方針
f(x)=x3−3x+1 とおく。f は連続。両端の符号 f(0) と f(1) を調べ、異符号なら中間値の定理より間に解がある。
解答
⓪ 発想(どう考え始めるか) 「解が存在する」ことを、解を求めずに示すには中間値の定理。
f(x)=x3−3x+1 は多項式なので、すべての x で連続。連続な関数が、区間の両端で符号が反対(f(0) と f(1) が異符号)なら、途中で必ず 0 を通る。だから両端の値 f(0),f(1) の符号を調べる、と見通す。
定理中間値の定理:f が閉区間 [a,b] で連続で f(a) と f(b) が異符号なら、(a,b) に f(x)=0 の解がある
① 関数をおく。 f(x)=x3−3x+1。多項式だからすべての x で連続。
② 両端の符号。
f(0)=0−0+1=1>0,f(1)=1−3+1=−1<0
f(x)=x³−3x+1。f(0)=1>0、f(1)=−1<0 で符号が変わり、(0,1)で x 軸を横切る
③ 中間値の定理を適用する。 f は [0,1] で連続で、f(0)>0、f(1)<0 と異符号。よって中間値の定理により、0<x<1 の範囲に f(x)=0 となる x が少なくとも 1 つ存在する。(証明終)
まとめ:解の存在は「連続 + 両端が異符号 → 中間値の定理」。f(0)=1>0、f(1)=−1<0 で符号が変わるので、(0,1) にグラフが x 軸を横切る点(=解)がある。解を求めずに存在だけを言える、役に立つ定理だ。
発展。 じつはこの 3 次方程式は三角関数で解ける。x=2cosθ と置くと、3 倍角から x3−3x=8cos3θ−6cosθ=2cos3θ。
だから方程式は 2cos3θ+1=0、すなわち cos3θ=−21 になる。(0,1) の解は θ=94π に対応し、x=2cos94π≈0.347。3 つの実解 2cos92π,2cos94π,2cos98π が、この形で書ける。中間値の定理は「存在」だけを言うが、実際の解は三角関数で表せる。
答f(x)=x3−3x+1 は連続で f(0)=1>0、f(1)=−1<0。中間値の定理より (0,1) に f(x)=0 の解がある。証明は解答参照
別解
別解:符号の変化から 3 つの解を数える(得意な人向けの視点)。 同じ中間値の定理を、いくつかの区間に広げて使うと、この方程式が実は 3 実解をもつと分かる。
いくつかの整数で符号を調べる。
f(−2)=−1<0,f(0)=1>0,f(1)=−1<0,f(2)=3>0.
符号が −,+,−,+ と 3 回変わる。中間値の定理を各区間に使うと、(−2,0)、(0,1)、(1,2) にそれぞれ解が 1 つずつある。3 次方程式の実解は多くても 3 個だから、これでちょうど 3 個すべて。問われた (0,1) の解はそのうちの 1 つ。
1 つの区間だけ調べる本解を、複数区間へ広げた形。符号の変化を追うと、存在だけでなく「解が何個・どこにあるか」まで分かる。
ポイント
- f(x)=x3−3x+1 は連続。
- f(0)=1>0、f(1)=−1<0 → 中間値の定理で (0,1) に解。
よくある間違い
- f の連続性に触れずに中間値の定理を使う。
- 両端の値の符号計算(f(1)=1−3+1=−1)を誤る。
- 「解はちょうど 1 つ」と結論する(中間値の定理は存在を言うだけで、個数は別に調べる)。