数学I / 2次関数のグラフと最大・最小

2次関数のグラフと最大・最小 ★★★ 応用の問題 全8問

入試標準レベル。複数の考え方を組み合わせる

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 軸が動く最小値 m(a) と、その最大値
  2. 定義域が動く場合の最大値・最小値
  3. 条件式のある2変数関数の最大・最小
  4. 置き換えによる最小値(tの範囲に注意)
  5. x軸から切り取る線分の長さと2次関数の決定
  6. 面積の和の最小値(針金の分割)
  7. 最大値・最小値から係数を決定する
  8. 最小値の条件から係数を決定する(場合分けと吟味)

問1軸が動く最小値 m(a) と、その最大値

★★★ 応用最大・最小場合分け最小値の最大値

問題

を実数の定数とし、関数 ()を考える。

(1) の最小値 を求めよ。

(2) がすべての実数を動くとき、 の最大値と、そのときの の値を求めよ。

ヒントを見る

(1)軸 と定義域の位置で最小 を3場合に。(2)は を『 の関数』と見て、その最大を探す。場合ごとに式が違うので、区間ごとに最大を調べてつなぐ。真ん中の区間は上に凸になることに注目。

解答・解説

方針

2段階の問題。(1)まず軸が動く最小値 を、3場合分けで求める。(2)は、その を今度は『 の関数』とみて、その最大値を求める。

(2)がこの問題の山場。 は の範囲ごとに式が違う(場合分けされている)ので、各区間で の最大を調べて、全体でいちばん大きいものを選ぶ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) (1) は軸が動く 場合分けの復習だ。この問題の山場は (2) にある。

(2) で視点が切り替わる。出来上がった最小値 を、今度は「 の関数」として見直す。 つの問題の中で、考える対象が「 の関数」から「 の関数」へ移る。この二段構えに気づくことが、全体を貫く発想になる。

公式軸が動く最小 は3場合分け。 を の関数と見て、区間ごとに最大を調べる
am(a)O最大 9/42
最小値 m(a) のグラフ。a = 1/2 のとき最大値 9/4

① 平方完成して、頂点・軸を出す。

頂点 、軸 、下に凸。

② 軸の位置で3つに場合分けして、最小値 を出す。 下に凸なので、軸が定義域 の左外・中・右外のどこにあるかで、最小をとる場所が変わる。

軸が左外(): 左端で最小。

軸が範囲内(): 頂点で最小。

軸が右外(): 右端で最小。

③ 今度は を「 の関数」とみて、その最大を探す。 (1)で出た は ごとに式が変わる。3つの区間それぞれで最大を調べ、いちばん大きいものを選ぶ。

・ で : が増えると増える。 に近づくほど大きく、 に近づく。 ・ で : これは の2次関数(上に凸)。平方完成すると

頂点 で最大 。 は区間 の中にある。 ・ で : が増えると減る。 で から下がる一方。

3区間を比べると、いちばん大きいのは真ん中の区間の 。よって

まとめ:『最小値 の最大』という2段構え。(1)で場合分けした を、(2)では の関数として、各区間で最大を調べるのがコツだ。

発展。 じつは は、 を固定して の式と見ると 次式だ。 と、 について直線になっている。

各 ごとに の直線が 本あり、 はそれらの中でいちばん下を通る線をつないだもの(下側の包絡線)にあたる。直線たちの最小をとった関数は、必ず上に凸になる。だから は上に凸で、最大が一点で決まる。

このように「最小の最大」を求める問題を、一般にマクシミン(最悪の値をできるだけ良くする)という。最適化や意思決定の理論で中心となる考え方で、 次関数の場合分けはそのいちばん簡単な例になっている。

答

(1) のとき 、 のとき 、 のとき (2) のとき最大値

別解

別解:すべての放物線が通る定点に注目する(得意な人向けの高い視点)。 を について整理すると、 となる。 の係数 が になる では、 が何であっても値が変わらない。実際 で一定だ。

