数学I / 実数と1次不等式

実数と1次不等式 ★★★★ 難関の問題 全8問

旧帝大・早慶レベル。一部の単元に用意した挑戦枠

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 対称式の値(2乗・3乗で作る)
  2. 二重根号を含む式の計算
  3. 絶対値を含む方程式(右辺に文字)
  4. 整数部分・小数部分と関係式
  5. 連立1次不等式の整数解の個数(パラメータ)
  6. 3項の分母の有理化
  7. 絶対値方程式の解の個数(距離で読む)
  8. 入れ子の絶対値を含む不等式

問1対称式の値(2乗・3乗で作る)

★★★★ 難関対称式根号符号の決定

問題

のとき、次の値を求めよ。

(1)  (2)  (3)

ヒントを見る

を 乗・ 乗すると、求めたい式が出てくる。ただし は 乗から作るので、最後に符号を の正負で決めることを忘れずに。

解答・解説

方針

なので、与式を 乗・ 乗すると中央の項が定数になる。(1)は から求め、符号は の正負で決める。(2)は 。(3)は 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) この種類の問題では を使う。与式を 乗・ 乗すると、真ん中の項が定数になる。

(1) 。 を入れて 。符号は の正負で決まる。

(2) は 、(3) は を使う。基本の対称式を つ知れば、あとは組み立てるだけだ。

公式、 

① (1) を求める。 。よって 。符号は による。 すなわち の解は で、 のとき 、 のとき 。

② (2) を求める。

③ (3) を求める。 を移項して

まとめ:対称式の値は「与式を 乗して欲しい式を作る」。 だから中央項が定数になり、次々と値が出る。 のように 乗から作る量は、最後に符号を の正負で確定する。ここを落とすと答えが不完全になる。

発展。 の解 は黄金比 。 は を満たし、(フィボナッチ数 )と展開できる。 の値が整数()で並ぶのは、この数列がフィボナッチ・リュカ数列と関係しているからだ。

答

(1) ( で 、 で ) (2)  (3)

別解

別解: を実際に求めて代入する(苦手な人向け)。 の両辺に を掛けると 、解の公式で 。

正の解 (黄金比)を使って直接計算してみる。

負の解 なら 。

(2)(3) も具体値を入れれば 、 になる。対称式の変形(本解)が「 を求めずに答える」方法なのに対し、こちらは「 を求めて代入」する、手間はかかるが確実な方法だ。 が黄金比とその共役だと気づくと、なぜきれいな値が出るかも見える。

ポイント

  • なので 乗・ 乗で中央項が定数化する。
  • の符号は の正負で場合分けして決める。

よくある間違い

  • (1) の符号を片方だけにする(。 の正負両方を検討する)。
  • の ()を落とす。
  • (3) の の展開の係数を誤る。

問2二重根号を含む式の計算

★★★★ 難関二重根号根号

問題

次の式を簡単にせよ。

(1)  (2)

ヒントを見る

二重根号は「内側のルートの前を にそろえて を探す」。あるいは、求める式全体を 乗すると中の二重根号が打ち消し合って消えるのを利用する。

解答・解説

方針

二重根号を外すには内側の の前を にそろえる:、。または和・差を丸ごと 乗して二重根号を消す。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 二重根号は「内側の根号の前を にそろえる」と外れる。 と直す。

(和 ・積 の 数が )。だから 。あるいは、和や差を丸ごと 乗して二重根号を消す手もある。 から、すぐに と分かる。

公式二重根号  ()

① 二重根号を外す。 と、 の前を にそろえる。和が 、積が の 数は と だから 。よって

② 和と差を計算する。

まとめ:二重根号は「前を にそろえて和と積」。ただし 数の和・差を問われたら、別解のように丸ごと 乗して積 を作るほうが速い。どちらでも が正であること(符号)の確認は必須。

発展。 二重根号 が外れる( になる)のは、和 ・積 を満たす有理数 があるとき、つまり が平方数のとき。 で とすると で外れる。「外れるかどうか」は判別式が平方かで決まる。

答

(1)  (2)

