数学B / 漸化式と数学的帰納法

漸化式と数学的帰納法 実戦編の問題 全8問

難関大の総合問題。複数の単元を融合した単元横断の演習

難易度: ★ 基礎·★★ 標準·★★★ 応用·★★★★ 難関·実戦編·最難関編

  1. フィボナッチ数列の一般項(ビネの公式)
  2. 隣接する項の比の極限(黄金比)
  3. 2乗して2を引く漸化式の一般項
  4. n個の円で平面を分ける領域の数(漸化式)
  5. メルセンヌ数の最大公約数(漸化式と整数)
  6. 根号の漸化式の極限(単調・有界)
  7. 1・2・3段の上り方(トリボナッチ数列)
  8. 連立漸化式(和と差で解く)

問1フィボナッチ数列の一般項(ビネの公式)

実戦編漸化式特性方程式無理数一般項単元横断

問題

フィボナッチ数列 の一般項を求めよ。

ヒントを見る

の特性方程式は 。 解 で 。 で を決める。

解答・解説

方針

3項間漸化式の特性方程式 を解き、 とおいて初期条件で を決める。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 3項間漸化式 の一般項は、等比数列 を試すのが出発点だ。

を代入すると (特性方程式)。この2解 が「素材の等比数列」になる。一般項は の形。あとは初期条件 で係数 を決めるだけだ。

定理 項間漸化式 の特性方程式 の 解 で

① 特性方程式を解く。 、すなわち の解は ② 一般項の形。 とおく。 を代入(あるいは を使う)して ③ を決める。 に注意して解くと 。よって

まとめ 項間漸化式は特性方程式の 解のべきの線形結合。フィボナッチでは黄金比 とその共役 で (ビネの公式)。整数列に無理数が現れるが、 の項と合わさって必ず整数になる。漸化式・無理数の融合。

発展。 は なので 。だから は に最も近い整数で表せる。同じ「消える項」の構造は、 のようなフィボナッチ恒等式や、リュカ数列(初期値違い)にも共通する。

答

特性方程式 の解 を使い、。

別解

別解:「最も近い整数」で捉える(得意な人向けの高い視点)。 ビネの公式 で、 は絶対値が 未満。だから は が大きいほど に近づく。

つまり は にごく近い。実際、両者の差は なので

たとえば を四捨五入して 。無理数だらけの式が四捨五入ひとつで整数のフィボナッチ数を返す。 という「消える項」の存在が、この便利な近似を保証している。

ポイント

  • 特性方程式 の解が黄金比 とその共役 。
  • 、初期条件で 。
  • (ビネの公式)。

よくある間違い

  • 特性方程式を などと立式し、解 を誤る( から )。
  • 初期条件の添字を取り違える(。 を使うなら定義に注意)。
  • を求めた後、 が分母に残る形を「整数にならないから間違い」と誤解する(各 で の項と合わさり整数になる)。

問2隣接する項の比の極限(黄金比)

実戦編漸化式極限黄金比単元横断

問題

フィボナッチ数列 について、比 の極限 を求めよ(極限の存在は認めてよい)。

ヒントを見る

の両辺を で割ると 。極限 は 。

解答・解説

方針

漸化式を で割って比 の漸化式 を作る。極限 を代入して方程式を解く。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 比 自身の漸化式を作りたい。 の両辺を で割ると、 が得られる。

比だけの漸化式が立った。極限 が存在すれば、両辺で として 。これを整理すると 。正の解が黄金比 だ。

① 比の漸化式。 の両辺を ()で割ると ② 極限の方程式。 とすると、 で として ③ 正の解。 の解は 。 だから 、よって

r₁r₂r₃r₄φ
フィボナッチ数列の比 F_{n+1}/F_n=1, 2, 3/2, 5/3, … は黄金比 φ≈1.618 に近づく

まとめ比の漸化式 の不動点が極限。 を解いて黄金比 。フィボナッチ数の隣接比は黄金比に近づく。漸化式と極限の融合。

発展。 黄金比 は、無限連分数がすべて という「最も単純な」形をもつ。この単純さゆえに は有理数で最も近似しにくい無理数(最も無理数らしい数)とされ、ヒマワリの種の配置や葉序が に関係する黄金角 を選ぶ理由にもなっている。