つまり をどう選んでも、放物線は必ず定点 を通る。 は定義域 の中にある。だから区間内の最小値 はこの定点の高さを超えられない。

あとは、この上限に届く があるかを確かめればよい。頂点が に来る をとると、 となり、区間内の最小はちょうど 。

上限 に実際に届いたので、これが の最大だ。 場合に分けて各区間の最大を比べる本解に対し、こちらは「この放物線の族が共有する定点」を つ見抜くだけで上限が出る。本解と同じく、 のとき最大値 。

ポイント

  • (1)軸が動く最小値 は3場合分け
  • (2) を の関数とみて、各区間で最大を調べる
  • 真ん中の区間 は上に凸で、頂点 で最大

よくある間違い

  • (2) で が区間ごとに違う式であることを忘れ、 つの式だけで最大を求めてしまう。
  • 真ん中の区間 を下に凸と早合点し、頂点で最小と読んで最大を取り逃がす。
  • 頂点 が範囲 に入るかの確認を飛ばし、区間外の値で最大を主張する。

問2定義域が動く場合の最大値・最小値

★★★ 応用最大・最小場合分け定義域

問題

を実数の定数とし、関数 の定義域を とする。

(1) の最小値 を求めよ。

(2) の最大値 を求めよ。

ヒントを見る

(1)最小は動く窓と固定の頂点の位置関係で3場合。(2)最大は端でとる。窓の中央が頂点より左か右かで、遠い端(=最大をとる端)が入れかわる。

解答・解説

方針

(頂点 )で、定義域 (幅2の窓)が動く。(1)最小 は頂点と窓の位置で3場合分け。(2)最大 は窓の両端のうち頂点から遠いほうでとる。窓の中央 が頂点2のどちら側かで、左端・右端が分かれる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 幅 の窓が動く中で、最大と最小の両方を問われている。

最大と最小で、決め手になる原理が違うことが大事だ。最小は「頂点が窓の中にあるか」で決まる。最大は「窓のどちらの端が頂点から遠いか」で決まる。

つを混ぜず、別々の場合分けとして設計する。これがこの問題の出発点になる。

公式定義域(窓)が動く:最小は頂点と窓の位置で3場合、最大は窓の中央が頂点の左右どちらかで端が決まる

平方完成する。

頂点 、下に凸。定義域 (幅2の窓)が動く。

① 最小 を求める。

xyO最小aa+2
最小値の例(a = 1): 軸 x = 2 が定義域 [1, 3] 内 → 頂点で最小

頂点 が窓のどこにあるかで場合分け。窓が頂点より左()なら右端で最小。

窓が頂点を含む()なら頂点で最小。

窓が頂点より右()なら左端で最小。

② 最大 を求める。

xyO最大a+1
最大値の例(a = 0): 中央 a+1 = 1 が軸より左 → 軸から遠い左端で最大

下に凸の最大は窓の両端のうち頂点2から遠いほうでとる。窓の中央は 。中央が頂点2より左()のとき、頂点は窓の右寄りにあり、左端 が遠い。

中央が頂点2より右()のとき、右端 が遠い。

(境目 では両端が同じ高さ。)

まとめ:最小は頂点と窓の位置で3場合、最大は窓の中央と頂点の位置で2場合。どちらもグラフをかいて『頂点から近い・遠い』を見るのがコツだ。

発展。 と は、幅 の窓を位置 でずらしながら、その窓の中の最小値・最大値を読み取ったものだ。これは「移動窓の最小・最大」と呼ばれ、信号処理や画像処理の基本的な操作になっている。

とくに には平らな部分がある。窓が頂点をまたぐ間()、窓の中の最小はずっと のまま動かない。移動窓の最小をとると、谷が平らにならされて広がる。この「最小フィルタ」は画像処理では収縮(エロージョン)、最大をとる「最大フィルタ」は膨張(ダイレーション)と呼ばれる。

