数学C / 空間ベクトル

空間ベクトル ★★★ 応用の問題 全8問

入試標準レベル。複数の考え方を組み合わせる

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. 一次独立なベクトルによる分解
  2. 空間ベクトルの大きさの最小値
  3. 点と平面の距離
  4. 四面体の体積
  5. 空間のなす角(応用)
  6. 球面と直線の交点
  7. 4点が同一平面上にある条件
  8. 平行四辺形の面積(外積)

問1一次独立なベクトルによる分解

★★★ 応用1次結合

問題

、、 とする。 を の形に表せ。

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成分で書くと 元連立だが、係数が階段状になっている。 成分から順に決まっていく仕掛けだ。下から順に攻めよう。

解答・解説

方針

成分ごとに比べて の連立方程式を作る。 成分 → 成分 → 成分の順に、決まるものから解くと速い。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 一次独立な ベクトルによる分解は、成分ごとの連立方程式に帰着する。

成分から始めると が即決まる。続いて 成分で 、 成分で と、芋づる式に解ける。「上三角の連立は、決まる成分から順に解く」という効率化の発想だ。

重要 ベクトルの 次結合は成分比較で連立。決まる成分から順に解く

① 成分で書く。

② と成分比較する。

③ 下から順に解く。 。 から 。 から 。

abcd=(3,2,1)O
d=(3,2,1)=a+b+c。a=(1,0,0), b=(1,1,0), c=(1,1,1) の和でたどり着く

まとめ:一次独立な ベクトルなら、空間のどんなベクトルも一意に分解できる。この は「階段状」なので、 成分()から 、 と順に決まる。上三角の連立で解きやすい形だ。

発展。 この が「どんな でも一意に分解できる」のは、 本が一次独立だから。空間の座標系(基底)として使える、ということだ。

一次独立かどうかは、 本を並べた行列の行列式が でないかで判定できる。ここは を並べると右下がりの三角形の形になり、行列式は対角成分の積 。だから確かに基底になっている。

分解の係数 は、 を新しい座標系で読んだ「座標」にあたる。基底をうまく選ぶと、この問題のように連立が階段状になり、上から順・下から順に一息で解ける。基底の取り替えは見やすい座標へ問題を移す操作だ。

答

()

別解

別解:差でできる基本ベクトルに読み替える(得意な人向けの視点)。 の差をとると、見慣れた基本ベクトルが現れる。

つまり 、、 は 軸方向の単位ベクトルそのもの。だから は、この 本で とすぐ書ける。これを について整理する。

連立を下から順に解く本解と同じ 。 の成分 が、そのまま「差の基本ベクトル」で見たときの座標になっている、というしくみだ。

ポイント

  • 一次独立な ベクトルで一意に分解。
  • 決まる成分から順に(下から)解く。

よくある間違い

  • 成分比較の連立を 成分()から解こうとして、 文字が絡み合い手が止まる。
  • の成分 を、そのまま係数 と早合点する(正しくは )。
  • が一次独立(分解が一意)であるかを確かめず、求めた係数の検算を省く。

問2空間ベクトルの大きさの最小値

★★★ 応用内積最小

問題

、 とする。 が実数全体を動くとき、 の最小値を求めよ。

ヒントを見る

乗を展開して の 次関数の最小値 → 最後にルート。空間になっても流れは平面と同じ。

解答・解説

方針

( の 次関数)の最小値を平方完成で求め、その平方根をとる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) そのものは、根号がついていて扱いにくい。そこで 乗した を考える。

これは の 次関数になる。平方完成で最小値を出し、最後に平方根をとればよい。「大きさの最小は、 乗の最小を求めてから平方根」という流れは、平面ベクトルのときと同じ。空間でも変わらない。

重要 の最小を平方完成で求め、平方根をとる

① 各量を求める。 、、。

② の 次関数にする。

③ 平方完成する。

最小値 ( のとき)。

④ 平方根をとる。

a+tb の直線a最小(垂線の足)O
|a+tb| 最小=原点から直線 a+tb への垂線の長さ = 3/√2

まとめ:大きさの最小は「 乗の最小 → 平方根」。 が の 次関数になるので平方完成。最小値 のルートを有理化して 。これは点 の終点から直線 への最短距離だ。

発展。 は、 のどんな値でも 以上。長さの 乗だから当然だ。

「 の 次式がつねに 以上」ということは、判別式が 以下ということ。式で書くと 、すなわち 。これはコーシー・シュワルツの不等式そのものだ。

しかも最小値 が になるのは と が平行なとき。最小の長さがちょうど 、つまり直線が原点を通る場合にあたる。 つの 次関数の中に、不等式と幾何が同居している。

答

(すなわち )