答

は を満たす。極限 は 、すなわち の正の解 (黄金比)。

別解

別解:無限連分数として読む(得意な人向けの高い視点)。 漸化式 を、代入し続けてみる。

だけが並ぶ無限連分数だ。この値 は自分自身を含む方程式 、すなわち を満たし、正の解 。

しかも は を上と下から交互にはさみながら近づく(、、、)。連分数を途中で打ち切った近似値がフィボナッチ比 そのものだから、比の収束と連分数は同じ現象を見ている。

ポイント

  • で割ると比の漸化式 。
  • 極限は不動点 、すなわち 。
  • 正の解 (黄金比)。

よくある間違い

  • 極限の存在(問題文が認めている)を無視して、 を立てる前に手が止まる。
  • の負の解 を答えに含める(比 なので正の解のみ)。
  • 漸化式を作るとき でなく で割り、 の式にまとまらない。

問32乗して2を引く漸化式の一般項

実戦編漸化式指数閉じた式単元横断

問題

で定まる数列の一般項を求めよ。

ヒントを見る

に注目。 となる を見つける。指数は毎回 倍。

解答・解説

方針

の形なら と指数が 倍になる。 を の形に表して、指数の変化を追う。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 非線形漸化式 は、 を の形で表せると見通しがよくなる。なぜなら で、 乗して を引くと指数が 倍になるだけ。だから最初に となる を見つければ、 は の指数が のべきで増えていく形になる。 だから 。漸化式と指数の融合。

重要( 乗して を引くと指数が 倍)

① を の形に。 。よって とすれば 。

② 指数の変化を追う。 とすると、①の変形で つまり指数 は毎回 倍になる。 で だから、 では 。

③ 一般項。 (検算:。)

まとめ 乗して を引く漸化式は、 の形で指数が 倍になる性質を使う。 から で 。漸化式と指数の融合。

発展。 は で解けたが、 なら とおけて という三角関数の姿になる。(双曲線側)と (円側)の使い分けは、 が より大きいか小さいかで決まる。

答

()とおくと、 の形が保たれ、。

別解

別解:積を望遠鏡にして一般項を確かめる(得意な人向けの高い視点)。 として が答え。この形は積の望遠鏡でも裏づけられる。

を各項に掛けると、 という「差が2倍角になる」関係が使える。これを に順に適用すると

左辺の積が次々に折りたたまれ、右辺だけが残る(望遠鏡)。 を入れると、部分積 の値まですぐに分かる。

「 乗して を引くと指数が倍」(本解)を和の側から見たのに対し、この望遠鏡は積の側から同じ構造を照らす。 が確かに漸化式と初期値に合うことの、独立な検算にもなっている。

ポイント

  • (指数が 倍)。
  • より 。
  • 指数 、。

よくある間違い

  • を の形に書けず( に気づかず)、置換の糸口を失う。
  • の を落とし、指数が2倍になる構造が崩れる。
  • 指数を でなく などと誤り、( で指数 )と整合しなくなる。

問4n個の円で平面を分ける領域の数(漸化式)

実戦編漸化式数え上げ幾何領域単元横断

問題

平面上に、どの つも異なる 点で交わり、どの つも 点で交わらないように 個の円をかく。これらの円が平面を分ける領域の数 を求めよ。

ヒントを見る

個目の円は既存 個と各 点、計 点で交わる。この 点が新しい円周を 個の弧に分け、各弧が領域を つ増やす。漸化式 。

解答・解説

方針

個目の円を追加したとき増える領域数を数える。新しい円は既存の各円と 点で交わり、円周上の交点が円周を弧に分ける。弧の数だけ領域が増える。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 領域の数を直接数えるのは難しい。「 個増やすと領域がいくつ増えるか」を追うのが漸化式の発想だ。