つの放物線から、窓を動かすだけで (下に平らな谷をもつ曲線)と ( 字に折れる曲線)という別々の形が生まれる。もとの関数と、窓越しに見た関数は別物になる、という視点が大事だ。

答

(1) のとき 、 のとき 、 のとき (2) のとき 、 のとき

別解

別解:頂点を原点に移し、距離だけで考える(苦手な人向けの視覚ルート)。 と置いて、頂点が原点に来るようにずらす。すると で、定義域 は では になる。

こうすると問題は「区間 の上で が最小・最大になる場所」に言い換えられる。 は原点から遠いほど大きい。話が原点(=頂点)からの距離だけになった。

最小は、区間が原点 をまたぐ(、すなわち )なら、原点で 、 の最小は 。またがないなら、 に近い端で最小。

最大は区間の両端 と のうち から遠いほう。 と を比べると、 となるのは のとき。だから では左端が遠くて最大、 では右端が遠くて最大。

「窓の中央と頂点」を追う本解に対し、こちらは「原点からの距離」だけを見る。同じ場合分けの境目( と )にたどり着き、本解と同じ が得られる。

ポイント

  • 定義域が動く最小は頂点と窓の位置で3場合分け
  • 最大は端。窓の中央と頂点の位置関係で、遠いほうの端でとる
  • 最小と最大で、場合分けの基準が違う

よくある間違い

  • 最大で、頂点から遠いほうの端でなく近いほうの端を選んでしまう。
  • 最小の場合分け()と最大の場合分け()の境目を、同じものと思い込んで取り違える。
  • 窓の幅が で固定なことを忘れ、 と を独立に動かして場合分けを増やしてしまう。

問3条件式のある2変数関数の最大・最小

★★★ 応用最大・最小2変数隠れた条件

問題

実数 が を満たすとき、 の最大値と最小値を求めよ。また、そのときの の値を求めよ。

ヒントを見る

から を作り、 に代入すると だけの2次関数になる。ただし から に範囲がつく。この範囲を見落とすと答えがずれる。

解答・解説

方針

2つの文字 があるが、条件 を使って と1文字に減らす。すると が だけの2次関数になる。 の範囲が大事だ。(2乗は0以上)から 。この範囲で の最大・最小を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 文字が の つあるが、条件式は 本ある。「条件式は文字を つ減らすための道具」と読み替えよう。ここでは を消す。

ただし、消して終わりではない。消された文字にも「実数として存在できる」条件があった。 だ。

これが の動ける範囲として残る。この型でいちばん多い失敗はこの範囲の取りこぼしだ。

公式条件式で1文字消去。 から変域がつく(見落とし注意)
xyO最大 2最小 −2
z = −(x−1)² + 2(−1 ≤ x ≤ 1)。隠れた定義域に注意する

① 条件式で1文字を消す。 条件 から 。 は0以上なので

これが の範囲(定義域)になる。② 消した文字の範囲をおさえてから代入する。 に を代入すると、 だけの2次関数になる。

平方完成する。

頂点 、上に凸。定義域 で見ると、頂点 は範囲の右端。上に凸なので で最大、反対の端 で最小。

( なら で 。 でも 。)

まとめ:2変数でも、条件式で1文字を消せば2次関数になる。消したあとの文字の範囲( から出る)を必ず求めるのが最大のポイントだ。

発展。 この問題の最大が端 で起きたのは、たまたまではない。 を一般化して ()としてみる。

代入すると で、頂点は 。 の動ける範囲は変わらず だ。

なら頂点 は範囲の内側にあり、最大は頂点の高さ 。 になると頂点が範囲の右端 に届き、そこから外へ出る。この問題は で、頂点がちょうど右端 に乗った境目の場合である。係数を動かすと、最大の起きる場所が内部から境界へ移る瞬間が見える。

