数学I / 2次関数のグラフと最大・最小

2次関数のグラフと最大・最小 最難関編の問題 全8問

東大・京大の最難関レベル。気づきにくい発想や、何段階もの議論が必要な問題

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. ミニマックス(区間での最大値の最小化)
  2. 拘束つき2次形式の最大・最小
  3. 2次関数の合成と方程式の実数解
  4. さいころの目と2次方程式が実数解をもつ確率
  5. 放物線を最もよく近似する直線(最小二乗)
  6. 動く区間での最大値と最小値の差
  7. 放物線への直交2接線がなす点の軌跡
  8. 対称式の値域(2次形式)

問1ミニマックス(区間での最大値の最小化)

最難関編最大最小ミニマックス

問題

実数 に対し、区間 における の最大値を とする。 の最小値を求めよ。

ヒントを見る

「最大値の最小」は下からと上からで挟む。まず の 値から 乗の項だけが残る組合せを作ると、 が消えて下限が見える。

解答・解説

方針

「最大値を最小にする」ミニマックス。(下からの評価)と、等号を与える の存在(上からの評価)で挟む。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「最大値を最小にする」。ミニマックスの問題だ。 の山を、直線の項 でどれだけ打ち消せるかが問われている。

この型の最適化は、両側から挟むのが基本だ。下からは「どんな でも 」という不等式。上からは「 になる実例」。両方そろって初めて、最小値が確定する。

下からの評価には区間の端と中央の値から「2次の係数だけを取り出す」組合せを使う。

重要最小値は「(すべての )」と「 となる が存在」の両方で決まる

① 下からの評価。 とし、 での値を見る。、、 だから

が消えて になった。三角不等式で

もし3つの値がすべて絶対値 なら、左辺 となって矛盾する。よってどれかは 以上。すなわち だ。

② 上からの評価(等号の実現)。 をとると 。 で だから 。すなわち だ。しかも で 、 で に達する。よって 。

①②より最小値は 。

xyO1/2−1/2
g(x)=x²−1/2 は x=0 で −1/2、x=±1 で 1/2。振れ幅 1/2 で符号を変えながら等しい大きさに達する(チェビシェフ)

まとめ: ミニマックスは「下から(不等式)」と「上から(実例)」で挟む。決め手は という、2次の係数だけを残す組合せだ。等号を与える は、両端と中央で符号を変えながら等しい大きさ に達する(チェビシェフ多項式 )。

発展。 区間全体でなく、3点 だけで最大を測っても答えは同じ になる(①はその3点しか使っていない)。さらに一般に、 次の係数1の多項式が区間 で達しうる最大絶対値の最小は で、実現するのがチェビシェフ多項式だ。本問はその の姿である。

答

別解

対称性で当たりを付ける(直感ルート)。 区間 も も 軸に関して左右対称だ。なら、最適な直線も左右対称のはず。傾きは と当たりを付けてよい。

残るは だけ。 を考える。 は区間上で から まで動くから、 の値は から までの帯になる。帯の中の絶対値の最大は

2つの値は のとき等しくなり、そのとき最大は 。帯 を上下対称の に置いた瞬間が、いちばん「薄く」見える瞬間だ。

これで候補 ()が立つ。「これより小さくできない」ことは本解①の不等式で保証されている。対称性で候補を絞り、不等式で締める。分業させると、それぞれの仕事が軽くなる。

ポイント

  • ミニマックスは下からと上からで挟む。
  • で を消す。

よくある間違い

  • 下界の評価で の係数2を落とし、 から とする。等号例の と食い違ったら、係数を疑う。
  • 実例()を出さずに「最小値 」と断言する。下界と達成例の両方がそろって初めて最小値になる。
  • を の式で書き切ろうとして、場合分けの海に沈む。最大値の場所は とともに動く。本問は「評価で挟む」方法に切り替えて解く。

問2拘束つき2次形式の最大・最小

最難関編2次形式最大最小

問題

を満たす実数 に対し、 の最大値と最小値を求めよ。

ヒントを見る

拘束が なら、単位円のパラメータ表示で 変数に。 倍角の公式でそろえると振れ幅が読める。

解答・解説

方針

単位円上の点として とおき、 倍角で の 次にそろえる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 拘束 のもとでの2次式の最大最小だ。 とおけば、拘束は自動的に満たされ、1変数 の問題に落ちる。