個目の円は既存の 個の円それぞれと 点で交わる。つまり円周上に 個の交点ができる。交点は円周を 本の弧に分け、各弧が既存の領域を1つずつ2分割する。だから領域は 個増える。この増分の漸化式を から解く。

重要 個目の円は既存と 点で交わり、円周が 個の弧に分かれて領域を 個増やす

① 漸化式を立てる。 個目の円は平面を内・外の 領域に分けるので 。 個目()を足すと領域が 増えるから

3個の円(どの2つも2点で交わる)は平面を 8 領域に分ける。a₃=3²−3+2=8。

② 漸化式を解く。

③ 整理する。 (検算:。 個の円で 領域。)

まとめ新しい円が既存と 点で交わり領域を 増やす、という増分から漸化式 。解いて 。漸化式と数え上げ・幾何の融合。

発展。 同じ「増分を数える」発想で、一般の位置にある 本の直線は平面を 個に分ける( 本目が既存の 本と交わり領域を 個増やす)。円は「閉じている」分だけ増分が 倍で、領域数も速く増える。図形が空間を何分割するかは、交わり方の数え上げに帰着する。

答

個目の円は既存の 個と 点で交わり、円周が 個の弧に分かれて領域を 個増やす。、 を解いて 。

別解

別解:オイラーの多面体公式で数える(得意な人向けの高い視点)。 円の配置を「平面のグラフ(頂点と辺)」とみて、オイラーの公式 で領域数 を出す。

  • 頂点 : 円は2つずつ 点で交わるから 。
  • 辺 : 各円は他の 個と交わって 個の交点をもち、円周が 本の弧(辺)に分かれる。全部で 。

オイラーの公式から

( は無限に広がる外側の領域も1つと数えている。)増分を1つずつ足す漸化式(本解)に対し、こちらは頂点・辺・面の総数をまとめて数える。同じ に、まったく別の道から着く。

ポイント

  • 個目の円は既存と 点で交わる。
  • 交点が円周を 弧に分け、領域を 増やす。
  • 、 を解いて 。

よくある間違い

  • 個目の円と既存の交点数を 点とする(2点ずつなので 点)。
  • 増える領域数を交点数でなく弧の数で数える必要があることを見落とす(弧 本 増える領域数)。
  • 初期条件 (1個の円は内外の2領域)を とする。

問5メルセンヌ数の最大公約数(漸化式と整数)

実戦編漸化式整数の性質最大公約数互除法単元横断

問題

とする。 のとき が成り立つことを示し、これを用いて を示せ。

ヒントを見る

を確かめる。すると で割った余りが 。互除法が指数の引き算になり、 に対応する。

解答・解説

方針

を で割った余りを求める恒等式 を作る。指数について互除法(引き算)が回り、指数の に落ちる。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) を、指数についての互除法に置き換えたい。

決め手は割り算の恒等式 だ。 を で割ると、余りがちょうど になる。つまりユークリッドの互除法で指数の引き算 が起こる。指数について互除法を回すと に落ち、 が出る。

重要恒等式 、すなわち

① 割り算の恒等式。 だから よって を で割った余りは (、 より)。ゆえに ② 互除法が指数に対応。 この操作は指数について となり、ユークリッドの互除法(引き算版)そのものだ。互除法を繰り返すと、指数は最終的に に落ちる。

③ 結論。 よって (例:。)

まとめ を で割った余りが 、という恒等式で互除法が指数の引き算になる。回し切ると 。漸化式(互除法)と整数の融合。

発展。 が素数(メルセンヌ素数)になるには 自身が素数であることが必要だ( なら で分解してしまう)。逆は成り立たず、 は合成数。知られている最大の素数の多くがメルセンヌ数の形なのは、この構造と高速判定法(リュカ・レーマー法)があるからだ。