答

のとき最大値 、 のとき最小値

別解

別解:上と下を因数分解で挟む(得意な人向けの視点)。 代入して になったところで、平方完成して端で評価する代わりに、 が と のあいだに収まることを因数分解で直接示す。

まず上から。 だから、

等号は 。 はつねに 以上なので、範囲を気にせず が言える。次に下から。。定義域 では かつ なので、

等号は 。ここで初めて定義域 (=消した )が意味をもつ。こうして 。最大値 ()、最小値 ()で、本解と同じ結論に至る。因数の符号を見るだけなので、頂点が端にあるかどうかの吟味が要らない。

ポイント

  • 条件式で1文字を消し()、2次関数にする
  • 消した文字の範囲( から )を必ず求める
  • その範囲で平方完成して最大・最小

よくある間違い

  • を代入したあと、 の範囲 を付けずに を自由に動かす。
  • の頂点 が範囲の右端であることを見落とし、最小を反対の端でなく頂点付近で探す。
  • 最大・最小の は求めたのに、対応する ( から )を答え忘れる。

問4置き換えによる最小値(tの範囲に注意)

★★★ 応用最大・最小置き換え

問題

関数 について、次の問いに答えよ。

(1) とおくとき、 がすべての実数を動くときの のとりうる値の範囲を求めよ。

(2) の最小値と、そのときの の値を求めよ。

ヒントを見る

と置く。まず 自体が2次関数だから、 が全実数を動くときの のとりうる範囲(下限)を出す。 の最小はその範囲の中で探し、最後に へ戻す。

解答・解説

方針

とおくと が の2次関数になる。ここで の範囲に注意する。 は の2次関数(下に凸)なので、 の最小は 。 は全実数を動くので 。

この範囲で の最小を求め、そのときの から を(2次方程式を解いて)戻す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 式をよく見ると、同じかたまり が 回現れている。これは置きかえのサインだ。 とおく。

ただし、置きかえには注意点がある。 が自由に何でもとれるとは限らない。 自身が の 次関数だからだ。

だから の動ける範囲を、自分で求める必要がある。「置きかえたら範囲もセットで引っ越す」が合言葉になる。

公式置きかえ 。まず のとりうる範囲(下限)を出し、その範囲で最小を探す
tyOt = −1最小 −3
g(t) = (t−2)² − 3(t ≥ −1)。軸 t = 2 は範囲内にある

① 置きかえた の範囲を出す。 を平方完成する。

は全実数を動くので、 は0以上、 は 以上。

② の式にして、 の範囲で最小を探す。 を で表すと 。平方完成する。

頂点 、下に凸。頂点 は範囲 の中にあるので、 で最小値 。

③ 見つけた を に戻す。 から

解の公式で

よって

まとめ:置きかえの の範囲は、 自体が2次関数なので、その最小()から と決まる。 が単純に全実数になるわけではない点に注意。

発展。 別解で得た形 をもう少し詳しく見る。 だから、 は だけで書ける。 のグラフは直線 を軸に左右対称だ。

対称なので、最小をとる点も左右にペアで現れる。実際 と はどちらも から等しく離れていて、ともに最小値 を与える。真ん中の では と、逆に山になる。

この「谷・山・谷」の形は つの底をもつ 次関数の典型で、物理では二重井戸ポテンシャルと呼ばれる。 つのかたまりの 次式に落ちる 次関数は、こうした対称な二重谷の構造をもちやすい。

答

(1) (2) のとき最小値

別解

別解:置きかえずにそのまま完全平方にする(得意な人向けの視点)。 の範囲を気にせず、 をそのまま平方の形にまとめてしまう手もある。 を つのかたまりと見て、 を「かたまりの 次式」として平方完成する。