別解

別解:垂線の足として幾何的に見る(得意な人向けの視点)。 は始点 から向き に伸びる直線上の点。その原点からの距離 が最小になるのは、この直線へ原点から垂線をおろした足のときだ。

垂線の足では、 が方向 と垂直になる。内積 から

このとき を「 方向の成分」と「 に垂直な成分」に分けると、最小の長さは垂直成分の長さ。三平方の定理から

平方根をとって 。平方完成する本解と同じ答え。 次関数の最小が、じつは「点から直線への最短距離」だと見えると、 の意味もはっきりする。

ポイント

  • の最小 → 平方根。
  • 最小値 のルートを有理化。

よくある間違い

  • 乗して平方完成する前に、 のまま最小を求めようとして詰まる。
  • 平方完成で出た最小値 を、平方根に直さずそのまま答えとする。
  • の有理化を忘れ、分母に根号を残したままにする。

問3点と平面の距離

★★★ 応用平面距離

問題

点 と、原点を通り法線ベクトルが である平面との距離を求めよ。

ヒントを見る

点と平面の距離は、点の位置ベクトルを法線方向に射影した長さだ。内積を法線の大きさで割る形で出せる。

解答・解説

方針

点 から平面までの距離は、 が平面から法線方向にどれだけ離れているかの長さ。 を法線 の向きに射影した長さで、 で求まる。まず「なぜこの式で距離が出るのか」を押さえるのがコツ。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 平面は、原点を通り法線 に垂直な「かべ」。点 からの距離は、 が の向きにどれだけ離れているかで決まる。

つまり距離は を法線 の向きに射影した長さ だ。「距離=法線方向への射影の長さ」という、内積(射影)を使った発想が核になる。

重要原点を通り法線 の平面と点 の距離 ( の法線方向の成分の長さ)

① まず、距離とは何かを絵で考える。 平面は原点 を通り、法線 に垂直な「かべ」。点 からこのかべまでの距離は、 が の向きにどれだけ離れているか、つまり を の向きへ射影した長さだ。

nP(1,2,3)HO
点 P(1,2,3) と 法線 n=(1,2,2) の平面(原点通過)の距離=|n·P|/|n|=11/3

② その「射影の長さ」を、内積で取り出す。 と のなす角を とすると、射影の長さは 。一方、内積は 。見比べると、内積は「射影の長さ」を 倍したものだと分かる。だから内積を で割れば、射影の長さ=求める距離になる。

③ では内積を計算する。 内積は成分どうしをかけて足すだけ。、 だから

④ で割る。 法線の大きさは 。よって

まとめ:点と平面の距離は「 を法線 の向きに射影した長さ」。内積 はその長さを 倍した値なので、 で割れば距離になる、という仕組みだ。これは平面 と点 の距離公式 と全く同じ計算になっている。

発展。 距離の公式で絶対値を外した (この問題では )は、符号まで含めて意味を持つ。正なら は法線 が向く側、負なら反対側、 なら平面の上だ。

だから つの平面は空間を の側と の側の つの半空間に切り分ける。いまは だから、 は法線の向く側にいると分かる。

「絶対値をとる前の値」は、距離だけでなく向き(どちら側か)も運んでいる。この符号つきの見方は不等式の表す領域を調べるときや、線形計画法で空間を半空間へ分けるときに役に立つ。

答

別解

別解:平行な平面のものさしで測る(苦手な人向けの視覚ルート)。 の値を とすると、 を変えるごとに という平面が、もとの平面 と平行に並ぶ。等間隔にずれた「ものさしの目盛り」だ。

目盛り が 増えるごとに、平面は法線方向へ ずつ進む。法線 の大きさが だからだ。点 を代入すると 。 は目盛り の平面の上にいる。求める平面は の目盛り。

目盛り 個ぶんで、 目盛りが になる。射影で求める本解と同じ。平行な平面を「等間隔のものさし」と見ると、代入した値そのものが目盛りの番号になる。

ポイント

  • 距離 ( の法線方向の成分)。
  • 内積 (射影の長さ)なので、 で割ると距離になる。

よくある間違い

  • 内積 を で割り忘れ、 をそのまま距離としてしまう。
  • の平方根を取り忘れ、 で割ってしまう。
  • 平面が原点を通る()ことを見落とし、余分な定数項をつけて分子を誤る。