2次の項は2倍角の公式で の1次にそろえる。すると振れ幅がそのまま読める。

公式2倍角: 。単位円のパラメータ表示 は拘束 を自動で満たす

① 単位円のパラメータ表示。 とおく。

(、 を使った。)

② 振れ幅を読む。 だから、 は

まとめ: 拘束つき2次式は「単位円のパラメータ表示 → 2倍角 → 振れ幅」で出る。定数 は対角の係数から、振れ幅 は交差項 から来ている。これは行列 の固有値 に一致する(2次形式の最大最小=固有値)。

答

最大値 、最小値

別解

三角関数を使わない(数Iの道具だけの最短路)。 拘束 を、式にそのまま食べさせてしまう。

問題は「円の上で はどこまで動けるか」に縮んだ。ここで実数の基本不等式 ( の言い換え)を使うと、。つまり

端も実現する。 で (このとき )。 で ()。

よって 。三角関数も合成も要らず、実質2行で終わる。「拘束を代入して式を縮める」と「」。対称式の2大道具の見本だ。

ポイント

  • 単位円のパラメータ表示で 変数化。
  • 最大最小は係数行列の固有値 。

よくある間違い

  • 拘束を忘れて 単独の最小を探しにいく( は円の上にない)。拘束つきの問題は拘束をどう使うかが本体。
  • 円の上で と見積もる。実は から で、2倍きつい。
  • の範囲を などに狭め、 が に届かないと誤解する。円は1周()回す。

問32次関数の合成と方程式の実数解

最難関編合成関数方程式の実数解

問題

を実数とし、 とする。方程式 が相異なる 個の実数解をもつような の値の範囲を求めよ。

ヒントを見る

次方程式をまともに解かない。「 を満たす は も満たす」に気づくと、 が因数分解できる。

解答・解説

方針

の解は も満たすので、 は で割り切れる。 つの 次式に分け、判別式と共通解で条件を出す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) は4次方程式。正面から解くのは重い。

ここで構造に気づきたい。 を満たす (不動点)は、2回写しても動かない。つまり自動的に を満たす。すると は を因数にもち、2つの2次式の積に分かれる。

あとは、それぞれの判別式と、共通解の排除で条件を出すだけだ。

重要 は を因数にもつ(不動点は周期2点でもある)

① 因数分解する。 。実際に割ると(または展開して確かめると)

② 2つの2次式が実数解をもつ条件。 相異なる4実数解 ⟺ 各2次式が相異なる実数解をもち、かつ共通解をもたない。

  • : 判別式
  • : 判別式

③ 共通解を排除する。 2式を引くと 。共通解の候補は だけだ。 に代入すると 。つまり のときだけ共通解をもつ。 なら共通解はない。

以上より、求める範囲は 。

xyOy=x
c=−1 のとき y=f(f(x))=x⁴−2x² と y=x は相異なる4点で交わる(f(f(x))=x の4実解)

まとめ: 「不動点は周期2の点でもある」から が因数に出る。ここに気づけば解ける。4次を2つの2次に割れば、判別式2本と共通解の排除で条件が決まる。厳しいほうの が答えを支配する。

発展。 3回写して戻る点()を求めると、8次方程式になる。そこから先は「周期点がどう増えていくか」という力学系の問いだ。 という単純な式が、 しだいで極めて複雑な軌道(カオス)を生むことが知られている。本問で扱った周期2の点は、その中でいちばん単純な場合である。

答

別解

縦の放物線と横の放物線で見る(図形ルート)。 のグラフと、それを直線 で折り返した曲線 (横向きの放物線)を重ねてみる。

実は、 の実数解は、この2曲線の交点の 座標と一致する。 かつ なら となるからだ(逆に なら、 とおけば2式が立つ)。

xyO(0, −1)(−1, 0)
c=−1: 縦の放物線 y=x²−1(青)と横の放物線 x=y²−1(赤)。交点4個のうち2個は対角線 y=x 上(不動点)、残り2個は直線 x+y=−1 上で対になる

交点を計算しよう。2式 を引き算すると

整理して 。つまり交点は対角線 上(不動点、)にあるか、直線 上(2回で入れ替わるペア、代入して )にある。

本解の2つの2次式が「対角線上の交点」と「対角線をはさんで対になる交点」という図形の言葉で言い換えられた。相異なる4解の条件は、2つの放物線が4回交わる条件そのものだ。

