数学II / 積分の考え
面積を2等分する直線
問題
放物線 と直線 で囲まれた部分の面積を、直線 ()が 等分する。定数 の値を求めよ。
ヒントを見る
縦に切る( で積分)より、横に切る( で積分)ほうが素直な問題。高さ のところでの図形の幅を で表すところから始めよう。
解答・解説
方針
高さ での横幅は、放物線 から 。面積を について積分すると計算がやさしい。全体の面積の半分が、 から までの上側の面積に等しい、という式を立てる。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 面積を 等分する問題。 で積分すると根号が出て扱いにくい。
そこで発想を切り替え、 について積分する。
高さ での横幅は、放物線 から 。これを 方向に積み上げる。
あとは「上側の面積 全体の半分」とおけば、 の方程式が立つ。 で切りにくい形は で切る、という視点の転換が核だ。
① 全体の面積を 積分で出す。 高さ での幅は 。
② 上側の面積を で表す。 から まで。
③ 「上側 = 全体の半分」とおく。 。
④ を解く。 両辺を 乗する。
まとめ:横線で面積を分ける問題は、 で積分(横に切る)と一気にやさしくなる。幅 を で積分し、「上側 = 半分」の方程式を解く。 から 。
発展 — 一歩先へ。 同じ問いを や一般の ( は偶数)で考えると、 等分の高さ がどう変わるか見える。
高さ での幅は から 。これを から まで積分すると、下側の面積は全体の 倍になる。 等分の条件は 、すなわち 。
なら指数は で 、本問と一致する。 が大きくなると指数 は に近づき、 は下がって に近づく( で約 、 で約 )。曲線 は が大きいほど底が平らになり、囲む図形は幅 の長方形に近づくので、 等分線 は真ん中の に寄っていく。
(すなわち )
別解
別解 — 放物線をアフィン変換で伸縮する(得意な人向けの視点)。 放物線 は、 を 倍・ を 倍という縦横で倍率の違う伸縮(アフィン変換)で、自分自身に重なる。
いま「放物線と で囲む全体」を、 方向に 倍、 方向に 倍してみる。すると は に移り、全体は「放物線と で囲む下側」にちょうど重なる。
これは縦横で倍率が違う拡大(相似ではない)だから、面積は縦横の倍率の積 倍になる。つまり下側の面積は全体の 倍だ。
等分は「下側 全体の半分」だから 、すなわち 。積分を一度もせずに、図形の伸縮だけで本解と同じ が出る。
ポイント
- 横線で分ける → で積分(幅 )。
- 「上側の面積 = 全体の半分」で方程式。
よくある間違い
- 高さ での幅を片側の とし、 の 倍を忘れる。
- 「上側 全体の半分」を「上側 全体」と取り違え、方程式の右辺をまるごとにしてしまう。
- から を出すとき 乗を忘れ、 のままにする。