ライプニッツの公式で積の第n次導関数を求める

文: KOSNiZ·最終更新: 2026年11月9日

積 の第 次導関数は、積の微分 を 回くり返して求めます。くり返すと現れる係数は二項係数で、その結果を1つの式に整理したものがライプニッツの公式です。片方の関数が多項式なら和の大部分の項が になり、第 次導関数を短い式で表せます。

公式の形と二項定理との対応

と で積の微分をくり返すと、次の式になります。

係数の と は、 と を展開したときの係数と同じです。一般の では次の形になります。

公式ライプニッツの公式

二項定理と同じ係数になる理由は、展開のしくみが同じだからです。 をもう1回微分すると、各項の か のどちらか一方の微分の回数が1つ増加します。 に をかけると各項の か の次数が1つ上がることと同じ構造で、係数の関係 もそのまま成り立ちます。証明はこの係数の関係を用いた数学的帰納法です。二項定理は式と証明の単元で扱っています。

片方が多項式なら、和の項は数個になる

多項式は次数より多く微分すると になります。 なら 、 で、 以降はすべて です。そのため、和のうち でない項は の3項だけです。

例として を考えます。 とすると なので、

となり、整理すると です。 を代入すると になり、直接微分した結果と一致します。 が小さい場合を代入して照合すると、係数の誤りを発見できます。

どちらを 、どちらを とするかは、和の項が少なくなるほうを優先します。多項式の側を とすると、 が次数を超えた項から になるので、和を途中で打ち切れます。

値だけを求める問題

「 における第 次導関数の値を求めよ」という問題では、さらに多くの項が になります。 の第 次導関数の での値を例にします。

の微分は で、 では です。 にならないのは を含む の項だけで、

となります。 で、 です。

この計算ではくり返し登場する関数の第 次導関数の形を把握しておく必要があります。

どれも を実際に計算して規則を推測し、数学的帰納法で確認できます。微分法の計算の応用の第n次導関数(三角関数)と、難関の第n次導関数(分数関数)で練習してください。

両方とも多項式でないとき

のように、どちらの関数も何回微分しても にならない場合は、ライプニッツの公式の和が 項のままです。結果として正しくても、短い式にはなりません。

このような関数は、1回目と2回目の導関数を計算して規則を推測するほうが簡単です。 なら、1回微分すると で、微分のたびに 倍されて角が ずつ大きくなります。三角関数の合成で形を整理する考え方は、実戦編のe^x sin x の高次導関数で扱っています。

等式を 回微分して漸化式を導く

ライプニッツの公式には、関数が満たす等式を 回微分して、導関数の値の漸化式を導くという利用法もあります。 を例にします。

の両辺を 回微分します。右辺は と の積で、 の微分は となるので、和は2項だけになり、

が得られます。 を代入すると です。、 から、、 と順に求められ、奇数回の導関数の値はすべて になります。

この方法の利点は、関数そのものの第 次導関数が複雑な形になる場合にも、 での値なら求められることです。最難関編の1/(1+x²) の第 n 次導関数の値は、この考え方で解ける問題です。

つまずきやすいところ

最も多い誤りは二項係数を記述し忘れて のような2項だけの式にしてしまうことです。 で に が含まれることを確認すれば防止できます。

次に多いのは多項式の側の微分を途中で にし忘れることと、反対に でない項まで省略することです。 でない項は、 なら まで、 なら までです。漸化式を導く方法では、式が成り立つ の範囲(上の例では )を確認してから値を代入してください。

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