別解

別解:和と差を先に求め、連立で個々を出す(得意な人向けの視点)。 、 を、 乗して同時に扱う。

より 。同様に

二重根号を外す(本解)代わりに、「 乗すると内側の積 が有理数になる」ことを使う。(元の 数の和の 倍)、 という関係もあり、 など、和と差をセットで扱うと検算もできる。

ポイント

  • の前を にそろえ、和 ・積 から を作る。
  • 和・差なら丸ごと 乗する別解が速い()。

よくある間違い

  • 二重根号を外すとき内側の の前を にそろえず、 の形が見えない。
  • の分母 を有理化し忘れる、または和・差を取り違える。
  • 乗ルートで ( なので )を確認せず、符号を誤る。

問3絶対値を含む方程式(右辺に文字)

★★★★ 難関絶対値場合分け方程式

問題

方程式 を解け。

ヒントを見る

と の中身が になる を境に、 つの区間に分ける。各区間で絶対値を外し、出た解がその区間に入るかを必ず確かめる。

解答・解説

方針

絶対値の中身が になる を境に区間を つに分け、各区間で絶対値を外して 次方程式を解く。出た解がその区間に入るかを必ず確認する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 絶対値は「中身が になる点で場合分け」が基本。 と の符号が変わる で区間を つに分ける。

各区間で絶対値を外すと、ただの 次方程式。、、 で と等しくなる を求める。検算が大事だ。出た解が「その区間の中にあるか」を必ず確かめる。区間の外に出た解は捨てる。

重要絶対値は中身が になる点で場合分けし、外したあと、解がその区間に属するか必ず確認する

① のとき。 。方程式は 、、。これは を満たさないので不適。

② のとき。 。、、。これは を満たすので適。

③ のとき。 。、、。これは を満たすので適。

よって 。

xyOy=x+1x=5
y=|x−1|+|x−3|(谷)と y=x+1 の交点 → 解は x=1, x=5

まとめ:絶対値の方程式は「境目で区間分け → 各区間で外す → 区間チェック」。右辺に が入るタイプは、区間の端(ここでは )が答えになったりならなかったりするので、採否の確認が欠かせない。

発展。 右辺を の直線に変えると、傾き の直線が「皿型」の折れ線と何回交わるかで解の個数が変わる。傾きが の斜面より緩い()ので、直線は各斜面と高々 回ずつ交わる。左辺と右辺のグラフの交点で数える見方は、絶対値を含む方程式ならどれにも使える。

答

別解

別解:左辺を折れ線グラフとして図で捉える(視覚で納得するルート)。 のグラフを描く。 では傾き 、 では平ら()、 では傾き の「皿型」の折れ線。

一方 は傾き の直線。この つのグラフの交点の 座標が解だ。

  • 平らな部分()と直線 の交点: で (区間 に入る)。
  • 右上がり部分()と直線: で (区間 に入る)。
  • 左下がり部分は直線と交わらない(傾きの関係で)。

交点は の つ。場合分けで解く(本解)のと同じだが、グラフにすると「なぜ 解か」「なぜ左側に解がないか」が一目で分かる。右辺が動く()問題こそ、 つのグラフの交点で見ると迷わない。

ポイント

  • 境目 で 区間に分け、各区間で絶対値を外す。
  • 得た解がその区間に属するかを必ず確認する(①の は不適、②の は適)。

よくある間違い

  • 場合分けした各区間で出た解が、その区間内にあるかの確認を飛ばす(区間外の解を拾う)。
  • 絶対値を外すときの符号を誤る( で 、)。
  • での方程式 の解 が区間の端であることを見落とす(重複して数えない)。

問4整数部分・小数部分と関係式

★★★★ 難関整数部分小数部分根号

問題

の整数部分を 、小数部分を とする。

(1) を求めよ。 (2) の値を求めよ。 (3) を根号を用いて表せ。

ヒントを見る

が連続する整数のどこに挟まれるかで整数部分が決まる。小数部分は 。 の両辺を 乗すると、 の満たす関係式が出る。

解答・解説

方針

より 、。 を 乗して 、すなわち 。これは だから 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) まず の整数部分。 だから 、整数部分 。小数部分は 。