答

(恒等式)から、 で割った余りが 。ユークリッドの互除法が指数の引き算に対応し、。

別解

別解:「」を先に押さえる(得意な人向けの高い視点)。 割り切れる関係を直接使うルートもある。

を等比数列の和とみると、 のとき

と因数分解できる。つまり 。逆に なら割り切れない(余りが )。まとめると

すると が何になるかが分かる。 と をともに割る最大の は、 かつ を満たす最大の 、すなわち に対応する。よって

互除法を回す本解と、「割り切れる条件」を先に確立するこの解。どちらも「指数の整除が、メルセンヌ数の整除に写る」という一点に支えられている。

ポイント

  • で余りが 。
  • (互除法の1ステップ)。
  • 互除法が指数の に落ち、。

よくある間違い

  • 恒等式 を作れず、 を で割った余りが だと示せない。
  • 指数の互除法(引き算 )と、通常の数の互除法を混同する。
  • のとき (互いに素)を、 や別の値と誤る。

問6根号の漸化式の極限(単調・有界)

実戦編漸化式極限単調有界評価単元横断

問題

で定まる数列の極限を求めよ。

ヒントを見る

なら 。単調増加も示せば収束。極限は の解。

解答・解説

方針

帰納法で (上に有界)を示し、(単調増加)を示す。有界単調列は収束し、極限は不動点。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 漸化式 がもし収束すれば、極限 は を満たす。 を解くと (正の解)。

だが「収束すれば」を保証しないと極限は語れない。そこで単調性と有界性を示す。帰納法で各項が 未満(上に有界)、かつ (単調増加)を示す。上に有界で単調増加な列は必ず収束するので、この2つを示せばよい。

重要上に有界な単調増加数列は収束する

① 上に有界()。 帰納法。。 を仮定すると よってすべての で 。

② 単調増加。 のとき 。 より だから 、すなわち 。

③ 極限。 上に有界で単調増加だから収束する。極限を とすると 、 乗して 、、。 だから

a1a2a32
a₁=√2, a_{n+1}=√(2+a_n) の項 √2, … は 2 に近づく(単調増加・上に有界)

まとめ漸化式の極限は「有界+単調で存在を保証→不動点で値を確定」。・単調増加から収束し、極限は の正の解 。漸化式と極限の融合。

発展。 一般項 は、入れ子の根号 が三角関数で書けることを示す。同じ道具でヴィエタの公式 が導け、円周率を根号の入れ子で表す歴史的な無限積につながる。

答

各項は 未満で単調増加(上に有界)。極限 は 、すなわち の正の解 。

別解

別解:三角関数で一般項を書く(得意な人向けの高い視点)。 (半角)から、。これは漸化式 と同じ形をしている。

そこで とおくと、、つまり角が毎回半分になる。 から出発すると 、すなわち

で角 、 だから 。単調有界で極限の存在を示す本解に対し、こちらは一般項そのものを閉じた式で書き、収束を の連続性で言い切る。入れ子の根号 が で表せる、有名な変身だ。

ポイント

  • 極限の候補は不動点 、すなわち 。
  • 帰納法で (上に有界)、そこから単調増加。
  • 有界単調列は収束、で存在を保証してから値を確定。

よくある間違い

  • 不動点 を求めただけで極限と断定する(単調有界による収束の保証が必要)。
  • のもう一方の解 を候補に残す(各項が正だから )。
  • 上界を と示すべきところ、 など誤った上界を立てて単調増加と矛盾させる。

問71・2・3段の上り方(トリボナッチ数列)

実戦編漸化式数え上げ場合分け単元横断

問題

段の階段を、 回に 段・ 段・ 段のいずれかで上る。上り方の総数 が満たす漸化式を求め、 を求めよ。

ヒントを見る

最後の 歩に注目。 段なら残り 段、 段なら 段、 段なら 段。 の漸化式は つ前まで。

解答・解説

方針

最後の 歩が 段・ 段・ 段のどれかで場合分け。それぞれ残り 段の上り方に帰着し、和が漸化式。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 段の上り方を、最後の1歩で場合分けするのが漸化式の常道だ。

最後の1歩が 段なら、その前は 段を上っている。 段なら 段、 段なら 段。この3つは重ならず、全体を覆い尽くす。だから (トリボナッチ数列)。初期値 から順に計算する。