は「何かの 乗」から を引いた形になった。 乗は 以上だから、つねに 。あとは 、つまり が実数解をもつかを確かめるだけ。判別式は で、実際に解ける。

の範囲を調べる本解に対し、こちらは を完全平方に押し込み、平方の中身が になれるか(方程式が解けるか)だけを見る。等号が届くので、本解と同じく で最小値 。

ポイント

  • が の範囲
  • の範囲で の最小を求める
  • から に戻すには2次方程式を解く

よくある間違い

  • の範囲を全実数と思い込み、 を落として最小の場所を誤る。
  • の頂点 が範囲 に入るか確かめずに、最小値だけ答える。
  • で止まってしまい、 を解いて に戻す最後の一歩を忘れる。

問5x軸から切り取る線分の長さと2次関数の決定

★★★ 応用2次関数の決定x軸から切り取る線分

問題

の係数が の2次関数のグラフが、 軸から長さ の線分を切り取り、頂点が直線 上にあるという。この2次関数を求めよ。

ヒントを見る

条件を式に。『頂点が直線上』→ 頂点の を で表せる。『 軸から長さ4を切り取る』→ の2解の差が4で、これは判別式(または解の公式)で表せる。2条件から頂点を決める。

解答・解説

方針

の係数が1の2次関数を とおく。条件は①頂点が直線 上、② 軸から切り取る線分の長さが4、の2つだ。①から 。②の『切り取る線分の長さ』は、 とおいた2次方程式の2解の差。この差が4になる条件から を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) かなめは「 軸から切り取る線分の長さ」を、どう式で表すかだ。これは 軸との つの交点の、 座標の差にほかならない。

放物線は軸について左右対称だから、「軸から左右に ずつ」とも読める。長さ という条件が、こうして交点の座標へつながる。

条件は つ(頂点が直線上・長さ )、決めたい未知数も つ(頂点の位置)。数がそろっているので、 式を連立すれば決まる、と見通しを立てる。

公式 軸から切り取る長さ 。頂点 は で表す
xyO頂点長さ 4y = −2x − 1
x 軸から長さ 4 の線分を切り取り、頂点が直線 y = −2x − 1 上にある

の係数が1なので とおく。頂点は 。

条件①(頂点が直線上): 頂点 が 上にあるので 。これを代入すると

条件②(切り取る線分の長さ): 軸との交点は とおいて求める。

2つの交点の 座標の差が切り取る線分の長さ。これが4なので

、両辺2乗して 、。すると 。よって

まとめ:『 軸から切り取る線分の長さ』は2解の差、と読みかえるのがポイント。頂点の条件と合わせて、2つの式から決める。

発展。 「 軸から切り取る長さ」を、もっと一般の水平線 で切る長さに広げてみる。 を で切ると 、交点は で、弦の長さは になる。

長さは頂点の位置 にはよらず、線が頂点よりどれだけ上か()だけで決まる。しかも長さはその深さの平方根に比例して伸びる。

この「弦は深さの平方根で伸びる」性質は放物線に固有のものだ。 軸()の場合が で、この問題では 、すなわち頂点が 軸の だけ下にある、と言い換えられる。切り取る長さは、じつは頂点の深さそのものを測っている。

答

(頂点 )

別解

別解:一般形 と判別式で押す(得意な人向けの視点)。 頂点の形を使わず、 とおいて係数 を直接決める。

軸との交点は の 解。その差は、解と係数の関係から

これが切り取る線分の長さ だから 。 の係数が の放物線では、切り取る長さの 乗がそのまま判別式になる。次に頂点 が直線 上にある条件。、すなわち 。

これを に代入すると 、よって 。すると 。

頂点形で解く本解と同じ答えだが、こちらは「切り取る長さの 乗 判別式」という関係を軸に、一般形の係数をまとめて決めている。

ポイント

  • の係数1 → とおく
  • 頂点が直線上 → を で表す
  • 切り取る線分の長さ = の2解の差

よくある間違い

  • 切り取る線分の長さを、 解の差でなく解の和や積、または 軸方向の長さと取り違える。
  • から を出すとき、両辺を で割る前に 乗して としてしまう。
  • 頂点条件 の代入で符号を誤り、 などとして頂点を取り違える。