ポイント

  • は で割れる。
  • 判別式2本+共通解の排除で 。

よくある間違い

  • 4次式を展開して、因数定理などで正面から割ろうとする。 から直接因数を見つけるのは難しい。「不動点の因数を先取り」が設計。
  • 共通解の排除を忘れて と閉じる。 では2式が を共有し、解は3個に減る。
  • 2つの判別式条件 と を「または」でつなぐ。4解には両方必要で、共通部分(厳しい方)だけが残る。

問4さいころの目と2次方程式が実数解をもつ確率

最難関編確率判別式

問題

個のさいころを 回投げ、出た目を順に とする。 次方程式 が実数解をもつ確率を求めよ。

ヒントを見る

実数解の有無は判別式 。 ごとに となる目の組 を数え上げるのが確実。

解答・解説

方針

実数解をもつ ⟺ 判別式 。 を固定して となる を数える。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「実数解をもつ」を条件式で表す。目は だから 。必ず2次方程式で、実数解 ⟺ 判別式 、すなわち だ。

は独立で全 通り。 を固定して「 となる の個数」を数えるのが整理しやすい。

重要()が実数解をもつ 判別式

① ごとに となる を数える。

  • : 。 より 個
  • : 。 の 個
  • : 。: の 個
  • : 。 の個数 個
  • : 。 の個数 個
  • : 。上の に (2個)と (1個)を加えて 個( は目の積で作れない)

② 合計する。

まとめ: 判別式 に書き直し、 ごとに の を数える。 の各値を作る組の個数を丁寧に数えるのが確実だ。2次関数(判別式)と確率(数え上げ)の融合になっている。

答

別解

集計の向きを変えて検算する( を固定)。 数え上げは集計の向きを変えると独立な検算になる。今度は積 の側から数えてみよう。

の値ごとに「その積を作る組の数」と「 となる の個数」を掛けて足す。、つまり だけが残る。

  • (1組): の5個
  • (2組): の4個
  • (2組): の3個
  • (3組): の3個
  • (2組): の2個
  • (4組): の2個
  • (2組): の1個
  • (1組): の1個

合計は 。本解と一致した。二重の数え上げは、どちらの文字を固定するかで数え方が変わる。両方の向きで数えて一致させるのは、答えの信頼を自前で作る技術だ。

ポイント

  • 実数解 。
  • ごとに の を数えて 。

よくある間違い

  • (1次になる)場合の場合分けを始めてしまう。さいころの目は だから で、つねに2次。最初の一言で片づく。
  • 「実数解をもつ」を (重解を除く)で数える。重解も実数解。等号込みの で数える。
  • と を同じものとして1回しか数えない。 と は役割の違う独立な目で、順序をつけて数える。

問5放物線を最もよく近似する直線(最小二乗)

最難関編最小二乗定積分

問題

実数 に対し とする。 を最小にする の値と、そのときの最小値を求めよ。

ヒントを見る

は の 次式。 それぞれで最小化すると、 と (直交条件)になる。

解答・解説

方針

は の 次式。 それぞれで最小化する条件は「残差 が と に直交」()。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 放物線 を、直線 で区間 上「最もよく近似」する問題(最小二乗)だ。

を展開すれば の2次式になる。だから各文字で平方完成すれば解ける。ただ、同じことを「残差の2乗和が最小 ⟺ 残差が、近似に使った関数( と定数 )に直交する」と見ると、連立がすぐに立つ。

重要 かつ (残差の直交条件)

① 直交条件を書く。 を使う。

② 連立を解く。 上の式から 。下に代入すると 。よって 、。

③ 最小値を求める。 残差は近似 に直交するから、。

xyOy=x−1/6y=x²
放物線 y=x²(0≤x≤1)を最もよく近似する直線 y=x−1/6(最小二乗)。残差の2乗の積分が最小 1/180

まとめ: の最小化は「残差が と に直交」、つまり の連立になる。最小値は だけで出る(残差 ⊥ だから)。2次関数と定積分の融合だ。

発展。 「残差を、使った関数たちに直交させる」のは最小二乗法の一般原理で、データの分析で学ぶ回帰直線とまったく同じ考え方だ(和が積分に変わっただけ)。近似に使う関数を増やしても、直交条件を並べるだけで最良近似が求まる。

答

、最小値

別解

平方完成だけで押し切る(2次関数の基本の方法)。 直交という言葉を使わなくても、 は の2次式だから、平方完成の腕力で最小化できる。展開する( を各項に使う):

まず について平方完成:

残った の部分も平方完成:

2つの平方は で同時に0にできる。よって最小値 。積分は最初の展開の1回だけ。あとは数Iの平方完成そのものだ。最小値 が式の定数項として直接目に見えるのが、この方法の利点である。