問4四面体の体積

★★★ 応用体積

問題

点 、、、 を頂点とする四面体の体積を求めよ。

ヒントを見る

辺が直交する四面体は、直方体から切り出した形。直方体の体積の何分の にあたるかを思い出そう。

解答・解説

方針

四面体の体積は平行六面体の体積の 。。 辺が直交するので計算が楽。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 四面体の体積は、同じ 辺が作る平行六面体の 。式で書くと だ。

「四面体は平行六面体の 分の 」という関係が要になる。スカラー三重積で平行六面体の体積を出し、 すればよい。ここは 辺が直交するので計算はさらに楽になる、と見通す。

公式四面体の体積 (平行六面体の )

① 辺を確かめる。 、、 は互いに直交( 軸方向)。

② 平行六面体の体積を求める。 直交する 辺の平行六面体は直方体。

③ にする。 四面体は平行六面体の 。

OABC
軸上の四面体 O-ABC(O原点, A(1,0,0), B(0,2,0), C(0,0,3))。OA·OB·OC は互いに垂直、体積=⅙·1·2·3=1

まとめ:四面体(三角錐)の体積は同じ 辺で作る平行六面体の 。ここは 辺が直交する直方体なので、体積 の で 。底面積 × 高さ × でも と一致する。

発展。 四面体が平行六面体の になる「」は、じつは 。この分数は次元ごとに規則正しく変わる。

平面では、三角形は平行四辺形の 。空間では、四面体は平行六面体の 。 次元へ上げると、いちばん単純な立体は 本のベクトルが作る箱の になる。

は つの分数の積である。底面の三角形が平行四辺形の 、その三角錐が柱の 。。「三角形の半分」と「錐の 」がかけ合わさっている、と見ると腑に落ちる。

答

別解

別解:斜めの面 ABC を底面にとる(得意な人向けの視点)。 底面を直角三角形 でなく、斜めの面 にとっても、同じ体積が出る。

の面積は 、 の外積の大きさの半分。外積は で、大きさ 。だから面積は 。

高さは頂点 から平面 までの距離。平面は だから、 との距離は 。体積は錐の公式で

辺が直交する箱から を取る本解と同じ。どの面を底にしても体積は変わらない、という当たり前が、計算でも確かめられる。

ポイント

  • 四面体 スカラー三重積。
  • 平行六面体の 。

よくある間違い

  • 四面体の体積に をかけ忘れ、平行六面体の のまま答える。
  • 底面積 高さ の (錐の係数)を落とし、 としてしまう。
  • スカラー三重積を使うとき、四面体の と錐公式の を取り違える。

問5空間のなす角(応用)

★★★ 応用なす角

問題

、 のなす角 の余弦 を求めよ。

ヒントを見る

内積と大きさの計算あるのみ。 つのベクトルの大きさがそろっている点に気づくと検算しやすい。

解答・解説

方針

。 なので分母がきれいになる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) なす角は で求まる。

この問題は で、 つの大きさがそろっている。すると分母が ときれいになる。「大きさが等しいと分母が簡単」という見通しを立ててから代入する。

公式なす角

① 内積と大きさを求める。

② を計算する。

abθO
a=(1,2,2), b=(2,2,1) のなす角。cosθ=8/9

まとめ: と大きさがきれいなので、 とすっきり出る。 は特別な角ではないので、 の値のまま答える(角そのものは求めない)。

発展。 には、射影の意味を読み取れる。 を「 に平行な成分」と「 に垂直な成分」に分けると、平行な成分の長さは だ。

いまは なので、平行な成分は 。 そのものが「 のうち の向きにそろっている割合」になっている。

垂直な成分の長さは ( から)。平行成分 と垂直成分 を三平方で合わせると に確かに戻る。 は を平行方向と垂直方向へ分ける「分け前」を決めている。

答

別解

別解:二等辺三角形の半分の角から出す(得意な人向けの視点)。 に注目する。原点 と の終点 が作る三角形 は、 の二等辺三角形だ。

底辺 の長さは 。 だから 。二等辺三角形は頂点 から底辺へおろした垂線で左右対称に割れる。この直角三角形から

倍角の公式 に入れて

内積と大きさから出す本解と同じ 。 辺が等しいときは、底辺の長さだけで半分の角が分かり、 倍角ですぐに が出る。

ポイント

  • 。
  • 特別な角でなければ のまま答える。

よくある間違い

  • 分母を と和にする(正しくは積 )。
  • 大きさの平方根を取り忘れ、 を分母に使う。
  • が特別な角でないのに、無理に角度 を求めようとして手が止まる。