問6面積の和の最小値(針金の分割)

★★★ 応用最大・最小文章題

問題

長さ の針金を2つに切り、それぞれを折り曲げて2つの正方形を作る。2つの正方形の面積の和を最小にするには、針金をどのように切ればよいか。また、そのときの面積の和を求めよ。

ヒントを見る

針金を と に切る。それぞれの正方形の面積を で表して和を作ると2次関数。平方完成で最小を求める。対称性から切り方も予想できる。

解答・解説

方針

針金16cmを2つに切り、 cmと cmに分ける。それぞれで正方形を作るので、1辺は周の 。 cmの正方形は1辺 、面積 。同様にもう一方も。面積の和 を の式にして、平方完成で最小を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 文章題では、まず「何を変数にすれば全部が 文字で書けるか」を決める。ここでは切る位置を とおく。

一方が cm、もう一方が cm。それぞれの正方形の面積を で表せば、面積の和は の 次関数になる。変数を決めたら、定義域も同時に書き留める。 も も正の長さだから 。これを式とセットで押さえておく。

xSO最小 8816
S = (x−8)²/8 + 8(0 < x < 16)。x = 8(2等分)で最小

① 片方を とおいて立式する。 針金を cmと cmに切る。それぞれで正方形を作るので、1辺は周の 。定義域は も も正なので

② 面積の和を の式にする。 cmの正方形は1辺 、面積 。 cmの正方形は面積 。面積の和は

③ 平方完成して最小を読む。 分子を平方完成する。

頂点 、下に凸。頂点 は定義域 の中なので、 で最小値 。つまり針金を8cmずつ(等しく2等分)に切ると、面積の和が最小の になる。

まとめ:『2つに分けて、それぞれの面積の和を最小に』は、片方を 、もう片方を として和を の式にする。等分するとき最小、というきれいな結果になる。

発展。 本解の を見ると、 が から離れるほど は大きくなる。では逆に、面積の和を最大にするにはどう切ればよいか。

最大は「片方へ寄せる」方向にある。一方の針金を に近づけると、もう一方は cm、 辺 cm で、面積の和は に近づく。ただし「 つに切る」条件では両端 に届かない。だからこれは達しない上限で、最大値そのものは存在しない。

一般に、長さ の針金を 個に切って正方形を作るとき、面積の和は と書ける。切り分け の和 が一定のもとでは、全部等しく のとき最小 になる。和が一定なら 乗の和は「均等にばらす」ほど小さい、という性質だ。ここでは で 。分ける数 を増やすほど、作れる面積の最小はいくらでも小さくできる。

答

ずつ(等しく2等分)に切るとき、面積の和は最小値

別解

別解:「辺の和が一定」に気づいて不等式で(得意な人向けの視点)。 を追う代わりに、 つの正方形の 辺そのものを とおく。針金の総和は で、、つまり

面積の和は 。これを の条件のもとで最小にしたい。ここで次の不等式が使える。

等号は 、すなわち のとき。辺が cm の正方形が つで、針金は cm ずつだ。

次関数に直して平方完成する本解に対し、こちらは「辺の和が で一定」と見抜き、 乗和の不等式からすぐに下限 を出す。等号成立の条件から、そのまま切り方が分かる。本解と同じく cm ずつで最小値 。

ポイント

  • 正方形の面積は (周の ) の2乗
  • 面積の和 を の式にして平方完成
  • 等分()のとき最小になる

よくある間違い

  • 正方形の 辺を、周そのものや としてしまい( 辺は周の で )、面積を誤る。
  • 定義域 を書かず、 や (片方が消える)を答えに含めてしまう。
  • 「等分で最小」を早合点し、面積の和が最小になる根拠(平方完成や不等式)を示さずに結論だけ書く。