ポイント

  • 最小化 ⟺ 残差が に直交。
  • 、最小値 。

よくある間違い

  • 「両端で一致する直線」「頂点で接する直線」など、幾何の当てずっぽうで を決める。最小化は計算(直交条件か平方完成)で。
  • などの値を暗算で落とす。 の表を先に書いてから代入する。
  • 最小値を の真正面の展開で計算して、分数の海に沈む。残差⊥近似を使えば だけで済む(平方完成なら定数項がそのまま答え)。

問6動く区間での最大値と最小値の差

最難関編最大最小場合分け

問題

実数 に対し、区間 における の最大値から最小値を引いた値を とする。 の最小値を求めよ。

ヒントを見る

幅 の区間を動かす。区間が頂点 を含むかどうかで最小値の位置が変わる。含むとき、両端が頂点から等距離になる位置を疑え。

解答・解説

方針

幅 の区間を動かす。区間が頂点 を含むか否かで場合分け。含むとき最小は頂点、最大は遠い端。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 幅1の区間を数直線の上で滑らせながら、放物線 の「区間内での山と谷の差」を測る問題だ。

放物線は で最小。だから、区間が原点をまたぐかどうかで、最小値の場所(端か、頂点か)が変わる。 で場合分けする。

重要下に凸の関数の、区間での最小は「頂点(含むとき)か端」、最大はつねに「どちらかの端」

① 場合分け。

  • : 区間は で増加。最大 、最小 。
  • (すなわち ): 区間は で減少。最大 、最小 。
  • : 区間は頂点 を含む。最小は 、最大は両端のうち遠いほう 。

② 頂点を含む場合の最小化。 。このとき両端は頂点から等距離で、。 が から離れると、遠い側の端が高くなって は増える。

③ 全体。 各場合の最小は、 で 、 で 、 で 。よって の最小値は 。

xyO最小0最大1/4
幅1の区間が頂点を含むとき、両端が等距離になる [−1/2,1/2] で「最大−最小」=1/4−0 が最小

まとめ: 動く区間の最大最小は「区間が頂点を含むか」で場合分けする。含むとき最小は頂点、最大は遠い側の端だ。両端が頂点から等距離になる で、差がいちばん縮む。図で区間を滑らせると、その瞬間が見える。

発展。 区間の幅を に変えると、同じ議論で最小値は になる(本問は )。さらに、下に凸ならどんな関数でも「両端の高さが等しい位置」が差を最小にする。放物線に限らない、凸さだけから出る原理だ。

答

()

別解

鏡映しの対称性で当たりを付ける(得意な人向け)。 は偶関数だ。区間 を原点で折り返すと、区間 に移る。折り返しても の値の集まりは変わらない。だから

つまり関数 は を中心に左右対称だ。対称な関数の最小は対称の中心で起こると当たりを付けたくなる。実際、 の側で が増える一方であることを(場合分けで)確かめれば、正当化できる。中心 での値は、区間 で最大 ・最小 、差は 。

場合分けの計算(本解)と同じ答えに、対称性という一段高い視点から降りてくるルートだ。「問題の対称性は、答えの場所を教える」。この感覚は最適化の問題のあちこちで役に立つ。

ポイント

  • 区間が頂点を含むかで場合分け。
  • 両端が等距離の で 。

よくある間違い

  • 「区間の中央が頂点に来るとき最小」と結論だけ書き、根拠(両端が等距離 ⟺ 両端の高さが等しい)を言わない。
  • 頂点を含む場合だけ調べて、含まない場合()との比較を省く。最小値は全場合の比較で決まる。
  • 最大値をつねに右端 と思い込む。 では左端 の方が頂点から遠くて高い。 の切り替わりが 。

問7放物線への直交2接線がなす点の軌跡

最難関編接線軌跡

問題

点 から放物線 へ相異なる 本の接線が引け、それらが互いに直交するとき、点 の軌跡を求めよ。

ヒントを見る

接点を とおく。 を通る条件は の 次方程式で、 接線はその 解。直交は傾きの積が 。あとは解と係数の関係。

解答・解説

方針

接点を とおくと接線は 。 を通る条件は の 次方程式。 接線= 解、直交=傾きの積 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 「点から放物線への2接線」は、接点のパラメータ の2次方程式に持ち込むのが基本だ。