問6球面と直線の交点

★★★ 応用球面

問題

原点を中心とする半径 の球面と、 軸()との交点の座標を求めよ。

ヒントを見る

軸上の点は と書ける。これを球面の式に代入すれば の方程式になる。

解答・解説

方針

球面 に直線の点 を代入する。 から 。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 球面と直線の交点は、直線の点を球面の式に代入して求める。

軸上の点は 。これを球面 に入れると 、つまり が出る。「図形の交わりを、パラメータの方程式に直して解く」という発想だ。

重要交点は「直線の点を球面の方程式に代入して媒介変数を求める」

① 球面の方程式を書く。 原点中心・半径 。

② 直線の点を代入する。 軸上の点は 。

③ 交点を書く。

x(3,0,0)(−3,0,0)
半径3の球面(中心O)と x軸の交点は (±3,0,0)

まとめ:球面と直線の交点は「直線の媒介変数表示を球面の式に代入」。 の方程式が出て、その解の個数が交点の個数( 個・ 個(接する)・ 個)。ここは 軸なので 、球が 軸を貫く 点だ。

発展。 直線を球面の式に代入すると、 の 次方程式ができる。その解の個数が交点の個数だ。 個なら貫き、 個(重解)なら接し、 個ならすれ違う。

どれになるかは中心から直線までの距離 と半径 の大小で決まる。 なら 点、 なら接する、 なら交わらない。平面での「円と直線」とまったく同じ判定になっている。

このとき球面が切り取る弦の長さは 。いまは 軸が中心を通るので 、弦は 、つまり直径そのもの。 が から に近づくほど、弦は直径から へ縮んでいく。

答

と

別解

別解:中心を通る直線だと見る(苦手な人向けの視覚ルート)。 軸は原点 を通る。球面の中心も原点。つまり 軸は球の中心を貫く直線だ。

中心を通る直線は球面を「直径の両端」で切る。両端は中心から半径 だけ左右に離れた 点になる。 軸の向きは だから、中心 から だけ進んだ点が交点。

方程式に代入して を解く本解と同じ。中心を通る直線なら、計算しなくても「中心 半径 向き」で両端がすぐ書ける。

ポイント

  • 直線の点を球面の式に代入。
  • の解の個数 = 交点の個数。

よくある間違い

  • から だけを答え、負の解 (交点 )を落とす。
  • 球面の右辺を半径 と取り違え、 などとしてしまう。
  • 交点を という媒介変数の値で止め、 という座標に直さない。

問74点が同一平面上にある条件

★★★ 応用共面

問題

点 、、、 が同一平面上にあることを、ベクトルを用いて示せ。

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同一平面上 ⟺ が と の 次結合で書ける。成分で係数を決められるか試そう。

解答・解説

方針

点 が の定める平面上 ⟺ と表せる( ベクトルの 次結合)。 が求まれば共面。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 点 が の定める平面上にあるのは、 が の 本で表せるとき。

つまり とおけるかどうか。成分を比べて が存在するか調べる。「同一平面 = ベクトルの 次結合で表せる」という言いかえが核だ。

重要点 が平面 上 と表せる

① 次結合とおく。 。

② 成分を比べる。 成分 、 成分 、 成分 (一致)。

と表せるので、 は の定める平面上にある( 点は同一平面上)。

xyz(高さ)2·OA3·OBOPOABP(2,3,0)
3次元空間で、O・A・B・P はすべて高さ z=0 の平面(灰色の床)の上にある。P へは OP=2·OA+3·OB とたどれる ⇒ P はこの平面上 ⇒ 4点は同一平面上

