総合演習 / 力学の融合

運動量とエネルギー — 衝突と振動をつなぐ

運動量保存で衝突や分裂の直後をとらえ、その後をエネルギー保存・単振動・放物運動で追う問題です。「衝突は運動量、そのあとは別の道具」という段の切り替えを鍛えます。

全 8 問(応用 3・最難関編 5)。課程の学習順に並んでいます。

問1 空中で分裂しても重心は放物線 最難関編物理・平面内の運動

質量 の花火が、水平方向の速度 、鉛直方向の速度 で打ち上げられた。、空気抵抗は無視する。

O最高点で分裂水平 10 m/s・鉛直 19.6 m/s
打ち上げられた花火。最高点で 2 つに分裂する。

(1) 最高点に達する時刻と、そのときの高さ・水平距離を求めよ。

(2) 分裂しなければ、どこに落ちるか。

(3) 最高点でちょうど質量 ずつの つに分裂し、一方の速度が になった(その場から真下に落ちた)。他方の速度を求め、 つの破片の落下地点を求めよ。

(4) つの落下地点の中点が (2) の落下点に一致することを確かめ、その理由を述べよ。

問2 弾道振り子 ★★★ 応用物理・運動量と力積

軽い糸でつるした質量 の木片に、水平に飛んできた質量 の弾丸が撃ち込まれ、一体となって振れ上がり、最高で の高さまで上がった。弾丸の撃ち込まれる直前の速さ を求めよ。重力加速度の大きさを とする。

v=?0.020 kg0.980 kgh=0.10 m
弾丸が木片に合体し、振り子として h=0.10 m まで振れ上がる
問3 ばね付き台車への衝突(エネルギーの行方) ★★★ 応用物理・運動量と力積

なめらかな水平面上で、質量 の物体 A が速さ で、軽いばねを取り付けた質量 の物体 B(静止)に、ばねの側から衝突した。(1) ばねが最も縮んだ瞬間の 2 物体の速さ (2) そのときばねに蓄えられている弾性エネルギー (3) その後、ばねが元に戻って A と B が離れたときの、それぞれの速度 を求めよ。

A 2.0 kg4.0 m/sB 2.0 kg(静止)
ばねの側から衝突。縮んで、また押し返す
問4 重ねて落とした 2 球(エネルギーの集中) 最難関編物理・運動量と力積

質量 の球Aの真上に、質量 の球Bを接するようにのせ、床から高さ のところで静かに放す。2 球は接したまま落ち、まずAが床に当たる。

床との衝突、AとBの衝突はどちらも弾性衝突とし、球の大きさと空気抵抗は無視する。重力加速度の大きさを とする。

(1) 床に当たる直前の速さを求めよ。

(2) Aが床ではね返った直後の、AとBの速度をそれぞれ答えよ。

(3) その直後に起こるAとBの衝突について、衝突直後のAとBの速度を求めよ。

(4) Bが達する最高点の高さを求めよ。

(5) A、Bの質量の比を自由に変えられるとすると、Bの達する高さは の何倍まで大きくできるか。

A(3m)B(m)h放す
質量 3m の球 A の上に質量 m の球 B をのせ、高さ h から静かに放す。
問5 間に何をはさむと最も速くなるか 最難関編物理・運動量と力積

なめらかな水平面上の一直線上に、質量 の球A、質量 の球B、質量 の球Cがこの順に並んでいる。BとCははじめ静止しており、Aが速さ でBに向かって進む。

まずAとBが衝突し、続いてBとCが衝突する。衝突はすべて弾性衝突で、運動はこの直線上だけで起こる。

(1) BとCの衝突が終わったあとのCの速さ を、 で表せ。

(2) を変えずに だけを変えるとき、 を最大にする を求めよ。

(3) とする。(2)の の値と、そのときの を求めよ。またBを置かずにAを直接Cに衝突させた場合のCの速さと比べよ。

問6 スイングバイで探査機を加速する 最難関編物理・円運動と万有引力

宇宙探査機(質量 )が、速さ で一直線上を進んでいる。その正面から、質量が探査機よりはるかに大きい惑星が、速さ で近づいてくる。探査機は惑星の重力に引かれて向きを変え、進んできた向きへ跳ね返された(惑星のそばを回り込んで戻ってきたとみなす)。惑星の質量は探査機に比べて十分大きく、この間の惑星の速さは変わらないとする。

(1) 惑星とともに動く観測者から見ると、探査機の速さは近づく前と跳ね返った後で変わらない。その理由を、はたらく力とエネルギーの観点から述べよ。

(2) もとの観測者(惑星が動いて見える立場)から見た、跳ね返った後の探査機の速さを求めよ。

探査機速さ u惑星速さ V
探査機と惑星が正面から近づく(u と V は与えられている)
問7 弾丸の衝突とばね振動(融合) ★★★ 応用物理・単振動

なめらかな水平面上に、ばね定数 のばねの先に付けた質量 の木片が静止している(ばねは自然長)。質量 の弾丸が速さ で木片に撃ち込まれ、一体となってばねを押し縮めながら振動を始めた。(1) 一体となった直後の速さ (2) ばねの最大の縮み(=振幅) (3) 振動の周期 をそれぞれ求めよ。 とする。

0.30 kg8.0 m/s0.10 kgk=40 N/m
弾丸が木片に撃ち込まれ、一体でばね振動を始める
問8 振動する台に物体を乗せる — 中心か、端か 最難関編物理・単振動

なめらかな水平面上で、ばね定数 のばねにつながれた質量 の台が、振幅 の単振動をしている。

この台の上に、質量 の物体を、水平方向の速度を与えずにそっと乗せる。台と物体のあいだの摩擦は十分に大きく、乗せた物体はごく短い時間で台の上ですべらなくなり、以後は台と一体になって運動するものとする。台と水平面のあいだの摩擦は無視する。

M中心で乗せる端で乗せる
振動する台の上に物体をそっと乗せる。中心を通る瞬間に乗せる場合と、端で止まった瞬間に乗せる場合を比べる。

(1) 物体を乗せる前の、台の周期・最大の速さ・振動の全エネルギーを求めよ。

(2) 台が振動の中心を通過する瞬間に物体を乗せた。乗せた直後の速さと、その後の周期・振幅・全エネルギーを求めよ。

(3) 台が振動の端で一瞬止まった瞬間に物体を乗せた。その後の周期・振幅・全エネルギー・最大の速さを求めよ。

(4) (2) と (3) で全エネルギーに差が出る理由を述べよ。