る点で 。(2)軸既知 → 、2点で の連立。

解答・解説

方針

(1)頂点がわかる → に頂点を入れ、通る点で 。(2)軸がわかる → 軸として、2点で 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 2次関数の決定は、条件の種類で式の形を選ぶところから始まる。

頂点が分かっているなら頂点の形 。軸だけ分かっているなら、 に軸を入れて と を残した形。選んだ形に条件を代入し、残った未知数を通る点で決める。「形の選択 → 代入」の2段の設計を、計算の前に立てる。

公式頂点既知 → 、軸既知 → ( 既知)、通る点で残りを決める
xyO頂点 (2, −1)(4, 7)
(1) 頂点 (2, −1) で点 (4, 7) を通る放物線

(1) 頂点 なので

点 を代入。

、。よって

(2) 軸 なので

2点を代入して連立で を求めると 。よって

まとめ:頂点や軸がわかれば の形を使い、通る点を代入して残りを決める。

発展。 未知数の数と条件の数は釣り合っている。頂点の形なら未知数は の1つで、通る点1つで決まる。軸だけなら の2つで、点が2つ要る。次の問題(3点通過)では未知数3つ・条件3つだ。

「条件1つで未知数1つが決まる」という感覚は、方程式の応用すべてで通用する釣り合いの原理である。

答

(1) (すなわち ) (2) (すなわち )

別解

を「開き具合」として、ずれの比で読む方法もある。頂点形 は、「 が頂点から ずれると、 は頂点から ずれる」と読める。

(1) 頂点 に対し、点 は のずれが 、 のずれが 。だから で 。式を解いた感覚なしに、比だけで が出る。

(2)も同じ読み方ができる。軸 から、点 はずれ 、点 はずれ 。頂点の高さを とすると 、。差をとって 、、。

「 は開き具合、 がずれの量」という体感を持つと、グラフから式を読み取る問題全般が速くなる。

ポイント

  • 頂点がわかる → 、通る点で
  • 軸がわかる → 軸、2点で
  • 条件に合う形を選ぶ

よくある間違い

  • 軸 を とする(正しくは )
  • 代入の計算ミス
  • 答えを出したあと、使わなかった条件(もう1つの通る点)での検算を飛ばす

問112次関数の決定(3点を通る)

★★ 標準2次関数の決定連立方程式

問題

グラフが3点 , , を通る2次関数を求めよ。

ヒントを見る

3点を に代入。3式の差をとると が消えて、 の連立に持ちこめる。

解答・解説

方針

3点を通る → 一般形 に3点を代入して連立を解く。 の点がない場合も、3つの式から を求める。差をとって文字を消すのがコツ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 3点を通る条件は、頂点も軸も分からない。こういうときは一般形 を使う。

3点を代入すれば、 の連立方程式が3本できる。3本の連立は、2本ずつ差を取ると文字が1つ消える。「差を取って文字を減らす」という連立の常道を、ここでも使う。

公式3点を通る → に代入。3式の差で を消し を出す
xyO(1, 2)(2, 3)(−1, 12)
3点 (1, 2)、(2, 3)、(−1, 12) を通る放物線 y = 2x² − 5x + 5

一般形

に3点 を代入する。 から 、 から 、 から 。1つ目と3つ目の差をとると、 が消えて

を使い、残りの式から 。よって

まとめ: の点がなくても、3式の連立を解けば求まる。差をとって文字を消すのがコツ。

発展。 別解の形 は、「2点を通る」という条件を式の構造で先に満たしておく設計だ。条件を後から方程式で課すか、最初から形に埋め込むか。同じ問題でも設計思想が違う。

異なる3点を通る2次関数(または直線)はただ1つに決まる。この一意性の理由は数学IIの恒等式・因数定理で学ぶ。

答

別解

連立を小さくする、うまい形の選び方がある。通る2点を先に「食わせて」しまうのだ。 と を通る直線は (傾き )。そこで、求める2次関数を

の形におく。 でも でも の部分が になるから、この形は が何であっても2点 、 を自動的に通る。残る条件は だけ。代入すると で 。

展開して 。3元連立が1元の方程式1本に縮んだ。「条件を式の形に埋め込む」この発想は、数学IIの恒等式や、より進んだ補間の考え方につながる。

ポイント

  • 3点通過は一般形 に3点代入
  • 3式の連立を、差をとって文字を消して解く
  • がなくても解ける

よくある間違い

  • 連立を解くときの計算ミス
  • どの2式の差をとると文字が消えるか、見きわめられない
  • 解いた を3点すべてで検算しない(1点の代入でも計算ミスに気づける)

問12置き換えによる最大・最小

★★ 標準最大・最小置き換え

問題

関数 () の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

と置く。ここは注意が必要だ。 の変域から の変域を正しく出す( で最小、端で最大、と放物線で考える)。その の範囲で最大・最小。

解答・解説

方針

を で置きかえる。ここで の範囲に注意する。 の範囲 から、 のとる範囲を求める。

は で最小0、 で最大9なので 。この範囲で の2次関数の最大・最小を求め、 から を戻す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) と の式は、 の置きかえで の2次関数になる。

置きかえで一番間違えやすいのは の範囲だ。 の範囲の両端をそのまま2乗してはいけない。

のグラフを思い浮かべる。 の間に が入っているから、 は まで下がる。最大は の 。だから 。「新しい変数の範囲はグラフで求める」を合言葉にする。

公式置きかえ 。 の変域から の変域を正しく出す( で最小、端で最大)
tyO最小 −11最大 1449
t = x² のとりうる範囲は 0 ≤ t ≤ 9(−1 ≤ x ≤ 3 より)

と置きかえる。 なので

次に の範囲を求める。 で、 が を動くとき、 は で最小0、 で最大9(端の では )。だから

の2次関数を平方完成する。

頂点 、下に凸。頂点 は範囲 の中なので、 で最小値 。最大は端。

大きいのは の14。よって最大値14、最小値 。 は で (範囲内)、 は で 。

まとめ:置きかえでは『 の範囲を、 の範囲から正しく求める』ことが大事だ。 は で0になるので、 となる(単純に の端を2乗するだけではない)。

発展。 置きかえたら新変数の範囲を必ず求め直す。この作法はこの先の置きかえ全部(、、 など)で毎回の関門になる。この問題の「両端の2乗ではない」という失敗例を、その原点として覚えておくとよい。

2つの変数 と の2段のグラフを行き来する考え方は、数学IIIの合成関数でも使う。

答

最大値 ()、最小値 ()

別解

式を先に「距離の形」に直してから読む方法もある。 と平方完成できる( をひとかたまりに見た平方完成だ)。この形は「 が からどれだけ離れているか」の2乗、と読める。

  • が最小になるのは のとき。範囲内の で実現でき、最小値は 。
  • が最大になるのは、 が から一番遠いとき。 のとりうる範囲は から で、 からの距離は の側が 、 の側が 。遠いのは 、つまり で、最大値は 。

「 からの遠さ比べ」という1つの物差しで最大も最小も決まる。置きかえの2次関数と同じ結論だが、図として覚えやすい。

ポイント

  • の関数は で置きかえる
  • の範囲は、 の範囲から のとる値で求める
  • が0をまたぐと は0から始まる( の端を2乗するだけではない)

よくある間違い

  • の範囲を ( の端を2乗)としてしまう(正しくは )
  • で最大最小を求めて、 に戻し忘れる
  • 最小値を の範囲の端で探してしまう( の2次関数の頂点 が範囲内にある)