接線の傾きは 。だから2本の直交条件は2解 の積で書ける。解と係数の関係で を点 の座標で表せば、軌跡が出る。

公式 の点 における接線

① を通る条件。 、すなわち

2本の接線 ⟺ この の2次方程式が相異なる2実解 をもつ(判別式 、つまり )。解と係数の関係で 。

② 直交条件。 2接線の傾きは だから、直交 ⟺ 、すなわち 。 を代入して

③ 逆の確認。 なら ()がどの でも成り立ち、たしかに2本引ける。よって軌跡は直線 。

xyO準線 y=−1/4A
準線 y=−1/4 上の点Aから y=x² に引いた2接線は直交する。Aの軌跡は y=−1/4

まとめ: 接点パラメータ の2次方程式に直し、「2接線=2解」「直交=傾きの積 」を解と係数の関係でつなぐ。得られた は放物線の準線(焦点は )。「準線上の点から引いた2接線は直交する」という有名な事実になっている。

発展。 楕円で同じ問い(直交2接線の交点の軌跡)を立てると、答えは円になる(準円と呼ばれる)。放物線の準線は、その円が無限に大きくなった極限の姿だ。曲線が変わっても、「直交2接線の交点」という問いの構造は生きている。

答

直線 (放物線の準線)

別解

傾き を未知数にする(もう1つの2次方程式)。 接点でなく、接線の傾きをパラメータにしても解ける。点 を通る傾き の直線は 。放物線 と接する条件は、連立した

が重解をもつことだ。判別式 から

これは の2次方程式。2本の接線の傾き はその2解で、解と係数の関係から 。直交 とあわせて 、すなわち 。

接点 を使う本解と、傾き を使う本ルート。どちらも「2本の接線=ある2次方程式の2解」という同じ形で、変数の選び方だけが違う。微分を知らなくても接線を扱えるのは、判別式 (重解)が「接する」を表すからだ。

ポイント

  • 接点 の 次方程式に直す。
  • 直交 、軌跡は準線 。

よくある間違い

  • 2本引ける条件(、点が放物線の下側)と、逆の検分(③)を落とす。軌跡の答案は「必要」と「十分」の両方で閉じる。
  • 直交条件を と書く。傾きは でなく で、正しくは 。係数2を掛け忘れている。
  • 接線の式 を天下りに使う。数Iの範囲でも、 と直線の連立が重解をもつ条件(判別式0)から同じ式が導ける。

問8対称式の値域(2次形式)

最難関編対称式値域

問題

実数 が を満たすとき、 のとりうる値の範囲を求めよ。

ヒントを見る

対称式は の言葉に。拘束も目標も で書け、 を代入すると 変数 に。 の範囲は「 が実数」から。

解答・解説

方針

とおくと拘束は 、目標は 。 の範囲を実数条件 から出す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 拘束も目標も対称式だ。こういうときは、基本対称式 よりも、 の言葉で書くと見通しがよい。

拘束は 、目標は 。 を代入すれば、目標は だけの式になる。あとは のとりうる範囲を、「 が実数」という条件から出せばよい。

重要実数条件: ( の言い換え)。対称式の値域は、この条件が変数の範囲を決める

① で書き換える。 とおく。拘束 、目標 。 より

② の範囲。 が実数だから 。すなわち 、 だ。

  • のとき: 。よって
  • のとき: 。よって

あわせて (端は で 、 で が実現)。

③ 目標の範囲。 は の減少関数。 で最大 、 で最小 。

まとめ: 対称式は に置き換える。拘束と目標がともに の1次で書けるから、 の代入で1変数に落ちる。 の範囲は実数条件 から出る。2次形式の値域問題の典型だ。

答

別解

和と差の座標に乗り換える(得意な人向け)。 とおくと、対称式はきれいに割れる。、 だから、拘束は

目標は

拘束から ()。代入して

が から まで動くので、値域は から 。最小は ( の方向)、最大は ( の方向)で起こる。

拘束の曲線は 座標で見ればまっすぐな楕円 だ。斜めに置かれた2次式は45°回した座標(和と差)で対角化される。数Cで学ぶ主軸変換の、いちばん素朴な形である。

ポイント

  • で 変数化。
  • 実数条件 で の範囲、。

よくある間違い

  • (基本対称式)で始めると、拘束が 、目標が と2文字のまま残って迷子になる。 を使えば両方が の1次。
  • 実数条件 を書かずに を自由に動かす。 の範囲 はこの条件から出ている。
  • 端の実現例( で 、 で )の確認を省く。範囲の両端は達成できて初めて範囲になる。