問7最大値・最小値から係数を決定する

★★★ 応用最大・最小係数決定場合分け

問題

とする。関数 ()の最大値が 、最小値が であるとき、定数 の値を求めよ。

ヒントを見る

で軸は 。定義域での最大・最小は、 の符号(上に凸か下に凸か)で頂点と端の役割が入れかわる。 と の両方を調べ、条件に合うものを選ぶ。

解答・解説

方針

。軸は (定義域 の左端)。定義域内では、(頂点)と で値が決まる。

ただし の符号がわからない。(下に凸)なら で最小・ で最大、(上に凸)なら逆。2通りに場合分けして、最大5・最小 の条件から を求める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) かなめは の符号だ。 の正負でグラフが上に凸か下に凸かが変わり、最大・最小を与える場所が入れかわる。

だから「 の場合」と「 の場合」を、最初から つに分けて進めると決める。向きを決めずに計算を始めると、どちらの端が最大か分からず混乱する。場合分けを先に宣言してから手を動かすのがコツだ。

公式最大・最小から係数決定: の符号(上に凸/下に凸)で頂点と端の役割が入れかわる。両方調べる

平方完成する。

軸は で、これは定義域 の左端。定義域内での値は両端 と で決まる。

の符号で、どちらが最大・最小か変わるので場合分けする。

① (下に凸)

xyO最小 −3最大 5
(i) a > 0(答: a = 2, b = −1)。増加なので x = 1 で最小、x = 3 で最大

頂点(左端 )で最小、右端 で最大。

連立を解く。引き算すると 、、。 で条件に合う。

② (上に凸)

xyO最大 5最小 −3
(ii) a < 0(答: a = −2, b = 3)。減少なので x = 1 で最大、x = 3 で最小

頂点(左端 )で最大、右端 で最小。

連立を解くと 、、。 で条件に合う。よって

まとめ: の符号が不明なので、下に凸・上に凸の2通りを両方調べるのがポイント。最大と最小がどちらの端でとるかが入れかわる。

発展。 組の答え と には、きれいな対称性がある。最大 と最小 の真ん中の高さは 。この横線 を鏡にして、 つのグラフは上下反転の関係にある。

実際、 の を で折り返すと で、これが の に一致する。横線で折り返すと最大と最小が入れかわるが、 値の集合 は変わらない。

「最大 ・最小 を指定して係数を決める」問題で解が 組出るのは、多くの場合この鏡映のペアだ。中央値 を軸に上下をひっくり返しても条件を満たす、という対称性がもとになっている。

答

または

別解

別解:端の値の和と差でまとめて決める(得意な人向けの視点)。 軸 は定義域 の左端にある。だから はこの区間で単調で、最大と最小はかならず両端 の値だ。どちらが最大かは分からないが、 値の集合 が になる。

そこで和と差をとる。まず和は、

よって 。次に差の絶対値は最大と最小の差 に等しい。

と合わせて、 なら 、 なら 。

の符号で場合分けする本解に対し、こちらは「端の値の和 最大 最小」「端の値の差の絶対値 範囲」を使い、 が両方の解を一度に出す。本解と同じ 組に至る。

ポイント

  • の符号が不明 → 下に凸・上に凸の2通りを調べる
  • 下に凸なら頂点で最小、上に凸なら頂点で最大(入れかわる)
  • 各場合で連立を解き、 の符号が条件に合うか確認

よくある間違い

  • の場合だけ調べて満足し、 で得られるもう 組 を落とす。
  • 各場合で最大・最小がどちらの端でとるかを取り違え、連立の右辺 と を逆に当てる。
  • 求めた の符号がその場合の前提( か )に合うかの確認を飛ばす。

問8最小値の条件から係数を決定する(場合分けと吟味)