① 漸化式を立てる。 最後の 歩で分けると ② 初期値。 ()、()、()。

③ 順に計算。 よって 。

まとめ最後の 歩( 段)で場合分けすると (トリボナッチ)。 から 。漸化式と数え上げの融合。

発展。 上れる歩幅を に限るとフィボナッチ、 でトリボナッチ、 でテトラナッチと、 種類なら「直前 項の和」の漸化式になる。歩幅の種類が増えるほど場合分けの項が増え、数列の増え方も速くなる。カウント問題は「最後の1手」で場合分けする、が共通の型だ。

答

最後の 歩(1・2・3 段)で場合分けすると 。 から 。

別解

別解:直接「 の順序つき和」を数える(苦手な人向け)。 段の上り方は「 を並べて合計 にする並べ方」の数だ。使う段数の組(何を何回使うか)で分類して数える。

  • を 回: 通り
  • を 回・ を 回: 通り
  • を 回・ を 回: 通り
  • を 回: 通り
  • を 回・ を 回: 通り
  • を 回・ を 回・ を 回: 通り
  • を 回: 通り

合計 通り。漸化式(本解)の と一致する。漸化式は速いが、この直接数え上げは「なぜ か」を具体的に見せてくれる。組の数え落としがないか、漸化式の答えと突き合わせて確かめられるのも利点だ。

ポイント

  • 最後の 歩(1・2・3段)で場合分け。
  • (トリボナッチ型)。
  • から 。

よくある間違い

  • 最後の1歩を「1段だけ」で場合分けし、 段・ 段の場合を落とす(3項の和になる)。
  • 初期値を誤る(。 は の4通り)。
  • の計算で1つ前の値を足し忘れる()。

問8連立漸化式(和と差で解く)

実戦編漸化式連立漸化式対称性一般項単元横断

問題

、 で定まる数列 の一般項を求めよ。

ヒントを見る

式を足すと 、引くと 。和と差の等比数列を解き、 に戻す。

解答・解説

方針

つの漸化式を足すと の等比漸化式、引くと の等比漸化式になる。それぞれ解いて、和と差から を復元する。

解答

⓪ 発想(どう考え始めるか) 2つの漸化式が を混ぜ合っている。混ざった2つの数列を分けるときによく使うのが「和」と「差」だ。

2式を足すと となり、和は公比 の等比数列になる。引くと となり、差は一定である。和と差が別々に解ければ、 で復元できる。連立を「独立な2つ」に分離すれば解ける。

① 和と差の漸化式。 式を足すと 引くと ② それぞれ解く。 。よって ③ 復元する。 和と差から (検算:、。)

まとめ連立漸化式は和と差を作ると等比数列に分離する。 は公比 、 は一定。復元して 。漸化式(連立)と対称性の融合。

発展。 差 が一定なのは、行列 が固有値 をもつから。固有値 の方向(ここでは差)は「保存量」になる。物理でも、時間発展の行列が固有値 をもつと保存則(エネルギーや運動量の保存)が生じる。連立漸化式の保存量はその数学的な原型である。

答

和 は公比 、差 は公比 (一定)。 から 。

別解

別解:行列の固有値で対角化する(得意な人向けの高い視点)。 漸化式は行列で

と書ける。この行列の固有値は から 。固有ベクトルは、 に 、 に 。つまり「和 」は 倍ずつ()、「差 」は変わらず()。

「和と差で解く」(本解)がうまくいったのは、この行列の固有ベクトルが と だったからだ。連立漸化式を対角化の目で見ると、なぜ和と差がうまくいくのかが分かる。

ポイント

  • 式を足す・引くで和 ・差 の等比数列に分離。
  • (公比 )、(一定)。
  • 復元して 。

よくある間違い

  • 2式を足す・引くの操作をせず、片方を代入して1つの3項間漸化式にしようとして煩雑になる。
  • 和 の初期値を誤る(、公比 で )。
  • 差 が一定()であることを使わず、 を復元できない。