まとめ:点が「 点の定める平面上」にあるかは、 が つの辺ベクトル の 次結合で表せるかで判定。 成分がすべて なので、この 点は 平面上にあると一目で分かる。

発展。 今回は基準点を にとったので、 と、係数 の 本で表せた。この は を目盛りにした「平面内での座標」だ。

基準点が原点でない一般の 点 では、条件はもう少し対称になる。 が の平面上にあるのは、 かつ と書けるとき。

係数の和が という縛りが、「同じ平面に乗る」ことを表している。これはアフィン結合と呼ばれ、三角形の内部を重み付き平均で指す重心座標にもつながる。 点を基準にとる見方と、 点を対等に扱う見方は、この和 の条件でつながっている。

答

と表せる(共面)ので同一平面上

別解

別解: 点を通る平面の方程式を先に決める(得意な人向けの視点)。 次結合を作るかわりに、 を通る平面の方程式を求めて、 がそれを満たすかを見る。

平面を とおく。 点を代入すると

  • :。
  • :。
  • :。

残るのは 、つまり平面 ( で割った)。 の定める平面は 平面そのものだ。 は を満たすので、この平面の上にある。よって 点は同一平面上にある。

を の 次結合で表す本解と同じ結論。「平面の方程式を先に立てて、残りの点を代入する」やり方は、点が 個・ 個に増えても手間が変わらないのが強みだ。

ポイント

  • 共面 。
  • ベクトルの 次結合で表せれば同一平面上。

よくある間違い

  • 「同一平面」を「」や「 が の実数倍」と、共線・零ベクトルの条件に取り違える。
  • 成分比較で 成分だけを見て、 成分の一致()の確認を飛ばす。
  • どんな でも必ず 次結合で表せると思い込み、表せない(共面でない)場合があるのを忘れる。

問8平行四辺形の面積(外積)

★★★ 応用面積外積

問題

つのベクトル 、 を 辺とする平行四辺形の面積を求めよ。

ヒントを見る

つのベクトルが直交していることに、まず気づく。直交する 辺の平行四辺形は長方形なので、面積はただの掛け算になる。

解答・解説

方針

ベクトルが作る平行四辺形の面積は (外積の大きさ)、または 。 なので底辺 × 高さでもよい。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) ベクトルが張る平行四辺形の面積は、外積の大きさ で出せる。

外積を組み立てなくても、 という形でも同じ面積が出る。「面積へは 本の道がある」と構えて、計算しやすい方を選べばよい。

公式平行四辺形の面積

① 外積を求める。 の成分は

② 大きさ(= 面積)を求める。

(別解:(垂直)なので面積 。)

xyOab
a=(2,0,0), b=(0,3,0) が張る平行四辺形は xy平面上の長方形(2×3)。面積=|a×b|=6

まとめ:空間の平行四辺形の面積は「外積の大きさ 」。外積は ベクトルに垂直で、大きさが平行四辺形の面積になるベクトル。 なら単純に でも同じ。三角形ならこの半分だ。

発展。 平行四辺形の面積は とも書ける( は 辺のなす角)。内積が を、外積が を取り出している、と見るとよい。

辺の長さ を固定したまま角 だけ変えると、面積は に比例する。 で となり、面積は最大の 。いまはちょうど直角なので、この最大値を取っている。

逆に 辺が平行()へ近づくと で、平行四辺形はぺしゃんこにつぶれ、面積は になる。同じ長さの 辺でも、直角のときいちばん広く、平行に近いほど狭い。面積は「開き具合」 が握っている。

答

別解

別解:図形として見て長方形の面積で出す(苦手な人向けの視覚ルート)。 公式に入れる前に、 つのベクトルがどんな図形を張るかを見る。

は 軸方向に長さ 、 は 軸方向に長さ の矢印だ。内積は 。つまり 辺は垂直に交わる。垂直な 辺が張る平行四辺形は、ただの長方形。面積は縦 横で

外積 の大きさで出す本解と同じ 。成分に が並ぶベクトルは軸に沿った矢印なので、まず絵にすると、公式を使うまでもなく図形の面積として読めることがある。斜めに交わる一般の場合は本解の外積(または )に戻ればよい。

ポイント

  • 平行四辺形の面積 。
  • でも同じ。

よくある間違い

  • 外積の成分(たすき掛けの差)を取り違え、 の各成分を誤る。
  • 平行四辺形の面積を、三角形の面積(半分)と混同して とする。
  • のときの の近道を、垂直でない一般の場合にも使ってしまう。