★★★ 応用最大・最小係数決定場合分け

問題

を実数の定数とする。関数 ()の最小値が であるとき、 の値を求めよ。

ヒントを見る

軸 が定義域 の左外・中・右外で場合分けし、各場合の最小を で表す。それを と等しいと置いて を求め、その が『その場合の条件』を満たすか必ず吟味(合わないものは捨てる)。

解答・解説

方針

。軸 が動く。定義域 での最小値が になる を求める。

軸の位置で最小値の式が変わる(3場合分け)。各場合で最小値 の方程式を解き、求めた が『その場合の条件』に合うかを必ず吟味する。合わない解は捨てる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) これは、最小値「が」先に与えられて係数を逆算する逆問題だ。まず順問題(最小値を求める)の場合分けを、そのまま流用する。

軸の位置で つに分け、各場合で「最小値 」という方程式を立てて を解く。ただし、解いて終わりではない。出した がその場合の前提範囲に本当に入っているかを吟味する。ここまでがワンセットだ。逆問題は吟味が命になる。

公式最小値の条件から係数:軸の位置で場合分けし、各場合の が『その場合の条件』を満たすか吟味
xyOx = a最小 −41
(ii) の場合(a = 2 − 2√2 ≈ −0.83): 軸が定義域内で、頂点の値が −4

平方完成する。

頂点 、軸 、下に凸。定義域 での最小値が になる を、軸の位置で場合分けして求める。

② 軸が範囲内(): 頂点で最小。

解の公式で 。数値で見ると

条件 に合うのは ()だけ。 は範囲外なので不適。

③ 軸が右外(): 最小は右端 。

これが なら 、。でもこれは を満たさないので不適。

① 軸が左外(): 最小は左端 。

これが なら 、。でもこれは を満たさないので不適。結局、条件に合うのは②の だけ。よって

まとめ:係数決定は『各場合で方程式を解く → 求めた がその場合の条件に合うか吟味』が命。合わない解を除くのを忘れると、不適な答えまで書いてしまう。

発展。 この問題で を捨てたのは、偶然のミス防止ではなく、場合分けで定義された関数を逆に解くと、必ず「幽霊解」が混じるからだ。

頂点の高さ という式は、 が定義域内()にあるときだけ「最小値」を表す。この前提を外して式だけ解くと、前提の外にいる まで出てくる。これは最小値ではなく、ただ頂点の高さがたまたま になる点にすぎない。

同じ構造は絶対値の方程式や、両辺を 乗して解く問題での無縁解と同じだ。式変形や場合分けは解の候補を広げるので、最後に必ず元の前提(その場合の範囲・元の等式)に照らして検算し、幽霊を振り落とす。逆問題での吟味はこの一般原則の一例になっている。

答

別解

別解:本命の頂点ケースを先に解き、端は評価ですぐに除く(得意な人向けの視点)。 場合を平等に解く前に、最小値 という深い値に届きうるのはどの場合かを見積もる。

軸が右外()なら最小は右端で 。 だから 。軸が左外()なら最小は左端で 。 だから 。どちらもその範囲では になりえない。範囲の端の値を入れて評価するだけで、 つの場合が消える。

残るは軸が定義域内()の場合だけ。頂点の高さは で、これが 。

は に入り、 は入らない。よって 。 場合を機械的に解いて後で吟味する本解に対し、こちらは端の 場合を値域の評価だけで先に落とし、本命の 場合に絞る。本解と同じ に至る。

ポイント

  • 軸が動く最小値 = 与えられた値、を各場合で方程式にする
  • 求めた が『その場合の条件』に合うか必ず吟味する
  • 合わない解は捨てる(吟味が命)

よくある間違い

  • 求めた を吟味せず、その場合の範囲に合わない まで答えに含めてしまう。
  • の解の公式で、 の計算を誤り、 を出しそこねる。
  • 軸が定義域外のとき、最小を頂点の高さ のまま使い、端の値 に切り替え忘れる。