(2) は を直接乗するより、 を乗するのが速い。、すなわち 。根号が消える。

(3) は を と見ると 。 を戻せば根号の式になる。

重要小数部分 は 。 で表し、根号を片側に寄せて 乗すると の関係式が出る

① (1) 整数部分。 より 。よって 、小数部分は 。

② (2) 関係式を作る。 の両辺を 乗して

③ (3) を求める。 ②は とも書ける。両辺を で割ると

(有理化 と一致する。)

34√13b
√13≈3.606。整数部分 a=3、小数部分 b=√13−3

まとめ:小数部分は「本体 − 整数」で表し、根号を片側に寄せて 乗すると の関係式が得られる。この関係式を使うと、 乗の値や の計算がぐっと軽くなる。

発展。 は の解、つまり を根にもつ最小の次方程式 ()から来る。無理数の小数部分はこうして「整数係数の次方程式の解」として捉えられる。 が再び の式になるのも、 が代数的数(方程式の解)だからだ。

答

(1)  (2)  (3)

別解

別解: を有理化で直接出す(苦手な人向け)。 だから、。分母の共役 を分母分子に掛けて有理化する。

を経由する本解と同じ 。(2) の も、 を直接代入して確かめられる: 、。足すと 。 の項がきれいに消える。「 を乗」(本解)は、この相殺を先取りした賢いやり方だ。

ポイント

  • から 、。
  • を 乗して 、これで も出る。

よくある間違い

  • の整数部分を とする( で整数部分 )。
  • 小数部分を (負)とする(正しくは )。
  • (2) で を直接乗して が残り、計算を複雑にする( を乗が速い)。

問5連立1次不等式の整数解の個数(パラメータ)

★★★★ 難関1次不等式連立不等式整数解パラメータ

問題

についての連立不等式

を満たす整数 がちょうど 個となるように、定数 の値の範囲を定めよ。

ヒントを見る

まず各不等式を について解き、 の動ける範囲を の形にする。整数を 個だけすくうには、下の境目 がどの整数とどの整数の間にあればよいか。

解答・解説

方針

各不等式を解くと かつ 。整数解が の 個になる条件は、 が入り が入らないこと、すなわち 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) まず各不等式を解いて の範囲を出す。 から 、 から 。

解は 。この中の整数がちょうど 個になる を探す。 側は固定だから、整数 の 個が入り、 が入らない条件を書く。すなわち が含まれ()、 が含まれない()。境界の等号の向きに注意する。

① 各不等式を解く。 から 、。 から 、。よって範囲は

② 整数解を数える。 上端 は含まれ、 は と下に並ぶ。 個ちょうどにするには を含み を含まないこと。すなわち下端が 以上 未満:

( で が範囲に入り、 で が外れる。)

③ について解く。 各辺を 倍して 、よって

まとめ:パラメータ入りの整数解の個数は「範囲を出す → 動く端を整数と見比べる」。端が整数に一致する瞬間()に個数が変わる。 では 、 だから は外れて 個(だから を含む)。 では 、 が外れて 個(だから を除く)。等号の吟味がすべて。

発展。 「整数解がちょうど 個」型は、 端固定・ 端可動の「窓」を数直線上で動かし、整数の隙間に端を置く問題に帰着する。境界の等号の向き( か か)が答えの端点を決めるので、元の不等式の等号の有無を最後まで保つのが肝心。線形計画法や、数直線上の場合分けの基礎練習になる。

答

別解

別解:数直線で「 個入る窓」を動かす(視覚で捉えるルート)。 解は 。右端 は固定で、左端 が とともに動く「可動の壁」だ。

整数 を数直線に並べ、 側から数えると、含まれる整数は の順。ちょうど 個()にするには、可動の壁 が「 と の間」に来ればよい。

左の等号( を除くために壁は 以上でよい: なら で は入らない)、右の非等号( を入れるために壁は 未満: )に注意。解くと 。

不等式を代数で処理する(本解)のと同じだが、「可動の壁を整数の隙間に置く」と、境界の等号・非等号がどちらを向くかを間違えにくい。

ポイント

  • 範囲は 。上端固定・下端が で動く。
  • 整数 をすくう条件 から 。

よくある間違い

  • 不等式 を解くとき、 で不等号を反転せず とする(正しくは )。
  • 整数 個の条件の境界で、等号の向き( か か)を取り違える。
  • (等号なし)なのに、 を含めて数える。

