物理 / 運動量と力積
ばね付き台車への衝突(エネルギーの行方)
問題
なめらかな水平面上で、質量 の物体 A が速さ で、軽いばねを取り付けた質量 の物体 B(静止)に、ばねの側から衝突した。(1) ばねが最も縮んだ瞬間の 2 物体の速さ (2) そのときばねに蓄えられている弾性エネルギー (3) その後、ばねが元に戻って A と B が離れたときの、それぞれの速度 を求めよ。
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「最も縮んだ瞬間」を言い換えると、A と B の間の距離が変化しなくなる瞬間、つまり 2 つの速度が等しくなる瞬間である。そこで保存則を使う。ばねはエネルギーを蓄えて返す(失わない)ことが (3) の鍵になる。
解答・解説
方針
最も縮んだ瞬間=2 物体の速度が等しい瞬間(相対速度 0)。保存則で共通速度 2.0 m/s。KE の差 16−8=8.0 J がばねに蓄えられる。離れるときはエネルギーが全部戻るので弾性衝突と同じ=等質量で速度交換。
解答
⓪ 発想 — どう考え始めるか。 ばね越しの衝突は「スローモーションの弾性衝突」である。最も縮んだ瞬間=相対速度が 0=2 物体が同じ速度という読み替えができれば、あとは保存則の出番。ばねは蓄えたエネルギーを全部返すから、離れた後は弾性衝突の結果と一致する。
① 最も縮んだ瞬間の速さ。 共通速度を として運動量保存:
② ばねのエネルギー。 エネルギー保存(ばねに移った分が差額):
③ 離れた後。 ばねが を返すので全体は弾性衝突と同じ。等質量だから速度交換:
まとめ 「合体したときの KE(①②の状態)」は瞬間的に実現しては元に戻る——合体の損失エネルギーの正体は、ばねなら返してもらえる預け金である。ばねを硬い粘土に変えると預け金は返らず(熱になる)、合体で終わる。弾性・非弾性の違いが、この 1 つの装置で統一的に見える。
(1) ともに (2) (3) A: (静止)、B: (速度交換)
別解
相対運動のエネルギーで見るルート(得意な人向け)。 ばねに蓄えられる最大エネルギーは「相対運動のエネルギー」
( は換算質量 )。重心運動のエネルギー は決して奪えない——衝突で賭けられるのは相対運動の分だけという原理の、最も見やすい実例である。
ポイント
- 最も縮む瞬間=速度が等しい瞬間
- ばねのE=KEの差額(預け金)
- 全部返れば弾性衝突と同じ結果
よくある間違い
- 最も縮んだ瞬間に A だけ止まると考える
- (2) で共通速度の KE を引き忘れて 16 J とする
- (3) で合体のまま 2.0 m/s ずつと答える