問63項の分母の有理化

★★★★ 難関有理化根号

問題

次の式の分母を有理化せよ。

ヒントを見る

項を つの塊に分け、和と差の積 を作れる形を探す。 回では消えきらず が残るので、もう一度有理化する。

解答・解説

方針

項は一度に消せない。 と の 塊に分け、 を掛ける。分母は 。残った をさらに掛けて有理化する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 項の分母は一度には消せない。 塊に分けるのがコツだ。 と に分け、共役 を分母分子に掛ける。

分母は 。まだ根号が残るが、 つになった。残った をさらに分母分子に掛ければ有理化完了。 段階で消す。

公式和と差の積 (平方すると根号が減るのを利用)

① 塊に分けて 回目。 とみて、分母・分子に を掛ける。分母は

よって

② を消す。 分母・分子に を掛ける。

③ 根号を簡単にする。 だから

まとめ: 項の有理化は「 塊に分けて和と差の積 → 残った単項の根号をもう一度」。塊 を 乗すると新しい根号 が出るが、それは次の一手で消せる。どの 項を塊にするかは自由で、答えは同じになる。

発展。 を含む式の有理化は、 種の符号の積 が有理数になることに基づく。これは体の理論(有理数体に を添加した拡大体)の「共役をすべて掛けるとノルム=有理数」という一般法則の初等版。根号が増えるほど掛ける共役も増える。

答

別解

別解: の「共役」を全部掛ける(得意な人向けの高い視点)。 つの根号の符号を反転させた 種の積を考えると、まとめて有理化できる。 の組合せ

を計算すると有理数になる(各段階で平方の差を作ると根号が消える)。この積は と整理でき、有理数 … のように。

実用上は本解の段階(まず を掛け、次に )が速い。 項の有理化は「 塊に分けて共役 → 残った 根号をもう一度」の段構えが定跡で、答えは 。分母に の「全共役」を掛ける発想は、より根号が増えたときの一般論につながる。

ポイント

  • と に分け、和と差の積で を消す。
  • 残る を再度掛けて有理化、 を整理。

よくある間違い

  • 項を一度に有理化しようとして詰まる( 塊に分けるのが定跡)。
  • の計算 を誤る。
  • の段階で有理化を止め、まだ根号が残っていることを見落とす( をもう一度掛ける)。

問7絶対値方程式の解の個数(距離で読む)

★★★★ 難関絶対値解の個数場合分け

問題

を定数とする。 についての方程式 の実数解の個数を、 の値によって調べよ。

ヒントを見る

は「 から までと までの距離の和」。この和がいちばん小さくなるのはどこで、その最小値はいくつか。値 をそれと比べる。

解答・解説

方針

を「 と 点 との距離の和」とみる。 では和は端どうしの距離 で一定(最小)、外に出ると増える。左辺の値 をこの最小値 と比べる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) を「数直線上の から、 点 までの距離の和」とみる。この見方に気づけば解ける。

が と の間()にあるとき、距離の和は端どうしの距離 で一定(これが最小)。外に出ると、出た分だけ増える。だから左辺は 以上の値しかとらない。 をこの最小値 と比べて、(解なし)、(区間まるごと)、( 点)と分類する。

重要 は「 定点 からの距離の和」で、最小値は 点間の距離 。しかも最小は区間 全体で達成される(谷が平ら)

① 左辺の意味と最小値。 は と 点 との距離の和。 にあるとき、和は端どうしの距離 に等しく一定。区間の外では遠ざかるぶんだけ より大きくなる。よって左辺の最小値は 。

② で分類する。

  • :左辺は より小さくなれないので、解なし( 個)。
  • : のすべてで左辺 。よって解は無数(区間全体)。
  • :区間 の左と右に つずつ、ちょうど 個。
xyOa>3(2個)a<3(0個)
y=|x−1|+|x−4|(最小3)。y=a との交点数=解の個数(a<3で0個, a=3で無数, a>3で2個)

まとめ: は「 定点からの距離の和」で、最小値は 点間の距離、しかもその最小は区間 全体で達成される。この「平らな谷」を見落とすと、 の無数解を取りこぼしてしまう。

発展。 の最小値 は 点間の距離。点が増えて になると、最小値を与える は中央値(奇数個ならど真ん中、偶数個なら中央 点の間で一定)。統計で「絶対偏差の和を最小にするのは中央値」という性質そのものだ。

答

のとき 個、 のとき無数(区間 のすべて)、 のとき 個

別解

別解: と のグラフの交わりで数える(視覚で納得するルート)。 左辺のグラフは「皿型」の折れ線。 で傾き 、 で底が平ら()、 で傾き 。最も低いところが 。

水平線 をこのグラフに重ねて、交点の数を数える。

  • : 水平線が皿の底より下。交点なし( 個)。
  • : 水平線が平らな底とぴったり重なる。区間 のすべてが交点(無数)。
  • : 底より上。左の斜面と右の斜面で つずつ、計 個。

距離の和として読む(本解)のと同じだが、「皿型のグラフに水平線を上下させる」と、 で交わりが線分になる(無数解)という特殊なケースも見落とさない。左辺が「底が平ら」なのは、 点の間では距離の和が一定だからだ。

ポイント

  • 左辺 距離の和。最小値は 、区間 で一定。
  • で 個、 で無数、 で 個。

よくある間違い

  • の最小値を とする( 点間の距離 が最小、 で一定)。
  • のとき解を 個(または 個)とする(区間 全体が解=無数)。
  • で解を 個とする(左右の斜面で つずつ、 個)。

問8入れ子の絶対値を含む不等式

★★★★ 難関絶対値不等式

問題

不等式 を解け。

ヒントを見る

外側の絶対値から 枚ずつはずす。 は 。中に残った の不等式を、 つの条件に分けて解く。

解答・解説

方針

外側の絶対値からはずす:。 だから 。さらに と を各々解いて両方を満たす をとる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 入れ子の絶対値は、外側から 枚ずつ外す。。

外側を外すと 、すなわち 。内側の絶対値だけの不等式になった。これを つに割る。()と ( または )。両方を満たす が答えだ。

公式、  または

① 外側をはずす。 は

② 内側を 条件に分ける。 から 、すなわち 。 から または 、すなわち または 。

③ 両方を満たす をとる。 かつ( または )より

−2024
||x−1|−2|<1 ⟺ 1<|x−1|<3 ⟺ x∈(−2,0)∪(2,4)

まとめ:入れ子の絶対値は「外側から 枚ずつ」。はずすたびに不等式が増えるので、最後は つの条件を同時に満たす をていねいにとる。 は「 からの距離が と の間」と読むと、答えが を中心に左右へ 区間になることも納得できる。

発展。 絶対値を 重に入れ子にした のグラフは、山と谷が増えたジグザグの折れ線になる。外側から 枚ずつ開く(または内側から置換する)と、解が複数の区間に分かれて現れる。入れ子の深さだけ場合が増える、絶対値の階層構造の練習だ。

答

または

別解

別解: とおいて段階に分ける(苦手な人向け)。 入れ子を一度に扱わず、()と置換する。すると不等式は 。

これは が から距離 未満、すなわち 。 を に戻すと 。これは「 が から距離 より遠く、 より近い」。数直線で を中心に、半径 の外・半径 の内、という本のドーナツ状の帯。

外側から外す(本解)のと同じだが、 と一度置換すると「 という素直な形」になり、 の条件( は自動的に満たす)も確認しやすい。中心 からの距離で読むと、 つの区間が左右対称に出るのも見える。

ポイント

  • 外側 を ではずし 。
  • と を両立させ、 区間 と を得る。

よくある間違い

  • 外側の絶対値 を に開く際、 の代入を誤る。
  • を つ( と )に分けず、片方だけ解く。
  • の解( または )の「または」を「かつ」と取り違える。